活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2019.06/28 高分子のプロセシング技術(9)

日本語では微粒子が集まると粉体と呼んでいるが、英語では粒子の凝集体について、そのサイズにより呼び方が異なっている。

 

粒子の一個一個は、primary particleと呼び、これは一次粒子と日本語で訳される。この一次粒子が集まると日本語では凝集体であるが、英語ではaggregates(アグリゲート)とagglomerates(アグロメレート)に分かれる。

 

さらに溶媒中でアグロメレートは、粒子が十分に濡れ凝集体の中に全くボイドを含まないflocculation(フロキュレーション、凝集)となり、一次粒子が十分に溶媒に濡れて分散した状態までdispersion(ディスパージョン)する。

 

粉体の分散に関して、日本語よりも英語のほうが現象を表現する言葉が多い。それゆえ、実務の現場でもアグロメレートがフロキュレーションを起こし、しばらくしたらディスパージョンした、などといった会話が飛び交い門外漢には理解できない場合がある。

 

しかし、これはこの分野における短い日本語表現が無いためで仕方がないことである。

 

また、湿式粉砕では、一次粒子と溶媒との濡れという現象が重要で、一次粒子の表面が十分に濡れるようにするために界面活性剤の添加も湿式粉砕で行われる。

 

この時、焼結で必要な助剤と呼ばれる添加剤も同時に添加し、超微粉砕と混合が同時に進められる。

 

ここで注意しなければいけない現象がある。粉砕には、体積粉砕と表面粉砕の2つの現象がセラミックス分野で知られている。ところが、混練の教科書にこの問題が取り上げられていない。これは、混練でも起きる現象である。

 

カテゴリー : 高分子

pagetop