2017年頃におきたデータサイエンスの講座設置ブームにはびっくりした。社会人になった時の情報工学科設立ブームの再来かと勘違いした。
データサイエンスは当方の学生時代からコンピュータ科学とよばれていた。また、数理モデルで現象をとらえる方法は戦前から学問としてあった。当方は戦後生まれだがパーコレーションの数理モデルは1950年頃から研究が始まっている。
コロナ禍で8割おじさんが有名になったが、クラスター理論の数理モデルは古くからある研究成果だ。大学ではこのようなことを専門として学ぶ機会は無かったが、アカデミアよりもアカデミックな研究所へ配属されて3か月の集中講義をマンツーマンで受講している。
指導社員が数理モデルの研究者だったのでそのような幸運に恵まれたのだが、データサイエンスを身に着けると技術開発は加速度的に早くなる体験をしている。
例えば、1年間の計画で防振ゴム用樹脂補強ゴムの開発を行うのが新入社員のテーマだったが、3か月間のデータサイエンスの講義のおかげでたった3か月で研究が完成した。
その後担当した、原料がまだ市販されていなかったホスファゼン変性ポリウレタンフォームの開発は工場試作まで6カ月間で実現している。ホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームは、6カ月で技術移管だった。
半導体用高純度SiCの事業化では、研究開始から5日間で2億4千万円の先行投資を導き出すまでの成果を出している。いずれも20代の元気の良いころの武勇伝だ。
50を過ぎてからは、PPS半導体無端ベルト用のコンパウンド工場を半年後に稼働させ、一流コンパウンドメーカーが5年以上かけても実現できなかった高性能のカオス混合コンパウンドを半年で実用化した。
このようにデータサイエンスを自由自在に使えると開発業務はスピードアップする。これは数年前から流行が始まったモデルベース開発でも言われていることだ。ご興味のあるかたは40年の開発経験がある弊社へご相談ください。
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昨日Pythonについて書きましたが、職業がプログラマーと誤解されたのではないかと心配している。当方は日曜プログラマーのカテゴリーに入るかもしれないが、専門は材料科学である。
さらに金属やセラミックスだけでなく高分子材料まで扱う。それぞれの材料分野で学会等から賞を頂く成果を出しているだけでなく学位論文では無機化学から有機化学まで論じているので自称材料科学の専門家と言っても許されるだろうが、技術者だ。
日本人が日本語を話すように、仕事を早く仕上げるためにコンピューター言語が必要だったので多数のプログラミング言語を使うようになった。
例えば、名古屋に行けば名古屋弁を大阪では大阪弁を話すようなものだ。中国に行ったときに最初は中国語を話していたが、中国語を話せない方が楽しいと分かり、日本語以外の言語は話せないことにしている。
かつて当方が中国語を話した痕跡は、弊社で販売した中国語講座の電子ブック3冊の工夫を見ていただければ納得いただけると思う。
さて、コンピューター言語について、コンピューターを使う時にそれを使いこなせると便利だ。これは特に説明の必要はないだろうが、何か計算したいときに、エクセルなどをわざわざ立ち上げず、電卓を使う。
同様にTM実験を行った時には、エクセルを使うよりPythonのほうが便利だ。Pythonでデータ整理しエクセルファイルに落とす。これが便利な使い方である。
その他コンピューターを使っているときに、プログラミングができると重宝する(注)。プログラマーでなくてもプログラミング能力を身に着けていることが常識の時代となった。これは小学校教育でプログラミング科目が指導要領で必須科目となったことからも明らかだ。
(注)8ビットコンピューターの時にPIPSが話題を集めた。エクセルにはVBAがあり、PIPSよりも使いやすいが、VBAよりもC#の方がさらに使いやすい。これはPythonでも同様だが、オブジェクト指向言語としてC#は洗練された設計になっている。ボーランドC++のクラス設計も使いやすかったが、C#はC++の問題を解決しているので普及したのだと思っている。
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プログラム言語はいろいろあるが、おそらくPythonは、今後20年間使われ続けるコンピューター用の言語ではないかと思っている。
30年近く前に登場した古い言語だが、BASICよりも使いやすい。BASICは、科学技術計算用のFORTRUNというプログラミング言語を初心者用に改良し登場したのだが、数値の扱いが単精度と倍精度に分かれているだけでも面倒だった。
Pythonでは、それを意識しなくても良いので助かる。またほとんどのコンピュータ言語がそうであるがお金の計算用の仕掛けもあるので、事務処理にも使える。
昔は、経理計算用に特化したプログラミング言語もあった。地球上で人類が話す言語の種類ほどではないが、それでもコンピューター言語の種類が大変多くなった。
当方は、これまで10種類前後の言語でプログラミング経験があるが、FORTRUN、BASIC、アセンブラー、Forth、Pascal、PIPSを8ビットコンピューターの時代に経験している。
16ビットの時代になり、dBASEⅡ、LATTICE C、MIWA C++、Borland C++、Boland Pardox、32ビットに移行後、MS C++、MS C#、そしてPythonである。
PIPSは簡易言語だが、Pythonには簡易言語的使いやすさがある。簡易言語的であるにもかかわらず、FORTRUN並みのことも可能だ。Pythonの計算精度に不満であれば、C++やC#との併用も可能となっている。
すなわち、Pythonでプログラミングできない部分をC++やC#で組みあげ、Pythonではそれらを呼び出して使う。
とにかく、スクリプト言語でありながら難しいこともできてしまうので、この30年間に多数のライブラリー資産が蓄積された。それらが無料で開放されているのだ。有料のライブラリーもあるが当方の仕事では無料で十分目的を達成できる。
パソコンの黎明期からコンピューターと人間との関係を組織の中で見てきたが、黎明期にはコンピューターなど部下の女性にやらせればよい、と言っていたおっさんが多くいたが、いまや社長でもパソコンを自分で操作している時代だ。
その他DXで様々な変化が雪崩のように起きているが、10年後プログラミング言語を自由に使える人が身の回りに溢れているのかもしれない。そのとき使われている言語がPythonと説明すればご理解できるか。
パソコンを使えないおっさんは絶滅危惧種と言われた時代があった。もうすぐPythonを使えないおっさんは絶滅危惧種と言われる時代が来るのかもしれない。
パソコンが登場した時におっさんは、パソコンなんてなぜ必要なのか、何に使用するのか、などと言っていた。今Pythonを何に使用するんだろうと、一瞬でも思った人は危ない、時代に乗り遅れている。小学校でもプログラミング教育が始まっているのだ。悩む前に弊社へご相談ください。
ちなみに、来週技術情報協会主催でPythonの超入門セミナーが開催される。有料だが、無料セミナーと異なり、参加者にはTMのプログラム例やパーコレーションのエンジン部分のプログラムが無料で配布される。
すなわち、その日に動特性でTM実験をやれたり、パーコレーションのシミュレーションができたりする人もいるかもしれないセミナーである。
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科学誕生以前から技術が存在していたことを否定する人はいない。技術の歴史は進歩ばかりではなく、民族が滅び文明とともに消えた技術が存在する。
科学については、未だ解明されていない現象も存在し、発展途上だ。素粒子論は行き着くところまで来たように思われるが、生命科学は、発展途上である。
20世紀は、科学的な技術開発が唯一の方法と偏り過ぎた考え方だった。E.S.ファーガソンはその歪に着眼し、「技術屋の心眼」を書いている。20世紀末にアメリカではトランスサイエンスということばがうまれているが、これが日本に伝わったのは21世紀になってからである。
バブル崩壊の影響があった。バブル崩壊により1980年代科学論のブームだったが、それも消えた。日本の科学論は、同時期のアメリカと異なり、未来がバラ色という傾向が強かった。
バブル崩壊から30年以上たっても日本経済は以前の輝きに戻っていないが、これは日本発で大きな技術のイノベーションが起きてないからだ。
1980年代には日本発のセラミックスフィーバーが世界を席巻し、やがてナノテクブームへと広がっていった。やはり、日本発のイノベーションがGDPの飛躍的上昇のために必要だろう。
日本の技術開発で問題と感じているのは、非科学的な内容を全否定するところである。カオス混合技術で学会賞に推薦されたが、フローリー・ハギンズ理論で否定される現象をあからさまに嘘だろう、とプレゼンテーションの席で言われた。
あまりにも失礼だと思ったが、実際の現象として起きていることを改めて理解してほしいとお願いしている。科学的に説明できなくても現象として自然に起きている機能を活用した技術は、カオス混合以外でも存在する。
技術をいつでも科学的に理解できるとは限らない。科学で理解できない現象を活用した技術でもそのロバストが高いならば十分に実用化できるのだ。
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20年近く前、すなわち早期退職前に担当した中間転写ベルトの開発は、データサイエンスを積極的に取り込んだモデルベース開発の集大成となった。
数理モデルにより、開発ターゲットのふるまいを企画段階に考察する手法は、研究開発を成功させる有効な方法である。数理モデルとしてどのようなものを考えるかは、技術者の力量によるが、力量が高ければ、アジャイル開発も可能となる。
タグチメソッドや多変量解析による考察は数理モデルで設計する一手法である。中間転写ベルトでは、6年近く前任者が国内トップメーカーと共同開発を続けたデータが存在したので、当初これらのデータを多変量解析で処理している。
その結果、コンパウンドに問題があるとの結論に至り、カオス混合をコンパウンドメーカーへお願いすることになるのだが、QMSの仕組みもあり、量産まで半年という状態で頭を抱えた思い出がある。
そこでパコレーションシミュレーションをみなおし、6ナイロン相にカーボンを分散させ、それをPPSに分散させたベルトを押出成形してモデルベースデザインを実証するのだが、必死だった。
カオス混合装置を手作りし、それでPPSと6ナイロンが相溶し、わずかにスピノーダル分解が起きる機能で形成されたカーボンのクラスターがドメインをつくり分散した理想的なコンパウンドを創造した。
センター長に予算交渉し、コンパウンド開発のために中途採用1名と職人1名、当方含めて3名でコンパウンド工場立ち上げプロジェクトグループを立ち上げた。
その後は以前書いているので省略するが、モデルベース開発は、研究開発を著しく加速する。企画から量産立ち上げまで半年で、コンパウンドだけでも数億円の利益の出る技術が完成できるのだ。
数理モデルで現象を考察するコツは、ただ、ひたすら黙って現象を観察すればよい。会議で「素人は黙っとれ」とコンパウンドメーカー部長に言われたのだが、その結果当方を黙らせるために工場見学の機会ができた。
ところが、二軸混練機のラインが稼働しているだけの何の工夫もない工場だったので、これでは歩留まりをあげるコンパウンドを生産するまでに時間がかかると納得している。今タイヤ工場の見学が難しくなったが、ゴム工場のコンパウンドラインは技術を感じることができるラインである。
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今やPythonは技術者のスキルとして常識になりつつある。そこでとびきり入門のセミナーを技術情報協会主催で開催するのでPythonを御存じない方はご活用ください。
https://www.gijutu.co.jp/doc/s_305208.htm
弊社でもPython入門セミナーを開催していますが、プログラム作成に重点を置き、インストールや環境設定は簡単な説明となっています。コンピューターに詳しい人はこちらのセミナーが良いかもしれません。ホームページでご確認ください。
技術情報協会のセミナ-につきまして弊社へお問い合わせいただければ割引がございます。
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導電性微粒子を絶縁体高分子に分散し半導体高分子を設計するときに、導電性微粒子の導電性が銅と同じくらい高いと10の9乗Ωcmの材料を安定に製造することが難しくなる。
これを昨日書いたようなシミュレーターで考察すると、半導体高分子を安定に製造するためのアイデアが容易に見えてくる。数式でシミュレーションしていたのでは直感的にアイデアへつながらない。
すなわち、非科学的なシミュレーターであっても良いアイデアが出てくるのだ。むしろ数式で考えるよりも良いのかもしれないと思っている。科学的にこだわっていてもアイデアが出なければ仕方がない。
詳しくはこのホームページで募集してるセミナーを受講していただきたいが、希望者がいれば土日に開講することも可能である。土日であれば一人でも特別サービスで1万円で講義を行っている。
平日が3万円なのに土日が1万円であることを不思議に思われるかもしれないが、平日は企業の方の受講を想定し、土日は個人のスキルアップを目標に受講されるのではないかと期待している。
当方は企業を退職するまで土日に勉強していたが、このようなセミナーがあれば便利だと思っていた。自分が受講したいと思っていたので、今それを実現している。土日はストレス解消に弊社のセミナーを受講してみてはいかがでしょうか。是非お問い合わせください。
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パーコレーションの数理モデルについては、1950年代から数学者たちに議論されてきた。すなわちこの分野のクラスター理論は60年以上の歴史がある。
コロナウィルスの感染シミュレーションもこの分野の成果であるが、おおもとはカリフォルニアで発生した森林火災の問題と言われている。
パーコレーションの閾値についてはn次元まで求められており、数理モデルとしては研究しつくされた感が強い。40年ほど前に出版されたスタウファーの教科書には、歴史も含め詳しい解説がまとめられている。
しかし、材料屋がこの教科書を読むと現象を具体的に把握しにくい。グラフで示されているので現象の振る舞いを納得はできるのだが、もう少し直感的なモデルは無いのか40年ほど前に教科書を読みながら考えた。
10x10x10のブロックを絶縁体高分子とみなし、この一部を導電性のブロックで置き換えてゆくモデルを考案し、プログラミングして動かしてみたところ、パーコレーションの振る舞いを再現できた。
非科学的なモデルではあるが、このモデルの考察で幾つか技術開発成果を出している。それをセミナーで公開しているので、一度このホームページのセミナー欄を見ていただきたい。
大型コンピューターの時代には、コンピューターを湯水のように使うことができなかったが、今はコンピューターを用いるコストがほとんどかからなくなった。
ゆえに、難しい方程式を解くことが要求される問題でも、コンピューターで直感的なモデルのプログラムを動作させて解くことができるようになった。これもDX進展の恩恵だろう。
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1980年から1990年にかけて高分子の緩和現象に対する科学的アプローチに変革が起きている。レオロジーについてダッシュポットとバネの数理モデルによる研究が否定されたのだ。
そして、20世紀末に当時名古屋大学教授土井先生をリーダーとしたOCTAプロジェクトにより高分子シミュレーターOCTAが登場している。
このOCTAは無料開放されており、高分子物理についてこのOCTAに実装されたライブラリーでシミュレーション可能である。ただし、OCTAでできるのは科学の形式知で明らかな現象だけである。
換言すれば、これから研究しようとする高分子物理について形式知による予測が可能だということを示している。ただし、このような予測はOCTAに限る必要は無く、現象の回帰や予測を多変量解析や、流行の機械学習で行っても良い。
もちろん過去に否定されたダッシュポットとバネのモデルを持ち出して技術開発を行っても良い。ただし、この時緩和現象の問題を知っているという前提である
ところで、マテリアルズインフォマティクスではディープラーニングばかりが注目されているが、タグチメソッド(TM)もマテリアルズインフォマティクスである。
基本機能とその制御因子はじめ調整因子など各因子の体系ができれば、企業の貴重なノウハウとなる。そして新技術を開発するときにそれを利用すれば、開発スピードが上がる。
モデルベース開発(MBD)が注目される理由の一つに開発スピードの向上がある。これがどのくらいスピードアップするのかというと、例えばPPS半導体ベルトの開発に5年以上かかっても歩留まり10%いかない状態だった。
コンパウンドのパーコレーション制御がうまくできていなかったためで、これをシミュレーションで問題解決した後に、中古の二軸混練機部品を買い集め工場建設後量産開始まで半年で歩留まり100%を実現している。
もちろんコンパウンド工場の最適化はTMで行っている。このようにMBDによる開発スピード向上は著しい。この他に弊社では豊富な事例を開示している。
試作段階で原因がわからず20ロット以上も無駄なコンパウンドを量産試作した結果を解析し、たった30分で問題解決した実績もある。
科学の形式知に忠実なOCTAのようなシミュレータだけでなく、独自の数理モデルによる予測や回帰、分類などをフロントローディングで実施し、最適条件を目標に技術開発を行うMDBの一番の特徴は、開発スピードが速くなる、という長所である。
開発成果が得られたならば、人材育成のためにゆっくりとそれを題材に研究を行う、というマネジメントも良い方法だ。答えが分かっているので研究もやりやすい。半導体治工具用高純度SiCの学位論文もそのような手順で完成している。
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重回帰分析が現象の数理モデルを得る目的として回帰や予測を行うための方法であるが、分類や特徴抽出、パターンニングを行う方法が主成分分析である。
今AIを活用する機械学習、ディープラーニングが注目を集めているが、学習機械をプログラミングしなくても弊社が公開している重回帰分析と主成分分析を駆使すれば同様の数理モデルによる現象解析が可能である。
そもそも、現象を数理モデルで理解する方法としてシミュレーションがあるが、広義には現象を記述できる数式ができればよい。その簡便な方法が重回帰分析や主成分分析であり、データ駆動で行う方法が学習機械を利用するディープラーニングである。
さて、主成分分析であるが、これは多変量解析の手法として知られている因子分析の方法であり、因子分析では各因子の序列がつかないが、主成分分析では、全データの変動を加味して、変動の大きい因子から小さい因子に序列をつけた結果を得ることができる。
心理学の分野では因子分析がよく使われるが、技術開発の分野では変動の大きな、すなわち影響力の大きい因子を見つける作業が重視されるので、主成分分析が便利である。
nを評価項目、mを実験数としてnxmのマトリックスデータを主成分分析にかけると、n個の主成分データに変換される。実験で得られたデータ群の一次独立性は保証されていないが、n個の主成分はお互いに一次独立となったデータマトリックスに変換される。
この性質を活用し、重回帰分析と組み合わせると、一次独立の変数で組み立てられた回帰式を得ることが可能となるので、主成分分析と重回帰分析の両方を自由自在に使えるようにしておくと、一次独立のパラメーターで記述された現象の数理モデルを簡単に組み立てることができる。
弊社では、ディープラーニング以外にも多変量解析の活用だけに絞ったセミナーも準備しているのでお問い合わせください。ディープラーニングだけがデータサイエンスではないのだ。データサイエンスは必要な時に必要な手法を使ってこそ実務で光る。
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