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2019.05/19 二軸混練機の回転数

二軸混練機の回転数を上げると吐出量はそれに伴って増加する。しかし、スクリューセグメントの工夫である程度はその増加率を制御できる。

 

吐出量を抑えて回転数を上げると混練が進むと考えがちであるが、コンパウンドの基本機能を評価しタグチメソッドを行ってみると、単純に回転数と一次相関しない場合がある。

 

ひどい時には、上に凸のグラフになったりする。これは、回転数を上げても混練効果が上がらなかったためである。

 

タグチメソッドでは、制御因子について幅広く振るように指導されるが、二軸混練機では、自分が使用したい回転数の範囲で振ったほうが良い。このようにすると一応は増加関数的になる。

 

しかし、配合処方によっては、それでも線形性が崩れて、その結果に悩むことがある。この場合にはスクリューセグメントを剪断流動重視にして組んでみることだ。単位時間当たりの吐出量は減るが、回転数に対して増加関数的になる。

 

剪断流動重視では無機フィラーの分散が、とか、ポリマーの切断が起きるのではないかとか、いろいろ不安が出てくる。二軸混練機は意外と使い勝手が悪い混練機であり、ロール混練が優れたプロセスであることを気づかせてくれるが一台当たりの生産性が悪い。

 

中間転写ベルトの開発を担当したときに最初はロール混練やバンバリーミキサーを使ってコンパウンドを混練し、あたりをつけてからカオス混合装置を開発している。これは混練機を扱うときのノウハウかもしれない。

 

ロール混練機は小平製作所がよいものを持っている。たかが二本のロール、と見ていてはいけない。二本のロールであるがその奥は深い。カオス混合装置も小平製作所と性能アップを図ってきたが、6月の講演会で説明する。

カテゴリー : 高分子

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