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2021.09/04 オーディオに学ぶ(9)

オーディオの市場は音楽を楽しむ人で構成されていると思われる。昔はエジソンの発明による蓄音機が商品としてあった。当方が小学校に上がる前に手巻き式蓄音機を倉庫で見つけ遊んだ記憶がある。


小学生になった時にコロンビアのステレオを父親が購入してきた。高校生の時にはOTTOが勉強部屋に置かれた。義兄からのおさがりであるが深夜放送をそれで聴いていた。大学に進学後はサイモンとガーファンクルはじめフォーソングやブルース、ジャズのレコードを月に数枚購入し聞いていた。


ちょうどこのころがオーディオブームの始まりで、STEREO誌はじめオーディオ専門誌が多数登場するとともに、長岡鉄夫はじめオーディオ評論家が多数現れた。そして彼らがオーディオ業界をけん引していった。


オーディオ市場にはもう一つ、ビートルズの来日で火がついたエレキギター関連の市場が存在していた。オーディオ市場は大別すると演じる側と聴く側の市場が存在し、演じる側はプロ用機器として存在していた。聴く側の市場がホームオーディオ市場であり、これが急激に縮小化したのだが、演じる側の機器は昔ながらの規模で存在している。


聴く側の市場は、若者についていえば携帯電話に置き換わったように思われる。その他は高級オーディオである。ポータブルステレオも一部商品として存在しているが、家電店に行ってもそれを展示していない店舗も存在する。


今もステレオ誌が存在し、そこに紹介されている新製品を身近の家電店に行っても展示されていない。秋葉原にあるオーディオ専門店に行かなければ見つからない状態だ。


ところが驚くべきことに4-5000円程度の高性能デジタルアンプが秋葉原のオーディオ専門店以外で販売されている。これをネットで調べてみると、アマゾンでも扱っており、おそらく若い人はこの安価なデジタルアンプにスピーカーをつないでスマホで音楽を楽しむ生活をしている可能性がある。


すなわち、オーディオ機器の販売チャネルだけでなく機器そのものもDXの流れの影響を受け、市場が大きく変貌しているのにオーディオ業界がそこへ対応できていない可能性がある。


昔ながらの音楽を聴いて楽しむ層は今でも存在するが、高くなってしまったオーディオ製品など切り捨てて、安価に音楽を楽しむ手段を模索した結果、安価なデジタルアンプに安価な高性能自作スピーカーを接続して楽しむスタイルに変わったのかもしれない。



しかし、演じる側の機器については、少し大きな楽器店に行くと昔のように商品が展示され、お茶の水で数店ウィンドウショッピングをすれば売れ筋商品がわかる。すなわち、それなりの昔ながらの規模の市場が維持されているようだ。

カテゴリー : 一般

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