戦後80年、今や科学教育を受けていない世代は皆無に近い。日本人は誰でも科学というものを体験し、知っている時代である。そこへAIが登場したのだ。
まだ、その能力は完璧ではないが、適切なプロンプトを与えれば形式知を提供してくれる。高分子科学の体系が完成していないのにフラクトグラフィーまでできてしまう。
すなわち、今の生成系AIは、不完全な現代科学同様に一部の経験知も含んで我々に世の中にあふれている情報から知を整理して提供してくれる。アカデミアの半分の役割はもう今の生成系AIがあれば十分である。
ただし、正確なプロンプトを与えたときに、の条件が付くが、このような時代に科学は常識で当たり前であり、科学を超える知が求められる時代になった。
そのような時代に、従来の感覚の研究所を企業内に組織として残しておくのは、もはや時代遅れと言わざるを得ない。アカデミアさえもその存続が危ぶまれる時代なのだ。
故田口玄一博士も生前基本機能の研究が必要で、従来型研究は不要となった、と1990年前後から言われていた。1993年から3年間田口先生に直接ご指導いただいたが、何故か意見が合った。
科学が常識の時代にどのように研究所を運営していったらよいのか、よくわからない方はお問い合わせください。
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1980年代初めにゴム会社の創業50周年を記念してCIが導入され、社名からタイヤが無くなった。このとき、タイヤ以外の多角化を目指し、電池とメカトロニクス、ファインセラミックスを3本の柱とする方針が服部社長から出された。
その後、方針の一つ電池はセイコー電子工業とのJVとして事業化され、世界初のLi二次電池の実用化成功を評価されて日本化学会技術賞を受賞している。
ファインセラミックスは、当方の提案した高純度SiC技術が無機材質研究所で3日間の開発期間で技術が完成し、2億4千万円の先行投資と研究所建設が行われ、その後住友金属工業とのJVとして事業が立ち上がった。
しかし、この事業が立ち上がった時でも、電気粘性流体は研究段階であり、事業化の見通しが立っていなかった。U本部長は、実用化を促すためにデバイスに組み上げ耐久試験を命じたが、担当者は渋っていた。
そしてU本部長からI本部長に交代した時に、「電気粘性流体の耐久性問題は、界面活性剤で解決できない」という科学的に完璧な否定証明を完成させたのである。U本部長の時には実用化を進めていたのだがI本部長になると、また研究に逆戻りしている。
そして、あらゆるHLB値の界面活性剤を用いても電気粘性流体の耐久性問題を解決できないという否定証明の論文を世界的な大発見とI本部長は持ち上げ、「加硫剤も添加剤も何も入っていない加硫ゴムを開発せよ」ととんでもない指示を出したのだ。
立ち上がったばかりの住友金属工業とのJVを止めてこの開発を担当するように言われた当方は、オブジェクト指向とデータサイエンスにより一晩で電気粘性流体の耐久性問題を解決できる界面活性剤を見つけた。
一晩で見出された界面活性剤が実用化レベルであることは、1日の耐久促進試験ですぐにその性能が確認できた。なぜなら、当時の電気粘性流体は2-3時間で失活したからである。さらに当方の一晩で見出した界面活性剤は、1日経っても当時の電気粘性流体の性能を維持し続けた。
このテスト結果が出るや否や、当方の見出した界面活性剤は界面活性剤ではない、第三成分と呼べ、と強制された。化学を知らないI本部長には第三成分と呼ぶことによりこの技術を新技術として認めていただけたのはよかったが、科学が唯一の方法とされた研究所ではおかしな出来事である。
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1970年代のマイコンの登場で1980年代から始まったDXにより、科学に対する視点が変わり始めた1990年の出来事である。
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昨日の日刊スポーツに、共産党吉良議員に対して阿部俊子文科相が、「美しいお顔で…」と発言したことが問題となり、阿部文科相が謝罪されたとの記事が出ていた。
女性が女性の容姿を褒めて問題となった、という記事で男性諸氏はどのように感じられただろうか。確かに吉良氏は男性から見ても魅力的で、女性の阿部氏がそれを褒めて何が問題か、と感じられた人は、今の時代に無意識のセクハラに気をつけた方が良い。
女性が女性の容姿を褒めても問題となるのだ。男性が女性の容姿を褒めたならば、大問題となる時代であることを勉強していただきたい。
褒めてもけなしても相手がセクハラと感じたならばアウトの時代である。半世紀前の学生時代に誰が見ても〇人の友人が、大学の先生から〇人だと褒められて気持ち悪かった、と話していた。
一緒に歩いていてすれ違う名古屋の男性は、皆ガンつけするぐらいの顔立ちなので、当時は自慢しているのか、と内心思った。
しかし、いろいろ聞くとその先生から時々お誘いがかかったそうである。一度昼食を一緒に食べたら、今度は夕食に誘われたとか。これ以上は書かないが、先生は妻帯者だったのでその後は断ったとか。
〇人が〇人と言われても問題となるのは、セクハラが社会問題となるよりも前の時代からであり、〇人であっても言われたくない人から〇人と言われると問題となる難しい女性心理を皆が理解すべきだろう。
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「練習は家でするように。これは練習用ではない」という表示をストリートピアノ設置者がしたので、炎上している。
そもそもストリートピアノは、自由に弾いて欲しいから設置するもので、演奏者に制限を加えるならば、設置するな、という人がいても当然である。上手な人の演奏でも聞きたくない人がいるからだ。
演奏者に制限を設けるならば、音が届く範囲にも制限を加える努力をしなければいけない。すなわちそれを聞きたい人だけが入れる空間を設けて、ピアノを設置すべきだろう。
そのような対策をせず、ストリートピアノを設置するときには、演奏者の制限をすべきではない。当方はストリートピアノがあると、あまり近寄らないようにしている。
上手な演奏だろうが下手な演奏だろうが、聞きたくないのである。歩いているときは、歩くことに専念している。そうしないと運動にならない。
少しでも運動時間を取りたいと思っている年齢層にとって、ストリートピアノは上手下手に関係なく、騒音である。だから誰が弾いていても良い。
そもそもストリートピアノの演奏で、感動した経験やそれを聞くために立ち止まったことはない。本当に感動的な演奏というのは、歩いていても感動するものである。
少し弾ける人の演奏と下手な演奏との区別などどんぐりの背比べであって、少し弾ける程度の人の演奏でも騒音と感じている人がいることを知って欲しい。耳が肥えている人たちの中には、ストリートピアノそのものを迷惑に感じている人もいるのだ。
多様性が叫ばれる時代に自由を前提に解放されている、あるいは解放した人は、それに制限を加えるべきではない。そもそもストリートピアノの演奏で上手いと感じた演奏に巡り合ったことが無いので、ストリートピアノは練習用だと思っている。
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東京家政学院大学が男子枠を設けて学生募集を行うという。それが昨日ニュースになっていたが、ジェンダーフリーが叫ばれるようになって10年以上経つのにニュースとなっていることに違和感を感じた。
さらに今時男性が家庭科教員を目指すときに女子大へ通わなくてはいけないことや、男性家庭科教師が1割未満というのも時代の流れを考えたときに不思議に感じる。
そもそも老々介護が問題となってきた20世紀末に男性も家政科の学問を学ぶ重要性が社会で検討されていなかったのは問題である。アカデミアの対応に疑問を感じている。
当方は、少しずつ料理の時間を増やしてきたが、料理を作るにも基礎知識が重要であることに気づき、最近少しずつ調べ始めた。しかし困ったのは、言葉の問題だった。ところが、最近は生成系AIのおかげでサクサクと勉強ができている。
例えば、料理について少しでも栄養バランスをコストとの関係で考えようとしたときに、知が必要となるのだが、それを生成系AIは手軽に提供してくれる。昔ならば、専門書とまず格闘したはずである。
遊びで料理を作っているあいだは、さほど知の必要性はなかったが、日常の仕事と捉えたときに、知の重要性が出てくる。それを生成系AIが提供してくれることに気づいたのだが、家政科に限らず近い将来専門家を含めたアカデミアの関係者で失業者が増えるのではないか。
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アカデミアは、生成系AIに負けないように知をリードしなければいけない。老人大国ニッポンとなり始めたが、介護サービスだけでは間に合わない。新しい家政学が重要な時代となったことに気づいているのは当方だけか?
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少子化となり、結婚すれば二人で4人の老人の面倒を見ることになる。100歳まで生きる時代では、親が亡くなる前に配偶者が病死するリスクがある。元気な老人が介護を担う世界を想定すればよいのだが、同居を前提としない家政学は重要な知の一分野である。
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今はどのように新入社員研修を進めているのか知らないが、当方がゴム会社に入社した80年前後のとき、修士までの新入社員は半年間人事部所属の研修期間で、10月に職場配属された。
この研修期間は、大変中身の濃い内容で、ドラッカーを読んでいた当方にとっては納得のゆくカリキュラムだった。この研修が無ければ、12年間我慢して研究所に勤めていなかったかもしれない。
10月に配属された研究所は、新入社員研修で学んだことが、無駄になるような職場だった。新入社員研修そのものをバカにしている上司や研究員が多かったからである。
研究開発本部長も経営者には見えず、責任感の無いいい加減なリーダーだった。セラミックスフィーバーとなり、宮崎緑氏がMCを務めたNHK「日本の先端技術」の録画が社内で4回も放映されたにも拘らず、見ていなかった。
社長が交代し、「電池」と「メカトロニクス」、「ファインセラミックス」を3本柱として多角化を行う方針が出されても研究所の方針は変化が無かった。そもそもどのような方針だったのか記憶が無い。
新入社員研修では方針管理が徹底した経営の会社という説明があったが、研究所だけは適当だった。本部長は本部長室の一室に閉じこもり、研究部長は大部屋の机に座ったままで、毎日挨拶をする機会が多かった。
タイヤ関係の管理職と廊下ですれ違うことが多かったが、研究所の管理職とはトイレで顔をあわせるくらいで、廊下ですれ違わないのが謎だった。研究所の実験室で管理職の顔など見たことも無かったが、タイヤ部門のバンバリーを借りるときに、たまに作業場でタイヤ部門の管理職に挨拶をしていた記憶がある。
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主だった都市でオーバーツーリズムが問題になっているが、名古屋がその問題都市に入っていない。おそらく外国人観光客が少ないのだろう。日本においても、かつて大いなる田舎と言われたりして観光地の印象が乏しい都市である。
しかし、それほど魅力の無い街かと言うと、そうでもない。かつてはパチンコが話題になったが、今は産業観光が話題である。豊田自動織機やノリタケの森など名古屋駅周辺に無料で楽しめるスポットがある。
少し足を延ばせば、岡崎には八丁味噌のまるややカクキュウが無料で味噌工場の見学をさせてくれる、カクキュウには赤だしレストランがあり、おいしい食事を有料で食べられる。
また、栄には松阪牛の金馬簾や名古屋コーチンの鳥しげなど地元ならでは和食レストランがある。味噌カツはご当地グルメとして有名で、どこで食べてもその店独特のみそだれがおいしい。
名古屋城はコンクリートのお城で魅力は無いが、熱田神宮はそれなりに楽しめて、あつた蓬莱軒でひつまぶしを食べながらヒマつぶしができる。
熱田神宮の凄いところは、くさなぎのつるぎがあることだ。これが名古屋人でも知らない人が多いのは残念である。名古屋大学近くの桃巌寺は、一度境内を覗いてみる価値がある。地下鉄本山駅から名古屋大学へ行く途中にあり、初めて見たときにはびっくりした。
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名古屋には産業観光の意外な穴場があり、それをネットで探す楽しみがある。ノリタケの森はじめ名古屋駅周辺は初心者向けだが、ネットにも出ていないところがある。
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先日グーグルマップにも出ていないお城の廃墟が話題になったが、名古屋には話題になっていない意外なスポットがあるので興味のあるかたは、散歩をされると良い。
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例えば、ギター好きならば星野楽器や荒井楽器など公開情報の乏しいところから、石原裕次郎の白壁の町のような昔有名だったところまで、今は誰もおとづれないスポットがある。
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ゴム会社で30年ほど前にテストマーケティングされた電気粘性流体は、70年ほど前にウィンズローにより発見された新素材の実用化の成功だった。この材料の実用化技術を短期間に開発したために当方はゴム会社で高純度SiC半導体治工具事業を立ち上げながら、転職しなければいけなくなった。
アメリカのタイヤ会社を買収し、リストラの最中だったので問題とされず、殺人も起きたかもしれない研究の妨害事件は隠蔽化された。
U本部長から交代したI本部長が事件を隠蔽化したのでエスカレートして3人が退職(注)する事態までなったのだが、発端は電気粘性流体でデバイスを組み上げるときに使用するゴムからブリードアウトする物質により、電気粘性流体が失活する問題を一晩で解決したことである。
先日のシンポジウムでデータサイエンスを用いて解決したことを発表したが、DXとリストラとが複雑に絡み合って進行しとんでもない事件が起きた、と説明している。
当時の研究所では、たとえ実用化できるように問題解決できたとしても、非科学的方法は排除されたのである。データサイエンスで見出された界面活性剤さえも第三成分と呼べ、と歪曲された。これは科学を指向しているにもかかわらず矛盾した行動である。
パワハラはじめ各種ハラスメントが常態化していた研究所の出来事だが、この事件が起きる前には、当方の管理していた3000万円の電気炉が当方の許可なく廃棄される事件まで起きている。その後、隠蔽化できず新聞に載るような大事件が起きる序章のような出来事が研究所で始まっていた。
兵庫県知事のパワハラが問題となっているが、このような組織内の問題について、発覚したならばすぐに対応しなければ、被害者の心の傷は癒されず、トラウマとして残る。あるいは、被害者はトラウマを解決できず自殺するかもしれない。
兵庫県知事の問題では実際に自殺者が出ているが、このような事件では被害者は頑張って生きて告発していただきたい。加害者は権力を背景に反省などしないのである。
(注)以前書いているが、写真会社へ転職後、先に転職したT君と偶然福井大学で再開し、当方は福井大学客員教授に推薦されている。人生とは不思議である。誠実真摯に生きることが大切だ。
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昨日日本ゴム協会によるシンポジウムがあった。2時間時間を頂きオブジェクト指向とデータ駆動、深層学習について解説するとともに、それらソフトウェア工学の成果を利用した材料開発事例を紹介した。
DXが話題となっているが、マイコンが登場してから、この50年間のイノベーションは人類の思考に大きな影響を与えたように思う。当方がゴム会社に入社した時には、非科学的な材料開発はご法度であり、いかにも科学的であることが求められた。
もはやそのような企業は無いと思うが、30年前には、FDを壊されたりナイフが机の上に載っていたりとひどい目にあった。当方含め3人が転職する事態になっていたが、当時の研究開発本部長は事件そのものを隠蔽化した。
今なら許されないことである。自殺していなくてよかったと思う。このように当時の社会的にも問題となるハラスメントをDXの進展における出来事として語れる。
また、上司に命じられ、会社の仕事を行うのに80万円のローンをさせられた体験も昨日話した。それだけの扱いをされた時代から、40年以上経ったら、当方の新しく始めた非科学の方法がソフトウェア工学として社会で当然の時代になった。
哲学者イムレラカトシュは、科学と非科学の境界は時代により動くと言っていた。非科学の方法で答えを見つけ、科学の方法でそれを証明するのが当たり前の時代になった。この方法がよくわからない人は弊社へご相談ください。
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昨日表題の記事を見つけた。3位は英語で2位は国語、1位は算数あるいは数学だという。あまりにも当たり前の答えでがっかりした。もしそうでなければ義務教育期間が無駄だったことになる。
しかし、これはある意味つまらない結果であって、音楽とか体育、図工などがトップに来るぐらいの授業を義務教育でやってほしい。当方は時代背景もあり、家庭では音楽の無い時代で、学校で習った音楽体験が人生で貴重だった。
もっとも楽しい思い出ではない。しかし、ここに書けないような思い出なので、役立ったのである。小学校の高学年の時に母親は女学校時代の友人の娘様が音大の先生をやっているとかで本格的なボイストレーニングの機会を得ている。
また、父親はボーナスをはたいて、コロンビアの卓上ステレオを買い込んできた。このとき、我が家は一度に音楽が溢れる家庭になった。
もっとも小学校から中学卒業まで音楽の評価は5であり、親が慌てた理由が成績が下がるといけない、という理由だった。算数や国語でもないのに、両親は教育熱心だった。おかげで中学校まではすべて5という成績だった。
当時はこれが良い成績だという自覚は無かったが、受験校に入学して、それを維持していた義務教育の時代を懐かしく思った。もっとも高校時代は素点しか通知表に記載されていなかったが、その素点からおおよその成績を理解できた。
結局当方にとって大人になって役立った科目は音楽であり、およそその才能の無かった当方にとって音楽の授業はギターが趣味となるきっかけになっていた。
趣味がギターだからといってギターが上手に弾けるわけではない。いつまでたっても「禁じられた遊び」以外弾けないのだが、下手なギターを練習するたびに、いろいろと気づきがある。
これが年を重ねるきっかけとなっている。年齢とともに自ら反省する機会の少なくなる難しさをご存知の方には理解していただける思う。孔子は40にして惑わず、と言っていたが、死ぬまで惑い、認知症を予防しなければいけない時代になった。
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