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2021.07/28 マテリアル・インフォマティクス(7)

材料に関する多量のデータから知を取りだすためには多変量解析が有効である。シミュレーションと多変量解析とを組み合わせる手法もある。多変量解析とマハラビノスタグチメソッドとどちらを使うのか、については、すなおに多変量解析を用いた方がアイデアを練りやすい。


理由は材料に対する経験知を用いることができることと、データの癖に振り回されないためだ。ここでデータの癖とは、サンプル集団が何らかの理由である偏りをもっているサンプリングがなされた場合に隠れてしまう情報がある、と言う意味である。


例えば既存の公開されたデータを使う場合には、その時間における形式知と経験知で集められたデータを用いることになる。高分子科学に限って言えば、複雑で未だ解明されていない現象が存在するので完璧なランダム状態のサンプリングが難しい。


例えば混練プロセスであれば、溶融温度近辺で混練している場合がほとんどであり、剪断混練やカオス混合が行われた樹脂データはほとんど無い。すなわち二軸混練機による剪断混練やカオス混合で改良される物性データが存在しないか極めて少ない条件のサンプリングしか公開データからではできない。


ましてや配合設計に関して全く新しいコンセプトで行われたデータなど存在しないのでどうしてもデータ群にそれら新技術の入っていない癖が残ることになる。


このような問題を理解すると、何らかの新しいコンセプトにより材料を創り出そうと考えたときにマテリアルインフォマティクスでは、いちばちということになる。もう少し気の利いた方法はないのか、と思われた方は弊社にご相談ください。


なお、弊社のホームページに多変量解析でもよく使用する主成分分析と重回帰分析の解析ソフトウェアーを公開している。現在使用料は無料であるが使用した結果については弊社は責任を負わないし、使用した履歴も何も残らないように配慮している。弊社では使用した結果発生した問題点の問い合わせを期待している。

 

カテゴリー : 一般

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