16日に野球殿堂博物館はイチロー氏(以下イチロー)の野球殿堂入りを発表した。しかし、興味深いのは満票ではなく、92.6%の得票率で26人の有権者が投票しなかったそうだ。
前回松井氏との対談で国民栄誉賞を固辞しているイチローの話題を書いた。それなりの哲学を持っており、個性的で好き嫌いが分かれそうな人物像である。
ちなみに有資格となった年に選ばれたのは、これまで7人で、トップの得票率は97.3%でイチローは王貞治氏についで6位、最後から2番目だった。
日米の記録を見ればイチローを越えそうなのは大谷氏ぐらいだろう。しかし、満票とならないところに人生の難しさがある。
これをもって26人の有権者をけしからん、と怒ってみても仕方がない結果である。明確な推薦基準が規定されているわけではなく、あいまいな基準である。
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もうすぐ、アメリカの野球殿堂入りが発表されるが、途中経過の情報では満票となる勢いとニュースされている。もしこれが満票となれば、日本の審査員の問題となる。
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あのタグチメソッドも日本では酷評され、アメリカで故田口先生が成功されたので、1990年ごろ日本に凱旋帰国されてから日本で広まっている。
イチローや故田口先生の日本における評価の状況で学ばなければいけないのは、何か事を成すときに日本では他人の目を気にするな、ということである。SNSが盛んなのは承認欲求ゆえ、という説明を以前読んだ。
しかし、イチローほどの成績で満票とならなかったうえに最後から2番目の得票率という結果をみると、他人の評価をもとに承認欲求を満たすのも日本では大変であることを理解できる。
また企業の人事評価や学会の賞の審査委員を経験してきて、それらで評価が得られなくても選抜されなかった人が輝いていたり、人知れずやり遂げ成果を出している人が日本では多い。
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イチローは自らを人格者ではない、と言っている。国民栄誉賞を固辞されている原因かもしれないが、中途半端な人間が出せる記録ではない。イチローの記録は、イチローの自己評価を越える記録であり、野球殿堂入りは満票であってほしかった。
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神や仏について若い時は、いい加減だった。日本人は多神教と習ったが、当方は窮地に陥ると神ならだれでもよいから助けて欲しい、とお願いしていた。
一応神様の存在を認めているためだが、それを仏教として意識するようになったのは、両親や兄が亡くなり、仏壇を我が家に置いてからである。
しかし、初詣は一駅歩いて天祖神社へ行く。仏教を意識しつつ神道にもお願いをする二刀流になった。何かあればどちらかの神様が助けてくれるのだろうと期待をしているが、大谷派の僧侶が教えてくれたように日々仏さまにお祈りし誠実に生きているだけである。
面白いのは、ドラッカーも同じようなことを述べている。社長は誠実でなければ勤まらない、と。日本のGDPが上がらないのは不誠実な社長が多いからと説明したくなる言葉である。
例えば日産の社長は利益が激減してもトヨタの社長並みの給与である。世間には半減したと宣言しているが、ゴーン時代に日本一給与の高い自動車会社となっている。給与を半分にしても3億円近くもらっているのだ。
少し話がそれたが、誠実に生きることが難しくなった世の中である。そもそも誠実真摯に生きるとは何か、それは誠実さというものについて暗黙知の理解が無い限り難しい。
Wikipediaによれば、誠実性とは、注意深く、勤勉であるという性格の特徴と書かれている。当方はこのように勤め生きてきたが、年とともに暗黙知の蓄積とその経験知への展開が意識されるようになった。
暗黙知とは何かは不明だが、ヒューリスティックに問題解決できる速度は、年とともに早くなっているような気がする。それがどこから出てくるのかわからないが。
もし、ボケを感じたならば、暗黙知の刺激を試してみるとよい。もっとも当方も暗黙知が何なのかわからないから、日々勤勉に励んでいるのだが。
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30年ほど前から自己組織化がブームとなり、未だにそれを看板にして研究している大学がある。例えば核酸などを用いて新しい自己組織化のコンセプト、などと言ってみても、生体物質を使用してやってみたところで当たり前の結果しか出ない。
STAP細胞騒動の時にバカンティ―教授の創作した人間の耳をつけたネズミはグロテスクな成果だったがが、生体反応の事例として評価されている。
当方は30年以上前にパーコレーションの制御技術として酸化第二スズのナノスケール粒子を自己組織化させて18vol%という低濃度でパーコレーション転移を完結させた帯電防止塗布膜を開発し、日本化学工業協会技術特別賞を頂いている。
20年ほど前には、パーコレーション転移したクラスタードメインをさらにパーコレーション転移させて、高い導電性カーボンを用いながらも10の10乗Ωcmという高抵抗の半導体材料を安定に押出成形することに成功した。今でもこれらは生産されている。
いずれもある考え方で自己組織化させた成果であるが、これまでその技術コンセプトを隠してきた。コンサルティングでは、そのコンセプトを持ち出し、二つほど大きな成果を中国ナノポリスで出したがやはり秘密にしてきた。
今年の3月にゴム協会主催のシンポジウムの招待講演者に選ばれたので、そこでこのコンセプトを公開する。核酸のような高価な物質など用いず、自己組織化を制御する技術は存在する。
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神とか仏を信じるかどうかは、哲学の暗黙知なのかもしれない。この世の中には、人知の及ばないものは無く、神と仏など存在しない、と言い切る人がいるが、当方はいて欲しいと思っている。
例えば、昨年末話題となった人間の頭部が並んだ景観をSNSにアップしただけでなく、献体であることも考えずピースをした女医や、それをかばった上司など神や仏の存在など信じていないかもしれない。
当方は、朝仏壇に手を合わせるのを忘れ、朝食を食べているときに突然思い出して、慌ててお勤めを行うことが度々ある。仏教信者でないため仏壇があっても朝のお勤めを時々忘れるのだが、面白いのはいつも父親が現れるのではなく、母親が時々現れて思い出すことである。
躾について父親は大変厳しかった。そのため父子の関係はややいびつだったと思っているが、母親は優しくても教育には厳しかった。夏休みの宿題を必ずやり終えない限り、どこか旅行には連れて行ってくれなかった。
宗教に疎い当方は兄が亡くなった時に慌てて仏教のお勤めについて浄土真宗の僧侶に習った。理由は不明だが、毎月実家でお経を唱えていたのは大谷派の僧侶であったがご先祖の遺骨は西本願寺の納骨堂にあった。
ゆえに2カ所で尋ねたのだが、大谷派の僧侶の説明が分かり易く合理的だった。ゆえにそれに従い、仏壇に手を合わせている。不思議なことに、この習慣を行うようになってから仏教に関心が沸いてきた。
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子供のころから仏教を信じていなかったが、関心が高まる気持ちと向き合うようになり、もう少し三途の川に近くなってから、と言い聞かせている。
学生の時でも試験直前にならなければ勉強しなかったのである。仏教に関心が出てきたからと言ってすぐにそれを学んでしまっては、寿命が縮まるような気がしてならない。
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初任給を引き上げる企業が増えているという。多いところでは初任給40万円という金融系企業も現れた。それに対して就職氷河期だった人たちが悲鳴を上げているという。
初任給を気にするよりも自己実現の工夫をされてみてはいかがか。当方など初任給が10万円の時代に上司に80万円のローンを組まされ、OA化に必要なプログラムを業務時間外に作らねばいけなかった時代である。
サービス残業に過重労働、さらには会議前にFDを壊され、それが隠蔽化されて放置されるような就職氷河期よりもひどい扱いを受けた世代もいるのだ。
管理職は追い出し部屋に入れられて毎日「退職後のあなたの人生」という作文を書かされ、リストラされる、今の時代からは想像のつかないひどい扱いの企業があった。新聞にも取り上げられている。
民主党の玉木代表が、「頑張った人が報われる社会に」と言っているが、頑張ってもGDPが上がらなければ報われるはずがないのだ。
少し冷静に考えていただきたい。今の日本の世界における地位である。当方が説明するまでもなく下がる一方である。この原因はグローバルな付加価値を創出していないからである。
創出していないだけでなく、その力が下がっていることに就職氷河期世代は気がついているか。弊社は電子ブックからスタートした知を社会に提供する会社である。
しかし、この10年、中国からのニーズはあっても国内からは少ないことに疑問を持っている。価格も国内はサービス価格にしているが問い合わせが少ないのが実状である。
弊社は問題解決力を向上するノウハウを提供しており、休日もWEBセミナーを行っていますので、ぜひ問い合わせていただきたい。
初任給のアップした新入社員には、弊社の休日特別プログラムをお勧めする。他のコンサルタントからは聴けない実務の現実と問題解決できるスキル獲得をお約束する。是非お問い合わせください。
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表題の中居事件とは、今話題の元SMAP中居氏の9000万円問題である。刑事事件となっていた方がすっきりしていた。そうなっていないところが謎だらけのニュースだ。本欄で取り上げる問題ではないが、トランスサイエンスとの共通点を感じたのとりあげてみた。
タレントと一般人の1:1の交流で性に関わるトラブルが生じることははるか昔から知られている。1970年代に欧米で話題になったトランスサイエンスが今日本で話題になっているが、この時間差よりも大きく常識となっていても良い。
そうなっていないのは「問題認識の差による見解の相違」という問題があり、これが表題の共通点である。タレント(注1)と一般人が1:1で同席した場合には、男女の組み合わせに限らず、性のトラブルが発生する危険認識に見解の相違が未だにある。
しかし就活生相手でもトラブルが発生している時代(注2)なので、もはや常識と考えなければいけないだろう。タレントと1:1で面会するときに、一般人はリスクを覚悟する必要がある。
そのような社会は悲しい、と嘆いて撲滅に努めても、これまでの状況からすべて無くすのは難しいだろう。むしろタレントと一般人の垣根が低くなった昨今では、よりリスクに対する感度を上げることが求められる。
これは、トランスサイエンスが常識となった世界で、「科学が唯一の技術開発の問題解決法」と信じ続けるダメな技術者や経営者が無くならないことと似ている。
自分に不都合が無ければ深く考えず、目前に問題が発生したら否定証明を行い、9000万円の慰謝料で納得したように解決したとみなすのである。しかし、問題は解決していない。
(注1)芸能人とは、人間の姿を演技で表現するのが仕事である。演技を極めようと誠実真摯に努力する芸能人であれば、性に対して開放的になるのは当然である。それを理性でコントロールできない人がいてもおかしくない。これは誰でも理性でコントロールできない瞬間がまれにあることから理解できると思う。寝てはいけない、と思っても睡魔に襲われれば授業中に寝てしまった経験は誰にもあるだろう。芸能人と性の問題を社会問題として捉え、それをどうするか考えなければいけないのかもしれない。しかし、それ以外にも考えなければいけない社会問題が多すぎる。例えば科学と非科学の方法論に無頓着な経営者の多い日本の改革は急務である。中居問題よりはるかに深刻だ。
(注2)面接の場で知り合った女性と結婚した人事部担当者の話を40年以上前に本人から聞いたことがある。当時は職権乱用と冗談を言って笑えた時代だった。昨今は役員がその立場を利用して、という事件が起きたりしている。インターネットには事件の情報が残ったりしているが、氷山の一角だろう。当方の転職原因は性の問題ではないが、やはり事件とよべる原因であり、どこでも非常識な人間がいる、と考えて生活しなければいけない。そして、事件が起きたならば企業は誠実真摯に対応し、事件を隠蔽化してはいけない。
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イチロー氏(以下イチロー)と松井氏の対談がニュースになっている。残念ながら当方は見ていないが、イチローが何故国民栄誉賞を固辞するのかも話題になっていたようだ。
過去に立小便ができなくなるから、と言って固辞された野球人がいる。その後立小便を続けているかどうか知らないが、イチローの理由は何だろう、と思わず考えてしまう。
過去に一度醜聞で週刊誌を賑わせたが、それっきりである。不倫で国会議員をやめて二度目の不倫も週刊誌にすっぱ抜かれたにもかかわらず妻から許された人物とは事情が異なる。野球に対してストイックなイチローなら国民栄誉賞でもおかしくないと思う。
彼自身の受賞の基準が固辞する原因であるが、イチローが受賞しなければ大谷選手も困るのではないかと心配している。もしかしたら、既に大谷選手に政府は断られた実績があるのかもしれない。
大谷選手の国民栄誉賞が公になったら、大谷選手にイチローが受賞していないことにどのように思うのか質問してみたいような気がするが、質問されて困るかもしれない。
受賞に値する人が固辞するような賞とはどのような価値なのか?立小便を理由に断られた野球人は賞に対してそれなりの敬意を払っているように思うが、イチローの場合には、まだ明確な理由を明かしていない。
立小便を理由に断った野球人は、受賞を機会にその習慣を辞めなければいけないことと天秤にかけたのだが、イチローが固辞する理由は、どのような習慣と天秤にかけているのだろうか。
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東京商工リサーチ(1月10日配信)によると2024年の「経営コンサルタント業」の倒産が154件(前年比7.6%増)に達したそうだ。集計開始以降で年間最多だった2023年の143件を上回り、過去最多を更新したという。
弊社は電子ブックで起業したのだが、まだ参入者が続いていた時に参入者の顔ぶれを見て業界ではトップで撤退している。
一日多い時で300人ほどの訪問者がいたが、増加の見込みが無いと判断しての撤退である。その後コンサル業に注力し、中国ナノポリスから顧問の依頼があったのを手掛かりに売り上げを伸ばしたが、コロナ禍で一気にそれらが吹き飛んだ。
その後国内のWEBセミナーに特化し現在に至るが、コロナ禍があけても国内の顧客よりも海外の顧客の比率が高い。現在は感染症が怖いので海外についてはWEB相談だけにしている。
国内でもWEB相談であれば、低価格で対応しておりアカデミアの利用者もいます。各種問題解決から材料技術まで広く対応しております。また、タグチメソッド解析プログラム生成プログラム(Pythonコードを吐き出すAIです)を開発しましたのでお問い合わせください。
なお、3月にはゴム協会のシンポジウムで招待講演者に選ばれており、DX時代の配合設計について解説いたします。DXによる業務変革がうまく進んでいない方も気楽にご相談ください。
昨年は、日本化学会で深層学習による難燃性予測の研究成果を発表したり、中国で開催された再生材に関する国際会議で招待講演を依頼されたり致しました。高分子材料技術で悩まれている方も気楽にご相談ください。セラミックス材料に関しましても対応できます。
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部下の思い付きのアイデアをすぐに否定するリーダーがいるが、発明や発見についていろいろ調べてみると,これは誤った指導法であると言わざるをえない。
思い付きのアイデアが暗黙知から出ている場合もあるからで、ただ否定するのではなく、それをオブジェクトの形式にまとめる方法を指導しなければいけない。
そしてオブジェクトに対して体系的にそのアイデアの位置づけを明確に説明させる指導をするのが正しいリーダーの姿勢である。
コーチングによりそれを行えば、思い付きのアイデアかどうか明確になり、本人はすぐに謝罪するかもしれない。しかし、背景に暗黙知があり、それがアイデア提案者の経験知や形式知の体系に結びついておれば、本物である。
リーダーは、思い付きのアイデアを嘲笑するのではなく、その提案者の経験知や形式知の蓄積に注目しなければいけない。他の人に無い独特の経験知に紐づいた暗黙知による思い付きのアイデアならば千金に値するアイデアとなるかもしれない。
昨日の内容は20年前の実話であり、コンパウンドメーカーの技術者にアイデア提案したところ、素人は黙っとれ、と言われている。そして、カオス混合プラントを自分で建ててみろ、と。
それで、ラインを3か月で立ち上げ、問題解決したのだが、その後そのメーカーから10件近くのカオス混合に関する特許が出願されている。これを検索していただければ、当時の状況を時系列的に確認できる。
ただし、当方の発明には、混合装置の形状を明らかにしているがカオス混合という言葉を用いていない。形式知として定まっていないからである。急激な引き延ばしと折り曲げがその特徴と言われているがカオスである。
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PPS中間転写ベルトの仕事を引き受けるのかどうか、少し悩んだ。55歳早期退職するまで、窓際で過ごすのも悪くなかったからである。また、当時昨年のような表立ったリストラが行われていたわけではない。
ゆえに、当方同様に退職を数年後に控えラインを外れた多くの管理職は、皆静かなる退職状態で仕事をしていた。40年近く働いてきて、管理職まで昇進できた人は運とそれなりに頑張った人なので、それが許されていたのだろう。
当方も転職時の条件が他の会社との統合で反故にされたので、静かなる退職を決め込んでも文句が出ないだろうと思ったりもした。しかし、定時退社の生活を半月してみて、気分が悪くなった。
慣れないことはしない方が良い。結局早期退職するまで貢献と自己実現を目指し、一生懸命働いていた方が精神衛生上良いということが分かり、豊川事業所のプラントへ出かけてみた。
そこで1日PPS中間転写ベルトの製造工程を眺めていたら、カオス混合のアイデアが浮かんだ。このアイデアが浮かぶ一番のきっかけは工程内の音の変化だった。暗黙知を工程の音の変化が刺激したのである。
それが、どのような関係か不明だったが、世界初の高純度SiC合成プロセスを4日間で開発した体験が同時に浮かんだ。頭の中は訳が分からない状態だったが、粘弾性装置で思いつきの実験を行っている。
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その実験データにより暗黙知が具体化され、コンパウンド工場まで建設している。研究開発においてアイデアがどのように浮かびそれが実現されてゆくのか、いろいろなケースがあるだろう。
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しかし、短期にコンパウンド工場を建設し成功させた中間転写ベルトの量産化の成果は、センター長はじめ統合した会社の方々が体育会系のノリで当方の暗黙知を信じて一緒に走ってくれたおかげである。
暗黙知がどのような知なのか、言葉でうまく説明できないが、やる気が無い時にふと湧き出てくる情熱や欲望も暗黙知のおかげかもしれない。当時本来は落ち込んでいる状態なのに、何か体の中からむらむらと湧き出てきたのである。
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それが、何であるのか分からないままその時の状況を言い換えれば、暗黙知により欲望が沸きそれが行動に結びついている、と書くと理解していただけるかもしれない。
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そして周囲もうまくゆくかもしれないと盲信して走ってくれたのだ。部下の課長だけ冷静に出来損ないのコンパウンド評価を粛々とやっていたが、歩留まり100%のコンパウンドができてから、君子のように態度が変わっている。
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さて、工場を眺めていて音の変化を感じた前後のサンプルを欲しいという欲求が出てくる。何故欲しいのかは不明であるが、サンプルを手にして、満足するまでさわっていたら粘弾性測定をするアイデアが浮かんできた。
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ゆえに欲望という表現がふさわしいと思っているが、粘弾性測定の動機についても科学的に間違っている現象の確認なので仮説とは言い難い。かつての指導社員から教えられた経験知による自然な行動である。
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その結果PPSと6ナイロンの系ではフローリー・ハギンズ理論に従がったならば起こりえない「相溶」という現象に遭遇しびっくりして、それが正しい結果なのかDSCで確認している。
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分析担当に依頼していたTEM写真には、6ナイロンの島相が無くなっていたのでそれは確信となる。この欲望の行動のままセンター長に8000万円の決済を頂いている。これは今話題の欲望の代償9000万円より少ないが。
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「欲望の果実」という娘の欲望が家庭をカオス状態にする古いイタリア映画同様に、欲望の果実としてカオス混合プラントが異常な3ケ月という短期間で立ち上がる。
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この結果について特許を基に3月に行われるゴム協会のシンポジウムで2時間講演するが、そこでは欲望の果実ではなく、欲望が隠蔽化されたオブジェクト指向によるデータ駆動の成果として解説する。
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発明や発見をやりやすくする方法があるかどうか知らないが、過去の事例を深読みすると発明者の理由が分かりにくい行動から暗黙知の存在やそれに刺激された欲望を見つけることができる。
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SiCはエジソンの弟子、アチソンの発明だが、その発明過程から科学的というよりもエジソンの欲望を読み取れる。ヤマナカファクターでさえ、早くiPS細胞を見出したいという山中博士のむき出しの欲望を発見で用いられた科学の禁じ手から感じることができる。
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招待講演では、欲望の果実を冷静に改めて企画にまとめなおした(注)体験談である。この他に退職日を2011年3月11日に設定しなおして、欲望ではなく恣意的にオブジェクト指向によるデータ駆動の実験で成果を出した新しいポリマーアロイの設計法も紹介する。
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(注)組織活動における研究開発では、だれしも納得する企画書によるデザインレビューが求められる。問題は、科学的データが無い中でどのような企画書を作り上げるのか、そのコツを中間転写ベルトの体験談で解説する。
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