2023.03/31 自動車のEV化
2015年に脱プラスチックスの大合唱が世界で起きて昨年日本で新たな環境に関する法律が施行された。この法律では、RefuseではなくRenewable を日本から世界へ発信している。
当時の小泉環境大臣がセクシー発言を行ってから施行された法律だが、まさにセクシーな解釈である。高分子の無い生活に我々は戻ることなどできないのだ。
同様に欧米の自動車EV化大合唱へ異を唱えたのは日本のトヨタ自動車である。ホンダはトヨタと異なり欧米に従い脱エンジン宣言したが、トヨタ自動車は雇用喪失などの問題回避のためハイブリッドや水素燃料自動車など多種のエネルギーを利用する戦略を訴えていた。
最近ドイツフォルクスワーゲンは、21年7月にEU欧州委員会から提出されたエンジン車禁止の法律に反対したことから、その法制化が見送られるというニュースが報じられた。
背景には、雇用喪失以外にロシアのウクライナ侵攻による電気料金の高騰があるらしい。ドイツは脱原発を目指しており、仮に今年ロシアとウクライナの紛争が終わったとしても電気料金の下がる見込みがない。
カーボンニュートラルの視点で自動車のEV化を進めようとしたが、ここで急ブレーキがかかった状態である。しかし、EV車にはエンジン車に無い魅力があることを世界は知ってしまった。
以前、ホンダとトヨタのカーボンニュートラルに対する姿勢の違いが注目され、明確に脱エンジンを謳ったホンダの株価が上がり、トヨタの株価が下がったので、トヨタは慌ててEV車の開発シナリオを株主にプレゼンテーションを行っている。
この両者の話題に埋もれていたのが技術の日産だが、地道に独自の電動化を進めており、例えば長距離は走れなくてもEV車「さくら」の売り上げが順調で、電動化率は国内トップである。
さらにエクストレイルの新車はe-Powerだけという思い切った戦略である。このe-Powerは、ハイブリッドではなくエンジンを発電専用にしたナンチャッテEV車だ。エンジンのコストよりもバッテリーのコストが高いため低コストでEVを設計するには、この方法が合理的である。
さらに、充電の手間がいらず、従来のガソリン車の感覚でEV車の長所を楽しむことができる。エンジンを動力として用いた場合よりもスムーズで静粛性が高く高級車の乗り心地が得られる。
300万円前後の価格のオーラ4駆が、600万円前後のレクサスハイブリッドに匹敵する乗り心地であると説明すればご理解いただけると思う。さらにBOSE音響システムのおかげでオーディオルームとして楽しめる。
ただ後輪が独立懸架ではないので悪路を制限速度を超えて走ると300万円前後が高いと感じたりするが、都内を走っている限りでは、600万円車の気分を味わえる。オーラという車名は多分このあたりの思いを込めてつけられたのだろう。
国内販売台数は、ホンダに抜かれいつの間にかスズキにも抜かれた技術のニッサンだが、トヨタと競っていた時よりも個性の強い車づくりであり面白い。
カテゴリー : 一般
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