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2021.11/29 高分子材料のツボ(14)

フックの法則は、バネに力を加えると歪が正比例の関係で変化する、という法則である。ただしこの時バネに大きな力を加えると正比例の関係から崩れる。正比例の関係が成り立つ領域を線形領域と呼び、そこから外れた場合には非線形領域と呼ぶ。


金属のバネでは線形領域が大きいが高分子は狭い。さらに架橋したゴムと樹脂では、架橋したゴムの方が線形領域は広い。これについて、頭に組み紐が思い浮かんだ人はすぐに理解できるかもしれない。


すなわち、高分子材料では、分子の一次構造の方向に動きやすいので、分子どおしが架橋されていない場合に滑りが生じ線形領域が狭くなる、とすぐに理解できる。また、加硫ゴムよりも樹脂のバネばかりの方が壊れやすいことも理解できる。


また線形領域でバネばかりとして使っていても、金属よりも高分子材料のバネばかりは緩和速度が速いので、線形性が崩れるのが早くなることを容易に理解できる。


クリープとは物質に一定の外力を加えることにより変形(歪)が進行する過程を言う。また応力緩和とは、物体に一定の歪を与えることにより生じた応力が低下する過程を言う。高分子材料の力学物性を考察するときに緩和速度を意識することは重要である。


また応力をかけて一定歪を与えたときに応力が初期の1/eになる時間を緩和時間と称するがこうした用語も現象と結び付けて正しく記憶しておくことは品質問題の解決にあたる時に役立つ。

カテゴリー : 一般 高分子

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