高分子混練技術の難しさは、科学の研究で進められている分配混合と分散混合の考え方を用いて実務で遭遇する現象を説明できないためだ。このような問題があっても機密の壁のため問題が表に出ず、その結果研究も進まない、というジレンマがある。
コロナ禍となる前に混練に関する小生の経験知をハンドブックとして上梓したが、その内容は40年以上前ゴム会社へ入社した時に、混練の神様と呼びたくなるような指導社員に指導された知識が中心になっている。
ただし、指導社員はダッシュポットとバネのモデルで混練現象を教えてくださったが、小生はそれを最新のレオロジーで書き直している。
混練に関する最新のレオロジーの知識をどこで入手したのかというと、学会活動である。今でも時間とお金が許せば学会に参加している。もう客員教授もやめており大学の先生ではないが学会で勉強することは継続している。
余談だが学会参加は一般人でも可能なので、時間のある老人は学会へ出かけ目の保養をしてくるとよい。最近の学会のプレゼン資料はカラフルで見ていて楽しい。腹のムシの居所が悪い時には意地悪な質問をして欲求不満の解消をするとよい。
いい加減な発表もあるのでそのような発表をポスターで探し、関連する口頭発表で奇妙なまとめ方に対して質問するとよい。若い研究者のためにもなる。枝葉の質問では研究者に失礼かもしれないが、当方も若い時にどうでもよいような質問をされて発表を台無しにされたことがある。遠慮はいらない。
混練技術に関する発表は、高分子学会でも1-2件ある。ただしこの時当方は質問をしない方針にしている。話がかみ合わなくなることが多いためで、老人ゆえにかみ合わない、と思われても気分が悪いからである。
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樹脂の混練技術を担当されている方は、樹脂は溶融温度(Tm)付近で混練する、と教えられた人が多い。高分子学会賞に推薦された時に、審査員から混練温度が低いことを指摘されて落選している。
ただしこの時の審査員の理由は、分子の断裂が起きるので相溶が起きてもおかしくない、というものだが、審査員の考え方は間違っている。その時分子量分布の変化も示したが、PPSは測定が難しい材料だ、とデータを懐疑的にみられている。
この結果実績を積み重ねるために中国で活動する決断ができた。どうも日本社会は異なる見解や独創性について冷たい仕打ちをうける様な体験が多い。このような体験から、樹脂の混練をTm近辺で行うのは形式知同等の知識と思われているのではないかと心配して本日書いている。
当方の混練技術はゴム会社の新入社員時代に混練の神様と呼んでも良いような方から3か月間技術伝承されたもので、カオス混合技術もその時に指導され、これを多軸混練機で実現するのが当方の宿題になった。
この宿題は、たまたま退職5年前に豊川へ単身赴任した時に実現できた。製品化まで半年と残された時間のない中で、カオス混合を応用した混練プラントを中古の二軸混練機を購入して立ち上げたのだ。
このプラントで出来上がったPPSコンパウンドは、一流コンパウンダーのコンパウンドと高次構造は全く異なり、半導体ベルトと同一の高次構造になっていた。
そして解決できなかったすべての問題をこのコンパウンドで解決することができた。成形工程の難題には、コンパウンドを改良しない限り解決できないことが知られていない。特に押出成形では形状付与以外の問題は、コンパウンドで解決するのが鉄則、というのはタイヤ工場の職長から教えられた経験知である。
Tm温度付近で混練していないだけでなく、カオス混合を行った結果だが、混練条件が異なると出来上がるコンパウンドの高次構造まで異なってくる、というのは混練の神様から教えられた重要なスキルである。
(注)樹脂をTm温度以上で混練する場合もある。分配混合と分散混合中心の考え方では、混練温度などの条件をどのように決めたらよいのか、このあたりの考え方の重要性は強調されないが、当方の執筆した混練活用ハンドブックは分配混合と分散混合とは異なる視点で混練技術をとらえている。40年ほど前に指導された技術であるが、中国では新技術として受け入れられた。
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30年以上前にゴム会社で行われた電気粘性流体の耐久性問題では、組成と機能との関係を科学的に研究し、見事な否定証明を行い、界面活性剤では電気粘性流体の耐久性を改善できない、という結論を導き出している。
界面活性剤ではHLB値がその機能性を表していると教科書に説明されているが、これが研究をミスリードしたのだ。この否定証明の研究が完成し、添加剤が入っていないゴム開発というとんでもないテーマが企画された。
そして、そのテーマが当方に回ってきた。理由は、当時の研究所でゴムの配合研究を一人でできる担当者は当方しかいないからだという。アメリカのタイヤ会社を買収し、社内でリストラが進められた結果、コーポレートの研究所にどろくさいゴム配合の技術者が一人もいなくなっていた。
当方は、研究所へ配属されて3か月間エンジンマウント用防振ゴム配合研究を担当し、当時先端材料だった樹脂補強ゴムを開発している。1年間の予定のテーマを3か月で開発できたのは、サービス残業と過重労働の成果であるが、それができたのは指導社員が神様のごとく優秀な方だったからである。
カオス混合技術をはじめ材料技術すべての考え方をこの指導社員から伝承された。いまから思い出してみても優れた科学者であり、実務も詳しい技術者だった。
この指導社員の言葉で、「やってみなければわからないことは、やってみればよい」は、材料技術者は知っておくべき格言である。電気粘性流体の耐久性問題もこの格言が活かされた。
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PPS/6ナイロン/カーボンの単純な配合のコンパウンドで半導体ベルトの押出成形を行うと、パーコレーションの制御がコンパウンド段階で完成していなければ、パーコレーションの問題で悩むことになる。
パーコレーションの問題を押出成形技術で解決するのか、コンパウンドの混練技術で解決するのかは、経験知が無いと結論を出せない。30年以上押出成形を行ってきた職人の経験知に従えば、コンパウンド段階で問題解決しておくべきである。
ゴム会社の職長の経験知によれば、高分子のプロセシングにおいて、コンパウンド段階の技術が一番むつかしいのではないか、ということである。すなわち、成形段階で機能を作りこむ考え方では高分子のプロセシング技術のハードルが高くなる、と言われていた。
技術が人間の営みである以上、苦労が少なくなるように開発が進められるべきである。すなわち、成形技術の研究開発では、技術の上で完成したコンパウンドを用いて行わなければ、何を研究開発しているのかわかりにくくなる。
カーボンのような導体微粒子を高分子に分散し、高分子半導体を製造するときに、カーボンクラスターの変化でパーコレーション転移が安定しない。
しかし、カーボンクラスターを弱いふわふわな凝集体として高分子に分散するとパーコレーション転移を安定化できる。混練の形式知に従えば、分散混合を押さえ分配混合を進める、となるが、言葉として記述できてもやり方が分からない。
カーボンクラスターのドメインのパーコレーション転移を制御しておいてから、そのドメインの分散についてパーコレーション転移を設計してやる、というのが答えである。すなわち、パーコレーション転移をWで制御することになる。詳しくは弊社に問い合わせてください。
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「高分子の混練り活用ハンドブック」という本をゴムタイムズ社から出版しているが、高分子材料を扱っている人には、ぜひ読んでいただきたい。混練技術に関する教科書が分配混合と分散混合を中心に書かれていることに疑問を感じ、ゴム会社で新入社員時代に3か月間座学で学んだ話を中心にまとめている。
高分子に微粒子を分散する事例では、分配混合と分散混合の説明はわかりやすく、形式知として体系化しやすい。しかし形式知として体系化できても、それを実務で役立てることができなければ意味のない学問である。ここで実学偏重という批判は勘弁してほしい。
学問のための学問も尊いかもしれないが、仮に実際の混練現象を説明できない混練の科学という体系を作り上げたとしても意味のないことを理解してもらえると思う。
今から15年以上前に写真会社でPPSと6ナイロン、カーボンの単純な3種類の配合のコンパウンド工場を設計する必要に迫られたとき、1冊10万円前後の教科書を4冊、自腹を切って購入した。
半月かけて読み終えたが、実務では役に立たない教科書だった。少なくとも目の前にあった問題を40万円ほどかけて購入した本の形式知をつなぎ合わせて解こうとしても、ヒントさえ得られなかったのだ。
ただし、外部のコンパウンドメーカーから購入していたペレットの問題点を理解できた(注)が、それを改良しようとしたときの方向が分配混合と分散混合中心の教科書では見出せない。
仕方がないので、35年前に混練の神様のような指導社員から教えていただいたことを記録した手帳を探し出して、それを読み返してみた。カオス混合のアイデアまで書いてあった。そして問題解決の方向を見出すことができた。ゴムタイムズ社から出版されている本は、その時の手帳をまとめなおしたものである。
(注)電顕写真を見る限り、カーボンの大きな凝集体は見当たらないか、細かい均一な凝集体の分散状態だった。すなわち、形式知から分散混合が進んでいると説明できるが、分配混合はどの程度か評価する方法が不明だった。そこで、いくつかの区画を切ってカーボンの数を数えてみたのだが、それが等しかったので分配混合が進んでいる、と理解した。
ゴム会社の職長から伝授された経験知では、押出成形において成形精度の問題だけに集中しないとモノができない「いってこい」の世界である。すなわち、成形精度以外の問題解決は、コンパウンドで解決するのが鉄則である。この鉄則に従ったときに、コンパウンドをどのように改良するのかという答えを既存の混練の教科書に書かれた形式知から導くことができない。
形式知からは導くことができなかったが、ゴム会社で習った「形式知に裏づけられた経験知」で答えを見出すことができた。既存の混練の形式知が間違っているかどうかは知らないが、それがコンパウンド開発に役立たないことを経験した。
当方が中古の混練機を購入し3か月で作り上げたプロセスで製造されたコンパウンドを既存の押出プロセスへそのまま流したところ、ポリイミドベルトよりも抵抗変動が小さいベルトを押出成形できた。押出プロセスは完成していたのである。コンパウンドが未完成だった。
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昨日の続きになるが、義務教育における音楽は、楽しく歌うことと鑑賞が中心でペーパーテストでは、その背景となっている知識を試す内容となっていたように思う。ペーパーテストでは95点以下という点数を見たことが無く、100点だった記憶が多い。
今の音楽教育がどのような内容かは知らないが、音楽も含め美術や書道など芸術系の科目において科学とは無関係な内容だったと思う。これはこれで科学にとらわれていないので素晴らしい内容だったと評価しているが、それが鑑賞と楽しく歌うことが中心で楽譜を読める程度のわずかな音楽理論という教材でよいのかというと少し音楽を軽視しているように思う。
教育指導要領を確認せずに勝手なことを書いているが、通知表で5を採っていたにもかかわらず、学習した内容を思い出すと、算数や数学に比較してその薄っぺらさに不満が出てくる。高校生の時に深夜放送を聞き、フォークソングブームの中でサイモンとガーファンクルにあこがれた。
岡林信康や高田渡はどこか暗く、深夜放送で聞いているとこちらが落ち込んでくる。泉谷しげるは、小学校の時の自分の歌を思い出す。日本のフォークシンガーと呼ばれる歌手は個性的ではあったが、どこか好きになれなかった。
山崎ハコが登場した時に、この歌を好んで聞く人は、幸せな人よりも不幸な人が多いのだろうと感じた。あまりにも暗い。その暗さは岡林信康の歌と異なる方向の暗黒だった。
鑑賞が主体の音楽教育では、この程度の感想で終わる。当時の日本のフォークソングがアメリカのフォークソングから強い影響を受けていたことなど音楽評論雑誌を読まなければ気がつくことはない。
単なる好き嫌いの判断になってしまうのは、音楽を解析的に学ぶ姿勢に欠けるからだろう。面白いのは、化学系の学部で受講した高分子の授業である。高分子の一次構造の解析の話は出てくるが、その次は高次構造で詳しくその説明はなく、これでおしまいである。この問題は、後日触れる。
大学院で高分子ではなくセラミックスの講座に進学した理由でもある。ブラベイ格子やガラス相の問題など無機材料科学には、興味を描きたてるテーマを扱った副教材が多かった。キンガリーの教科書でも初めの書き出しは論理的でわかりやすかった。
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ドラッカーは異なる見解こそ耳を傾けよ、と述べている。すなわち、組織内あるいは組織間で合意された見解に間違いやリスクがあるかもしれないからだ。異なる見解は、それを明らかにしてくれる。
倉持仁医師が、1年半のコロナ治療を数字で振り返り「感染症治療は早期の診断、隔離、治療介入により死亡はゼロにでき得る。この当たり前のことに今も気づいていない」とYouTubeで述べていた。
詳細はYouTubeを見ていただきたい。ご自身の今年3月から行った226人のコロナ患者治療において死亡0の経験から述べているのだが、説得力がある。
このような意見が、何故YouTubeで、と視聴者には疑問符がつくかもしれないが、30年以上の実務経験から、疑問符ではなく、今の日本で誠実真摯な医師の一人なのだろうと評価している。
医師と言う職業から黙って現状を見ておれないのだろう。本来は為政者がこのような見解にいち早く気づき、為政者の周囲の不誠実な担当者の見解よりもこのような見解に耳を傾けるべきだが、科学的に明らかになっていない分野ではそれが難しいし、「面倒くさい」と言うのが本音となる。
どうせもうすぐ辞任するのだから、という気持ちが少しでもあれば、このような異なった見解に耳を傾けていても面倒だ、適当なことを言っている医者の見解を採用しておけば責任を果たせる、とでも考えているのだろう。
大企業でもこのような流れになることが多い。当方のFD問題で隠蔽化された経緯だけでなく、そもそもゴム会社の研究所で高純度SiCの事業提案を行ったときには異なる見解として無視された。
無視していても、当方を留学させていると言い訳ができたからである。高純度SiCの事業提案では、たまたま無機材質研究所の先生方のサポートがあり、一企業の提案に留まらない良い提案であると認められたので、社長から直接2億4千万円の先行投資を頂けた。
その時のプレゼンテーションの場では事なかれ主義の研究所長にかわる新しい研究所長が出席されていた。研究部門の取締役も交代していた。おかげで新しい研究体制の6年間に住友金属工業とのJVと言う形で事業を立ち上げることができた。この体制が交代した直後にFD問題が起きている。
日本において倉持医師は異なる見解派であり、政治状況から無視される可能性が高いが、人の命がかかわっている問題だ。それを無視してこの見解を取り入れない政府の対応あるいは都の対応を人の命を軽視している、ととられてもしかたがない。
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一般の高分子材料の熱膨張率は、金属やセラミックスに比較して10倍以上である。しかし、昔から高分子材料成形体の寸法精度についてニーズは高く、低熱膨張材料の研究が行われてきた。
しかし、光学部品で高い寸法精度が要求されるようなところには、金属やセラミックス以外の材料では設計が難しかった。そこで、20世紀末から低熱膨張率高分子複合材料や液晶ポリマーが開発されてきた。また負の熱膨張率材料との複合化も検討されたりしている。
ところが、熱膨張率の制御で古くから研究されてきたガラスでは、10倍以上の低熱膨張率化技術に成功して割れにくくなったガラスや、高密度化したHDの円盤が金属からガラスに置き換えられたり、半導体分野にも用途が広がり20世紀末に実績が増加したが、高分子材料では今一つである。
これは、それなりに理由があるのだが、現状の高分子の低熱膨張化技術と何が問題となっているのかにつて技術情報協会主催のWEBセミナーが1週間後開催されます。そこで、当方の学位論文のデータも含めた資料で講演します。詳細は弊社へ問い合わせてください。
講師割引を主催者と調整しますので、弊社へ申し込まれますと10%程度安くなります。また、弊社へお申し込みの方に限り、事前と事後に弊社へ直接質問できる特典があります。
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オンキョーはじめ今でもかろうじて生き残っているオーディオメーカーは、売り上げを落とし倒産の危機にある。また1970年代から成長した、アンプやスピーカーメーカーも同様で、ブランドを残すだけのメーカーも存在する。
しかし、市場をよく観察すると、音楽を楽しむユーザーは今でも多数存在しているが、そこで使用される道具が20世紀から大きく変わり、旧来のオーディオメーカーがそこに対応できなかっただけである。
昔ながらの道具は、富裕層の贅沢品あるいはいわゆるオーディオオタク族の興味の対象となり、今でもその市場は存在するが、オーディオ市場全体から見ればニッチ市場である。
このような市場の変化を、20世紀のマーケット研究家たちは、ユーザーのライフスタイルの変化にオーディオメーカーが対応できなかっただけ、と説明するかもしれないが、ユーザーの音楽の楽しみ方を変えた技術の流れに着目しなければ、この市場の新商品企画は難しいだけでなく、同じような危機にさらされている他の市場の参考にならない。
オーディオ市場における道具の変化は、まさにDXである。ソニーのウオークマンは20世紀のマーケット研究家たちの解説に適合する商品であるが、その後この市場は携帯電話からスマートフォンへの技術の流れに駆逐された。
ホームオーディオは、携帯電話からスマートフォンの技術の流れに無関係に位置づけられているが、スマートフォンとそれに対応したTVがあれば、デジタル化された高音質の音楽を楽しむことが可能である。不足するのは重低音の刺激ぐらいである。
恐らくオーディオ業界は、DXによりゆっくりと革新が起きた市場で、その解析を誤り、多数のメーカーが倒産した典型例ではないだろうか。
写真フィルム業界のように、デジタルカメラの登場で突然マーケットが縮小した事例と異なり、携帯電話の登場以来ゆっくりと進展し、オーディオ業界はその変化を見誤り、昔ながらの商品を作り続けていた多くのメーカーが倒産した。今他の市場でも同様の変化が起きている。DXにより難しくなった商品企画でお困りの方はご相談ください。
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音楽を楽しみたいというユーザーがいなくなったわけではないのに、オーディオ業界は消滅に近い状態である。最近発売されたオーラという車には、オプションとしてBOSE社のオーディオセットを組み込むことができる。
また、その上位にあたるアリアも同様であるが、アリアとオーラの違いは重低音用スピーカーの有無だ。オーラにはついていないがアリアにはラゲッジルームに重低音用の大口径ウーファーが搭載される。
音や振動の無い車を開発してきた技術者には理解しがたいオプションだ。わざわざ100Hz未満の振動を発生させる装置をオプションで選ぶ客が存在するからだ。
もっともアリアは電気自動車なので、エンジンが発生する低周波音は存在しない。ゆえに静粛な車内と言う密閉空間で良い音楽を、というオプション設定なのだろう。
車のオーディオについては、高級車で昔から良質なオーディオがオプション設定されていた。モーターショーでそれらを体験したりしてきたが、ホームオーディオの高級品のレベルに到達した商品に出会ったことが無い。
各楽器の定位など音場はうまく設計されているが、例えばバイオリンの響きなどがハイファイと言い難い。エレキギターなどの電子音楽を聴いている分には良いが、アコースティックな生音の再現になってくると、車用のオーディオでは難しいのだろう。
しかし、それでも満足、という人が30万円以上のオプション代金を支払い、高級オーディオを車に搭載する。このオプション代金があれば、音工房Zのキットと千石通商のキットなどでさらに高音質なオーディオセットを造ることができ、さらにおつりがくる。
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