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2019.08/13 科学の成果

現代の生活の便利さは科学の進歩のおかげではあるが、身の回りの製品や医学がすべて科学の成果と言うのは誤解である。

 

例えば、ノーベル賞を受賞したヤマナカファクターは、阿弥陀くじ方式で発明された技術の成果である。

 

DNAの解析や生命の解析の成果は科学の成果と呼べるものが多いが、それでもヤマナカファクター発見だけを捉えれば、それは技術開発という行為の成果である。

 

24個の遺伝子を一度に細胞へセットした学生の掟破りの実験やその後のあみだくじ方式によるヤマナカファクター発見の手順は、科学ではありえない考え方である。

 

身の周りの豊かさの成果はすべて科学のおかげと考えていると、このような発明をすることができない。

 

かつてゴム会社の研究所は科学こそ命という風土だったが、80%近くを占める製品の開発部隊は、KKDも飛び出す技術重視の風土だった。

 

ところが転職してびっくりしたのは、科学こそすべてと言う考え方の会社で技術の方法論が否定されるような風土だった。しかし、そのような風土でもタグチメソッドは普及した。

 

故田口先生が科学的にご指導された結果であるが、SN比の説明を科学でできたとしてもタグチメソッドは技術の優れた方法論の一つである。

ゆえにタグチメソッドを用いた成果は、科学の成果と言うよりも技術の成果である。基本機能を難しく感じるのは、科学と技術の違いを意識しないためと思っている。

カテゴリー : 一般

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