2025.06/17 オーディオ業界
おそらく業界の人は詳細を御存じと思うが、20世紀末にオーディオ市場は1兆円以上存在した。しかし、家電量販店をのぞいて頂けばわかるが、昔ながらのオーディオコーナーは皆無である。
スピーカーのコードを購入したい時には秋葉原まで出向かなければいけない。そもそもオーディオ製品を試聴できるところが無くなったので、オーディオ製品を購入する場合にも秋葉原の専門店まで出かけなければいけない。
しかし、オーディオというニーズが無くなったわけではなく、その市場を調べてみると、形態が大きく変貌していた。ストリーミング配信などのニュービジネスが賑わっており、無料で音楽を楽しめる環境に変化していた。
これでは、レコード店がつぶれるはずである。昔ながらのCDやDVDを専門に扱っている店は壊滅状態だ。驚いたのは、秋葉原にあったアダルトDVD店などもいつの間にか消えている。
すなわち、DXによりモノ主体の市場がサービス主体の市場になり、オーディオ業界はネットワーク再生を前提とした姿に変わったようだ。それにより、若者には利便性が上がったかもしれないが、クリックすることに抵抗感のある老人には、不便な市場となった。
当方の仕事場には、昔ながらのオーディオアンプとスピーカーがあり、ハードディスクには、昔購入したレコードやCDをDVD録音し、DACを通して音楽を楽しむ環境である。ゆえに、2010年以降更新されていない。
ストリーミング配信(注)を利用しない理由は、未だにインターネットの世界を信用していないからである。電子出版を事業として始めて2年で撤退しているが、娯楽でインターネットを扱う時には細心の注意が必要である。
楽しむのに細心の注意を払わなければいけないことに抵抗感がある。音楽のソフトウェアー環境は、老人にとって縁遠いものになったような気がしている。
昔ながらのオーディオ市場は、ハイエンドオーディオと呼ばれており、高級品ばかりで1セット揃えると100万円以上かかる。その中で良心的なアンプはYAMAHAやROTELの製品であり、低価格でも音質の良いアンプを提供している。
残念ながら、スピーカーは、自作しなければよいものが手に入らない時代になった。少し前まで、カートリッジメーカーのオルトフォンが、低価格で高音質のスピーカーを販売していたが、辞めてしまった。
(注)ストリーミング配信はCDよりも音が良いと言われているが、2005年の時にDVD録音した音源と比較し、劣っているように感じる。グローバー・ワシントン・Jrのワインライトは、CDとレコードの両方をもっており、レコードからDVD録音したほうがSN比は悪くてもサックスの響きが良い。老化した耳でもその差を感じるので、高音域の差ではないのだろう。芳醇なワインの香りは、レコードから聞いたときに最高となる。
カテゴリー : 一般
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