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2020.07/19 ノウハウ

高分子に機能を付与するために添加剤を添加する。その結果、添加剤のブリードアウトの問題や添加剤の可塑化効果で弾性率の低下に悩まされたりする。

 

そのために配合設計技術が重要になってくる。ゴムや樹脂における配合設計技術は各社各様である。

 

そもそも市場品質の考え方も様々で、JIS規格が決まっていても独自評価技術を採用している企業もある。

 

例えば、DSCの測定条件について、昇温速度は20℃/minとJIS規格に書かれているが、TGAの測定結果と同時に比較したい時には、DSCの測定条件は10℃/minとしたほうが良い。

 

理由は、TGAの測定条件として昇温速度20℃/minは早すぎるからで、両者のデータを比較したいならば10℃/minの昇温速度で揃えて測定した方が好ましい。

 

TGAとDSCのデータを比較するときに昇温速度を揃える必要があるのは、それぞれの測定結果が昇温速度の影響を受けるからである。

 

熱分析を事例に、JIS規格が決まっていても独自評価法が生まれる状況を書いてみたが、熱分析において昇温速度の影響があることを知らない人には訳の分からない説明となる。

 

同様に独自評価法を社外の人が知ってもわけのわからない評価法に見えることがある。ノウハウとはそのようなものである。

 

カテゴリー : 高分子

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