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2021.09/08 ギターの練習用アンプ

20年前、ギターの練習用環境に変革をもたらしたのは、LINE6のPODである。多数のエフェクターやアンプシミュレーターを一個のチップで行っていたPODは信号の遅延が指摘されていたが、練習用機器としてだけでなく音色コントロールが容易で、新しい音色を出すことも可能となったので、そのままステージで活用していたミュージシャンもいた。


このような商品が投入されたにもかかわらず、練習用アンプとして真空管アンプがいいとか、やはりスピーカーは10インチ以上欲しい、とか古くからのユーザーの議論があり、各社それを満たすための様々な機能の製品を市場に投入してきた。


PODの成功はDXの始まりであったが、この数年5インチ前後のスピーカーを2個搭載した練習用アンプが主流になりつつある。安いものでは3万円前後から購入でき、そのスペックに記載された機能の豊富さを見ると大変コストパフォーマンスが高い。


この安価で小さなスピーカーがどれだけすごいのかは、音だけでなく実際に使用してみると理解できる。すなわち20年前のPODとアンプ、スピーカーを合体した機能を越える製品だからである。当時PODは5万円前後していたので、道具をすべてそろえるのに10万円前後かかったのに、それが今では3万円程度で1式入手でき、さらにコンパクトだからヒットするのは当然である。


これを可能にしたのはデジタル技術である。すなわち、音の制御をすべてコンピューターで行い、増幅もデジタルアンプで低コスト(今50Wのデジタルアンプは2000円前後で手に入る)である。


音の制御をコンピューターで行っているから、ソフトウェアーのアップデートによりコストをそれほどかけなくても機能アップが可能である。最先端の機器ではスマホと接続しコントロール可能で、さらにお気に入りのプロのミュージシャンのアンプやエフェクターのセッティングをすぐに試すことができる。


さらにクラウドを活用したアップデートはアジャイル開発を可能とするので、新規参入も超スピードで可能となっている。これがDXの怖いところである。音楽用機器とホームオーディオ機器の垣根がなくなるかもしれない。


オーディオ市場は、20世紀型の市場は高級嗜好品に追いやられ、DXにより魅力的な商品が多種類登場している市場とみることができる。オーディオ市場はシュリンクしたのではなく、DXにより多種多様化したのではないか。安価なTVにオーディオ機能満載の商品が出てきても良いように思う。

 

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