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2023.04/16 働く意味

故ドラッカーは、働く意味を「貢献と自己実現」として語っていたが、まことに至言である。ただし、この意味をどれだけ多くの人が理解されているのか疑問である。やりがい詐欺などという某有名大学の先生もおられる。


働く意味は、個人により様々だ、と言ってしまえば結論が出たように見えるが、実はこれが結論ではなく無責任な見解であることに気がついている人は少ない。


道徳を小学校では教えなくなったが、やはり社会で生きてゆくときの価値基準のようなものは教えるべきだろう。「働く意味」については、個人の自由でかたずけるべきではない。


サラリーマンでも50歳を過ぎれば、会社に役員として残れる人とそうでない人に分かれる。この時モチベーションをどのように維持するのか、という問題が出てくる。


給与をもらうために65歳まで会社にぶら下がる、という人生の選択肢もあるが、65歳退職してからどうする、という新たな問題が出てくる。65歳過ぎてから新しいことを行うにはかなりの苦労を覚悟しなければいけない。


年をとってみないとわからないことだと思うので、若い人のために書けば、50歳を過ぎるころから、確実に能力が落ちてくる。どのくらい落ちるのかと言うと、50歳であれば12小節程度のブルースを1か月で習得できたのが、70近くになると半年練習していても楽譜を見ないと弾けないのだ。


さらに、初めて出会った楽譜に取り組むために1週間ほど練習意欲がわかない状態が現れるようになる。老化とはこのような状態である。ただ面白いのは50歳まで身に着けたことについては、日々それを繰り返しておれば劣化はしない。


例えば、社会に出てからデータサイエンスを研究してきたが、今でもこの分野の論文を読むことに抵抗感はない。楽譜は1週間眺めないとギターを手にするまでに至らないが、データサイエンスはすぐに自分でも試してみる意欲がわく。


鉄は熱いうちに打て、と言われるが、50歳を過ぎるとほとんど新しいことに取り組む意欲は冷めてしまう。自己実現で新しい分野に無理なく挑戦できるのは50歳以下である。


もっとも冷めてしまっても、老体に鞭打ち熱くする方法もあるが、能力の低下を補うことができるかどうかは、不明である。ギターの練習を能力低下の実験として取り組んでいるが、才能の無さに暗くならないように意欲を持ち続ける(注)だけが精いっぱいである。


このようなことを考えていると、「貢献と自己実現」という働く意味において、「自己実現」の中身を若い時から充実できるように仕事に取り組むことが人生で重要だと理解できると思う。


自己実現の意味が分からない人は、弊社にご相談ください。意欲の高さで語られることが多い自己実現ですが、高さよりも持つことの重要性に気づいて頂きたい。


(注)この苦労をしたおかげで、意欲を持ち続ける方法に気がついた。やる気のない新入社員にどのようにやる気を出させるのか、弊社にご相談ください。

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