愛知県の「表現の不自由展」が未だに揉めている。大阪知事と愛知県知事の喧嘩も飛び出した。一連の愛知県知事の発言を聞いていたが日本人として少しおかしい。
もし、愛知県知事が日本人として誠実真摯に考えるならば、まず、税金を投じたことの謝罪が必要である。そして、この謝罪の上、中止にしたことの謝罪もしなければいけない。
今回の問題は、日本人全員の支持が得られると思って、税金を投じたはずである。しかし大多数が異を唱えたのだから、愛知県知事の判断は間違っていたのだ。
一方、芸術表現に関して愛知県知事が自己の判断の正当性を主張するならば、私財を投げうってでも展示会を何処か私的な会場を借り切って開催しなければいけない。
展示会の企画者もそうだが、際どい仕事を行うときの覚悟が足りない。今回の騒動を見ていると、愛知県知事も含めて展示会に関わっている人間の卑しさが透けて見えてくる。
日本人の意識改革を目的として表現の自由を主張するならば、覚悟も必要だ。この問題に限らず、覚悟の必要な行動に対して、安直に行動しあたかも正論のごとく他者を批判する無責任な人が多い。
いつまでもこの問題がくすぶっているようならば、愛知県人はリコールの行動を起こしてもいいような状況である。日本の愛知県民として大阪人に馬鹿にされてもよいのか。
愛知県出身者として、かつては不倫をして家庭を壊すような見識の国会議員を選んだり、今回の一連の騒動を見てきて少し恥ずかしい。
この恥ずかしさを思うときに、改めて普遍的な正論を論じる覚悟の重要性を認識する。
日本社会で生活するときには、国際人の前にまず日本人としての価値観で判断しなければいけない。
そしてその価値観が時代遅れと感じ、直す必要があると感じた人は、まず日本人としての手順でそれを提案しなければいけない。もし、提案内容が日本人の価値観とかけ離れていたならば、日本社会に寄り添った手順で提案すべきである。
今回の場合であれば、公共の財産を使う段階ではない。有志から募金をして私設会場で行うべき内容だ。そして、それが多くの人の賛同が集められたときに、初めて税金を投入すべきなのだ。
大阪府知事が辞職すべき問題と言うのも最もである。不倫で選ばれた議員は、愛知県民が不倫を認めたという理由で堂々と活動をしている。不倫が愛知県の文化の時代になったのか?
生命の大切さを主張しつつ自らの生命を維持するために他の生命を犠牲にしなければいけないという人間がその意識の中に永遠の矛盾を抱えた生き物である限り、今回のような出来事では、命を懸けるぐらいの覚悟が必要である。
逮捕者まで出るような問題に発展しているので、謝罪をしないのならば愛知県知事は速やかに辞職すべき段階かもしれない。日本人政治家としての覚悟を見たい。
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昨日中国の空港における詐欺被害について、同僚の被害も含め3つほど紹介したが、中国ではいろいろな被害を経験している。どちらかと言えば、もう慣れっこになったといってもよいほどだ。
400元前後の金さえ出せば命は何とかなり、笑顔で解放してくれる、そんな被害ばかりだ。
タクシー代金については安いのでどこまでごまかされているのか分からないが、同じ場所同じ距離で3-4割の変動があるから、ごまかされている場合もあるのだろう。
明らかにインチキだったのは、スロットマシンのごとくメーターの価格が上がり、30元前後のところが300元も支払わねばならなかった体験である。
ホテルの手前で止まり、ここまでだと運転手はいう。そして、額を隠していた髪をかきあげ、眉間の縫い傷を見せてきた。黙って300元出したほうが良いと思い300元渡したら、ドアが開いてニコリと笑っていた。
ガイドブックに安全と書いてあるようなタクシーに乗ってもこれである。ビジネスでは、宅急便の荷物を受け取るのにわいろを要求されたり、コンサル料を半分しか支払ってくれないなど、散々な目に合ってきた。
昨年から台湾の仕事を引き受けるようになったが、台湾では、同じ中国にも関わらず、このような被害にあっていない。
空港でもチケットを黙って取り上げるような失礼なことはせず、必ず見せていただいてよろしいか、と尋ねてくる。同じ中国人に思えない。
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昨日早朝(浦東空港7時55分発)の飛行機で上海から帰国したが、空港で巧妙な詐欺にあった。手口は以下である。
飛行機の出発よりも1時間30分早くチェックインカウンターについた。これはいつものペースで、登機時刻に十分間に合う時間である。すでにチェックインが始まっていたので、並ぼうとしたら空港の職員と見間違えるような(空港職員と同じ格好をしている)中年男性が、近寄ってきて、ここでチェックインができる、といい、パスポートを見せよという。
警戒していたら、怪しくない、空港の職員だという。そして発券機の操作を手際よくしてくれて、席は一つしか空いていない、あなたが遅すぎるという。とにかく急げ、といい、発券機の上のパスポートを取り上げられ、当方の手を引きながら、チェックインカウンターの一番端まで連れて行ってくれた。
チェックインカウンターの一番端は、搭乗時刻が迫っているときに優先的に荷物預かりをしてくれるところだが、7時10分の搭乗時刻まで40分あり、そこを利用しなくても十分に間に合うと思った。だが、早い手続きに不満は無いので荷物を預けた。
この荷物を預けるところも、チェックインカウンターのお姉さんとの交渉も怪しい中年男がやってくれたのだが、そこで、荷物検査室に行かなくてはいけない、と言われた。
怪しい荷物は、お土産で購入した白酒ぐらいで、何かの間違いと思いとにかくチェックインカウンターのすぐ横の小部屋へ案内されるまま入った。
そこには空港職員の制服を着た男一人がおり、怪しい中年男が、その職員に何やら交渉している。手振り身振りから時間が無いから急げと中国語で言っているようにも見える。
空港の制服を着た男は、当方のバッグを開けるように言ってきて、バッグを眺めている。急ぐ様子もない。何やかやと荷物の中をゆっくりと調べて異常がないからバッグを閉めろと言ってきた。異常がないのに20分も時間を消費した。
怪しい中年男は、バッグを閉めたら急げと言って、また当方の手を引いて、出国手続きの入り口まで連れてゆき、これだけ並んでいるから、間に合わない、交渉するから400元出せ、と言ってきた。
パスポートとチケットをとにかく取り返さなくてはいけないので、おとなしく400元をだし、まず旅券とチケットをくれと言ったら、素直に渡してくれて400元を当方の手から取り上げると、当方の手を引いて、客室乗務員の通路まで案内するや否や、そこに立っていた整理係に中国語で何やら話した。
その後、怪しい中年男は、この男についてゆけと言って去った。さてその整理係は、小生を出国手続きのカウンターへ特別に案内してくれて、結局飛行機の搭乗時刻に間に合ったのだが、飛行機に乗ってびっくりした。
前方のエコノミークラスの席に空席が10席ほどあった。当方の席は後方の団体席の中央付近だった。この時騙されたことに気がついた。発券機で一席しか空いていない、と言うところから詐欺が始まっており、チェックインカウンターの女性も、荷物検査員、整理係もグルだった可能性がある。
400元をだまし取られたことになる。以前出国手続きのゲートを出た直後、空港職員に日程がオーバーしているからと、わけのわからない小部屋へ連れていかれ中国語で説教されて、その後英語で一言今から日本で手続きするのかここで違反料金を支払うのか二つに一つだと言われ500元を騙し取られた(これは詐欺だとわかっていても飛行機の搭乗時刻が迫っており、お金を支払う以外に方法が無い状態である)が、今回は手の込んだ詐欺である。
オレオレ詐欺には注意しているが、空港職員によるこのような詐欺には、十分な余裕を持って空港に行くだけではなく、隙を見せず、すべて自分で手続きを行う覚悟でいなければいけない。発券機のところでうっかりとパスポートとチケットを敵に渡してしまったのが間違いの始まりだった。中国では空港職員相手でもパスポートを渡してはいけない。
中国では、職員もこのように詐欺を働くので、対策は自信をもって行動する勇気しかない。中国では日本にいるよりも真面目に行動しなければいけない。今回は上海市内で購入した高い白酒を隠し持っていた(3本までは許されるはずだが安い酒ではないので不安だった)ところを狙われた。
15年ほど前に同僚と中国出張をしたときに、同僚が上海市内で3本ほどお酒を購入した。そして、空港の入り口の荷物検査で引っかかった。お酒をすべてそこで取り上げられた(1000元近い損害だった)のだがこれは怪しい処理である。ゆえに高いお酒を隠し持っているときにはいつも不安だった。
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大船渡(岩手)最後の夏は、不完全燃焼で幕を閉じた。花巻東との決勝で、2-12と大敗した。昨日の高校野球情報は、このニュースが一面に来ていた。
そして、お決まりのことだが、賛否両論の意見がネットに上がっていた。理由は佐々木投手を温存した監督の判断にあった。
続投が続き、腕に違和感を感じていた佐々木投手を決勝戦で使うかどうかについて、今の時代でなければ、ベンチ入りの判断にはならなかったろう。
高校野球という舞台を考慮すると、これは正しい英断である。某高校の監督は、甲子園を目指していたのだから、佐々木投手を使うべきだった、と述べていたが、これは時代錯誤の判断というしかない。
例え英断であったとしても、結果が悪い場合に批判は避けられない。それが分かっていても、ベンチ入りを命じた監督を当方は優れたリーダーだと思う。
当方は退職前、事務機の部品開発(内製化)を中途で引き継いだ。半年後には製品化という仕事だった。しかし、コンパウンドが原因で歩留まりが10%に満たないような仕事であり、内製化をあきらめ部品そのものについて外部調達という判断をすべき状況だった。
しかし、経験知からコンパウンドの問題を理解できて、混練さえうまくできれば歩留まりが上がると判断できた。
そこでコンパウンドメーカーに解決策をお願いしたところ、コンパウンドメーカーは、形式知からコンパウンドについて問題の無いことを説明し内製化技術に問題がある、と突っぱねてきた。
仕方が無いので、中古混練機を購入しコンパウンドの内製化まで行う決断をしたが、部下の課長から戦力の観点で猛反発された。
部下の課長に、外部のコンパウンダーと同等の扱いをしてもよいから、君が良いコンパウンドを選ぶように、と告げて、中途採用1名と現場の作業者1名でグループを編成しコンパウンド開発を進めた。
3ケ月後には歩留まり99%を実現できるコンパウンド技術が無事完成し、外部のコンパウンダーには状況を説明して諦めてもらった。決断で明暗は分かれる。判断を間違えないようにしたい。
今進められている働き方改革の思想を尊重すれば、部品の内製化そのものをあきらめ、外部調達するという判断が正しいのかもしれない。ただし、この判断は正しいが、コストダウンもできなければ新しい技術も何も生まれない。すなわちGDPで表現すれば0かマイナスの状態である。
3ケ月でコンパウンドプラントを作るために当方は土日返上、時には徹夜までした。明らかに働き方改革に反する判断である。また、このような働き方で成果を出しても退職前の当方は成果に見合う報酬が得られるわけではない。それが分かっていても貢献を第一にGDPの向上を目指し新技術にチャレンジして成功させた。
退職前のリーダーとして働き方改革の思想による判断が正しかったのだろう。しかし、世の中の流れや会社の風土に反した判断をしても、成功したので誰も何も言わなければ報酬も無い。判断が良かった、悪かったなどの批判も出ない。すべて何もなかったように時が流れ、2011年3月11日に最後の日を迎え、帰宅難民となり、最後の日に会社に宿泊できる幸運となった。天だけが応えてくれた。認知症になったとしても、地震が来るたび思い出す一生忘れることのない退職記念日である。
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21世紀になり、日本のモノづくり力の低下を嘆く投稿を見る機会が多い。3年前には、現場のデータ改ざん問題などが噴出し、社長の謝罪会見が続いたこともあった。
これらは、いわゆる現場力の低下を意味しているが、働き方改革が影響していないか心配になってきた。
実は今年の初めに、我が家の2度目の外壁塗装を行ったのだが、1回目に比較しあまりにもひどい工事で、外壁の所々が破損していたため料金を支払う時にクレームとして監督者に修繕を伝えた。
ところが半年間音沙汰無し。日本を代表する企業なのでお客様よりも働き方改革を優先しているのだろう、と静観していたのだが、まったく電話も無いので次第に忘れているのではないか、と疑うようになった。
我慢しきれず電話をしたところ不在だったので電話を取りついだ人に、半年前に工事を完了し不具合点を直してほしいと伝えたがまだ来ない、と伝言した。
そうしたら、昨日ようやく来た。実は料金支払い時にクレームとして伝えたのは、1.外壁塗装でヘーベル板の痛みが激しいことが心配、と2.養生していなかったために玄関扉が汚れた話だった。
2については、料金を支払う前だったので、扉の張替えを行ってもらったのだが、料金はしっかりと支払わされた。
扉を汚したのは工事側なのにおかしい、と言ったが、発注されたのはお客様と押し切られた。工事についても会社***の基準を満たしています、とつれない回答。品質検査を行っていても傾いたマンションでくい打ち不正が発覚したことをもう忘れている。
昨日ようやくヘーベル板の傷み具合を調べきに来てくれたのだが、作業の様子を話したら、現場監督者が驚いていた。なんと監督者は現場の作業の様子を見ていなかったのだ。
「**のようにしていなかったんですか」と作業標準の説明を当方にされても困るのである。もし、監督者が言うような作業標準通りに行っておれば、ヘーベル板が見苦しく欠けることも無かったはずである。
ヘーベル板の痛みの話で頓珍漢な応対が続き、扉の養生忘れの問題を忘れていたら、帰り際に、きれいな一部分の玄関扉の写真を見せながら、汚れていなかった、と伝えてきたので、びっくりした。
議論するのもばかばかしかったので、当方が撮影した汚れた部分の写真を見せたら、担当者は証拠を撮っていたのかとびっくりしたのか絶句していた。
くい打ち不正の謝罪会見は何だったのか、と言いたくなったが、これ以上書かない。早い話、汚れていないところだけの写真を見せる恥ずかしさを感じないだけでなく対応に誠実さが無いのだ。
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吉本興業の問題について展開が笑えない状態になってきた。最近のお笑い界がつまらなくなってきたと思っていた。それは、芸人も含めてサラリーマン化してきたことが原因ではないか。
芸人が芸のために人生をかける、という姿勢は古いもののようだ。今働き方改革が世の中の流れだが、技術でも芸術でも、並外れた優れた結果を出すためには、血の滲むような努力が必要だ。
それを組織で働く人が健全な状態で行おうというのが現代の会社の役割だが、現実の成果をよく見ると、大抵は無名の犠牲者の上にそれが生まれている。
犠牲者と言う表現を用いたのは、組織で本当に努力した人が報われない事例の方が多いからだ。名前すら組織の中で抹殺される場合もある。
上に立つ経営者が働く人の苦労に報いようとしていないためだが、吉本興業ではその搾取の構造が丸見えになってしまった。
おそらく今噴き出している処遇の問題はギャグではなく真実に近いのだろう。芸人は現場の作業者ではなく、部品に過ぎない扱いである。それで納得できてしまうところも笑えない。
さらに良くないのは、そこで働く人も搾取する立場を指向しているところが見え隠れしてやりきれない。誰でも少しでも収入が多い仕事をしたいかもしれないが、やはり働くときには「貢献」をまず考えて働く姿勢が重要なのだろう。
お笑い芸人がお笑いを目標とせず、お金を目標としているところに現代のお笑いが笑えない芸になっているような気がする。
働くときに、お金を目標とすることが良いか悪いか、という議論は無意味で、本来それは公平に保証されている前提が当然であるのが今の社会の理想である。
それが保証されていると信じて働かなければいけないが見えてくるのは不公平ばかり、という状態では良い社会とは言えない。
共産党に対して一定数の支持者は必ず残る、と言っていた評論家がいたが、それは良いことではないだろう。今回の参院選挙の結果で新たな左派ポピュリズムの誕生に驚いている。
日産のゴーン事件や、今回の吉本の騒動を見ていると、労働対価の搾取とか資本家と労働者と言う、前時代的な対立用語がゾンビのように溢れてくる。弊社は社長よりも従業員の給与が高くなる給与体系で運営している。
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今でもTRIZやUSITにかぶれている人がいるかもしれないが、TRIZやUSITは研究対象としては面白いが、もはや実用的ではない。
まず、そんなことをしなくても、優秀な技術者は、TRIZやUSITに近いことをしている。おそらくTRIZやUSITはやがて忘れられてゆくだろう。
人工知能(AI)などが登場した現代において、人間ががちがちのロジックで問題を解いていてもコンピューターに負けてしまう。
今は、コンピュータにはできない問題解決法を指向すべきだろう。ゴム会社に入社して、新入社員テーマとして樹脂補強ゴムを担当したが、これはある意味ふざけたテーマだった。
このテーマには大変感謝しているし、神様のような指導社員のおかげでカオス混合や新しい問題解決の方法はじめ企業の実務を遂行するときの術をたった3ケ月で身に着け、これを活かして退職前の5年間に良い仕事ができた。
だから、軽蔑してふざけたテーマと言っているのではなく、尊敬の念で言っている。
実は指導社員からテーマ説明を受けたときにすでに、目標とすべきゴムが出来上がっていたのだ。さらにダッシュポットとバネのモデルを使い、シミュレーションまで完成していた。
ただ、できあがっていたゴムは耐久性などに問題を抱えており、こまごまとした物性のバランスをとる必要があった。すなわちヒューリスティックな解が得られていたということだ。
ただし、そのバランスのとり方いわゆる最適化については、試行錯誤しか方法が無かったが、企画書にはシミュレーションで最適配合を見出してゆくと、基礎研究テーマの形式になっていた。
指導社員からは、すでに粘弾性のシミュレーションができていることや、一つゴムの処方が見つかっていることは上司も含め言ってはならぬ、と口止めされていた。
当方が日々混錬して作ったサンプルに合わせて、週報は作られていった。その華麗な報告の仕方を見ていて当方もいたずらを思いついた。一年後のゴールを3ケ月後に設定して徹夜し仕事を進めていったのだ。
その結果、週報も加速度的にゴールに近づいて行って、2.5ケ月後には後工程で試作する打ち合わせが報告された。
今から思えば、ヒューリスティックな答えの提示による問題解決という方法のヒントとなったテーマだった。
今ではステージゲート法などステップを踏んだ研究開発管理が行われているが、当時はそのような考え方が無く、研究所の使命そのものが問題にされ始めていた厳しい時代だった。
指導社員は苦労人で、世間で言うところの課長補佐格レベルの年齢であるにもかかわらず、当方が初めての部下だった。昇進が数年遅れているにもかかわらず、経営感覚も含め研究所の管理職の能力を超えるセンスを持っていたスーパーマンだったが、やや斜に構えたところがあった。
大学院を無機材料の講座で過ごした当方を試していた、あるいは揶揄っているような態度が時々あった。しかし、当方に高分子の知識が何もないということで、毎朝丁寧に座学をしてくださった。
恐らくゴムの知識が皆無の新入社員を担当するということで樹脂補強ゴムの企画を立案されたのかもしれない。今から思えばその企画書を立案するまでに費やされたヤミ研の時間は相当なものだったに違いないと思っている。
無機材研で1週間で完成させた高純度SiCの事業企画も、ヤミ研は2年間行われている。50周年記念論文は、調査段階の報告書でもあった。
(注)働き方改革の「は」の字も無いような、ブラックがホワイトとされていた時代である。残業代は出ないが、働きたいだけ働けた時代でもある。働くとは貢献と自己実現と真摯に考えない限りばかばかしくなる時代とも言えるが、当方の働き方の基礎を作れた時代でもある。スーパーマン指導社員の3ケ月に及ぶ丁寧なご指導の後は、美人の指導社員で毎日が楽しくなるような方だった。残業をしないようにしっかりと管理されても苦痛ではなく、横浜工場まで試作のために小平からドライブした思い出は忘れられない。
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「まず正しい問題を見つけよ」は、ドラッカーの言葉だが、この言葉には、さらに、「間違った問題の正しい答えは意味が無い」と続く。
さらに、「頭のいい人ほど仕事ができない、成果が出せない」と手厳しい。問題解決の前に、まず、正しい問題を見出すことが如何に難しいのかをドラッカーは語っている。
しかし、残念ながらドラッカーは正しい問題を見つけた後の問題の解き方について多くの著書の中で示していない。おそらく、正しい問題が見つかれば、問題解決は簡単だということのようだ。
唯一彼が言っていた言葉で、正しい問題を見つけた後、「何もしない」というのも答えの一つだ、という問題解決の方法は、秀逸である。
頭のいい人は、問題には必ず答えがあると思って解いてしまうが、正しい問題を見出だした時に、「何もアクションをとらない方が良い」と判断されたなら、「何もしてはいけない」のだ。
このような問題解決法は、科学的ではないが、問題解決を科学的にやろうと考えている人にはなかなか決断ができない方法かもしれない。
ドラッカーの言葉ではないが、この「何もしない」決断から考えなければいけないのは、ヒューリスティックなあるいは経験側的な即答の重要性である。
これは仮説設定とは少しニュアンスが異なる。まったくの正解ではないにしても、一つの答えを用意し、問題解決にあたる問題解決法があるのだ。これは技術でも使える。詳細は弊社へお問い合わせください。
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日経ビジネス版にモンスター部下が原因で管理職が鬱になった話が紹介されていた。そして、現在は上司によるパワハラではなく部下オリエンテッドの時代で管理職がストレスにさらされている実態を解説していた。
上司と部下の関係で最も記憶に残っているのは、入社2年目の時の管理職である。この欄ですでに書いているが、当時先端技術のホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の工場実験を成功させた結果、新入社員である当方に始末書(注)を命じた管理職である。
この2年後には、年末に行う上司と部下のコミュニケーションシートに部下全員がこの課を出たい、と書いていたことをこの管理職は当方に相談されている。すなわち、全員に書かせた犯人は誰だ、という犯人探しの相談である。
この上司によると、この課を出たいと書いていなかったのは当方だけだと褒めてくれた。当方は、もうすぐ留学しますから同じことです、とそっけない回答をして、打ち合わせ後に当方は上司を喜ばせる気の利いた回答ができなかったことをあとで反省していた。
とにかくこの管理職は部長まで昇進されているが、部下から見ると子供のようなずるがしこいところがあっただけでなく、責任感の欠如した人だった。それでも部長まで昇進したので皆がやさしい会社だと噂していたのが記憶に残っている。
このころの記憶を頼りに日経ビジネス版を読んでみると、上司と部下とのコミュニケーション不足が見えてくる。
組織管理職は相手が嫌がったとしても一日1回はあいさつ程度でも部下全員に声掛けしなければいけない。1分程度でもすべての人と雑談ができれば合格である。それができないような人を組織管理職にしてはいけない。
当時、だめな管理職と部下から見えていてもその管理職の上司からは評価されて部長まで昇進しているのだ。どこか高く評価されていたところがあったのだろう。だれでも部長まで昇進できるような甘い会社ではなかった。
この管理職と部下との日常は、ひそひそ話の対話がほぼ毎日のようになされていた。そして当方はいつも声がでかい、と叱られていた。大きな声で話せないようなコミュニケーションでもマネジメントに役立っていたのだ。
ひそひそ話の共有化がなされた結果、メンバーの団結力は高まってゆき、仕事でお互い助け合い、2年間難燃性ポリウレタンフォームやフェノール樹脂天井材などのアウトプットがでていた。管理職はともかく、経営から見たら決して悪い組織ではなかった。そして皆が自然と団結してコミュニケーションシートに「この課を出たい」と偶然書いたのだ。
(注)市販されていないホスファゼンを工場実験に使った、ということで後工程の部門に管理職が叱られたらしい。詳細な経緯は知らないが、女性の指導社員が課長から当方に書かせるように、ときつく伝え聞いた話が記憶に残っている。樹脂補強ゴムを3カ月で仕上げたところ、指導社員が交代し、天使のような指導社員になったと思っていたら半年後に始末書である。当方はモンスター社員ではなかったので天使のような美しい指導社員に命じられるまま、始末書を書くことにしたが、その始末書でホウ酸エステル変性ウレタンフォームの企画を提案している。新入社員テーマ報告会では、樹脂補強ゴムのテーマとホスファゼン変性ポリウレタン、ホウ酸エステル変性ポリウレタンの3テーマを報告するのかと思っていたらこの始末書に書いた企画だけを新入社員報告会で報告している。天使のような美しい指導社員は当方の気持ちを理解されており、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの話題も一枚だけプレの話題に挿入することを許してくれた。今から思えば一年間に3テーマこなしたことになる。天使のような指導社員はこの時のテーマの学会発表にも管理職にうまく許可を取ってくれたので、入社二年目と三年目で日本化学会でこの時のテーマを小出しに報告している。その後高分子の難燃化セミナーの講師として招聘されるきっかけとなったが、フェノールフォーム天井材の上市まで高分子の難燃化研究を2年半担当することになった。その後無機材質研究所へ留学、高純度SiCの開発と事業化を9年近く担当することになった。始末書は良い思い出となっている。おそらくこの時の2.5年間はサラリーマン生活で最も幸せなときだったのかもしれない。部下の評判は悪かった管理職だがマネジメントができていたのかもしれない。マネジメントとは人を成して成果を出させることであり、ひそひそ話の内容は決して良くは無かったが、結果はマネジメントになっていた。
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山陽新聞デジタル版のニュースがヤフーニュースで昨日取り上げられていた。ローカルニュースとは言え、とんでもない事件である。また、ルールを破っている点で弁解など意味のない、あきらかに犯罪である。
ニュースでは「誤って刺した」となっているが、規則を守っておれば、誤って刺してもケガをしなかったはずという事実を基に考えなければいけない。ニュースの報じ方もおかしい。
これは、業務上の事故ではなく、明らかにケガをさせることを意図していた、すなわち、模造刀から本物のサバイバルナイフに変えた瞬間に、そのような意図が働いていた、と考えるのが常識である。
「岡山県警察学校(岡山市北区玉柏)で昨年12月、刃物を持った犯人と対峙(たいじ)する実践訓練の際、犯人役をしていた教官の男性警部補が、昨春県警入りした初任科生の男性の胸を本物のサバイバルナイフで誤って刺してけがをさせた。」という事件である。
この事件の結末は、初任科生はその後、岡山西署に被害届を提出して退職している。すなわち、被害者が退職し、加害者は組織に残ったのだ。
本事件は異常である。すなわち、訓練では模造刀を使うことになっていた(規則で決まっていた)のに、本物のサバイバルナイフを使用していた点(注)と、ケガをさせた事実が、隠蔽化されたこと、初任科生が被害届を出していたこと、加害者がまだ組織に残っていることなど常識的感覚からずれている。
最近どこかのニュースで、いじめ問題において、いじめられた側が転校していじめた生徒はそのままの日常を送っている矛盾を指摘していた。
今回の県警の事件で異常に思える点は、被害者が被害届を出していたことと、それを隠蔽化していた組織である。
被害者が退職していたことも異常であるが、被害者の気持ちを考えると理解できる。そして被害者の気持ちを理解したうえで、退職しなければいけない異常性を社会は問題にしなければいけない。警察がそのような異常な組織であると思うと安心して生活できない。
(注)ニュースでは、模造刀を捨てて、用意していたサバイバルナイフを取り出した、と詳しく書いてあった。ここまで書かれているのに事故というのはおかしい。社会の中で起きれば明らかに犯罪となるケースが、組織の中であれば犯罪にならない、という法治国家であるまじき事件である。日本ではこのような事件が時々起きる。
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