昨日の全日本フィギュアスケート選手権男子ショートプログラムは見どころが多かった。
また、高橋選手の演技からフィギュアスケートというスポーツの過酷さを知る良い機会だった。
この視点では、今シーズンのザギトワが引き合いに出され、残酷さがクローズアップされてきた。
羽生選手がどこまで頑張るのか、あのプルシェンコが世界の舞台に再チャレンジできなかったことなど、過酷なスポーツなのか残酷なスポーツなのかは議論が難しいが、宇野選手からコーチングの重要性を学ぶことに関しては異論はないだろう。
また、コーチングの効果については、コーチ不在の状況時に彼自身も語ってきたので実務における先輩社員のコーチングスキルアップの参考になったと思う。
コーチングは恐らく人間特有の活動に違いない。いくら賢いチンパンジーがいたとしても、彼らがお互いをコーチングしていた、と言う話を聞いたことは無い。
コーチングは、ティーチングと異なることをご存知の方が多いと思うが、マネジメントで重要になってくるのは、ティーチングよりもコーチングである。
コンサル業務も同様にコーチングが重要であり、未経験の技術でも良いコンサルタントはその指導が可能で成果を出す(注)。
コーチングスキルが重要で効果を発揮するのはスポーツだけでなく実務でも同様なのだ。コーチングスキルにつきましてご興味のある方は弊社へお問い合わせください。
(注)技術について専門家でなければわからない、というのは間違いである。技術者であれば、どのような技術でもアドバイスできる。ただし、科学者は、技術者と異なり専門領域を離れると陸の上の魚状態になる。2005年に国内トップ企業のコンパウンダーへ技術者としてアドバイスしたところ相手は科学者だったようで、素人は黙っておれ、と一喝された。科学者の邪魔をしてはいけないと思い、独自にカオス混合を開発し半年後に立ち上がったコンパウンド工場で、外部のコンパウンダーの開発したコンパウンドと同一配合のコンパウンドでありながら高性能なコンパウンドを生産している。ただしそのコンパウンドは科学(フローリーハギンズ理論)では否定されるPPSと6ナイロンを相溶させた高次構造で設計されていた。技術は時として既存の形式知で説明できないものを創造する力がある。また、それをできる人が技術者である。
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混練の読みは、湯桶読みであれば「コンレン」であり、重箱読みであれば「コンネリ」である。
ただ物質を混ぜて分散するだけであれば、混合という言葉が存在する。混練は、混合と練りを行う操作であり、「コンネリ」のほうが読み易く意味も分かりやすい。
英語になると、MixingやKneading、Blendingなどの言葉が存在し、調べてみてみても明確な定義が無い。
Mixerが混練機という言葉として用いられ、押出機であるExtruderのカタログにTwin Screw Extruder が載っていた。二軸混練機が欲しいならば、そこから選ぶことになる。
中国Coperion社の技術者に、押出機ではなく混練機のカタログが欲しい、とホワイトボードに漢字で混練機と書いたら、同じ機械だと教えられた。
日本が中国から漢字を習ったときに押出機と混練機とは別だったのではないか、と質問したら、その時は機械が無かったはずだ、と真顔で答えられ、さらに通訳は笑っていたので、気にする必要のない差異なのだろう。
その他に、同じような形をしたバッチ式の機械でも、かたや加圧ニーダーと呼ぶが、バンバリー社の機械はバンバリーと呼ぶ。
しかし、ニーダーとバンバリーは動力の大きさで分けられる、という説もあるが、ロールと組み合わせて用いる装置をバンバリーと呼び、それ一台だけでゴムを練り上げられる装置をニーダーと呼ぶ技術者が多い。
あるニーダーメーカーの装置を借りたときに、バンバリー型ニーダーがあります、と言われた時には、少し頭が混乱した。
そのバンバリー型ニーダーは、紛れもなく全体の形はバンバリーであり、ロータの付け根の部分はドライシールで、加圧ニーダーと呼んでもよい装置でもあった。
このような言葉の氾濫もこの分野を難しく感じさせる。
用語の難解さから難しいと感じるのは、レオロジーも同様である。ただし、難解に見えるが、高分子鎖の絡み合いとその運動あるいは分子量と粘度の関係などから、情報を整理してみると「何となく」見えてくるものがある。
レオロジーは、混練で起きている高分子の現象を理解する時に役立つので努力して使えるようにしたい。
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郵便局職員のかんぽ生命の保険販売における不祥事で、日本郵政、日本郵便、かんぽ生命の3社長が更迭されるという。
確かに今回のかんぽ生命の問題は、少なくとも3社長が責任を取らなければいけない、あるいは3社長の責任だけでは済まない問題だ。
事件の重大さを考えると3社長の更迭は避けて通れないが、その中の一人から早くも情けない泣き言が飛び出した。
「情報が入ってこない」という、先日この欄で書いた瀬古氏のようなことを言っているのである。社長にもなってそのような泣き言しか出てこないのは、本来社長を務める能力の無い人だ。
なぜか日本のリーダーにはこのような泣き言をいう人が多い。おそらくリーダーとは偉くふんぞり返っておれば務まるものと勘違いされている。
もしかしたら日本のGDPが横ばいなのは、日本の社長の能力が低いことが原因なのかもしれない。
松下幸之助や本田宗一郎、石橋正二郎といった戦後の経営者は皆活動的だった。みずから現場に情報を取りに行ったのである。
ゴム会社で高純度SiCの事業化を行っているときに、毎年の社長訪問があったのは心強かった。ある時から角銅専務と家入社長だけの訪問になったことを不思議に感じた。
しかし、大掛かりな買収があっても続けていてほしい、と言われた家入社長の言葉を信じて頑張った結果30年続く事業となった。
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温度変化で高分子は固体から液体まで状態変化をするのだが、レオロジーの現象論的な目的に温度は入っていない。
しかし、反応時間について温度をあげると短くなることを経験的に知っているので、レオロジーでは、時間と温度を変換できるのではないかというルール、時間温度換算則を取り入れている。
これは、周波数と温度の両方を変化させて粘弾性測定をすると、何万年という時間が必要となるデータが、実験室で短時間に得られる便利な方法である。
ここで、各温度のエネルギーに相当する高分子鎖の運動が起きていることを忘れてはいけない。
そこでは、結晶化や溶融という相変化、ガラス化という分子運動性の凍結などもこのルールとは無関係に起きる。
すなわち、ミクロの高分子鎖の運動からマクロの粘弾性の挙動まで、幅広いスケールで起きる現象を技術者が安心してシームレスに扱える完成された方法は、まだ存在しないので、形式知と経験知とをあわせて注意しながら混練プロセスの考察にレオロジーを活用しなければいけない。
それは、ダッシュポットとバネのモデルを紙に描きながらも、頭の中では高分子鎖のレピュテーション運動や局部の回転運動などを思い描くような方法である。このようにして高分子鎖のダイナミックな運動を夢想しながら混練の現象を眺めていただきたい。
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大河史上初の一桁で終わった同番組の最終回が日曜日放映され、WEBには視聴率の問題も含め様々な意見が出ている。
大半を視聴してきて感じたのは、難解である、ということに尽きる。主役3人をうまく話しの中で起用していることは理解できても、大河ドラマとして失敗だったと思う。
見ごたえは十分にあったが、日曜日の夜8時に視聴したくなるような軽い番組ではなかった。当方は番組を楽しむというよりも興味で見ていたようなものだ。
ドラマとして様々な工夫が凝らされており面白い番組ではあったが、気楽にみられる番組ではなかった。
また、いろいろ考えさせられる問題も提起されており、メッセージ性のある内容だった。
すなわちドラマ展開が難解すぎた番組のため視聴率を取れなかったのではないか。内容が良くても難解であれば視聴率は上がらない、という事例だろう。
当方が一つ褒めるとしたならば、これだけ低視聴率だったにもかかわらず、最初の方針を変えずに番組を作り続けた、良い番組をお茶の間に届けたいというNHKの姿勢である。
「いだてん」は人生の勝者とは、という問題を扱っていたように思われ、時として残酷と感じる展開もあった。
血糊など飛び出さなくても人生体験があると大変残酷に感じさせるシーンがあり、それゆえ視聴を辞めた人もいたかもしれない。
当方も気分が悪くなったシーンがいくつかあった。たとえそれが人生の真実であってもうまく処理しなければいけないのが大河ドラマである。
最終回も含め、自分で自分を褒めて生きてゆく以外に報われない社会であることを見せてくれたドラマであり、見たくなかった人が多かったのも納得できる。
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研究開発業務は、大別すると、調査、企画と実験、特許等の成果のまとめとなる。これらの業務で、実験は会社でなければできない業務だったが、調査とか企画、業務のまとめは電車の中でもできた。
通勤時間が1.5時間ほど片道かかったので、電車の中で成果のまとめと企画を行っていた。今のようにノートパソコンなど無い時代だったので、手帳にあらすじを書くような作業である。
電車の中で文字を書いた経験のある方ならわかるかもしれないが、うまく書けない。ただ慣れれば記号の様な文字でまとまった内容を記すことが可能である。
他人様が読むことのできない文字は、機密管理に便利だった。こうして自分だけしか読むことのできないノートが貯まっていった。このノートを会社で整理したわけだが、報告書や特許を書く時間、企画をまとめる時間などは大幅に短縮された。
ところで電車の中で使っていた手帳は一冊だけだった。その一冊に業務のすべての下書きがなされていた。だから手帳の消費は激しく、だいたい1ケ月に1冊のペースだった。
手帳には小保方さんが書いていたようなハートマークも多数あったが、それだけではなかった。どくろマークも傘マークもあった。こうしたマークは後から読むときの手助けになった。
また、手帳はアイデアプロセッサーの様な役目もした。一冊に業務すべての内容が書かれるので、後で見たときの工夫が必要だった。実はこの工夫は作業改革を行っていることになる。
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松阪大輔投手が西武へ入団した。あと残り30勝に迫った200勝という目標を達成したいという。
11日の入団会見では、「終わりというものがだんだん近づいている中で」と覚悟の表現をしている。
球速の低下も本人は認識しそこに触れており、厳しい入団である覚悟と、決意した西武への感謝が伝わる会見だった。
人間だれしも加齢という自然現象に逆らうことはできない。新庄氏の再チャレンジに驚かされたが、200勝という目標にこだわる松阪に涙が出てくる。
かつて昭和の怪物と言われた江川投手はたった9年で引退している。平成の怪物のすごいところは、世間から何と言われようと、その肉体が燃え尽きるまで頑張ろうという姿勢である。
巨人入団のごたごたも含め余力を残して引退した昭和の怪物を好きになれなかったが、平成の怪物が苦しむ姿には声援を送ってきた。
苦しむ姿を見せることなくカッコよく引退するのもいいのかもしれないが、必死で力の限り努力しチャンスが無くなるまで頑張る人生が求められている時代のような気がしている。
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東芝はじめ多くの企業で早期退職を募っている。また、再雇用では給与が下がるのが当たり前になっている社会だ。
昨日のTVの早朝講座でもこのあたりを切り口にもう少し有益な話をすべきだったと思う。
ここで問題となるのは労働者側の意識である。昔は会社にしがみついておればなんとかなった時代であるが、今はしがみついていても良いことは無い。
しかし、国内に就職するにも就職先が無い、と嘆いている人は甘い。今中国、台湾、東南アジアの企業において求人が多い。
当方は中国や台湾企業のコンサル業務を行っているが、管理業務の人材紹介を頼まれたりする。但し給与は年収500万円前後である。再雇用対象者ならば魅力があるかもしれない。
技術者ならばさらに高い。さてここで問題となるのが技術力である。これは国内で実際にあった話だが、某中小企業からスポットの相談を依頼されていったら、見かけたことのある技術者が同席していた。
名刺交換などした記憶が無かったので初対面としてあいさつしたが、相手もそのように対応していた。すなわち、中小企業に技術者として就職できたが技術が無くて問題解決できず、当方を紹介してくださったのだ。
これはこれでうれしいのだが、努力してスキルアップの勉強をしてもらいたいと思った。もし、技術に自信が無くて悩まれている方は弊社にご相談ください。
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朝午前3時に目が覚めてTVをつけてみたら、教養番組を放送しており、講師が日本のGDPを上げるには、日本人が付加価値の高い仕事をすればよい、と当たり前のことを講義していた。
しばらく見ていても何も有益なことを語らず、バブル崩壊後の産業界の話をしていただけだった。この講義そのものが日本のGDPを下げているような気がした。
20世紀に日本のGDPが飛躍的に上昇したのは先人の勤勉性とモーレツ社員のサービス残業によるところが多いと思っている。
特に10年以上中国で仕事をしてみると、日本の戦後の状況との差異を感じる。中国は安い人件費を武器に世界から工場を誘致しGDPを押し上げることに成功したが、日本では自ら技術開発をした歴史があるのだ。
今日本のGDPがなかなか上がらないのは、技術開発により新たな市場を生み出す機会が戦後30年間に比較し減っているからだ。
60年以上生きてきて、かつて新技術による新製品が街にあふれだしていた時代を懐かしく感じる。今そのような感動は無い。
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瀬古氏が、自分はリーダーなのにマラソンの情報をネットで知るような状態と嘆いている記事が掲載されていた。
組織活動においてこのような状態に置かれたリーダーは、1.リーダーとしての活動をしていないのか、あるいは、2.リーダーとして不適であると周囲が判断しているのか、どちらかだろう。
ぼやいている場合ではないのだ。積極的に情報を取りにゆかなければいけない。あるいは、2であると気がついたならば、さっさと辞表を提出し、組織に新たなリーダーを迎えられるように行動しなければいけない。
これは企業という組織の中においても同様である。自分の知らないところで管理している組織のことが決められている状態のリーダーは、すぐに反省した方が良い。
組織リーダーの役割は、常に全体の組織が有効に機能できるように責任を負っているのだ。おそらくボヤキの内容から、瀬古氏はリーダーという役割を理解されていないのかもしれない。
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