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2021.05/26 ブルース、ロック、ジャズ

黒人の考案したブルースからジャズやロックが生まれた現代音楽の歴史は定説になっている。ゴスペルとか他の音楽について詳細は専門誌に任せるが、「ジャズとロックのルーツが同じブルース」という事実は興味深い。

ここでいうところのブルースは演歌の柳ケ瀬ブルースとか淡谷紀子の**ブルースとは異なる、ミシシッピージョーンハーツなどのギター演奏による黒人音楽として知られるブルースである。

単純な4拍子のブルーノートの旋律による音楽は、独特の響きが存在する。1980年前後に中村とうよう氏が仕掛けて日本でブルースのブームが起きている。当方も彼の監修による古いブルースのレコード復刻版を数枚持っているが、改めて聞き直すとロックとジャズがブルースのそれぞれの特徴を発展させたものだと気がつく。

ロックは、ブルースの明確なリズムとコード進行に着目し、8拍子や16拍子のリズム音楽として発展させたものと見ることができ、ジャズは4拍子のリズムの中でアドリブ的にコードを展開する面白さを発展させたものと捉えることができる。

すなわち、ブルースを聞いた白人がその音楽の特徴について興味や関心を持った側面を発展させてそれぞれの音楽が新たに生みだされた過程は、現象の中から新たな機能を取り出し発明を行う時の参考になる。

さらに、それぞれの音楽ジャンルでメロディーラインが同じ曲を演奏しても異なる楽曲に聴こえたりする事実がある。具体的には、ベートーベンの「運命」をN響の演奏で聴いた場合と寺内タケシの演奏で聴いた場合では、感動の中身が異なる。

当方が申し上げたいことが何となく伝わっただろうか。営みの中における知には暗黙知のように具体的に説明できない知が存在する。音楽は暗黙知のようなもので、クラシック音楽などは指揮者の解釈次第であり、指揮者が変ると同じ曲でも異なって聞こえたりする。

形式知だけで考えていると皆同じようなアイデアしか出ないような隘路に入った場合に、少し視点を変えて、といってもどのように視点を変えたらよいのか、と言うことを本日は伝えようとしている。当方は、アイデア会議の一つの運営方法として言葉で書くのではなく、漫画やイメージで表現する方法を提案したい。


写真学会から賞を頂いたゾルをミセルに用いたラテックス重合技術のアイデアは、当方がホワイトボードに書いた下手な絵がメンバーの暗黙知を刺激して生まれている。ブルースを聞いてジャズを生み出す人もいればロックを生み出す人もいる。技術開発に役に立つ事実である。

カテゴリー : 一般

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