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2022.05/25 ジョー・パス(3)

ユーチューブには、彼の演奏だけでなく、ギターの教則ビデオになるようなインタビューの動画もそろっている。それらを視聴すると彼の音楽観を理解でき、どのようにアドリブを展開しているのか頭の働かせ方を想像することができる。


彼のアドリブ奏法に関する説明は難解で、大胆な説明がさらに考え方を分かりにくくしている。しかし、小学校から学んできたクラシックベースの形式知を五線譜に展開しながら彼の説明を聞き一度その知識を再構築してみると分かり易い。


ただし、容易に想像できないテンションなどが出てきて、ピアノのような鍵盤楽器を演奏してきた人には度肝を抜かれるかもしれない。ところが、ギターの指板で再現してみると納得できるので、ギターを手元に置き視聴すれば理解が深まる。


この努力は、科学の形式知を理解したうえで、科学で未解明な新たな技術を考案する時の手法にもなる。例えば、当方がカオス混合機を発明できたのは、そのような手法で科学の形式知を一度見直し新たな体系を創り出している。


公知のように混練の形式知は、分散混合と分配混合を基本に体系化されている。これはセラミックス粉体の調製プロセスでも展開されている考え方で、科学の形式知として、ごもっともな体系である。


しかし、高分子の混合プロセスはセラミックス粉体のそれとは大きく異なる。高分子を混合し、成形して何らかの機能成形体に作り上げるプロセスにおいて、「練り」の効果を無視できない。


これは、まずい餅と旨い餅の違い、あるいはコシのあるうどんと小麦粉をつなげたようなうどんとの違いを想定していただければわかる。分散だけでなく「練り」により、味覚が大きく左右されているのだ。


食物であれば理解できる、この単純な体系の違いが科学の形式知では無視されている。科学に縛られ過ぎる問題はこのようなところでも理解できる。


新技術を生み出しGDPをあげなければいけない時代に、科学の形式知だけに縛られていてはいけない。ジョー・パスの音楽はその時どのように現象と接したらよいのか教えてくれる。

カテゴリー : 一般

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