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2014.08/28 STAP細胞検証できず

理研から未だSTAP細胞の検証ができていないとの中間報告があった。恐らく現在の理研のやり方では、今後も検証できないだろう。STAP細胞が小保方氏による捏造かどうか不明だが、故笹井氏の支持もあったのだから全くのインチキではないだろう(と信じたい)。

 

このような問題について解決の方法は科学的な戦術ではダメで非科学的な技術による解決を目指すべきである。もしインチキで無ければ、技術的アプローチで必ずSTAP細胞ができるはずである。

 

科学は真理を確かめようとアクションを進めるが、技術では機能を実現しようと活動する。科学と技術では戦術が全く異なり、科学的に証明されていない新現象については、技術以外に実現の方法は無い。例えばiPS細胞の成功は、技術で製造ルートを作り、それを科学的に研究したからノーベル賞につながったのである。NHKでその全貌を解説していた。

 

科学的に否定される現象や、科学的に不明な現象を人類の幸福のために機能を取り出す必要があるときにヒューマンプロセスによる技術的解決法が最も有効である。当方は、このような哲学で非科学的な成果を幾つか実用化してきた。

 

例えばPPSと6ナイロンを相溶させて電子写真用中間転写ベルトを実用化したが、これは科学的なフローリー・ハギンズ理論に反する成果である。科学的なアプローチでは実現できないか、仮に実現できたとしても時間がかかる。

 

機能の確認から生産立ち上げまで非科学的に進めたが、タグチメソッドによる最適化でロバストの高い生産プロセスとして完成できた。プロセスが稼働して6年以上経過するがトラブル無しである。

 

「 www.miragiken.com 」の活動日誌の最初の部分に、未来技術を開発するためのヒューマンプロセスについて少し解説している。ご興味のある方は一度ご覧ください。

 

カテゴリー : 一般

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2014.08/27 混練

混練とは「混ぜる」ことと「練る」ことをおこなうプロセスである。「混ぜる」ことは日常の行動で、例えばカードゲームやマージャン、料理などで経験し、直感的に理解できる。「練る」ことについては、意外と日常意識しなければ行っていない。

 

汚い話で恐縮だが、昔子供は青い鼻水を垂らしていた。なぜ今の子は透明な鼻水で昔の子供が青かったのか知らないが、その汚い鼻水で遊んでいる子もいた。戦後10年と少ししか経過していない名古屋のはずれには、まだ大空襲の傷跡が残っており、今のように遊びが豊富では無かった。

 

子供が遊びを創り出さなければいけない時代でもあった。鼻水も遊びの道具であったが、その遊びが始まると当方は気持ち悪いから家に逃げ帰った。ネバネバを練るプロセスを見ると子供の頃のトラウマであまり気持ちの良い感じがしない。納豆も食べられるようになったのは結婚してからである。

 

トラウマとなっていたプロセスが当方の仕事として重要なスキルの一つになっているのだから人生はわからない。気持ち悪くても目を背けず真正面から取り組まなくてはならない苦痛。ゴム練りを最初に体験したときには地獄であった。やや緑色をしていたアロマ油は、特に気持ち悪かった。

 

そんな経験から「混ぜる」と「練る」には大きな違いがあり、混練技術に接する前から興味があった。「混ぜて」いるだけなら性状の変化は少ないが、「練っていると」物質の状態が大きく変化する場合があるのだ。青い鼻水は粘度が増し付着したときに拭き取るとコーティングされたような跡が残った。子供心に単なる水と異なる現象について不思議に思った。

 

混練の教科書を読むと分配混合と分散混合の話が出てくる。混練プロセスをモデルで説明するための概念だが、これは混練の理解を誤った方に導くような気がする。混合により分散が進む場合の説明ならば良いかもしれないが、「練り」の部分をこのモデルでは説明していない。

 

カテゴリー : 一般 高分子

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2014.08/26 二軸混練機

二軸混練機は押出機を基にして発展している連続式混練機である。未だに完成版の混練機は存在しない。かつて10数年前に国研でL/Dの大変大きな混練機が開発されたが、それすらも高い評価を受けていない。

 

連続式混練機に対して、古くからゴムなどの混練では、バンバリーとロールによるバッチ式混練が用いられてきた。例えば動的加硫技術を用いたTPVは、バッチ式混練プロセスで製造された樹脂補強ゴムの性能に及ばない。

 

TPVの性能には幾つか問題があっても射出成形可能な安価なゴムという性質があり、歯ブラシの柄の部分に使われているゴムやマウスの一部などに使用されている。最近では、自動車部品に使われているバッチプロセスによる加硫ゴムの分野にも使われ始めた。少しずつ改良されているのである。

 

TPVも混練プロセスを工夫してやるとその性能が上がる。例えば先ほど述べたようにバッチ式プロセスで混練を行い、プレス加硫を行うと連続式混練機で製造したゴムよりも圧縮永久歪みなどが大きく改良される。

 

この事実は連続式混練機の性能が未だバッチ式プロセスに追いついていないことを示している。20世紀末にウトラッキーによるEFMが発表されたが、普及しなかった。それなりに連続式混練機の性能向上に寄与する装置であったが生産性が低かった。

 

当方が開発したカオス混合装置は、EFM同様に二軸混練機の先に取り付けて使用するが、生産性が高いのが特徴である。この装置を二軸混練機の先に取り付けて、PPSと6ナイロンを混練するとそれぞれが相溶した均一なブレンド物、ポリマーアロイが生成する。また、この10年用途が広がっているPC/ABSを混練すると高次構造の細かくなったポリマーアロイが得られる。本件に関してご興味のある方はお問い合わせください。

 

 

カテゴリー : 高分子

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2014.08/25 ニコンの新レンズ

ニコンから焦点距離58mmという中途半端な新レンズが発売されている。写真雑誌にその作例が載っていたが、ニコンらしくない画像だった。ちょうどニコンとペンタックスの中間の画像という印象を受けた。

 

画像に対する印象は主観的なので、他の人がご覧になったら異なる表現になるかもしれないが、当方にはペンタックスに近い写りのようで柔らかく好感が持てた。しかし、単焦点レンズ1本の価格が19万円とは少し高い。

 

ニコンのカメラの欠点は、レンズも含め高価なことだ。ペンタックスに比較して2-3割以上高いような気がする。しかも最近は日本で製造されている製品が少なくなっているにもかかわらず値段が高い。

 

値段が高くても売れるのはブランド力だろう。ペンタックスブランドは、昔の望遠レンズや広角レンズをフレーズに入れたCMのように親しみやすさがあるが、ニコンブランドは、高価なイメージである。

 

高価でもカメラとしての性能が優れているので売れるのだろう。しかし、画像には個人の好みの問題もある。ポートレートを主体に撮影している当方は、安価なペンタックスを使用する機会が多い。ニコンカメラの出番は、失敗したくない場面である。

 

数ヶ月前、ペンタックスのカメラで大失敗をやらかした。カメラの設定ミスでピンぼけ写真になってしまったのだ。撮影直後確認したときには、それなりに写っていたのでペンタックスの絵柄と勘違いし安心して、拡大し確認することを忘れた。

 

自分のミスなのでカメラのせいではないが、一度取り返しのつかないミスをすると「もしニコンのカメラだったなら」という思いが出てくる。ニコンのカメラでは、これまで撮影のミスは無い。58mmという中途半端な焦点距離のレンズが欲しくなった。人間の嗜好とは不思議で、マーケティング技術が存在する理由を理解できる。

 

新レンズは値段を下げた普及版を出せば、新しいニコンファンを増やせるのではないか。ニコンレンズの共通したカリカリとした写りに不満な顧客は多いように思う。長年のペンタックスファンはその一例だろう。

 

 

カテゴリー : 一般

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2014.08/24 ボディーアートフォトコンテスト

「JAPAN Face Painting & Body Art Show 2009」という珍しい大会が2009年9月22日に開催された。たまたまインフルエンザの世界的流行でアーティストの欠席が相次ぎ、芸術学部に入学していた娘に飛び入り参加の要請があった。

 

ボディーアートなど未経験の娘であったが、参加したいと相談してきた。20歳になっても父親に相談してもらえる、と喜んでいたら、写真家と組んで参加するという大会規程があるので一緒に参加して欲しい、という内容であった。相談内容には、少しがっかりしたが、父親と一緒に出たい、という言葉に動かされた。

 

大会の様子は今でも「 http://2011.japanbodyart.com/2009/」で見ることができる。この大会では、ボディーペイントのコンテストと同時に会場の様子を撮影した写真コンテストも同時開催された。この写真コンテストでは、ポートレート撮影になるので、ペンタックスD10で参加した。レンズはお気に入りの77mmLimitedレンズである。

 

ペンタックスD10は、二台目のデジタル一眼レフカメラである。一台目は、当時驚異的連射速度を誇ったニコンD2。娘の運動会では活躍したが、日常使うには重すぎた。レンズをつけると1kgを軽く超えるのである。このカメラを使用するために毎日鉄アレイトレーニングを始めたほどである。

 

また、ニコン特有のメリハリのある絵が、家族写真に向いていなかった。しわまでくっきり写るのである。女性をとるには軟調気味のペンタックスがよく、また少しノイズ感のある絵がデジタルカメラでありながら銀塩写真のようでペンタックスを気に入っていた。

 

真実をそのままくっきりと写すカメラが必ずしもよいとは限らないと思う。特に女性ポートレートは、柔らかく写るカメラが最高だと思うし、年齢を重ねた被写体には喜ばれる。ペンタックスの77mmLimitedレンズは不思議なレンズで、おそらく光学性能は良くないのだろうけれど、ポートレートに使用すると、プロ写真家が撮ったような絵が出てくる。

 

フィルム時代から気に入って使用していたが、D10でもほとんどの写真はこの77mmで撮っていた。ただD10の撮像素子はAPS-Cサイズなので、フィルムカメラ場合よりも被写体と距離を置く必要があるのが欠点だった。

 

ボディーアートのコンテストで娘は素人ながら2位になった。写真家として参加した当方の結果は、このコンテストを紹介したホームページをご覧ください。

カテゴリー : 一般

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2014.08/23 ニコンの一眼レフ

20世紀末になると写真機のデジタル化が加速された。しかし、当時デジタル一眼レフはまだ高価で、銀塩写真同等の画像が得られる製品は、ニコンやキャノンのハイエンドの製品しか無かった。デジタル化の流れの中で、明らかにキャノンが先行しニコンがその後を追いかけ、他のカメラメーカーはどんどん置き去りにされている状況が生まれていた。

 

キャノンのハイエンドのデジタル一眼レフは、当時デザインを除き気に入っていた。デザインはジウジアローによるニコンの一眼レフが好きだった。グリップ部分に一部赤色を入れたデザインは、ゴム会社のロゴデザインと同じく、かっこいいと感じた。

 

美しくなければ車ではない、という刺激的コマーシャルがあったが、美しくなければカメラではない、というフレーズを当てはめてみたくなるのがニコンのデジタル一眼レフだった。デジタル一眼レフは将来ニコンでシステムを揃えようと思い、とりあえず会社に貢献するために、フィルムカメラニコンF100を購入した。

 

F100を使用してびっくりしたのは、写真の失敗作が激減したことである。ペンタックスのカメラでは24枚撮りのフィルムで平均20枚ほど気に入らない写真となっていたが、F100を使用したらこれが5枚ほどになった。ただ、ベストショットは、ペンタックスのカメラからいつも生まれていた。ペンタックスのカメラによる写真はばらつきが大きかったのだ。スキルが無くてもほどよい写真が得られるのがニコンのカメラだと思った。

 

F100を購入して1年ほど経ち、ペンタックスとニコンで撮られた写真を比べてみたら、ペンタックスで撮影した写真のほうが良い写真が多かった。運動会の写真ではF100が圧倒的にその性能を誇示していたが、その他はペンタックスであった。ニコンのカメラで撮影した写真は、どこか硬かった。ペンタックスの少し軟調気味でぼけ味が柔らかい写真が、ポートレートに最適だった。

 

たまたまヘーベルハウス主催でキャノンが協賛の撮影会の案内を妻が見つけて、参加することになった。写真家の桃井氏が審査員及び講師としてキャノンのデジカメを持って参加していた。まわりを見ると大半がキャノンのカメラで参加しており、ペンタックスとニコンのカメラで参加したのは当方だけであった。撮影会のモデルはカメラ雑誌でおなじみのモデルだったので少し気合いが入った。F100を選択して参戦した。

 

残念ながらフォトコンテストでは優勝を逃がし、二位であったが、キャノンの双眼鏡を手に入れることができた。一位はキャノンのkissで撮影された写真であった。kissは当時キャノンの戦略的新商品で、参加者の多くがkissを使用していたのも、協賛がキャノンゆえに納得のゆくコンテストであった。その様な状況でデジカメで撮られていない写真が二位になることができ、F100の実力に感服した。おそらく状況からペンタックスでも一位になれなかっただろう。

 

カテゴリー : 一般

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2014.08/22 ペンタックスの一眼レフ

学生時代にアルバイト代を貯金してペンタックスME及びレンズを3本ほど購入した。人生初めての一眼レフカメラである。それまでオリンパス「PEN」を使用していた。父親はコニカの一眼レフを使用していた。

 

ペンタックスの良いところは小型軽量で操作がよく考えられているところである。当時カメラの自動化でシャッター速度優先か、絞り優先かという議論がなされていたが、ペンタックスは絞り優先の自動化を推進していた。キャノンはシャッター速度優先であった。

 

ポートレートを撮るときには絞り優先になる。スポーツ写真を撮るときにはシャッター速度優先になる。このような説明がカメラ雑誌にされていたが、絞り優先カメラでも、シャッター速度優先で使用することも可能であった。ファインダーを覗きながら、絞りリングを調整すれば良いのである。

 

初めての一眼レフで姪を撮影し、カメラ雑誌に投稿したところいきなり佳作に入選した。撮影技術など未熟であったが、カメラがすべて条件を設定してくれるので、構図だけを考えれば良かった。また絞りを開放気味にすればボケが良くなることは理科の知識があったので分かっていた。

 

うまく背景がボケて、構図も良く、モデルもよければ簡単に入選するのがフォトコンテストと誤解した。以後投稿するのをやめた。29の時にカメラ雑誌に投稿しなければいけない事態になった。初めて投稿して入選した自慢話をしたら、某女性からポートレート撮影で写真雑誌への投稿を頼まれたのだ。

 

犬吠埼で撮影し、人生二回目の雑誌のフォトコンテストに応募したが、これは三席に入選した。モデルが良かったのだ。こちらが依頼しなくても様々なポーズをとってくれた。写真技術というのは難しく奥が深い、と加納典明がパーソナリティーを務めるラジオの深夜放送で40年ほど前に語っていたが、自動化されたカメラを使用した場合には、その敷居はぐっと低くなる。

 

33歳で結婚するまでペンタックスMEを使い続けたが、新生活を始めるに当たり、ペンタックス初の自動焦点カメラに買い換えた。小型軽量のペンタックスの特徴はなく、また外装はプラスチックで安っぽかった。しかしストロボを初めてカメラに搭載したデザインを気にいっていた。

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

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2014.08/21 執筆依頼

昨日工業用途のポリマー材料,エンジニアリングプラスチック,合成ゴムなどの 高分子材料の研究開発をテーマにした技術情報誌「Polyfile]から、2014年11月号の特集について執筆依頼を受けた。執筆内容については公開して良いのかどうか不明だが、当方の体得している技術の一つについて、科学と技術の視点にわけて、解説する予定でいる。もしご関心のある方は、購入してご一読ください。

 

これまでこのような業界誌からの執筆依頼を受けてきたが、可能な限り科学的に書くことを心がけてきた。しかし、それでも伝えたいことを書くためには、妄想と批判されても技術者の視点で見たときのポイントを述べるようこころがけた。

 

しかし、「妄想」が多すぎた場合に同僚から「好き勝手に書いている」とか、「よくあそこまで言いきるね」とか批判されてきた。業界誌は学会誌と異なるので技術者の妄想を書いても許されると思い、当方は書いてきたが、このような批判を受けると少しは心が痛む。

 

当方も学位を取得し、科学の世界で研究を行いたいと思っている技術者である。しかし、科学の世界にも定員があり、そこからはじき出されている身分では、せめて科学の世界で活躍されている研究者の先をゆく技術(注)を開発したい、と自己実現の目標を設定し研鑽してきた。

 

例えばSTAP細胞の論文では捏造と騒がれているが、あれは科学の世界で見ているからだ。もし本当にSTAP細胞ができているならば、技術論文として優れた論文である。STAP細胞の研究では、STAP細胞を製造する技術が無いために科学の研究ができない状態なのだ。

 

iPS細胞では、最初にそれを作る技術を消去法で開発し、科学の研究を開始している。STAP細胞については、小保方さんが200回も作成した、と言っているが、それを再現できる技術まで創り上げていなかったから問題になっているのだ。笹井さんも「あれは技術論文だ」と言えば良かった。

 

しかし、彼の立場ではそれが許されないだけでなく再現できないことも苦しい状況に追い込んだ。再現できていれば捏造ではなく妄想を分かりやすくするために脚色した技術論文となる。多くの特許がこのように出願されており、捏造などと批判されていない。技術では再現さえできれば、分かりやすく説明するための工夫は捏造とよばない。

 

一人の人間が200回も作成できているならば、いつかは第三者も作成できるようになる。当方は高純度SiCの前駆体製造技術について、たまたま電気炉の暴走があり1回成功しただけで、2億4千万円の先行投資をゴム会社で頂いている。そしてその先行投資された技術は今でもブリヂストンで事業として継続されている。

 

技術とは科学的に証明できなくても、機能をロバストよく再現できればそれで完成といえるのだ。タグチメソッドはそれを実現できる唯一の方法で、日本で生まれアメリカで育ち、日本に逆輸入された優れた問題解決法である。

 

今回執筆依頼を受けた内容について詳細は雑誌のPR記事をご覧頂きたいが、これまで公開してこなかった30年前に開発した技術についても惜しみなく公開するのでご一読ください。ちなみに本技術については、ゴム会社でたった2年だけ担当した技術で、退職前の一年間の最後の暇つぶしの期間に30年前を思い出しながら商品を一点仕上げることができた、由緒正しき「妄想」である。

 

技術とはそれを身につけることができるならば、担当した期間は無関係である。技術者の中には5年以上も担当しながら技術の完成を実現できない人もいる。一方一週間程度でも優れた技術を体得する人もいる。高純度SiCの技術はたった一日で生まれ、その一日で体得できた技術である。1日という期間であるが、未だに注目され時々質問を受ける。また某社からは数年前に改めて異なる視点で特許出願がされていた。

 

www.miragiken.com 」では、未来技術についてマンガで書いている。ドラッカーは誰も見たことの無い世界がはじまる、と予言し他界されたが、誰も見たことの無い世界を書くのにマンガは適した表現手段である。

 

(注)電気粘性流体の技術をいくつか開発したが、FDを壊して開発活動を妨害してきたのは研究者である。犯人は、「なぜそんなに早くできるのか、隠している論文を見せよ」とある日迫ってきたが、とんでもない勘違いである。電気粘性流体の科学論文など読んでいなかった。技術者は、その心眼で現象を眺め機能が正しく働く様子を心に描き、技術をデザインしているのである。その具体的方法を弊社では研究開発必勝法として販売している。

カテゴリー : 一般 宣伝 高分子

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2014.08/20 最終電車

昨晩は大変な日々であった。中国から帰国するための飛行機が1時間以上遅れ、成田着最終便となった。このような日に限って、預けた荷物は荷物受け取りカウンターで一番最後に出てきた。

 

成田からの足が無くなるのかと思ったら、京成電鉄は臨時特急を出してくれた。しかし、これが上野着の普通電車との途中接続という内容。日暮里で池袋行きの最終電車に乗ったら、東武線の最終電車に接続していると期待していた。

 

池袋に着いたら、自宅駅近くの電車は無く大変だった。家に着いたのは今日の2時で、お化けが出る時間である。足が無い状態なので当方がお化けかもしれない。

 

最近はテレビで怪談が少なくなり、道には街路灯のおかげでお化けも出にくくなった。しかし、このような日は出てきてくれて、冷気を与えて欲しかった。やや蒸し暑い。

 

せめてお化けでも出てきて仲間になってくれ、と思っていたら、池袋駅には人があふれていた。久しぶりに夜中の池袋駅を見たが、足の無い人ばかりでタクシー乗り場はあふれていた。これではお化けも出てこれない。下手に出てきたら携帯電話のカメラを向けられ、一斉射撃に合う。

 

夜中も人間が闊歩しているからお化けも辛い時代だ。少し景気が良くなったのか。

カテゴリー : 一般

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2014.08/19 高分子の難燃化(5)

ホウ酸エステルとリン酸エステルを組み合わせた難燃化システムは、軟質ポリウレタン発泡体の効果的な難燃剤だった。また、中間体である、ボロンホスフェート誘導体も単離することに成功した。燃焼面にきれいなガラス相の薄膜を形成するのだ。ゆえにドリッピングも防いだ。

 

このヒントは始末書を書かされた開発成果ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームから得られた。すなわち通常のリン酸エステルを高分子に添加すると、燃焼時にリン酸エステルは熱分解してオルソリン酸を生成する。このオルソリン酸は250℃前後で揮発するので、燃焼時には燃焼している系外へ放出される。

 

これが空気を遮断して高分子の炭化を促進すると説明した教科書もあるが、この説明にはやや無理がある。なぜなら三酸化アンチモンとハロゲン系難燃剤の組み合わせほど難燃性が高くないからだ。このシステムで生成するハロゲン化アンチモンは強力な難燃剤である。

 

リン系の難燃剤は主に燃焼系内で機能して炭化促進に機能している、と考えた方が実際の現象とあってくる。またこのように考えると、オルソリン酸を系内に固定化するアイデアが出てくる。ホウ酸エステルとリン酸エステルの組み合わせシステムはこのような発想から生み出された。

 

ホスファゼンは高温度で重合するので気相に放出されない。これは燃焼後の残渣を調べるとPNOが検出されるのと、組成分析から得られる80%以上のPが残っている事実とで証明できる。

 

リン系難燃剤を効果的に利用するには、燃焼時に生成するオルソリン酸をうまく系内に固定化して効果的に難燃化できる方法を考えれば良い。詳しくは弊社へ質問してください。またリケジョが活躍する www.miragiken.com でも未来の高分子難燃化技術として扱う予定です。

 

カテゴリー : 連載 高分子

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