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2022.04/21 朝日生命体操クラブ撤退

体操クラブの名門朝日生命体操クラブが撤退するそうだ。同社は1974年に朝日生命がスポンサーとなり体操クラブを発足し、東京都内を拠点に体操選手育成に尽力してきた。


元オリンピック選手塚原光男氏と千恵子氏夫妻が指導者となり、半世紀にわたり数々の実績を残してきたが、一方でこの20年夫妻に権力が集中したために発生する問題が絶えなかった。


一時期息子の直哉氏が総監督についたが、今は再度ほとぼりが冷めたと判断した光男氏が代表についている。問題が起きるたびに、この夫妻のリーダーとしてふさわしくない発言に注目していた。


今回の撤退では、千恵子氏は「もう体操界、嫌になっちゃいました。権力なんて欲しくない」と答えたそうである。


実績のある体操クラブで、現在も750人の生徒を抱えるそうだが、リーダーがこのような感覚では撤退するかリーダーを交代するしかないだろう。


夫妻が一生懸命努力されたことは、92年バルセロナ大会における小菅麻里選手や08年北京大会の鶴見虹子選手の活躍を見ればわかる。


しかし、強引な他クラブからの引き抜きが問題視されてから、低迷し実績を残せなくなったことから、夫妻の努力のベクトルをうかがい知ることができる。


もし、本当に体操界のために誠実真摯な貢献にベクトルが向いていたなら、おそらく問題を起こさなかっただろうし、もし、ベクトルの向きに間違いを感じたならば、もっと早くそれを修正し、問題の発生を防ぎ、クラブを存続できたのかもしれない。


ドラッカーは、リーダーの誠実さと真摯さの重要性を説き、大切なのは社会に貢献する事業だと述べている。これを正しく理解し、常にリーダーたるものは活動のベクトルの方向を確認し反省する必要がある。


当方は、高純度SiC半導体治工具事業を住友金属工業とのJVとして立ち上げたときに、電気粘性流体用ケースゴム材料の開発を担当させられたが、スペックが何も添加剤の入っていないことだった。


研究のための研究が好きなスタッフが否定証明を行い、電気粘性流体の耐久性問題はケースゴム開発で行うという企画を提案したためだが、当方は一晩で電気粘性流体の耐久性問題を解決したり、実用的な3種の粉体を開発し、ヒューリスティックなアイデアで一気に事業化できるレベルまで技術を高めた。


その結果FDを壊されるようになったのだが、この仕事のやりすぎを反省し、事件の問題解決のため誠実真摯に反省し転職したところ高純度SiCの事業は30年近くゴム会社で継続され、ゴム会社の事業方針転換により愛知県のセラミックスメーカーへ事業譲渡された。


全く異業種の事業が30年続いた経験から、ドラッカーが力説したように事業に対しどこまでリーダーが誠実に貢献できるのかが重要というのは誠に至言だと思っている。

カテゴリー : 一般

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