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2021.08/10 オーディオ業界に学ぶ(1)

1950年代後半から白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫が三種の神器として宣伝された。1956年の経済白書には「もはや戦後ではない」と書かれたりしたが、当方の近所には名古屋大空襲の爆撃により壊れた工場の跡地がまだそのままだった。


1964年に開催された東京オリンピックではカラー放送が行われるということで、「オリンピックをカラーで見よう」と、三種の神器は3C(カラーテレビ、クーラー、カー)に変わった。


その後1960年代にステレオ再生装置が発売され、高度経済成長の真っただ中1970年代中ごろにはセパレートステレオがブームとなる。ただ、3Cのような大衆のあこがれではなく、3Cを揃えた家庭の次の目標として販売された。すなわち贅沢品としてである。


中産階級は、音楽が趣味でない人までこのセパレートステレオを購入したので、オーディオ業界はさらに高級品を開発する競争にはいった。セパレートステレオよりも性能の良いオーディオ製品がどんどん開発され、ステレオセットはコンポーネントステレオと呼ばれる時代にはいった。


すなわち、それまでチューナー、アンプ、スピーカー、レコードプレーヤーがワンセットとなっていたセパレートステレオとは異なり、これらをばらばらにあたかも部品のように販売したのだ。


こうすることにより、消費者はより性能の良いステレオセットが欲しければ、財布と相談の上性能を上げたい部品を購入することができた。当初周辺装置はレコードプレーヤーだけで、38cm2トラックテープデッキは一部マニアの商品だった。


カセットテープが発明されると、マニア以外もテープデッキを購入するようになった。アンプは真空管ではなくトランジスターアンプが主流となり、真空管アンプは一部マニア向けになり、価格が跳ね上がっていった。


すなわち、オーディオアンプは5-10万円の価格帯商品と20万円以上の天井知らずの価格帯商品とに分かれたのである。同様にスピーカーやレコードプレーヤ、テープデッキ、チューナーも普及品とマニア向け高級品とに分かれていった。


 

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