これまでに様々な問題解決法が提案されていますが、多くの方法では問題の分析に力点がおかれています。しかし、問題解決で重要なのはドラッカーが指摘しているように、問題設定が重要な手順です。問題設定を行うために、現状のデータを集め整理するプロセスが大切で、その後自分たちのあるべき姿を決めますと、問題が明確になります。
問題の分析を一生懸命行いましても設定された問題が間違っていたら、分析結果は意味のないものになってしまいます。ゆえに問題分析ではなく、問題設定に力点をおかなければなりません。正しい問題が設定されたなら、次は問題解決の道筋を探索することになります。この時推論の向きが重要になります。従来の問題分析法ではほとんど前向きの推論を行っていますが、大学受験参考書にも書かれている「結論からお迎え」のように、逆向きの推論が見通しの良い道筋探索法です。
弊社で開発しました問題解決法は、K0チャートとK1チャートを用いて問題解決の道筋を求めますが、問題分析に工数を多く割いていません。従来の問題解決法との大きな違いでアイデアを出すことに時間を割いています。
また従来の問題解決法では科学的に解くことにこだわっていますが、弊社の問題解決法では、経験知やアイデアを重視し科学的であることにこだわっていません。ただし問題解決された結果につきましては、科学的であることは当然のことです。科学的成果は必ずしも科学的プロセスだけで得られるものではなく、非科学プロセスでも得られることは、古くはニュートン、最近では山中教授がiPS細胞発明で示してくれました。
もし事業特に研究開発や企画でお困りの方は、こちら(当サイトのお問い合わせ)から弊社へご相談ください。
従来の問題解決法ではよい解決案が出なくても、弊社の問題解決法ならば未来に通じる道筋を明確に示します。ぜひご利用ください。
カテゴリー : 一般
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ホスファゼン誘導体は優れた難燃剤であり、大量生産すれば価格が下がることも30年以上前から言われてきたが、リン1モル当たりの価格は、汎用難燃剤に比較し、まだ高価である。ただ最近開発された分解温度の高い縮合リン酸エステル系難燃剤よりもわずかに安い。3年前PETの難燃化にホスファゼンを使用してみて技術の進歩を感じた。
しかし難燃剤の評価というのは難しく、一般に一定条件で難燃剤を樹脂へ添加した時の評価結果で効果を評価するので、ホスファゼンを使いこなすという目的が無い限り、ホスファゼンの正しい評価はできない。樹脂に難燃剤を分散した時に分散状態が難燃性に影響するためで、これはホスファゼンに限らず他の難燃剤も同様の事情を抱えている。多数の難燃剤が開発されている背景でもあるが、この問題を難燃剤メーカーは少し考えたほうが良いと思う。
もしどこかの難燃剤メーカーが樹脂への分散を制御する技術を開発したならば、数種類の難燃剤を大量生産しコストを下げ、分散制御技術とセット販売するビジネスが考えられる。化学的にはリン原子1モル当たりの難燃効果はそれほど変わらないはずで、このようなビジネスは実現可能性が高いと思うが、その戦略が有効に働くのはホスファゼンメーカーである。ホスファゼン誘導体は、PNC(ホスフォニトリルクロライド)と呼ばれる1種類の化合物から類似の反応で様々な誘導体が合成されるので、PNCのコストダウン効果をそのまま生かせる。
ホスファゼン誘導体の1種はLiイオン二次電池電解質の難燃剤としても利用されているが、価格が高いのが問題で、代替技術が開発されたこともあり今後二次電池の市場が拡大してゆくときにコストダウンが課題になる。ホスファゼン誘導体を合成しているメーカーは少し知恵を絞り戦略的にビジネスを展開すると一気に成長できるチャンスがある。
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カテゴリー : 高分子
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軟質ポリウレタンフォームをホスファゼン誘導体で変性したところ、他のリン酸エステル系難燃剤と異なり、燃焼後の残渣へリンが多量に残っている現象が観察された。また、ホスファゼン変性ポリウレタンの燃焼時の特徴として、発煙が少ないとか、ドリッピングが少ないとか他のリン酸エステル系難燃剤に見られない特徴があった。また、難燃効果もリンの含有率で比較してみると20%程度向上していた。しかし、この難燃効果については、プレポリマーで添加した場合であり、粉末として添加した場合には、他のリン酸エステル系難燃剤と同様の難燃効果であった。
この難燃効果については分散状態の差としてとらえると理解できる。すなわち分子レベルまで分散できた時の難燃効果は粉末の場合よりも20%程度向上する、と見積もれる。粉末で添加した場合に、発煙が少ないとかドリップしにくいという性質は見られ、残渣にリンが多量に残っている現象も同じであったので、純粋に分散状態の差として見てよいだろう。
以上は30年以上前の実験結果であるが、定年退職前にPETの難燃化を検討するチャンスがあった。さっそくホスファゼンを添加し、難燃効果を調べてみたら、他のリン酸エステル系難燃剤に比較して僅かに(LOIで5%以下の差)よい程度であった。二軸混練機でミキシングしたので、ポリウレタンの場合と同様の結果と解釈することができる。ゆえにホスファゼン誘導体の難燃化機構は、リン原子による炭化促進効果であろう、と推定される。また、ドリッピングの改善に効果があるのは、他のリン酸エステル系難燃剤と異なり、燃焼時の系内に留まり続ける為、増粘効果が発揮されドリッピングしにくくなるためと推定される。
このドリッピングに対する効果は添加量が少なくなると無くなるので、フッ素樹脂系のドリッピング抑制効果と明らかに異なる。ドリッピングを抑制するために必要なフッ素樹脂は、1%前後であり、また燃焼時の観察からフッ素樹脂は燃焼し溶融した樹脂の表面で薄膜を形成しドリッピングを抑制しているがホスファゼン誘導体ではそのような現象は見られない。ただしここまでの話に出てくるホスファゼンはすべてノンハロゲン誘導体であり、フッ素樹脂で変性したホスファゼンならば界面活性効果が異なるので、フッ素樹脂と同様の効果を期待できるかも知れない。
高分子シミュレーターOCTAを用いて難燃剤の分散を評価し整理してみると難燃剤の側鎖基により、樹脂の分散状態が異なる。SP値が変わるので当たり前の結果であるが、ホスファゼン誘導体の側鎖基を変化させることは容易なので、10%前後の難燃剤としての性能アップをホスファゼンで狙いたいときには、側鎖基のSP値をポリマーのSP値に合わせてやればよい。特にPC/ABSなどの多成分系ポリマーアロイではこの手法は有効と思われる。ただしコストの問題が残っているがーーー
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カテゴリー : 高分子
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パーコレーション転移は導電性微粒子を絶縁体である高分子に分散した時に観察される現象ですが、高分子に微粒子を「制御して」分散する技術は難易度が高いプロセシング技術です。この技術で微粒子のサイズが小さくなるとさらに難易度はあがります。パーコレーション転移は微粒子が凝集する傾向にあれば生じやすくなりますが、制御しなければ分散不良の凝集粒子として観察されることになります。
パーコレーション転移という現象は、微粒子とマトリックスの高分子との間に相互作用がなければ確率過程で生じますが、両者には相互作用が必ず存在するので、パーコレーション転移が高分子物性に影響を及ぼすのであれば制御技術を開発する必要があります。この時、微粒子サイズが小さくなれば、微粒子間の相互作用も強くなるので超微粒子を用いてパーコレーション転移を制御するには工夫が必要です。
超微粒子を高分子マトリックスに分散する時にパーコレーション転移が全く生じないようにする技術、すなわち超微粒子の凝集を防ぎ、1個づつの超微粒子が分離した状態を作り出す方法として、2種類の技術を開発しました。
一つは高純度SiCの合成で用いたリアクティブブレンドでもう一つはゾルをミセルに用いたラテックス重合技術です。前者は、高分子と超微粒子の組み合わせに制約がありますが、後者はゾルさえできれば超微粒子が凝集しない分散状態を作り出すことができます。生成物はラテックスですので薄膜の用途であればそのまま使用できます。バルクで使用するためにはスプレードライプロセスで水から分離することができますのでコストも抑えることが可能です。
ゾルをミセルに用いたラテックス重合技術は1994年にコニカで開発された技術で、2000年の学術雑誌にイギリスの研究者からゾルをミセルに用いたオイル分散の報告が世界初として発表されていますから、その6年前に本当の世界初の技術ができていたことになります。
面白いのは、2000年の高分子学会賞審査会でこの技術を出願した特許をもとに世界初として報告したら、審査員として出席していた某著名私大の先生が「だれでも合成できる」と一言言われました。その結果大した技術ではないと判断されたのでしょうか、落ちました。学会賞を受賞できませんでしたので技術の詳細を公開する機会を失いましたが、技術者は特許以外にも積極的に論文発表を行うべき、という反省をしております。
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絶縁体である高分子に導電性粒子を分散すると、導電性粒子の添加量に応じて抵抗が下がるが、この抵抗の下がり方が、高分子と導電性粒子との相互作用や、導電性粒子の形状など分散状態に影響を与える因子に大きく影響を受ける。さらに、ある添加量のところで急激に抵抗が変化する現象が生じる。この現象をパーコレーション転移といい、この転移が生じる添加量はパーコレーション転移の閾値と呼ばれている。また、パーコレーションという呼び名も急激に電気が流れる現象からコーヒーのパーコレーターになぞられてつけられている。
パーコレーション転移については、数学や物理の分野で古くからボンド問題やサイト問題として研究されてきた。これは小さな立方体を組み合わせてできた大きな立方体について、小さな立方体の中心に粒子を入れていった場合と、小さな立方体の陵に粒子をおいた場合で粒子のつながりができ始める確率が異なることから研究が進められた。計算科学として研究が進められたが、材料科学分野に知られるようになったのは、バブルがはじける1990年前後である。材料科学分野では、パーコレーション転移の理論の代わりに混合則というものがあり、粒子を高分子に分散した時にはこの混合則で議論されてきた。
高純度SiCを武器に住友金属工業とのジョイントベンチャーを立ち上げ、サブテーマとして担当していた電気粘性流体でも成果を出し意気揚々と仕事をしている時にFDを壊されるという事件に巻き込まれた。事件の被害者であったが事件の収拾の仕方に疑問があり転職を決意した。セラミックスを研究してきたので、会社の規定に従いセラミックス以外の会社へ転職することにしたが、その転職先で最初に担当した帯電防止技術がパーコレーション転移の問題に関わる技術でした。
最初に混合則で問題を扱わず、パーコレーション転移の問題として素直に考えることができたのは、趣味のプログラミングのテーマとしてボンド問題やサイト問題の論文を読んでいたからで、芸が身を助け、ではないが趣味のおかげで、転職してすぐに成果を出すことができた。面白いと感じたのは、実際の材料の分散とよく一致するパーコレーションのシミュレーションプログラムを作成し論文発表しようと過去の論文を調査したところ、同じ時期に同じコンセプトのシミュレーションプログラムの論文が発表されていたこと。この時論文調査をさらに進めましたところ、材料分野への応用論文は3報ほどであったので、おそらく混合則からパーコレーション転移への概念の転換点だったのだろうと思います。
学際という言葉の重要性が叫ばれるようになったのは1970年代で、境界領域の学問の重要性が注目を集めた。パーコレーション転移はまさに学際領域の技術で、この材料分野における研究は1990年代から活発になる。材料の導電性の変化だけでなく、強度変化についてもパーコレーション転移で議論されるようになった。思想や技術、あるいは重要なコンセプトが一般に普及し常識になるには20年前後かかる、と言われているが、パーコレーション転移は学問が生まれてから普及までに30年程度かかっています。時間がかかった理由として初期の理論展開は材料技術者には難しく、すぐに材料物性の示す現象との関係に結び付けることができなかったため、と思われます。しかしコンピューターが普及し、理論内容を可視化できる現代においては直感で理解できる理論のように思います。
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現在パーコレーション転移シミュレーションプログラムを作りながら学ぶPython入門セミナーの受講者を募集中です。
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なにもかも標準化やマニュアル化の時代ですが、企業のマネジメントシステムも標準化されてISO9001としてまとめられており、多くの優良企業は取得しています。マネジメントシステムが標準化されると日々の仕事にも影響が出ます。ゆえに取得時にはある程度の融通性を残しつつ取得できるぎりぎりのところで標準化を担当者は考えますが、それでも取得後は不自由が残ります。もちろん標準化は品質向上の為であり、業務の品質は上がっています。特に新しい職場へ異動した時などはこのシステムのおかげですぐに仕事に着手できるメリットは大きいです。
20年以上前の話です。高純度SiCの新規合成法を発明し、先行投資を受け1階がパイロットプラントで2階が実験室の研究所を設立していただき、セラミックスフィーバーの中へ華々しくデビューしたのですが、マーケティングをしてみますと、半導体市場で高純度SiCのニーズはありませんでした。エンジニアリングセラミックスの分野に僅かにニーズがあり、サンプル提供したりしましたが、6年間は事業にならず、後半2年間はテーマの予算すら無くなりました。
仕方がないので、文部省の科研費にぶら下がったりしましたが、ネズミの涙程度であり仕事を進めることができません。予算がなくなる前から続けてきた新テーマ企画活動の予算で食いつなぐことにも限界があります。当時の管理部長が見かねて、研究所の予算で消化率の悪いところの予算を使ってよい、とありがたい言葉をかけてくださいました。もともと研究所の予算は期末消化型で期初は予算が潤沢です。管理部長の指示は研究所の予算消化を平準化することに成功し、高純度SiC技術開発の継続も可能となりました。この絶妙なマネジメントのおかげで住友金属工業とのJV立ち上げ、本命の半導体用高純度SiC開発へと移ってゆくのですが、もしISO9001を取得していたならば実現できなかった采配です。
標準化は品質向上など多くのメリットがありますが、標準化により失われるものがあることを十分に理解しておかないと品質は向上しました、しかし新しい技術の芽は出なくなりました、というようなことが起きかねません。また、社外との接点である調達部門の標準化は社外の取引先への影響も出ます。ビジネスプロセスの標準化と同時に標準化で失われるヒューマンプロセスの問題を考慮する必要もあるのではないでしょうか。
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メタンハイドレートが新たに日本周辺で見つかり、試算では日本周辺に約100年分のエネルギーが眠っている、とのニュースがあった。また、日本周辺は、世界的にメタンハイドレートの宝庫との紹介もありました。石油の例でいえば、埋蔵量についてこの50年見積もりは増えていますので、おそらく100年という数値は今後伸びる可能性がある。
しかし、この発表ですぐにコストが高いからただ見つかっただけの報告である、というようなニュアンスの言葉が発表側からあったが、具体的なコストは公開されなかった。先日コストの問題は、埋蔵量が原因ならば克服しがたい課題だがそれ以外ならば技術革新で解決できる、とシェールオイルを話題に説明しましたが、発表者がもし克服しがたい、と思っているならば、メタンハイドレートの探索をしないほうが良いと思います。技術革新で下がる可能性のあるコストであれば、コストの問題を言い訳に使わないほうが良いと思います。
さて、最近エネルギー関連の明るい夢のある話題が多く、活動報告で提案した産油国日本プロジェクトが現実味を持ってきた。ジャトロワや藻などのバイオエネルギーや日本周辺の化石エネルギー採掘技術開発、スマートグリッド開発も含めたエネルギー大国日本プロジェクトを経産省主導で今進めたならば、景気回復間違いなし、と思っています。30年後を見据えたプロジェクトは民間では進めることができません。また、一つの技術ではなく、並行して多数の技術を検討しなければいけない研究開発は国家プロジェクト以外でリスクが大きくなりますので、国家プロジェクト以外に推進できる可能性はありません。
メタンハイドレートは新素材ではありません。40年以上前から知られており、その生成機構も明らかになってきました。日本周辺のメタンハイドレートは生物起源と言われており、その生成機構が正しければ、日本周辺どこにでも存在することになります。おそらく技術開発を真剣に行ったならば30年ではなく15年程度で商用化できる可能性も見込まれます。シェールオイルよりも現実的なのは、埋蔵量が1世紀分以上あることと、深海ではあるが表層に存在し発掘する技術的障壁が低いことである。
産油国日本あるいはエネルギー大国日本プロジェクトは、日本の景気回復だけでなく、脱原発に直結するプロジェクトでもありますので、夢ではなく実現させたいと思っています。
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昨日夜9時からNHKで日本再生シナリオに関する特集番組があった。先週からの続編ですが、先週を見落としましたので的外れな感想になるかもしれません。
昨日の放送では日本でベンチャービジネスが多数生まれる下地ができてきたことを指摘していましたが、ベンチャービジネスを起業した立場から申せば、下地があるから起業したのではなく、日本を何とか再生するために貢献できないか、という思いで起業しています。先月の産経新聞でもベンチャーブームを取り上げていましたが、そちらの新聞の切り口のほうが正しいように思いました。
産経新聞では、定年間近のサラリーマンが早期退職制度を利用して起業するケースが増えている、と説明していました。当方も早期退職制度を活用し、退職金を投入し起業しましたが、NHKの切り口よりも産経新聞の切り口のほうがベンチャービジネスをスタートしている人々の経歴を見る限り正しいように思いました。
切り口はどうであれ、昨今は第4次ベンチャーブームであることは間違いないようで、おそらく今起業に成功した企業が日本を支えてゆくことになるのであろうと思います。弊社は安価に社会人が勉強できる環境を提供しようと起業したのですが、最近の若者はゆとり教育で勉強を自発的にしようなんて人はいない、というアドバイスを受けたりしています。まだ、コンテンツが少ないので原因はわかりませんが、訪問者が少ない状態を心配しています。本当に若者は勉強に興味はなくなったのか?弊社が成功するかしないかは、若い人の向学心に依存しています。日本の再生も若者の向学心に依存すると思いますので、日本が再生するならば弊社の事業も成功する、弊社が大きくなれば、日本も元気になる、と夢を持って頑張っています。
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バブルがはじけ、失われた10年とか20年とか形容され、なかなか日本の経済が回復していません。またIT化は急速に進みましたが、その他は進歩が止まったような錯覚になる分野もあります。しかし、IT化と同様に進化したのが標準化とかマニュアル化。サービスは均質化され、どこのファーストフードの店にいっても、「いらっしゃいませ」から始まります。
明るい笑顔で挨拶されて気分は悪くないですが、混雑しているときに、挨拶から始まりメニューの説明など一通りの口上が終わらなければ注文を問う作業が始まらない。並んでいて前の人の説明を聞いてメニューなど理解しているにも関わらず1分弱マニュアル通りの口上を聞かなければならない。ためしに口上が始まる前に、こちらから笑顔で挨拶し、注文の品と値段を立て板に水のごとく話したところ、その場の雰囲気がフリーズし、レジ打ち作業の手も止まっている。
自宅の近くに昔ながらの商店街があり、時々散歩ついでに何か一品買い物をする。なじみの店の親父は、3日も顔を合わせないときには、「最近顔を見かけないから心配してました」と口上が始まる。言われる前にこちらから「久しぶり」と言うと、その日の親父の気分の回答が返ってきて、「何に致しましょう」とテンポが良い。作業が標準化していないので、混雑しているときなど買い物は一瞬で終わる。
なじみの店かどうかという問題よりも、標準化された接客態度に疑問を感じます。経営の視点から最低限の品質を確保するためにマニュアル化や標準化を進めるのは間違ってはいないでしょうが、その結果無駄や効率の低下が生じるならば、少し見直しが必要かもしれません。
接客態度に限らず、この20年様々な分野で標準化が進みました。また新しい市場では標準を獲得することが戦略となっています。しかし、標準化には効率の低下や進化を止める副作用が生じる可能性があることを考えなくてはいけません。品質の安定化は大切なことですが、行き過ぎた標準化は見直す必要があるように思います。
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コンサルティングをしていて困ることは、お客様が当然知っているであろう基礎事項をその周辺の知識も含め知らない場合である。例えば技術系の学科を卒業していれば、温度の物理的意味を常識として知っていなければ、実験を正確にできないし、目の前に現れた現象を正しく認識できない。
温度は物理化学の教科書の最初の説明にも常識のごとく登場するが、強度因子であり、エネルギーなどの容量因子と異なる。何が異なるのかといえば、計測された値は、計測した部分の値を示しているだけで、系全体の測定値ではない点である。運動している流体の温度を計測した時に示された温度は温度計のセンサー部分を指示しているだけで、センサー部分を通過後はその温度がどのようになっているかは、不明である。たったこれだけのことであるが、大学の初年度あるいは優秀な物理の教師であれば、高校で温度計測の重要性を実験の時間に指導してくださる。
もうお亡くなりになりましたが、高校時代の物理の教師は、大変優秀な方で、大学の教養部レベルの内容まで授業で指導してくださった。その時に、温度とエネルギーの計測の注意点も指導してくださった。受験教育とは無関係のことだが、大切なことだから、と指導していただいたことを記憶している。穏やかな先生でしたが、物理教育に対する熱い情熱は伝わりました。
高校レベルでも教えている内容を知らないお客様にどのように説明をしたらよいのか躊躇します。知らないことがあっても人間の価値が下がるわけではないですが、あまりにも簡単なことを理解されてなかった場合に、当方の説明したことがどの程度伝わっているのか不安になります。「高分子材料のツボセミナー」は、常識ではないですが、高分子材料開発を担当した時に知っていてほしい内容をまとめましたので、ぜひご活用ください。
実務で高分子材料科学を活用する視点でまとめました。 高分子科学の全体像について学べますので、専門外の技術者にも学生にも役立ちます。
本書は高分子に関する知識を持っていない人の為に、写真と絵を中心に分かり易くまとめました。項目毎に穴埋め式の復習問題もあるので、学習内容の確認もできます。
また、電子書籍ならではの特徴として、購読者様からの質問を受け付けその回答が毎月反映されていきます。是非ご活用ください。
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