2025.01/24 オブジェクト指向(2)
オブジェクト指向はプログラミングの世界で生まれたパラダイムで、Smalltalkの生みの親、アラン・ケイが考案したと言われている。
そのパラダイムがコンピューターの世界に登場した時に、プログラマーは難解と感じたという。1992年に書かれた吉田弘一郎著「オブジェクト指向狂詩曲」にそのように書かれていた。
もし、プログラミングにご興味のあるかたは、この本を一度読まれることをお勧めする。今となっては古い内容(と言っても1992年!)なので斜め読みできると思う。
オブジェクト指向というパラダイムが世の中に登場した時に世界中がどのように反応したのかを理解できる良書である。少なくとも「花王のOAパソコン革命」より数倍ためになる。
コンピューター関係の本でこれら2冊は良くも悪くも忘れられない本となった。前者は、それまでCでプログラミングしてきた当方は、C++からC#、そしてPythonへとプログラム環境が変わった。
後者は、初任給10万円の新入社員時代に「パソコンは16万円」と記述されていたために、上司から命じられ、その5倍の80万円(オプション無しのカローラDXが買えた!)のローンを組む原因となった本である。そのため、せっかく上京し就職できたのに、休日は独身寮でパソコン生活という暗い1年を送っている。
おかげで、好むとこのまらざるとにかかわらず、コンピューターサイエンスを実務の中で活用することになった。それ以外お金が無いので楽しむ手段が無かったのだ。
自分の金で買ったパソコンなのでパソコンで出した成果については上司に報告する義務もない。義務はなかったが、ケチで図々しい(と同僚が皆言っていた)上司から進捗を聞かれたりしていた。
報告した結果が良かったので、上司が運営委員に入っていた「高分子の崩壊と安定化研究会」で報告(注)させらりたり、外部セミナー講師に上司の代役で講演したりしていた。
弊社のセミナー資料の多くはこの時代の資料で50年近く前であるが、DXが進展した今でも古くないところがすごい、と思っていただきたい。自画自賛で申し訳ない。3月にゴム協会でDXのシンポジウムが行われ、その招待講演者に選ばれています。
(注)高分子学会の研究会であり、ホウ酸エステルの効果をデータサイエンスで解析した結果を報告したが受けなかった。上司からはプレゼンが下手だと言われたが、上司の前で2日間練習させられている。同じ内容に深層学習の成果を加えて昨年日本化学会年会で発表したところ数社の方からプレゼンの資料請求があったので個別セミナーを受講していただいた。おそらくデータ駆動の感覚を上司に手直しされた説明では伝わらなかったのだろうと思っている。
カテゴリー : 一般
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