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2024.11/11 技術と商品

今や技術が無くても商品を出せる時代であるが、無形の付加価値をサービスだけで補う難しさもある。自動車という商品を技術の塊と思っていたら、中国でも簡単にEV車を出せる時代になった。


自動車という商品を支えていたのが、すなわち参入障壁となっていたのがエンジンだけになってしまっていた。その他は、適当に作れる部品を集めても自動車という商品を作れる。


技術のコモディティー化の姿であり、産業革命の終焉と言われるゆえんなのかもしれない。面白いのはe-Powerという日産の技術である。エンジンを発電機として用いた自動車用動力の愛称である。


良く知られているように、トヨタのハイブリッド車は、エンジンとモーターがそれぞれエネルギー効率を考慮してパワーを発揮する科学技術の成果である。


それに対して、日産の技術はナンチャッテハイブリッドと呼んでも良いように見えるが、過去に日産はe-Powerにより、自動車エンジンのエネルギー効率を最大限に引き出し、熱効率40%以上のガソリンエンジンが可能になる、と発表している。


自動車用ガソリンエンジンの熱効率の壁は40%と言われ、1980年代に起きたセラミックスフィーバーでは、セラミックス製のガスタービンエンジンが日産ブースに飾られ、熱効率が40%を超えるエンジンとして紹介されていた。


しかし、そのガスタービンエンジンを用いた車は登場しなかった。今の日産車に搭載されているe-Powerは第二世代と言われているが、少し燃費が改善しているだけで、トヨタのハイブリッド車に追いついていない。いつになったら熱効率40%を超えたガソリンエンジンを積んだe-Power車を出してくるのか。


今ハイブリッド車が世界的に注目されている背景には、EV車の充電に係る時間を始め細かい問題が市場でEV車の商品価値を下げている事情がある。やがてはEV車になるので、熱効率40%以上のガソリンエンジンの技術開発を早めないと、商品として世に出せなくなる。

カテゴリー : 一般

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