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2022.04/20 ゴムの耐久性

加硫ゴムと樹脂では耐久性が異なるような感覚を持っている技術者は多い。脆性破壊する樹脂が多いためにそのような感覚になるのだろう。


また、当方は14年間気にいった車に乗り続けたが、その間にタイヤを一度も交換しなかった。5万kmも乗らなかったのでトレッドも摩耗しなかったためだが、ゴムの耐久性の高さに驚いた。似たような体験をした人もいるかもしれないが、感覚的にゴムの耐久性は高い。


しかし、ゴムと樹脂の期待されている機能に着眼すると、耐久性が材料の機能により異なる点にあることに気がつく。言い換えれば、単純にゴムと樹脂の耐久性の差を論じることはできない。


このことに気がついていないと、時間温度換算則を活用した耐久性試験を実験室で行い、そこで得られた耐久寿命を鵜呑みにして失敗するリスクが高い。


ゴムでも信頼性の低い材料設計を行えば耐久性は低くなり、樹脂でも信頼性の高い設計を行えば耐久性は高くなる。すなわち、材料の耐久性は、機能のばらつきの分布が故障分布に重ならないように安全率高く設計されているかどうかに依存する。


タグチメソッドはそれを実現できる手法の一つだが、一般には信頼性工学を導入して材料設計を行えば耐久性の高い材料を開発可能である。

カテゴリー : 一般 高分子

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