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2023.10/19 Na二次電池

EV出遅れ日本が叫ばれ続けているが、もうすぐ4年ぶりのモーターショーである。今年から

Japan Mobility Show 2023 というそうだ。



EV用電池としてはLi二次電池が主流だが、水素燃料電池やNa二次電池も可能性がある。後者について日本メーカーはあまり関心が無いようだが、弊社は10年ほど前から細々と研究を続けている。


Li二次電池について1991年にソニーが商品化した話が有名だが、1986年にカナダの会社が、1987年にはブリヂストンがLi二次電池を商品化して販売している。そしてブリヂストンはその成果で日本化学会技術賞を受賞している。


電池分野について気になるのは、多数派の見解に流される傾向が強く、商品化の歴史についても誤った記事が多い点である。Naイオン二次電池についても当方が数社訪問し、技術者と懇談しても起電力差から将来性のない技術として頭から否定されてきた。


しかし、2015年にフランスで汎用Naイオン二次電池が発売され、あっという間にその生産の中心は中国となっている。コロナ禍前に驚いた状況となっていたが、日本ではそれでも関心を示さない。


それどころか今は全固体電池の実用化が本命とばかりに全固体電池開発競争となっている。確かにこのような先端技術は、とにかく先端を走り切ることが一つの勝利の方法だが、もう一つ先端ではないが長所のある技術について使いこなす開発も勝利の方法である。


LiとNaの標準電極電位は、約0.3VLiの方が高く、その結果Na二次電池の起電力等の性能はLi二次電池を越えることはできない。ゆえに電池開発者はこれを根拠にNa二次電池の未来を閉ざした考え方をする傾向にある。


しかし、Na二次電池がLi二次電池よりも満充電の時間が半減することが最近分かってきた。また、LiよりNaは地球上に豊富に存在しコストも安い。そのようになってくると、Na二次電池の使いこなし技術の可能性に対する期待が大きくなる。


詳しくは弊社に問い合わせていただきたいが、Na二次電池とLi二次電池とを組み合わせて蓄電デバイスを組み立てると、充電時間の短い蓄電デバイスを組み立てることが可能となる。


科学の視点では、標準電極電位がLiより0.3V低いNaで二次電池を組み上げてもLi二次電池を凌ぐことができないので面白くないかもしれないが、技術の視点で見るとNa二次電池の未来はまだ明るい。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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