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2014.04/01 STAP細胞の作り方

ハーバード大学からスタップ細胞の作り方が公開されているがまだ完璧ではない。どこに問題があるのか。そもそもSTAP細胞の作り方は現在科学の問題では無く、技術の問題になっている。科学で否定されている物質を科学的に創り出す、というのは矛盾である。

 

当方はこのような科学と技術について30数年の技術開発で悩んできた。悩んできて明らかに科学と技術には考え方に相違があるとの結論に至り、研究開発必勝法プログラムとして販売している。

 

4月1日にこのようなことを書くとエイプリルフールと誤解されるが、当方ならばSTAP細胞を再現よく創れるのではないか、と思っている。どなたか研究環境を提供して頂きたい。

 

そもそも最初に書いたようにSTAP細胞は、現在の段階は技術の問題である。その存在についても科学的に証明されておらず、まず創り出すことが要求されている。それもロバストを高めた状態で。すなわちタグチメソッドでSTAP細胞を創り出すことが可能で、その実験アイデアを当方持ち合わせている。どなたか実験場所だけでも提供して頂きたい。

必ず創り出して見せます。

 

 

 

カテゴリー : 一般

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2014.03/31 高分子材料の電気特性(4)

以前この欄で導電性微粒子を分散した高分子材料のインピーダンス変化について説明したが、フィルムのインピーダンス変化はパーコレーション転移と関係している。すなわち、パーコレーション転移の閾値近辺でインピーダンスは大きな変化を示す。この性質を利用して、パーコレーション転移の閾値推定を行う事ができる。

 

凝集粒子が分散した場合でも、凝集粒子の状態が変化しなければ、凝集粒子でパーコレーション転移が生じればインピーダンスは大きな変化を示す。面白いのは、凝集粒子の形態でパーコレーション転移を生じていないときに、凝集粒子の密度を上げるとインピーダンスに変化が現れる。

 

すなわちフィルムのインピーダンスを測定すると導電性粒子の凝集状態までも知ることが可能となる。一般的に凝集状態の密度は体積分率で0.6前後で有り、凝集状態の内部ではパーコレーション転移が生じている。これをうまく制御して、凝集状態の内部の密度を下げて体積分率で0.2未満にすると凝集状態でパーコレーション転移が起きていないから、面白い現象を観察することが出来る。

 

導電性粒子を増やしたり、外力を加えたりして凝集粒子の内部でパーコレーション転移を起こさせ、さらに凝集粒子のパ-コレーション転移まで起こさせるWパーコレーション転移を発生させるのだ。直流抵抗ではこの場合の現象をうまくモニターできないがインピーダンスではうまくモニターでき、面白い変化となって現れる。

 

面白い、といっても、ただ導電性粒子の添加量に対するインピーダンス変化が二段の変化になるだけだが、初めて測定したときには感動した。なぜか感動した。

 

 

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2014.03/30 高分子材料の電気特性(3)

高分子にカーボンが分散されたときに、カーボンは一次粒子まで分散されることは稀で、大抵は凝集粒子の状態で分散する。凝集粒子の抵抗は、凝集体の密度で変化する。この凝集粒子内では、ホッピング伝導で電子が流れるので、凝集粒子も電子伝導性の粒子として扱うことが可能である。

 

しかし、カーボンを分散した高分子のインピーダンスを計測すると、凝集粒子中の伝導現象でイオン導電性を仮定しなければいけない現象に遭遇する。その現象が観察されたからどのような問題が生じるかは、材料の応用分野により様々である。

 

電気抵抗の線形性が崩れたり、VI特性にヒステリシスが現れたり、誘電緩和の緩和時間が長くなったりといった現象が観察されるが、これらの現象が品質に悪影響を与えなければ凝集粒子中の導電性が電子伝導であろうがなかろうが問題にならない。

 

しかし個別の品質特性で予期せぬ電気特性の問題が生じたら、この凝集粒子の導電性の問題について考えてみると良い。悪いことばかりではない。凝集粒子の接触抵抗により導電性が大きく変化する、という現象は、押出成形でフィルムを製造するときにうまく活用すると、フィルムの電気特性を引取速度で制御する技術となる。

 

このあたりの詳細は相談して欲しいが。とかくカーボンを分散して半導体フィルムを製造する技術では、電気抵抗の不均一さ、ばらつきで悩まされる。製造プロセス因子でその悩みを少しでも解消できるとしたらありがたい。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2014.03/29 高分子材料の電気特性(2)

難燃剤は赤燐で、加水分解されなければ絶縁体、と安心しきっていたそうだ。しかし、赤燐は加水分解されればリン酸を生成する。表面が加水分解された赤燐は、10の3-4乗Ωcm程度の導電性を示す。

 

パーコレーション転移を起こせば10の6乗Ωcm程度まで絶縁性高分子の電気特性を変化させる。このように高分子マトリックスに絶縁性フィラーを分散する時には、その表面抵抗がどのような性質を持っているのか調べなくてはいけない。さらにパーコレーション転移という現象がどのような現象なのかも理解しておかなければならない。

 

面白いのは、高い絶縁性の2種の高分子をブレンドした時に、高分子に不純物が含まれており、相分離して界面にその不純物が偏積する現象が起きたときである。10の10乗Ωcmレベルまで抵抗は下がる。すなわち100倍程度導電性が上がるのだ。このことは以外と知られていない。また学術的に確認することも難しい(できないことは無い)。ただ、これまでの経験から、推定している現象である。

 

PPSにナイロンとカーボンを分散したときには、単純にカーボンのパーコレーション転移だけで抵抗変化を説明できない。ナイロンの状態によりマトリックスの抵抗が1000倍近く変化するためだ。インピーダンスなどを測定するとそのあたりの現象は見えてくる。もし興味のある方は実験してみて欲しい。

 

この系では、分散しているカーボンの凝集状態でも全体の抵抗は変化する。すなわち、カーボンの抵抗は1-10Ωcm程度の導電体であるが、凝集体になると接触抵抗の影響により10の4-6乗Ωcm程度まで導電性は変化する。高分子中でカーボンが分散しているときに一次粒子まで分散している例は珍しい。大抵は凝集粒子として分散している。その結果、パーコレーションの扱いも、1Ωcm程度の粒子のパーコレーションを考えていてはだめで、凝集粒子1個の導電性を問題にしなくてはいけない。

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2014.03/28 高分子材料の電気特性(1)

白川先生により導電性高分子が発見され、その分野の研究が進み、多くの導電性高分子が開発された。高分子半導体技術なども実用化され始めた。ここでは絶縁性の一般の高分子について考えてみる。

 

高分子材料の多くは比誘電率が3前後の誘電体である。導電性を直流で計測するためには精密な電流計が必要になる。高電圧を印加すれば電流が増加するので計測可能と言われるが、高分子材料のVI特性の線形性は材料により異なる。

 

誘電率が3程度の高分子材料は、10の13乗Ωcm以上の体積固有抵抗を示す絶縁体であるが、誘電率が3.5以上の高分子材料になってくると10の12乗Ωcm前後になってくる。すなわち一応絶縁体領域であるが、高誘電率の材料になってくると絶縁性と詠っていても10の11乗Ωcm程度の半導体領域の抵抗を示すようになってくる。

 

注意しなければいけないのは、フィラーを添加したときである。絶縁性のフィラーを添加したつもりでもフィラーの添加により材料の抵抗が変化する場合がある。これはフィラーとマトリックス高分子との界面の問題が大きいが、10年以上前に富士通のハードディスク問題を引き起こしたのは表面が一部加水分解され導電性になっていた難燃材を用いたためである。

 

このとき材料メーカー担当者にはパーコレーション転移の恐怖が分かっていなかったらしく、実験室で問題が無かったのでそのまま市場に出したらしい。実験室で問題が無くともパーコレーションの閾値は容赦なく下がる。当時の原因解析では、成形体の中でフィラーの再分配が生じ、表面付近に難燃剤の量が増加した状態になっていたという。その結果、パーコレーション転移が生じ半導体領域まで本来絶縁体で無ければならない材料の抵抗が下がった。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2014.03/27 高分子材料の力学設計(2)

ポリマーアロイの材料設計になると複雑になってくる。この欄では書きにくいノウハウが存在するので相談して欲しいが、公知のポリマーアロイ以外は、高分子のブレンド結果に落胆させられる。すなわち樹脂で2種以上の未知の高分子のブレンドは、素人は行わない方が良い。

 

この分野の考え方として強相関ソフトマテリアルというのが有名である。この考え方は怪しいから使わない方が良い、という学者もいる。確かによく分からず高分子をブレンドすると狙った物性通りの材料はえられず、大抵は1+1が1以下というひどい結果にもなったりする。

 

もともと強相関材料という考え方はセラミックス分野で提唱され、教科書も出ていた。最近は見かけないので廃れてしまったのかもしれないけれど、このコンセプトは理解できれば便利である。すなわち未知のポリマーブレンドで材料の改質が可能となる。

 

セラミックス分野では相溶という現象よりも新たな結晶構造ができる面白さも有り、特にガラスなどではブレンド研究が今でも行われている。高分子ではフローリーハギンズ理論のχパラメータの制限からブレンドして良い結果が得られる高分子の組み合わせは限定的となる。

 

強相関ソフトマテリアルというコンセプトを怪しい、という人に話を聞くとこのあたりの話となり、論理的にコンセプトが否定される。ここでフローリーハギンズ理論から解放されるプロセシングができたとしたらどうなるであろうか。強相関ソフトマテリアルというコンセプトで材料設計が可能となる。

 

退職前の短時間にこの技術について実験を行い大成功の結果を得た。退職後このプロセシングの研究を進め、新たな装置を開発した。現在その装置の図面ができあがるところである。ご興味のある方は問い合わせて頂きたい。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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2014.03/26 高分子材料の力学設計(1)

単体の高分子材料を用いるときに成形体の力学物性は、高分子の一次構造と密度に関係する。弾性率は密度と相関するので、引張試験の結果も密度と相関することになるが、こちらは靱性という因子も関係する。靱性は材料に含まれる欠陥に大きく影響される。

 

射出成形体における力学データは、カタログ値を見ると高分子の一次構造に支配されているように見えるが、実際には一次構造以外の因子も影響するのでコンパウンド技術と射出成形技術は重要である。これらの技術が存在する前提で、材料の配合設計技術を力学物性について考えてみる。

 

単体の場合には、熱分析結果が重要となる。熱分析の結果から結晶化度や結晶化速度等がわかる。単体の材料でも重合条件が異なるとこれらの物性も変わる。ゆえに材料メーカーから技術情報データとして一次構造以外に熱分析データももらうと良い。

 

単体の高分子をマトリックスに用いてフィラーを添加するとパーコレーション転移が力学物性を支配するようになる。その結果フィラー添加量の少ないところでは、射出成形場所が異なると力学物性がばらつくことになる。ゆえにフィラーを添加する場合には体積分率でパーコレーション転移の閾値以上添加する必要がある。

 

その他老化防止剤などの添加剤を用いると弾性率をわずかに低下させる。また低分子といえども分散が悪ければ力学データに影響が出る。ゆえに低添加率のこれらの材料は、マスターバッチ形式で添加すると力学物性を安定化できる。また分散性が上がるのでわずかに添加量を減らすことが可能である。そのような特許も出願されている。

 

カテゴリー : 一般 高分子

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2014.03/25 高分子のレオロジー

かつて高分子のレオロジーについてはダッシュポットとバネのモデルで研究を進めていた時代があった。今このようなモデルは使われなくなったが、材料設計の分野では結構便利な考え方であった。

 

特に粘弾性試験を行い、その結果を用いて材料設計を進めようとするときに、ダッシュポットとバネのモデルで材料をイメージすると分かりやすい。30年以上前に防振ゴム材料の開発を担当したときに、数値計算の方法も含めその考え方の指導を受けた。

 

その時その考え方は、電気回路における抵抗とコンデンサーのモデルからきている、とも教えられた。多くの高分子は絶縁体であり、その電気特性を研究するためにインピーダンスが測定されていた。もっとも高分子に限らずセラミックスも含め誘電体材料はすべてインピーダンスを測定しなければその特徴を理解することができないのだが。

 

この誘電体の電気特性を考えるときのモデルからレオロジーのモデルは考え出された、と説明を受けて納得した。そしてこの方法は将来使われなくなるだろう、という予言まで聞いた。予言の根拠は高分子のクリープという現象がバネとダッシュポットのモデルで説明することができない、というものだ。

 

それから10年以上すぎて、高分子学会の報告でバネとダッシュポットのモデルがめっきり少なくなったことに気がついた。当方は、社会人になって3年弱高分子を扱ったが、その後10年間はセラミックスの研究開発を担当していたので学会におけるレオロジーの変化にはびっくりした。指導社員の予言通りの変化であった。

 

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2014.03/24 STAP細胞騒動における非科学的視点の重要性

ネイチャーに投稿されたSTAP細胞の論文をハーバード大バカンティ教授は取り下げない、と言っている。彼はSTAP細胞を15年以上追いかけてきた、とも。彼の発言はSTAP細胞のアイデアは自分にある、と主張しているのだが、植物では存在する現象が動物では存在しない、というのが学説であった。

 

彼の主張が正しければ、小保方氏の果たした役割は大きい。すなわち、15年以上の研究において、関係した科学者および科学者の卵が彼女の手順と同様のことを行いながら、現象を見落としていたことになる。これは科学の発見が行われるときの条件を示していると思われる。

 

過去に白川先生がノーベル賞を受賞されたときに、ポリアセチレンは学生が触媒量を間違えた結果合成できた、と発言し、失敗学が注目された。しかし、この白川先生の発言は、「非科学的な手順で新しい発見が成された」と捉えるべきだろう。

 

かつてiPS細胞の生まれた背景についても非科学的プロセスの重要性をのべた。山中先生の場合には学生が行った非科学的で典型的なヒューマンプロセスである。それでは小保方さんの場合には何が非科学的か?

 

新聞や週刊誌情報で彼女の人柄や力量を伺われる情報が多数出てきた。さらに野依理事長は科学倫理の欠如と未熟な科学者の問題を指摘した。彼女は科学というものをよく理解しないまま、科学の作法を身につけないまま、先端科学の現象が起きる現場に居合わせたのだ。そしてSTAP細胞の発見を行った。

 

これは、裸の王様の物語と同じで、科学を知らないその純粋さで自然現象の真実の姿を捉えることができたのだ。もし彼女が科学に誠実で真摯な研究であったならば15年以上その研究に携わってきた研究者同様に見落としていたのかもしれない。STAP細胞の騒動で学ばなければいけないのは、いつも科学的な視点で自然現象を見ていると自然の真の姿を見落とす場合がある、ということだ。それではどうするか?(  www.miragiken.com )のサイトで一つの方法を示しています。

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2014.03/23 人生の歯車

STAP細胞の騒動で人生の歯車が一度狂ったときの怖さを改めて学んだ。ノーベル賞候補から一気に未熟な研究者へ、そして今、学位の再審査と自主退所に追い込まれているという。あまりにも大きな変化である。このようなときにはドラッカーの誠実で真摯な姿勢が重要となる。

 

例えばもし学位論文だけでも誠実に作成していたなら学位の再審査は免れただろう。もし科学論文には真実が厳しく求められると言うことを軽く考えなかったら今回の騒ぎにはならなかったろう。さらに今回のヒーロー的取り扱いを辞退していたなら展開は変わっていただろう。

 

このような人生の歯車を狂わせるような出来事は、誰でも一つや二つある。当方もあの事件が無ければ、今はゴム会社で半導体用高純度SiCの事業化成功者あるいは発明者として評価され、人生は現在と変わっていただろう。

 

それでは今の人生が不満足かと言えば、20年写真会社で専門外の高分子技術開発をマネージャーとして担当し、ゴム会社で考案した問題解決法で外部の賞を頂ける成果をいくつも出すことができた。不満足なのはその成果が写真会社で評価されなかったことだ。

 

デジタル化の流れの中で悔しい思いで豊川へ単身赴任し、PPSに6ナイロンを相溶させた中間転写ベルトの開発やポストコンシューマー材を用いた環境樹脂の開発など成果をあげることができ、成果を出しても早期退職を促され勇退を決心したところ最終出社日に東日本大震災が発生し、退職のその日は、送別会その他のイベントが中止になっただけでなく会社に宿泊することになった。

 

人生の歯車は狂ってばかりであった。しかし、何とかリセットし人生をそれなりの軌道に乗せることができるのは、いつまでも腐ってばかりいないで、とにかく誠実たらんと努力した結果だろう。ドラッカーはまことに良いことを教えてくれた(注)。

 

STAP細胞の騒動は彼女一人の責任ではない。学位論文の問題でも指導の段階における責任が大きい、と思われる。しかし彼女にとって厳しい状況である。ここは誠実真摯に振る舞うことで狂った人生の歯車を正常に戻す判断をした方が良い。

 

(注)ドラッカーの遺作「ネクストソサエティー」では、誰も見たことの無い世界が未来のキーワードとして出てくる。(  www.miragiken.com)では、だれも見たことが無い世界を考えるために運営を開始しました。

 

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