PPSと6ナイロンをPPSの溶融温度で混練しても科学の観点で当たり前の相分離をしたコンパウンドが得られるだけである。
しかし、ひと工夫した混練を行うと、PPSに6ナイロンがわずかに相溶し、海島構造に相分離したコンパウンドが得られ、靭性が大きく改善されたコンパウンドが得られる。
すなわち相溶化剤を用いなくても、高靭性のPPSが得られるので、過去に特許となっている。しかし、この特許が出願された後でも、PPSにガラス繊維をブレンドする時に6ナイロンは添加されない。
汎用コンパウンドでは、6ナイロンを添加しないのが主流で、カメラ会社において中間転写ベルトという特殊な商品でPPSへ一部6ナイロンが相溶したマトリックスを用いる技術が実用化検討された。
しかし、このマトリックスへカーボンを分散させると、PPSへカーボンを分散した時よりもパーコレーション転移が複雑になり、押出成形で著しく歩留まりが悪くなったのだ。
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外部からコンパウンドを購入し、数年開発が続けられてきたPPS半導体無端ベルトは、押出成形過程でカーボンの分散が変化し、すなわちパーコレーション転移が進行し、面内抵抗が1000倍以上乱れていた。
押出成形については、ゴム会社に入社したときの工場実習で、現場の職長からコンパウンドが未完成の場合に、押出成形で何とかしようとしても、何ともならない「行ってこい」の世界だ、と貴重なディープ・スマーツを伝授された。
押出成形では、形状を整える以外の加工は難しい、というのである。出来損ないのコンパウンドの場合は、形を整えて生産を継続することさえ難しい場合がある、と職長は説明していた。
ゆえに、PPS半導体無端ベルトが歩留まり10%以下なのは、コンパウンド技術が未完成という結論となる。しかし、当方はディープ・スマーツ以外に、膨大な過去の開発データを整理し、コンパウンド技術が未完成との結論を出したのである。
ビッグデータを解析するのに1週間以上かかった。単身赴任前の大変な作業の一つである。単身赴任前には、膨大なエクセルデータの整理以外に、Wパーコレーションのシミュレーションプログラムを作成し、コンパウンド技術のあるべき姿について結論を出していた。
過去の開発データの整理と問題解決できる技術について、ビッグデータでデータマイニングしたのである。2015年頃からマテリアルズインフォマティクスが日本で流行するが、その10年前に実践の場で成果を出していたのだ。
しかし、その成果は、世界の高分子技術分野でトップレベルと思われる技術部長にあっけなく非科学的と否定されただけでなく、そこから導かれる具体的アイデアさえも却下されたのだ。
ただし、非科学的成果から導かれた具体的アイデアは、3カ月後に立ち上がったカオス混合プラントで実現され、同一配合でも押出成形でPPS半導体無端ベルトを100%の歩留まりで生産可能としたのである。
高分子技術トップメーカーのコンパウンドは、科学的視点からは完璧なコンパウンドだったかもしれないが、それでは押出成形で使い物にならなかったのだ。ビッグデータから導かれた非科学的視点で設計されたコンパウンドが押出成形技術の正解コンパウンドとなったのである。
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二本ロールでは、良好なバンク状態とニップの分散で混練が進行するのだが、バンドを切って折り返す作業も重要である。しかし、回転しているロールでこの作業をうまく行うには、少しスキルを磨く必要がある。
ゴム配合により、この返し作業のばらつきが物性に大きく現れる場合がある。樹脂補強ゴムでは耐久性に影響が観察された。圧縮永久歪みにもばらつきとなって現れた。
この返し作業を入れずに、ただ二本のロールを回転させておくだけでも混練は進行するが、その時は定常流となることが多く、カオス混合とはならない。
強いせん断流動がニップ及びその出口部分で発生しているが、単なるせん断の積み重ねであり、バンクに折りたたまれているように見えても、カオス混合となっていない。
返しのような材料に時間依存性を与える操作をするとカオス混合となる。切り返し操作以外に、バンドを一度切断し、斜めに入れてもカオス混合となるという。
さらには、ロールの速度比を変更したり、ギャップを段階的に変えたりと、時間の要素を入れる作業を行うとカオス混合を発生させることができる、と習った。
1970年代にこのようなことが知られていたが、カオス混合のシミュレーションに関する研究発表を初めて見たのは1990年代であり、カオス混合はゴム研究のオタクの間で語り継がれていた混練技術だったように思う。
混練の神様のような指導社員がどこでカオス混合を知ったのかは話してくださらなかったが、研究所でもカオスを混合したら、と笑う人ばかりだった。
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癌の5年間の生存率が発表されたが、癌の種類により大きく異なることがニュースで報じられた。当方は20年以上前の50歳の時に人間ドックにはいり、膵臓にポリープが見つかっている。
しかし、膵臓という臓器では対応方法が無い、と医者に言われた。見つけておいて対応方法が無いと言われたので、恐怖とともにしばらく家族にも内緒で悩んだ。
悩んでいる間に窓際となり、悩まなければいけないことが増えた。とりあえず、膵臓のポリープ問題は棚上げし、100歳まで生きると決断している。
100歳まで生きるために何をしなければいけないか、本来は哲学的な問題のはずであるが、世の中には、断捨離方法も含め、具体的に様々な解説書が出版されていたのに驚いた。
もはや死は恐れることではなく、準備して迎える時代になったのだ。確かに今の医学のレベルであれば、定期検診とかかりつけ医の相談をまじめにやっておれば、癌の早期発見も可能である。
当方もこの半年間、血液検査から癌の疑いがでて調べているのだが、致命的な病巣は見つかっていない。血液検査で出た値も、薬のおかげで正常値に戻った。驚いたのは、膵臓のポリープが消えていたのだ。
人間ドックの結果を話し、念入りに調べてもらったが、異常は無いという。20年前の検査にミスが無ければ、これは驚くべきことである。また、100歳まで生きるコツとして、笑って過ごせ、というのがあった。
窓際になって、写真会社とカメラ会社の統合があり、半導体無端ベルトの押出成形プロジェクトのリーダーを代わって欲しい、と言ってきた部長がいた。
コンパウンドを高分子技術では世界的に有名な企業から購入し開発していたので、カオス混合の知恵さえ教えれば簡単にできると思って引き受けたのだが、最初の打ち合わせで、「素人は黙っとれ」とぴしゃりと言われ、頭が真っ白になった。
せっかく窓際から解放されて100歳まで生きる上での悩みが無くなったと思ったら、営業技術部長から奈落の底に落とされるような宣告である。
そこで、ゴム会社時代にお世話になった社長に一部始終相談したら、世界初のラインであれば当方の技術を信用しお手伝いします、となった。そして、その社長が用意してくれた舞台で、無事歩留まりが70%を越えるコンパウンドをたった1カ月で生産できるようになった。
その結果をもとに、予算外でこのライン購入用の8000万円を出していただき、子会社の敷地に移設し、3カ月で子会社でPPS/6ナイロン/カーボンのコンパウンド生産が始まっている。
健康も技術開発も、明るく楽しく活き活きとやれば成功する!しかも、AIにも考えつかない技術を創り出すことができる!AI時代の生き方に悩まれている技術者は相談してください。AIを越える技術開発の手法を指南します。
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横浜市長のパワハラを堂々と告発した人事部長は、それなりの勇気ある人物だが、記者会見を開いたところは、少々納得がゆかない。
確かに、今時の時代にあのような記者会見で告発すれば、市長は彼を更迭しにくい。また、仮に更迭されたとしても世間が味方になる。おそらく文春砲は援護射撃をするだろう。
しかし、この問題のあるべき姿は、仮に年上であってもそのパワハラ姿勢について、アドバイスして解決すべきだろう。ただし、すでにアドバイスしてもそのアドバイスに対して市長に逆切れされての記者会見だったとしたら、また記者会見の価値も異なる。
当方の場合、指導していた新入社員Aが突然いなくなった。そして、高純度SiC事業スタート時に入社した、セラミックスの専門家がここだけの話として、転職するといってきた。
職場における当方の状況は命を狙われてもおかしくない状況だという。確かにナイフが机の上に置かれていたり、実験室の使用頻度の低かった電気炉を勝手に廃棄されたり、最初のFDを壊されてから、ひどい状況が続いていた。
パワハラの方が明るい状況と表現したならば伝わるだろうか。高純度SiC事業をやめろ、と無言の圧力を研究所の中でかけられていた。
そこで、傾斜機能粉体や微粒子分散微粒子など微粒子の構造制御を行った最先端の材料を電気粘性流体のプロジェクトに提供し、耐久性問題解決だけでなく、その物性も一気に実用化レベルへ押し上げてみた。
しかし、状況は変わらず、1991年10月1日朝に特別快速に偶然乗っている。転職後もしばらくは高純度SiC事業を引き継いだ管理職のサポートをしたが、その方はもう故人となられた。しかし、手紙が残っているが、これまで公開するようなアクションをとっていない。
人生が面白いのは、誠実に行動すればいつかそれが報われることだろう。たまたま、写真会社と福井大学とで共同研究を行うことになって、当方が窓口担当で出張したところ、突然いなくなった新入社員Aがそこで勤務していた。そして、彼のおかげで客員教授に就任している。
高純度SiCの事業はその後もゴム会社で継続され8年前に(株)MARUWAへ譲渡された。人との関係、仕事との関係など社会人は、その人生で様々な関係を持つことになる。
その関係を大切にしつつ問題解決する、ということが、如何に難しいか。パワハラが無くならない原因でもあり、その対応の仕方を横浜市役所人事部長は示したのかもしれない。
しかし、望ましくは人事部長が横浜市長にアドバイス、それを市長は受入れ関係者に謝罪し、仕事が続けられる姿だろう。今回の件で、横浜市長が賢ければ人事部長を更迭しないかもしれない。
議会がどのように動くのか興味深いが、パワハラ問題について、いつでもその加害者の首を切るのが正しい解決策とは限らない。ラブホ密会市長でも再選されている。
常識で考えて頂けば、ラブホ愛用市長は、大変恥ずかしい状態である。健全な男女がラブホで密会していたことを市長の説明で納得している市民がいるとは思えない。
皆が同じことを想像しながら投票しており、お相手はすでに辞職している。市民の視線と無言の声を聴き期待に沿うよう市民サービスに取り組む姿勢は、どのようになるだろう。しかし、これがパワハラであれば、市長のサービスを少し想像できるのではないか。
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今回衆議院の解散と同時に立憲民主党と公明党の合併が発表された。中道を目指す政党となるそうだ。中道といえば、やや左に傾きかけた立憲民主党から独立した国民民主党がある。
これで中道の政党が二つできたことになる。諸派乱立状態の政治の世界において、政党への支持率が高くないところで、2党の合併をやってみても、おそらく得票率は合併前より下がることが予想される。
公明党は合併前より小選挙区から撤退を表明していた。立憲も支持率が落ちていたところである。この二つが合併して果たして支持率が上がるのだろうか。
中道を看板にした政党以外に政治の世界では、左派と右派があり、自民党より右に二つの政党が、共産党より左に一つ、共産党のすぐ右に一つの政党で今度の衆議院選挙は争われる。
政治家の頭の固さに疑問を持っているが、国民民主党が急激に支持者を増やしたのは、政党の魅力ではない。党首が不倫してもその影響が小さかったことから、政党よりも政策提案能力を支持したのである。
左右や中道という見方をすでに国民はしていない。ゆえにあの社民党も生き残っておられるのだ。その存続にどこに意味があるのか、といえば、何か国民のためになる新しい視点での政策である。
ラサール石井氏が当選したのも、彼のタレント活動で見せていたユニークな発想に期待して投票した人が多いのではないか。もし、社民党が現在の看板のまま戦うのであれば、政党からの脱却というパラドックス的な提案をしたら面白いと思う。
左でも右でも中道でもなく、社会と人民のためになる問題解決集団、社民党、というのは面白くないか?その能力のある人材を集められるかどうかにもよるが—-
今回の公明と立憲の合併は、保守対中道という対立軸が鮮明に国民へ浸透した時、その他の政党は一気に存在感を失う可能性がある。国民民主党は、社民党以上に衆院選の戦略が重要になってくる。
もし、自民党から中道へ流れる候補者が出てきたならば、国民民主党の存在感は薄くなる可能性がある。公明党に支えられていた自民党議員の中にはそのような動きをする人がいるかもしれない。
今度の衆院選は、意外にも二党制復活を決める選挙になるかもしれない。もし、中道がそれに失敗したならば、立憲と公明が一度に消える可能性がある。どのように流れるのか、中道の支持者が増え国民民主党の支持率が下がれば、少し面白い選挙戦になりそうである。
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科学の視点でPPSと6ナイロンが相溶しない理由を説明すると、まず極性と分子構造が異なるので、それぞれの分子間相互作用の種類が異なる。
例えば、PPSは、芳香族主鎖で、非極性〜弱極性、剛直・結晶性高いが、6ナイロンは脂肪族主鎖で、強極性(アミド結合)で水素結合が支配的である。
また、 溶解度パラメータが大きく異なり、Flory–Hugginsのパラメータ χ が大きく、混合エンタルピーが正になる。
さらに、PPSは高融点で高結晶化速度であり、6ナイロンは比較的低融点で水の吸収で結晶化が影響を受けたりして 結晶化挙動が全く異なる。
ゆえに、溶融混練しても、技術的工夫が無ければ、冷却時に別々に結晶化して明確な相界面が形成される。
ところが、脆いPPSの靭性を改善する目的で、反応性相溶化剤である無水マレイン酸変性ポリマーやエポキシ官能基含有樹脂を用いたり、ブロック/グラフト共重合体を添加し、両者の相溶を目指した特許が存在する。
高いレベルの高分子技術持っているコンパウンドメーカーの特許には、相溶化剤を添加した特許もあれば、相溶化剤を添加していない特許も存在する。ここが面白い。ただし、いずれも20年以上前の出願であり、今では公知技術となっている。
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ゴム会社に入社してよかったことが幾つかある。ERFさえ担当しなければ転職していなかった可能性が高い。よかったことの中でトップに来るのが、混練の神様と呼びたくなるような技術者に3か月間直接ご指導いただいたことである。
おそらくこれまでの人生で出合った社会人で、最もレオロジーと実務との関係を理解されており、オブジェクト指向による材料開発を志向していた技術者かもしれない。ただし、世間に対し少し斜に構え、みかけ一生懸命仕事をされていないところが気になった。
昇進が遅れていたのは、おそらくこの一点が原因ではないかと思って他の方に聞いたら、若いころと雰囲気が変わった、とのこと。
研究所の風土はアカデミックさが充満していたが、この方は製品化に注力したほうが良い、と小生にご指導くださった。すなわち、製品から研究テーマを企画するようにご指導くださった。
午前中は座学で、午後は学んだ知識をもとにロール混練を中心とした業務という毎日だった。回転速度の異なる二本のロールがただ動いているだけであるが、運転条件とスキルによりカオス混合が可能になるという。
ニップ上のバンクは単なるゴムだまりではない。この塊の中でもゴムの流動が起きており、良好なロールバンクの状態を維持する技術を最初に学んだ。
すなわち、ロールのクリアランスと投入量、ロール温度などの条件設定により、混練効率は大きく影響を受けるので、それをまず「実感」することがロール混練の基本という考え方からである。
ロールに巻き付いたバンドを見ているだけではだめなのだ。また、返し技も重要で、これがスキルの必要な危険作業となる。樹脂補強ゴムという混練が難しい配合でロール混練の技を磨くことができた。
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科学ではχが0とならない系では相溶しないことになっているのに、5種類のナイロンとPPSの組み合わせそれぞれで透明になったのである。腰を抜かしたことで、中途採用の若者が優秀であると理解できたが、同時に当方を信用していなかったことに落胆した。
おそらく、相溶してからスピノーダル分解が生じるので、ナイロンに分散しやすいカーボンがソフト凝集を起こす。そしてそのソフト凝集を起こした、高抵抗体がパーコレーション転移を生じるので、カーボンが高度に分散して生じるパーコレーションよりも抵抗変動が小さくなる、とホワイトボードで説明したことを信じていなかった可能性が高い。
業務がひと段落したところで、改めて、配合を変更せず、何故このプロセスでうまくゆくのか質問してみた。PPSと複数の種類のナイロン樹脂とが当方の予言どおりにストランドの状態で透明になった衝撃が大きかったのか、カオス混合技術を当方がどうして知っていたのか、この若者は逆に質問してきた。
そこで、ゴム会社に入社した時の最初の指導社員が混練の神様のような人で、当方に二軸混練機でカオス混合を実現する方法を考え出すことが宿題と言われた話をしている。
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11日に行われた全国女子駅伝で信じられないハプニングがあったそうだ。その謝罪が昨日ハプニングを起こした選手と大会関係者とで行われた。
まず、ハプニングの内容だが、4区と5区のたすきリレーで、5区の選手が準備をしていなかったので、4区の選手が中継点で26秒間選手を探したという。
謝罪会見で違和感を覚えたのは大会関係者まで一緒に謝罪していたことだ。駅伝のルール上5区の選手一人の責任である。
ところが、この5区の選手は、番号が呼ばれなかった、とか通路が狭くてよく見えなかった、とか言い訳を述べ、大会関係者は、審判の読み上げた番号を聞き逃したかもしれないので、とか選手をかばっていた。
とりあえず選手は謝罪をしているが、大会の審判を疑っており、責任感が無いことは明白である。また、大会関係者は、はっきりと選手の責任を述べ、再発防止のための対策をいうべきだった。
このように書くと厳しいと思われるかもしれないが、1000人以上も走っていないのである。中継点に来る選手一人一人を100人まで数えることは難しいわけではない。
もし、10人も数えることに集中できない能力の欠陥があると思っていたなら、それなりの対策をとり選手は大会に臨むべきだった。
2005年に3カ月でコンパウンド工場を建てた話を今書いているが、3カ月でカオス混合のコンパウンド工場が建つことを疑っている人がいるかもしれない。
正直に申せば5カ月である。8月にコンパウンドメーカーから自分でラインを作って生産しろ、と言われた時に、実は頭の中が真っ白になっている。
すなわち、2006年4月からの量産は歩留まり10%未満を覚悟しなければいけなかったからである。そこで、根津にある混練設備を扱っている会社の社長に相談した。
その社長の御厚意で、埼玉県のある企業の倉庫を借りて、コンパウンド工場建設予定地の枠を床に描き、ライン建設をスタートしている。
子会社の敷地にラインを納入できる環境が整うまでにそこで中古機と一部新品の設備を組み合わせてラインを立ち上げて実験を行っている。
当方は、土日そこへ私費で通い、進捗管理や実験を行いながら、コンパウンド工場を少なくとも量産開始2か月前までには立ち上げられるよう全力で頑張ったのである。
サラリーマンとして異常な仕事のやり方ではあったが、責任感から2010年に早期退職する決意でこの仕事を行っている。言い訳は考えなかった。何か問題があれば責任をとって退職することまで考えていた。
2010年になり早期退職しようとしたら、2011年の新製品に安価な環境対応樹脂が必要とある役員から頼まれ、2011年3月11日を退職日に指定して仕事を引き受けているが、この仕事はアイデアとして実行したかったデータ駆動の実験を実施できたので楽しかった。
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