オンキョーも無くなり、オーディオ市場というものが存在するのかどうか知らないが、インターナショナルオーディオショーが今年も1か月前に開催されたようだ。
良い音の定義は難しい。さらに音の入力機器と出力機器は、どのような組み合わせになるのか不特定である。ゆえにライブであっても録音が再生された音楽であっても良い音をどこでも同じ品質で届けることは、不可能に近い。
かつて、録音メディアがレコードからCDに代わった過渡期に、その両方のメディアで新譜として発売されていた。数十万円程度の再生機器でもレコードとCDの音の違いを聞きわけることができた。
レコードの方がライブ感が高かったのである。サックスの響きなど同じ音源に思えない録音もあった。少なくとも録音メディアはアナログの方が活き活きとしていた。
しかし、SN比という尺度で聴けば、CDに軍配が上がる。音の透明感を感じることができた。このようにオーディオでは良い音の定義が難しくなる。そこから生じる曖昧さに数百万円も投じる人がいると聞くと驚く。
スピーカーだけでもいまや1台100万円を出さなければ、パイプオルガンの低音が満足に出てこない。昔は2台4万円のスピーカーでも30Hz前後の低音を再生できたスピーカーが存在した。
この30年間にスピーカーの振動板に対する考え方が変化している。そしてDA変換された信号を正確に再生する方向に設計され、低周波領域は50Hz前後として無理に低い領域まで再生領域を広げていない。
昔のスピーカーの振動板の材質は、紙やシルクなど天然素材が多かった。最近は安いスピーカーであれば紙かPPと限られてくる、高くなるとケブラーやセルロースナノファイバーなど明らかに高そうな素材が使われる。
安いスピーカーでは、その素材の音を感じることができるのだが、高いスピーカーでは素材の音が無くなる。昔ながらのパルプ複合材でコーン紙を設計している超高級品もある。スピーカーの材質を見るとその値段が材料で決まっていないことに気がつくが、ダイヤモンドをツイーターに使ったスピーカーは300万円もする。ダイヤモンドである必要はないのだが。
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高分子の難燃化技術はどこまで進んだのか。科学の視点では、どのような高分子でもLOIを21以上にする技術が存在する。すなわち、どのような高分子でも空気中で自己消火性を持たせることが可能となった。
ただし、用途に応じて難燃化規格が存在するので、それぞれの規格に合うように最適化しなければ難燃材料として社会へ提供できない。
LOIだけが難燃化規格となっている場合には、現在の難燃化技術ですべての高分子をその用途で用いることが可能である。
環境への負荷を考慮すると、非ハロゲン系難燃化技術を用いるのが好ましいが、このような話になってくると、幾つか誤解が存在するので説明がややこしくなる。
まず、ハロゲン系難燃剤の問題を述べると、三酸化アンチモンとの併用で最も効果を発揮するようになる。臭素系難燃剤であれば、単独使用で空気中において自己消火性とすることが可能である。
しかし、臭素系の難燃剤は、使用禁止物質に指定されている化合物が存在する。そしてそれが30年前より増えてきており、現在使用可能なものは少なくなった。恐らく将来使えるものが無くなる可能性も出てきた。
すると困るのは、2022年の法律との関係である。Renewableが基本となっているこの法律に従い、リサイクルするときに、臭素系難燃剤が含まれるとリサイクルできなくなる。
現在でもリサイクルするときに再生材の中に臭素が含まれているかどうかのチェックが行われており、臭素が含まれていると再生材から取り除かれる。
ゆえに、高分子を難燃化するときには今の時代であれば、非ハロゲン系難燃剤で高分子を難燃化すべきという結論が出てくる。それでは、非ハロゲン系難燃剤ですべての高分子を難燃化できるのかと言えば、残念ながら科学ではyesという結論を出せない状態である。
しかし、技術的には可能である。このような表現を不思議に感じた方は弊社にお問い合わせください。当方は50年近く前に難燃化が難しいとされたPVAをリン系化合物だけでLOIを21以上にすることに成功している。論文発表もしている。
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FNNプライムオンラインニュース( https://news.yahoo.co.jp/articles/495a99ab9234fe2491619e47b9c482025cb1b135 )に兵庫県知事擁護論が載っていた。
しかし、この擁護論では擁護していることになっていない。逆に、リーダーのスキルの無さを許すような論理である。組織リーダーは、メンバーの能力を引き出すことに努力すべきであって、躾係ではないのである。
ゆえに、30年ほど前からコーチングの研修が流行している。新入社員の指導社員となる入社3年目から管理職向けなど様々なコーチング研修が行われている。
弊社でもコーチングプログラムを用意しているが、グレード別ではない。問題解決に特化している。すなわち、リーダーの大切な役目として担当者との問題解決があるからである。
リーダーは、問題解決の過程で最も担当者からそのリーダシップを称えられる、というのが弊社のコーチングスキルの考え方である。
知事が乗ることが分かっているエレベーターならば、扉が開いていて当たり前だろう、という辛坊氏の見解は、今の時代に合っていない。知事のために扉が開いていないエレベーターのどこに問題があるのか、そこから考えるのが正しいリーダーの在り方である。
知事のためにエレベーターをあらかじめ乗れるように準備すべきか、あるいはそのような気づかいを無くす風土を理想とするかを新しいリーダーは問題としなければいけない。
初めて知事が乗るエレベーターが正しく準備されていてもそこに問題を知事は見出さなければいけない。例えば、知事にはエレベーターを準備できるが、庁舎をおとづれた身障者を見ても職員の誰もがエレベーターの準備をしていなかった光景があるならば、大問題である。
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東電では以前78億円かけて燃料デブリ取り出しロボットを開発したが、通路にがれきがあることが分かり、新たに開発をしなおして、先日その試験を行った。
ところが、試験をしようと準備を始めたら、部品がそのためのものではないことに気がつき、中止したという。ニュースを読む限り、リーダー含め研究開発の素人集団のように思われる。
その彼らの活動資金は高い電気料金から支払われているのだ。それを思う時、弊社に任せなさいと、言いたくなる。弊社がご指導すれば、少なくともニュースで報じられている馬鹿げた失敗をしない。
馬鹿げた失敗は1度なら笑い話で済むが、それが2度繰り返された場合には、仕事の内容から恐怖となる。これまでの2回の失敗で事故が起きていないのは幸運なことだが、3度目は何か大事故が起きそうな予感がする。
このように書くと、事故を防ぐために中止したのだ、という言い訳が出てくるかもしれない。記者会見では凡ミスかどうかの質問に対しては答えなかったそうだが、隠蔽してはいけない。
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材料開発にコンピューターを利用するきっかけは、大学4年の時に在籍した研究室の風土が影響している。そこには分子軌道法で反応経路を評価している研究者がいた。
また、コーリーによる逆合成の考え方も研究テーマではないが雑談で議論されるような風土だった。有機合成の研究室だったが、コンピュータの話題が時々出てきた。
ゴム会社に入社し、情報工学の優秀な卒業生がいて、情報工学とコンピューターについて熱く語っていた。当時は大型コンピューターの時代だったので、FORTRUNを使えることが必要だと言っていた。
1か月半の新入社員実習でタイヤの軽量化について指導された時に、彼の発案で多変量解析でデータ処理をすることになった。以前この時の様子をこの欄で書いているので省略するが、この時の成功体験は大きく、10月に配属されてからもIBM3033を使用していた。
「花王のOAパソコン革命」という本がベストセラーになり、研究所でもOA化を推進するプロジェクトが作られ、上司がOA委員長になった。パソコンを一台も研究所で購入しないでプロジェクトを推進し、アウトプットとして研究所の薬品管理体制を成果として出し上司は高く評価された。
プロジェクトの推進にパソコンが1台も購入されなかった原因は研究所に予算がとられていなかったからである。それで、上司に命じられて当方が80万円のローンを組みパソコンを購入している。
もちろんパソコンは当方の私物となったが、10万円の初任給の時代に80万円のローンの意味が分かる人はプロジェクトメンバーに一人しかいなかった。カローラデラックスが1台買えた時代である。
唯一の理解者は、当方のかつての指導社員だった人である。他のメンバーは、OA委員長の上司も含め、コンピューターを趣味とする人間が購入したいと思っているぐらいにしか考えていなかった。
また、廊下ですれ違ったときの同僚の言葉にも独身寮のパソコンが順調に稼働しているかという挨拶が多かった。だれも、80万円のローンを問題にしていなかった。
その後FD事件が起き、当方含め3人ほどが転職するような状況となっても隠蔽化されたり、転職後社長室乱入腹切り事件が起きたりしている。さすがにこれは新聞沙汰になっている。
今から思い出せば、ビッグモーターのような風土で我慢して仕事をしていた、と感じたりするが、この時ローンで購入したことがきっかけで、毎日がコンピューター漬になった。
もっともローンの負担で休日に身動きできなかったのだが、おかげでプログラミングはじめ情報工学の勉強を当時の学生以上にできる時間が生まれた。
その後起きているDXの先端を走りながら、今年の春にはAIを活用した配合設計について日本化学会で発表することができた。そして、来月は広州で開催される再生材に関する国際会議へ招待講演者に選ばれた。
ゴム会社の12年は楽しい思い出である。地獄に行っても楽しめる術を身に着けた良い経験と思っている。どのような組織でも、それが社会的使命を目指し活動しているのであれば、例え内部が地獄でも自死する必要はないのである。
当方には兵庫県知事がどのような秀才なのか、体験から想像がつく。また、ビッグモーターの常識を超えた活動も当方にとっては、リーダーが腐っていたなら起こりうることと理解できる。皆、ゴム会社の研究所における12年の体験のおかげである。
一番の問題は、過去の多くのリーダー論が誤って理解されたり、リーダー論そのものが偏っていたりしていることだ。そのようなリーダー論を基にした研修では、ビッグモーターのような事件を防ぐことができない。
リーダー論のヒントは、ドラッカーにある。彼はただ一言、「誠実な人をリーダーに選べ」と述べている。兵庫県知事にしてもマスコミに現れたビッグモーターの幹部にしても誠実さは感じられない。
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兵庫県知事の問題は、当方から見ると疑問点ばかり出てきてよく分からない、というのが正直なところだが、公開されたアンケート結果から垣間見えてきたどこの組織でも起こりうる問題がある。
まず、今という時代に心掛けなければいけないことを書く。上位職者が下位職者に声がけするときに、優しく声がけしなければいけない。普通に声がけした段階でパワハラとなる。
そもそも、普通の表現という基準が曖昧であるが、上位職者にパワーがあることは明確である。だから上位職者は自分のパワーを気にかけて下位職者に声がけしてようやくパワハラの無い関係で会話をしている、という場となる。
この意味では、兵庫県知事はパワハラの日常であった可能性が高く、アンケート結果にはそれが現れていた。おそらく、兵庫県知事はこのことに気づいていないのであろう。
40年前の当方のいた研究所は、今の基準であれば、パワハラやセクハラその他多種多様のハラスメントが溢れていた日常だった。おそらく、日本企業のほとんどの組織は似たような状態だったのだろうと思う。
写真会社は30年ほど前からハラスメントに取り組んできた優良企業である。たまたま、上司とゴム会社の研究所へ帯同する機会があったが、転職後10年以上経ってもゴム会社の研究所の風土は変化していなかった。
打ち合わせをしていた会議室まで聞こえてくる叱責の言葉に耳を傾けながら、なぜか懐かしさを感じていた。当方が転職した時に当方含め3人が同時期に転職しているが、組織外で起きたならば明らかに犯罪となる出来事が起きて、それを本部長が隠蔽化して放置したからである。
分かり易く言えば、命まで奪われそうな脅迫まがいのレベルの出来事が起きていた。それでも隠蔽化する、というのは異常な判断と人事部にも申し出て転職している。
兵庫県知事の問題では、そこまでひどい状況ではないと思われるが、自殺者が出ているのは不思議である。当方含め3人は死ぬことなく転職を選んでいる。
もっとも、当方が転職後、新聞沙汰になった自殺事件が起きているので、さらにエスカレートしたのだろうと推定しているが、このような問題で自死を防ぐ研修が必要なのかもしれない。
アンケートも含め状況証拠から、恐らく百条委員会ではパワハラを認定する可能性が高いが、兵庫県知事が反省されていないことが気にかかる。普通ならば辞職していてもいいような状況だ。
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パーコレーション転移という現象を数式で議論しようとすると、まず数式の意味を理解しなければいけないが、それを理解できたからと言って、すぐに配合と高分子高次構造との関係が見えてくるわけではない。
数理モデルで問題を解くときに、よく考えなければいけないのはこの点である。すなわち現象を数式で表すことは良いが、その表現の理解が難しいと、新たなアイデアに発展していかない。
数式の理解のために頭から湯気を出している状態ではだめである。そのようなときに直感で理解できるモデルをコンピューターの中でアルゴリズムを用いて再現できると、現象そのものをグラフ化できるので分かり易い。
すなわち数理モデルで問題を解く時にコンピューターを使うが、その時に直感で理解できるモデルを選択できないか、よく考えることは重要である。
数学としての正しさよりも、現象の再現性を高めた表現にはどのようなアルゴリズムがあり、そのアルゴリズムからグラフを描くところまで直感で理解できるかどうか、という点が重要な気がしている。
コンピューターの専門家ではないので、このようにやるとよい、とは書けないが、少なくとも当方は、コンピューターを使って問題を解くときに分かり易い表現をモデルから展開できるかどうかをまず考えてみる。
その点で、ダッシュポットとバネのモデルで高分子材料を記述するアイデアは、学術的には否定されていても捨てがたい。
分子の一次構造や,あるドメインの塊がバネとして機能し、分子の滑りや分散物とマトリックスの界面の滑りがダッシュポットと考えたりしてアイデアを展開できる。また、粘弾性試験機を利用しての確認も可能だ。
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もし、生成系AIの登場が原島先生が言われるような産業革命の総仕上げならば、次の段階を拓くイノベーションが同時に始まるはずである。
産業革命から今日まで、科学の時代と言われ、20世紀は科学の世紀とまで言われたが、アメリカでは1970年代にトランスサイエンスという言葉が生まれている。
そして、科学が推進した産業革命は、多くのトランスサイエンスの問題を生み出し、現在に至る。産業革命は論理学が誕生する直前、非科学の時代に始まった。恐らく、産業革命の総仕上げが行われた後の未来は、産業革命で生み出されたトランスサイエンスの問題を解決してゆく時代になるのではないか。
トランスサイエンスとは、科学で問うことはできても、科学で解決できない問題を意味すると言われている。この言葉が生まれてからセレンディピティーという言葉が流行り、日本にはこの言葉だけが輸入されている。
科学の方法で解決できない問題でも、人類は解決しなければ次の時代を生きてゆけない。科学の方法でできなければ、非科学の方法を使うことが必要になってくる。
このように考えると、次の時代は、科学と非科学が同等に扱われるサイエンスフュージョンの時代になるのではないか。すでにその兆候はあり、当方がゴム会社で発明した高純度SiCの合成法は、非科学的に開発された技術であるが、30年ゴム会社で事業として行われ、現在(株)MARUWAに事業継承されている。
また、ノーベル賞を受賞したiPS細胞の発明は、あみだくじ方式で開発され、その生成物であるiPS細胞の証明に科学的方法が用いられ、受賞に至っている。
当方の発明した方法は、当方の手により、反応速度論の解析が行われ、均一反応で進行することが確認され、当方一人の名前で日本化学会で発表された。
その後この講演を聞いた助教授から、学位を出すからデータを見せてくれと言われ、見せたところ勝手に彼は自分をファーストネームとして論文発表している。その後、彼は国際会議などでも当方に許可なく自分の研究として発表している。
この発明は、学会賞など数々の受賞をするのだが、一番苦しい事業の立ち上げまで行った当方や、それを引き継いだ部長、JVのパートナーなど存在しないものとして最初の推薦書が学会に提出されている。それでも許される科学の時代だった。
アカデミアの研究者や企業の研究者がこのような行為をしたことにショックを受けたが、それでもあきらめず、カオス混合はじめ非科学の発明を多数行ってきた。
人類の英知などと言われるが、その中には他人の成果を奪い自分の成果とする不純な英知も存在した科学の時代であるが、多数の人の英知を学習したAIの登場で、他人の成果も自分の成果も味噌糞一緒の未来となった。未来は、その成果が誰のもか分からないAIの英知で発展するのか?
ドラッカーは、知識労働者の成果は、他の人に自分の成果を渡すことにより生まれる、と述べている。素晴らしい成果ならば、渡さなくても他人が奪っていってしまった科学の時代であったが、誰の成果と気にすることなく、権利関係が浄化されたAIは、これから活発に使われるだろう。
AIを使う時には、先人の知に敬意を払って使うようにしたい。
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一辺が100個の立方体、すなわち100x100x100個の立方体の任意の一個に導電性粒子を放り込む。順次導電性粒子を乱数に従って立方体の1個に放り込み、その都度導電性粒子の体積分率と抵抗の関係を求めると、パーコレーションの曲線が得られる。
写真会社に転職してうまく動くプログラムが完成した。当時まだMS-DOSの時代であり、会社では一人1台パソコンが割り当てられていなかったので、1時間プログラムを動かしているとコンピューターの管理者に叱られた。
仕方がないのでエプソン互換機を購入し、それでパーコレーションのシミュレーションを行っていた。このアルゴリズムが面白いのは、微粒子がクラスターを生成した状態で、さらにパーコレーションを誘起するプログラムへ容易に発展させられることである。
当時日本化学会でこのプログラムを発表し、比較データとして酸化第二スズゾルのパーコレーション転移の様子を用いている。
その後、2005年に単身赴任し、PPS/6ナイロン/カーボンの配合でパーコレーションが安定化された半導体無端ベルトの材料設計を行う時にもこのシミュレーターは使われた。Wパーコレーションのシミュレーションとなったが、カオス混合による威力が示された実験結果をうまく説明できた。
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パーコレーションという現象は、数式で議論すると難解だが、コンピューターの中に立方体を創り出し、その中で微粒子がランダムに分散する様子をアルゴリズムで創り出すと、パーコレーションの過程を可視化できるので理解しやすい。
新入社員の時に指導社員からパーコレーションについて指導を受けた。当時学会でも複合則で議論されていた時代である。数学界ではパーコレーションという現象について結論が出ていた。
スタウファーのパーコレーションに関する教科書が発表されたのは1985年であり、その難解な教科書は今埃をかぶっている。Lattice Cでパーコレーションのプログラムを作ったのは1987年で、スタウファーの教科書を参考にしている。
もう少し気の利いたアルゴリズムを考えているときに、実際に立方体の中で粒子を分散させて計算する方法を思いついた。SiCセラミックスヒーターを開発した時で、微粒子を導電体にしてそれが分散した立方体の電気特性を測れば、パーコレーションを表現できる。
その後電気粘性流体を担当させられたりして、プログラムが完成したのは、写真会社へ転職してからである。どこに時間がかかったのかというと乱数の生成である。
コンピューターの乱数は疑似乱数であり、規則正しく乱数が出てくる。冗談を書いているのではない。乱数を計算するアルゴリズムに沿って乱数が出てくるのだ。ゆえに乱数の数列はいつも等しい。
ある目的には大変ありがたい特徴だが、ランダムに分散させたい時には、この乱数では困る。そこで乱数の発生の仕方をいろいろ調べたら、コンピューターのタイマーを使用する方法などいろいろあった。やはり、コンピューターにおける乱数の発生には誰もが苦労しているようだ。
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