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2020.03/03 ウィルスのシミュレーション

今回の新型コロナウィルスの感染についてクラスター生成のシミュレーションがワイドショーなどでたびたび登場している。

 

このクラスター生成シミュレーションについては、計算方法の説明を聞く限り、山火事の広がりについて1950年代に数学者たちが議論していた浸透理論の応用と思われる。

 

浸透理論とはコーヒーのパーコレーター由来の名前、パーコレーションとも呼ばれているが、絶縁体の高分子に導電性粒子を分散し半導体材料を開発するときに観察されるパーコレーション転移がよく知られている。

 

当方はウィルスの感染についてこのシミュレーションにより考察することに対しどうこう言うつもりはないが、今回の起きている現象についてシミュレーションで考察するまでもないと思っている。

 

なぜなら飛沫感染を防ぐためには、保菌者を見つけては隔離し、非保菌者を可能な限り「塊」(クラスター)とならないようにばらけることが当たり前であり、それを社会でどのように実現するのかが一番の問題となるからである。

 

これまでの経験から対策の方向は見えているだけでなく、北海道について現在発見されている感染者の10倍という予測が専門家会議から出されているので対策を急ぐことこそ重要である。

 

今回学校を休校することに関し、反対意見や懐疑的な意見が出されたが、社会における大きな「塊」を解消する、という観点で政府の要請は間違っていない(注)。

 

今回のウィルスは子供への感染は軽微だから的外れな要請だという意見もあるが、ウィルスの人類への影響がインフルエンザほど解明されていない現状では、子供をまず守るという発想が重要となってくる。

 

ウィルスは、人類のDNAに大きな影響を与えていることが明らかになっているからだ。子供を守る対策については急ぐべきである。

 

この政府の唐突な要請に対して今なすべきことは、学校の休校だけでなく、社会における「人の塊」を可能な限り、無くす努力を国民がすることである。

 

飛沫感染がメカニズムであるとわかっているので、一定期間人の塊ができないようにすれば沈静化できるはずだ。

 

特にSARSと異なり、無症状の人でも発症者と同じ量のウィルスが検出され誰が感染者かわからない状態である。

 

ゆえに一定期間塊の無い状態を作りだし、感染者が減少してゆくようにしない限り、感染者は増え続けることになる。

 

科学的に難しく考えなくてもドッジボールや鬼ごっこの経験があればすぐにこれを直感で理解できる話だ。

 

現象に対し、科学的に解析することは大切であるが、対策が急がれる場合に、直観が正しい方向あるいは機能を約束すると経験的に納得できるのであればそれを実行すべきという判断は重要である。

 

武漢の状況を見る限り、対策の遅れは診療体制の破壊を招く。政府の要請は大きい効果があるかどうかは不明であるが、未来を考慮した場合には対策として間違っていない。

 

(注)子供の健康は第一である。その次に大切なのは、公教育である。しかし、今回の政府の対応をめぐる議論で、この二つがないがしろにされ、子供の面倒を見る問題や、子供の感染率は低いという議論がなされたのにはびっくりしている。見かけ上子供の被害は少ないが、ウィルスの脅威はまだわからないことが多い。子供の健康を守るのは大人の責任である。健康と、授業を二週間無くすことの議論が行われるなら納得できるが——

カテゴリー : 一般

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