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2023.12/29 高島屋潔し

崩れたクリスマスケーキが大きな話題となっていた高島屋は、先日全責任を販売者である高島屋が負う、と発表した。2879個販売して、807個クレームが届いていたという。


特に原因の公開をしないようだが、賢明である。おそらく高島屋として原因究明と対策について今後も検討すると思われるが、その結果は重要なノウハウとなる。


車のクレーム問題は、原因も含めすべて公開される仕組みである。事故でも起きたならば、裁判所の記録は重要な技術資料となる。


例えば、今回ホンダの燃料ポンプのクレームではデンソー製品のPPS(?)で製造されたインペラーが、燃料で膨潤して変形し、作動不能となってエンストした、と公開されている。


PPSかどうかまでは公開されていないが、これは特許を調査すれば推測できる。さらにクレームが出始めた頃から特許年金の支払いが終わっている、その特許はどうも成形時に密度を上げるために必要な技術だが、他の方法で****(注)となると—など技術情報がほとんど丸裸状態となる。


しかし、高島屋は全責任を負うとしてこれら情報を公開することを辞めたのである。また、被害者の方はどのように感じておられるかどうか存じ上げないが、自動車と異なり大きな問題とはならないだろう。賢明である。


(注)PPSは、溶融温度が高く、フィラーが添加されていると流動性が悪く射出成形しにくい樹脂である。弊社ではPH01という添加剤を開発し、フィラーが入っていても良好な流動性となるPPSコンパウンドの開発に成功している。東レ特許に書かれているようなわざわざ低分子の架橋型PPSを一部置き換えなくても良い技術である。このような新しい技術が登場するといつまでも古い技術に年金を支払う意味が無くなる。

カテゴリー : 一般

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