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2019.06/18 高分子のプロセシング技術(2)

ここでは、高分子のプロセシング技術の難しさをセラミックスのプロセシングと比較しながら説明する。

 

セラミックスでは、0.5μm未満の粉末を成形に必要な添加剤といっしょに混合後、製品の形状に近い成形体(この密度は原料に全く空隙が含まれない場合の65%以下となる。)に加工する。

 

これを高温度の炉の中に入れて焼結という反応を行う。焼結では、サブミクロンの粒子が成長しながら緻密化してゆく。粒成長と緻密化が同時に起きて成形体密度は理論密度の90%以上に達する。

 

焼結されたセラミックス成形体の概略ミクロ構造について、金属やSiCなど一部の無機材料で粒界相が存在しない場合もあるが、粒界相は結晶をつなぎとめるノリの様な働きが主な機能である。

 

この構造サイズを説明すると、茶碗や衛生陶器では、結晶の大きさは不揃いで数10μmから100μmまで達する場合もある。

 

しかし、SiCやSi3N4などのエンジニアリングセラミックスでは、10μm前後あるいはそれ以下に制御された構造となる。

 

ホウ素とカーボンを添加したSiC配合物から製造した成形体のミクロ構造では、棒状に見える組織は6h型平板結晶の断面として見える。

 

原料のSiC粉末の平均粒径は、0.1μm前後であり、これが10μm前後の結晶まで成長している。

 

また、この成形体では、粒界相の有無が1980年代に議論されている。研究の結果、結晶と結晶の界面にはホウ素の存在だけが確認され粒界相は存在しないと結論された。ホウ素とカーボン以外の配合によるSiC成形体では粒界相が見つかっている。

カテゴリー : 高分子

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