高分子材料が着火した時に空気中で自己消火性を示す材料設計手法には2種類あり、一つは炭化促進型材料設計手法で他の一つは溶融型材料設計手法である。
前者の考え方で設計された材料ではLOIが21以上となるが、後者の設計では常にLOIが21以上とならない。
LOIが21以下であっても溶融型材料設計手法で開発された材料は、自己消火性を示しUL94-V2あるいはH試験を通過する。
すなわち溶融型材料設計手法で難燃化された材料を垂直に立てて、炎を上部から近づけると自己消火性を示さない場合がある。
これに対して、炭化促進型材料設計手法で難燃化された材料は、どのような位置から炎を近づけても空気中で自己消火性を示す。
40年ほど前には、これ以外に加熱されると大変形を起こす材料も難燃性材料とされたが、現在はこのような観点で材料設計をする人はいない。
少し考えれば、火災時に難燃性を示さないことが想像されるのに、アカデミアの研究者の中には、学問的興味からこのような問題のある難燃化手法を広めた先生がおられる。
問題が起きてから黙ってしまわれたのは、無責任極まりないが、この先生のアドバイスを受けて、かつて台所用天井材が開発された歴史がある。
当方が高分子の難燃化技術を担当した時には、まさに市場の火消をやっている最中だった。安全靴とヘルメット、作業着を抱え、定期的に筑波にある建築研究所まで通った思い出がある。
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ゴムタイムズ社主催のWEBセミナー
が3月11日10時30分から予定されている。参加費は1名あたり、45000円となりますが、弊社へお申し込み頂ければ、小生の著書「ポリマー混練り活用ハンドブック」(¥4800:消費税抜き)を1冊謹呈させていただきます。
今回のWEBセミナーの特典として、後日無料相談会をWEBで開催することも計画しています。これはゴムタイムズ社とまだ調整できていませんので当日詳細を発表いたしますが、交通費がかからないWEBセミナーの長所を生かしたいと思っています。
高分子材料の難燃化技術は、形式知よりも経験知の比重が大きい技術領域であり、また、難燃性評価装置が無い場合にどうしたらよいのか、と言った問題にもお答えしたい。
過去に天秤しか存在しない会社で、ある材料の難燃化技術を3日間で完成させた。用いた評価法は、コンビニで購入したライターである。
これは特殊なケースであり、いつも成功するとは思っていませんが、経験知の比重が高い技術ゆえに可能だったと思っています。
セミナーでは、難燃化技術の概論だけでなく当方の学生時代の研究成果やゴム会社での研究成果で学術雑誌に掲載された事例や、未公開の事例なども含め科学から技術まで当方の経験を幅広くご説明いたします。
講演で使用する当方の研究開発事例
1.ホスファゼン変性ポリウレタン
2.ホウ酸エステル変性ポリウレタン
3.PVAの難燃化
4.フェノール樹脂・TEOSナノ複合材料(高純度SiC前駆体でもある)
5.PC/ABSの難燃化
6.PET基ポリマーアロイの難燃化
7.混練技術と難燃化
8.ホスファゼン環鎖状ポリマー
9.マテリアルインフォマティクスによる配合設計
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すでに発生から5日目で未だ鎮火の見通しが立っていないという。火事は21日午後3時半ごろ登山者からの通報で見つかったという。
このような大規模な山火事は、北米の針葉樹林で頻発している。1950年頃には数学者が山火事の数理モデルを考える過程でパーコレーションの問題を解いている。
パーコレーションについてはn次元の問題まで解決され、山火事についてもシミュレーション可能な時代になった。しかし、山火事は早期対策がすべてであり、これに失敗すると大規模化する。
山火事の初期に空からの消防活動は有効だが、今回の規模になってくると鎮火目的には効果が無く、延焼を防止する程度となる。
火事の原因その他消防活動の検証は鎮火後となるが、山火事の大半は人為的原因であり、今回もその可能性が高い。また、山火事が発見されたならすぐに自衛隊にお願いすべきと思っているが今回それがなされていない。
アメリカやカナダでは山火事専用のヘリコプターを準備していると聞いている。山火事は、燃え広がり方で地表火、地中火、樹冠火、樹幹火に分類される。
すなわち地上の消火活動だけでは完全に鎮火することが難しく、空中からの消火活動が不可欠である。ゆえに消防活動にも高度な戦略と戦術が要求される自然との戦いとなる。
日本では広葉樹が多いので今回のような大規模な山火事は多くは無いが、地球温暖化が進み気象現象も変化しているので、消防署が中心になって専門部隊を編成する必要があるように思う。
山火事は、大規模化すると科学的な対策が難しくなり、最後は神頼みとなる。これが十分に理解されていないのではないかとニュースを聞きながら感じた。日本は森林大国なので山火事専門部隊を編成すべき時代になったと思う。
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通信市場においてファーウェイの問題がニュースになってはじめて、この分野で半導体関連の日本企業が蚊帳の外の状態であることを知った。
また、通信市場の企業に勤務していた高校時代の同級生が10年以上前に嘆いていたのを思い出したが、もう手遅れで、日本企業が基地局や情報端末の半導体市場で、もはや戦うこともできない。
半導体チップでは莫大な研究開発投資が必要になるので参入は難しいが、中国ナノポリスで活動してきた経験から、高分子材料については、まだ参入の機会が存在すると思っている。
ただし、日本の高分子材料メーカーにそのニーズが見えているのかどうか。このコロナ禍で1年以上ナノポリスで活動できなくなったが、今も相談のメールだけ届いている。
弊社は慈善団体ではないので無料の相談は受け付けない、と返事しているのだが、現地に行くこともできないので、お客を逃がさないか心配になってきた。
日本に十分な仕事があれば良いのだが、ニーズが見えていない状態では、仕事も生まれない。しかし、無料でニーズを公開することもできないので難しい問題だ。活動の場を提供してくれる企業を求めている。
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昨日5Gに関するセミナーが技術情報協会主催で開催された。これまで当方が一人で講演していた内容を1.5時間に短縮しなければいけなかったので大変だった。
5G関係において材料技術開発の機会が無くなったのかというとそうではなく、これから自動車のCASEに基づく新製品が登場し、車の概念も変革されるようなイノベーションが始まるので、まさに開発タイミングとして旬な時期である。
ところが、高分子材料の低誘電率化について科学的な手法は、1.分極率を減らすことと、2.モル容積を大きくすること(低密度化)である。
1については、分極率の小さいフッ素原子、炭化水素骨格の導入、双極子を固定化(液晶配向、球晶)すなわち分極固定化などが検討されてきた。2については、CPUのlow kで実績があるミクロ空隙の導入による低密度化である。
これらはClausis-Mossottiの式から導かれる30年以上前から公知の内容であり。PIではかなり開発が進められ、特許フリーの技術も多い。
科学的に考えるともう技術開発のネタが無いのだが、最近負の誘電率に関する特許が開示され始めた。すでに10件以上登場している。昨日はその中で3件程度紹介している。
また、当方は中国ナノポリスでこの8年ほど関連する材料開発の指導をしてきたが、射出成形体の薄肉化は隠れたテーマである。
特に新しいエンプラ、PPSやPESはそれが難しい。このため新添加剤PH01を開発している。詳細は弊社出願の特許を見ていただきたい。
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高分子材料についてLOIを21以上にするために材料設計手法は一つになる。LOIが21以下でも空気中で自己消火性になればよい、と言う条件であれば2種類の材料設計手法となる。
UL規格との対応を考慮に入れると、V0以上に合格するためには、LOIを21以上となるように材料設計しなくてはいけない。
V2以下の合格であればLOIを21以上に調節する必要はない。ここでLOIを21以上となるように材料設計した時に必ずV0以上に合格するかと言うとそうではない。
LOIが23であってもV0に合格しないサンプルがある。これは以前ここで述べたように、試験サンプルの設置方法と火源、着火方法の違いから相関性が崩れている。
UL規格とLOIとでは、LOIの方が少し評価法として手軽である。規格通りに行う必要もなく、酸素と窒素の混合ガスを流しながら測定すれば、そこそこの値が得られるからだ。
ただし、その値が規格値となるかというと手作りの装置の出来栄えにより、規格値からのずれが大きくなる。しかし、あまりお金をかけずに手軽に試験をおこなえるという観点でLOIは、材料設計するときのスクリーニングに活用できる。
中国のローカルコンパウンドメーカーで燃焼試験装置どころか力学試験装置その他の評価装置を持っていない企業の指導をした経験がある。1年後にはとりあえず力学試験装置は揃ったが、燃焼試験装置までお金の関係で揃えることができなかった。
そのような劣悪の環境の中でUL94V0に通過するPC/ABSの新処方を開発することに成功している。市場で要求される燃焼試験装置を揃えておくことは商品開発で必須であるが、開発を急ぐときには、いざという方法がある。
難燃性PC/ABSの開発は難易度の高い技術であり、科学的に進めようとするならば、各種評価試験装置が整っていないと開発は不可能である。
しかし、技術を持った職人であれば評価装置が無くても技術開発可能である。逆に技術を持っていない研究者は開発どころかそのような現場で右往左往するだけだろう。
すなわち科学と技術とどのような違いがあるのか知るためには、このような現場で働てみるとよい。技術者ならばこのような現場でもゴールを達成することが可能である。ひ弱な研究者は手足も出せないだろう。
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「ある高分子材料を難燃化するには?」という問題を解くことはできない。これがすぐに解けるという人は、高分子の難燃化の実務を御存じない方だ。
高分子材料の用途が明確に決まって、はじめてこの問題を解くことができる。あるいは、この問題について、回答者がとりあえずの難燃化規格を決めれば、一応解くことができる。
材料の用途が決まると、その用途に対応した難燃化規格が存在する。難燃化規格が存在しない時には、その用途において関係する製品に準じた難燃化規格を採用し、材料の目標となる難燃性を決める。
すなわち、高分子材料を難燃化する問題では、まず評価技術として何を採用するのかが重要になってくる。用途が決まっていない材料については、とりあえずUL規格とLOIで測定された難燃性のレベルを付記することになる。
ここで、UL規格とLOIを持ち出したのは、前者についてこの規格を採用している分野が多いからである。UL規格以外にLOIを評価しておくとよい理由は、空気中の燃えやすさの基準として、多くの難燃化規格の中で直感的に理解しやすいからである。
燃焼が急激に進行する酸化反応であることを考慮するとLOIは、科学的な指標とみなしたくなるが、それが誤解を生む原因になることを以前書いている。
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高分子の難燃性について、燃焼という現象を科学の形式知で正確に論ずることが難しいゆえに評価技術が製品の分野ごとに様々である。
その評価技術さえほぼ出そろったのは20世紀末だ。だから高分子の難燃化技術は科学として未だ完成していない技術といっても間違いない。
ところがこれを理解されていない人が多い。高分子の難燃化技術に関しては、経験知が極めて重要である。またこれを無理に科学の形式知で記述しようとしたとたんに誤解を生みだす恐れがある。
評価技術さえ実務的な視点で決められてきたので、評価の物差しさえ科学の形式知といい難いからである。
このような前提で、高分子の難燃化を研究するときにどのように進めればよいのか、当方の経験知について次回から説明したい。
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1980年ころまで各企業の研究開発はシーズ指向で行われてきたが、その効率向上を狙いマーケットインで行われるようになって現在に至る。
しかし、情報化社会の進展で情報が溢れるようになって加速された技術開発により、先端技術市場で活動している企業以外では新興マーケットの状況が見えにくくなっているのではないか。
ただし、これは今に始まったことではなく、マーケットインが叫ばれていた時にも同様で、見えていたマーケットをターゲットに技術開発してみてもその市場で勝者になれず痛い思いをした経験のある企業は多いと聞く。
当方はゴム会社で半導体治工具の市場をターゲットに低コストの高純度SiCを武器にエンジニアリングセラミックスの開発を始めてみたが、参入が早すぎてお客さんがいなかった経験がある。
6年間迷走のあげく住友金属工業とJVを立ちあげてみて分かったのは、先端マーケットのニーズはそれ自体がお客さんの機密事項だった事実である。
換言すれば、お客さんが門を叩いてくれなければ見えない市場があるということだ。特許情報から1年半遅れでこのような市場を知ることもできなくはないが、現代の技術進歩が加速している時代においては1年半後に知っていては手遅れである。
1年半の遅れを取り戻すためにアジャイル開発は有効な方法となるが、ソフトウェアー以外の分野ではあまり採用されていない。ご関心のある企業はご相談ください。
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会長の辞任により新しい五輪組織委員会会長の議論が国民を巻き込み行われた。このような議論はかつて日本であまりみられなかったことである。
川淵氏が後任というニュースが発せられた時に、その決定プロセスに国中が反発し、今回の流れになっているが、コロナ禍における五輪開催の是非も含め、選ばれるや否や、聖火リレーの方法など解決しなければいけない問題もある。
候補者として公開された橋本氏らそれぞれに就任するときの障害や不満点など指摘されている大変な役職である。今回の候補者から誰が選ばれてもそれがすぐに唯一の正解だったとは判断できない。
このような問題に対してドラッカーは、メンバーの合意が得られる解答が重要と指摘している。すなわち、ドラッカーは正解が無いような問題についても解答を導き出す問題解決法を提案している。
ドラッカーが問題解決法の先生という視点をあまり見かけないが、その著書の中で問題解決に際し参考となる名言をたくさん残している。
例えば、異なる意見や見解こそ重視すべき、という名言は、リーダーの職にある人に役立つ名言である。
今回の組織委員会のリーダーについて珍しく国民の見解が重視されて運営されたような流れになった。これをパフォーマンスといった評論家がいたが、それは的外れだろう。
コロナ禍で開催そのものに反対する空気が蔓延している状況で、反対意見を軽視した運営をしたならば、今後の政局にも影響を及ぼすことは必至である。
高橋大輔氏が早くからハラスメントを否定するなど橋本氏をマスメディアが応援しているような流れで進んできたが、橋本氏がリーダーを引き受けるならば大臣を辞任しなければいけないのでその後任選定など、この問題では合意を得るために調整が必要となる障害がまだ残っている。
問題にはいつも正解が一つとは限らない場面がある。科学では真理が一つとなる問題を解くことになるが、人間の営みである技術では今回の問題と同様に正解が一つとはならない。
市場でユーザーに指示される技術が生き残ってゆく。モノがあふれ出した20世紀末にはコトの重要性が指摘されたりしたが、環境問題はだんだん深刻になってきており、この問題にかかわる技術では、やはりモノが重要となる。
ただ具体的なモノが見えにくいので、メーカーから提案されたモノが市場でどのような評価を受けるのかがポイントとなる。ドラッカーもこのような問題の考え方を提示しており、詳しくは弊社にご相談ください。
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