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2020.03/20 ホスファゼン変性ポリウレタン(2)

ホスファゼンは当時先端素材であり、ホスファゼンのジアミノ体とイソシアネートとの反応物は、正真正銘の新規化合物だった。

 

1990年に当時の研究結果をアメリカの学会誌へ投稿しているが、フルペーパーで簡単に掲載されている。分析データもゴム会社の分析チームが行っており完璧で研究内容も新鮮さを失っていなかった。

 

またこのころ、臭素系の難燃剤の開発競争が激しくなってきた時代であり、環境にやさしいホスファゼン変性ポリウレタンは、世界初であると同時にそれなりの価値を持っていた研究だった。

 

だから1980年では発泡反応と重合反応とのバランスをどのようにとるのかといった研究データなど無かった。ホスファゼンの反応に関する研究でさえこの研究の3年後に発表されている。

 

ゆえに、すぐに発泡反応とのバランスをとることをやめて、重合反応だけ完璧に進行する条件を見出し、変性量と極限酸素指数との関係を求める研究に切り替え、指導社員から指定された日に目標を達成したグラフを提出している。

 

すなわち、機能がうまく働いているのかという点だけに着眼し、開発を進めたのだ。この時の体験で、科学で開発を進める手順以外に、機能の最適化を進める手順があることを開眼している。

 

科学では、真理が一つであることが重要で論理学を完璧に用いてそれを示すことが求められる。その時の推論の進め方は前向きとなる。

 

分析や解析業務では、これは合理的なプロセスを約束する。すなわち、分析結果が真理であることと同一となるからだ。

 

しかし、モノを創るときには、科学的に真理であることと求めるモノとが一致するとは限らない。これは明日エジソンの弟子の失敗による大成功を事例に説明する。

カテゴリー : 高分子

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