最近中国製の製品でありながら、日本製を名乗る製品が増えている、というニュースがあった。20世紀に「made in JAPAN」がブランドとして確立したことからニュースになっているようだ。
しかし、当方はこのブランド価値は21世紀に崩れてしまったのではないかと思っている。今回のニュースが取り上げている生産地の詐称は言語道断だが、最近の製品やサービスにはこのブランドが正しくてもかつての高品質ではなくなっている点である。
この5年間を見てみても、品質データの改ざんや、無資格検査員の問題、さらには杭打ち不正のようないい加減な工事などの事件が相次いでいる。しかも日本を代表する大手メーカーでそれが起きているので大変だ。
当方もヘーベルハウスという大手ブランドを信じて20年近く前に家を建てて後悔するような事態になっている。杭打ち不正の記憶が残っているのに類似の状態の工事をされたのだ。
まず、建築直後の雨漏りに補強板の取付忘れ。これはひどい目に合った。一応無償サービスと言われたが、新築直後で当たり前である。特に補強板については代金を支払っていた部品が取り付けられていなかったのである。
この補強板や雨漏りについて天井の壁紙をすべて張り替えるかと思っていたら、一部だけの張替でごまかされた。新しいうちは良いが、20年以上経つと張り替えた壁紙の色の違いが出てきたのだ。
これは新築時の問題。ヘーベル板は塗装を細目に行わないと品質劣化が問題になると言われ、最近2回目の外壁工事をしてもらったが、これがひどい。
ところどころヘーベル板が欠けただけでなく塗装ミスの端切れのようなものが風に吹かれてゆらゆらとしていた。
工事終了後、一階の玄関扉を養生しないで行った工事のために汚された。その汚れた扉の張替に対して代金を請求されたのだ。とりあえず大手と言うことを信用し、工事完了時にクレーム事項を告げてサインしたら半年以上連絡なし。
たまりかねて連絡したら、一度きて、工事完了時玄関扉は汚れていなかった、と一部しか写っていない写真を持ってきて言い訳をしている。
当方が汚れた証拠写真を見せたら、出直してくるとなって、すでに一か月以上経っている。日本を代表するメーカでありながらこうである。中国製を日本製と偽っているのは問題だが、過去の栄光に胡坐をかくような状態は誰かが指摘しないと気がつかない。
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科学の普及と手続き社会とは無関係ではないだろう。世界には3大宗教はじめ様々な宗教やそれぞれに神がいて、共通の一つの正義を決めることは難しい。
今や科学は世界共通の考え方になった。科学という哲学から正義を決めるとしたならば、皆が正しいと認める論理的手順で積み上げた結果を正しい結果と認めることだろう。
世界の動きはこのような考え方で動いているように見える。先進主要国が暗黙の了解でこのような努力を積み上げてきて、第二次大戦以降大きな世界大戦を避けることができていた。
今年のG7が共同宣言を出せなかったことが問題とされ危機感を持ってしまうのは、過去の努力を評価しているからだ。
世界平和の維持をこのようにとらえたときに科学という哲学で世界が統一されたような錯覚をもつ。
ところでこのような錯覚で困るのは、技術開発の世界まで科学が唯一の哲学としてしまうことである。歴史的見地から科学が無くても技術開発が行われてきた事実を誰もが認めている。
すなわち、科学が無くても技術が発展し、例えば火薬や鉄砲、望遠鏡など数々の発明を人類は行ってきた。テルマエロマエはありえない手順をそうだったらオモシロイというセンスで書き上げた漫画である。
技術開発の歴史において科学と異なる「手続き」が、これまで多数生まれてきた可能性がある。日本では仏教以外に伝統的な神道を今でも大切にしている。それだけでなく八百万の神を認めている。
その結果お葬式の手順に最近仏教以外の様々な方法が見られるようになってきた。もっとも日本の仏教には伝来以来、時代に合わせて様々な宗派を生み出す融通を聞かせ発展した歴史がある。
この日本の宗教の柔軟さのように新技術を生み出す方法として科学以外の方法を見直してもよい、いや見直すべき時代かもしれない。
iPS細胞が科学的ではない、あみだくじ式方法で生まれている事実を重要視すべきである。STAP細胞では捏造の問題がクローズアップされたが、捏造では技術は生まれないことも示した。
技術では、ゴールとして誰がやっても再現よく機能することが求められる。だから種のある手品をマジックとして楽しめるのだ。
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国際社会の動きを見ていると、世界中が手続き正義の時代であることを痛感する。
先日終了したG7でも異例の終了の仕方に見えたが、一応G7首脳が顔を合わせただけの成果は出ている。
とりわけ、今日韓関係が悪くなっている状況でのG7はそれなりの日本に有利な流れがあったものと期待している。
この数年の日韓関係の流れを冷静にながめると、一国のリーダーが正しい手続きを知らず、自己の立場のみ考える危うさを理解できる。
リーダーに限らず、一般の国民も正しい手続きを知らないと国家のサービスが受けられないから大変な時代だ。
手続きさえ正しければ、悪を正義に変えることさえできてしまう時代である。手続きを知ることはもはや義務である。
退職前のカオス混合技術開発ではこの手続き正義を実感している。基盤技術も無かった会社でコンパウンド工場を3ケ月で立ち上げそれを生産成功させたのである。
しかもISO9001に準拠してである。手続き正義と当方の研究開発必勝法のおかげで迅速な開発ができたようなものだ。
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すでに弊社とお客様との共同出願による特許が公開されたので少しオリゴマーについて書いてみる。
高分子技術の状況についてはすでに書いてきたが、オリゴマーの技術は高分子技術よりも理解されていない部分が多い。
すなわち、オリゴマーの材料科学における価値やオリゴマーを制御して合成する技術など未開拓である。
このことを御存じない方が多い。これまでオリゴマーは邪魔な存在ととらえていた技術者も多いのではないか。ゆえに弊社とお客様との共同出願特許が公開されてもその意味が理解されないのではないかと思う。
科学の時代において高分子分野におけるこのような存在を不思議に思う方がおられるかもしれないが、これはパラドックスと呼べるような状況である。
すなわち、科学が進歩すればするほど非科学的分野の新規性と有用性が増加してゆくということだ。
高分子材料分野においてオリゴマーはどちらかと言えば邪魔な存在だった。すなわちうまく重合を制御できないとオリゴマー成分が増えて、それが物性に悪影響を与えてきたのでオリゴマーを取り除く方法が高分子合成において重要だった。
しかし、オリゴマーは、うまく分子量制御し合成して用いると、高分子材料の改質に有用な物質にもなりうるのだ。そしてその有用性について科学では処女地と呼べるような分野である。
今回公開された弊社とお客様との共同出願された特許は、オリゴマーの分子量制御とその結果生まれた新規の現象を含む事例である。ご興味のある方はお問い合わせください。
なお、8月30日のセミナーではこの技術の可能性についても少し説明します。まだセミナーの申し込みをされていない方は、少し空席もございますので今からでも間に合います。
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朝8時からのNHK朝ドラの視聴率が落ちているという。民放のディレクターの意見まで出てきて、原因の解説をさせているが、要は急につまらなくなった、の一言に尽きる。
すなわち8月15日以降の話の展開や主人公のセリフも含め、あまりにも物語の時代と価値観がずれており、それが50代以上の視聴者には安っぽいドラマと見えているのだ。
視聴者が誰も見たことのない時代の話、ちょんまげ時代劇ならば許されるこのような「時代考証のずれ」は、手抜きどころかばかげて見えてくるから不思議だ。
昔ビートたけし監督の時代劇でタップダンスが飛び出して新鮮さを感じたが、あれは監督も述べていたように誰も知らない時代の話だからジョークとして捉えられたのだろう。
誰もが知っている時代の話の中でありえないシーンを展開するためには、その効果に対して高度な考察が必要になる。
これは科学の世界の話でも同様で、PPSと6ナイロンは相溶しないことをその専門家たちは知っている。そこでPPSと6ナイロンが相溶した話をしても「ウソだろ」となり、高度な技術でも理解されない経験をしている。
常識とあまりにもかけ離れると話そのものが嘘っぽくみえてつまらなくなる。だから常識外れの話の展開の仕方などに高度の工夫がいる。
以前STAP細胞の騒動では、騒動になる前に若い研究者に割烹着を着せて理研は説明させていた。生物化学界をひっくり返すような現象の発表なのでそのような演出がなされたのだろう。あれはうまい方法だと感心させられたが。
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表題は当方のイニシャルではない。当方はYKである。KYとは空気を読めない、の意味で、その場の雰囲気を忖度せず振舞う人のことを言う。
小泉孝太郎主演のドラマが好調でKYがネットで話題になっていた。インタビューで小泉氏は、俳優として成功した理由を自分のKYな性格にあったと述べている。
すなわち、首相の息子として見られることを承知で芸名もそのままにデビューしている。また、TVが映し出す芸能界においての活動もKYそのものである。
多面評価が主流となった企業のサラリーマン社会ではKYは評価されず給与が伸びない時代である。給与を増やすためには常に忖度が要求される。しかし、いつも忖度をしていてはそれも評価されないので難しい。
その難しさの中で生き抜き組織人として成長してゆく。よく大企業のサラリーマンと中小企業のサラリーマンの違いが論じられたりするが、組織の大きさとそこからくるストレスが原因である。
大企業のサラリーマンでもKYの人は成長しない。ゴム会社に入社し、一年ほどしたときに先輩社員から、「一皮むけたな」と言われたが、早い話が組織環境に慣れて忖度の毎日となっただけである。
ただ忖度だけでは仕事はできない。少なくとも成果を出そうとしたときに忖度が障害となる場合がある。そこにいつ気がつくかにより出世する人とそうでない人の差が出る。
日本のGDPの伸びが鈍化しバブル崩壊後は停滞していたが、最近少し伸び始めた。日本全体が忖度の弊害に気がつき始めたのかもしれない。
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ある皮革加工会社から依頼されて、皮革を難燃化した。予算が少ないので2日間の特別作業だが、何とか技術開発できた。
実は昨年、1年間の契約で同様の依頼を受け、ホスファゼンを使用し革の鞣し工程に使用可能な新技術を開発して特許出願を完了している。
しかし、その後使用したホスファゼンの生産が中止になったため今回は別の技術を開発する必要があった。しかし、予算が無いので2日間の限定で、と依頼されたので、なりふり構わず既製品のハロゲン系難燃剤を使用し、技術を作り上げた。
既製品と言っても、革の鞣し工程用の薬剤が販売されているわけではないので、うまく既存の工程に合うようそれなりの技術開発が必要になる。
あらかじめ界面活性剤を数種用意して取り組んで、無事1日で技術を作り、残り一日で効果の再確認をおこなって引き渡しした。
昔先端技術で高偏差値の研究者が数名一年間取り組み技術開発は不可能と結論が出された電気粘性流体の増粘問題を一晩で解決した「技術開発の方法」を今回用いている。
ただ、昨年は環境対策が技術開発目標としてあったので難燃剤の選択に時間が必要だったが、今回は昨年度の経験を使用でき、そこでなりふり構わず、昨年検討から外したハロゲン系難燃剤を検討することにした。
中部大学武田教授も指摘されているが、ハロゲン化合物+三酸化アンチモンの組み合わせは強力でおそらく何でも難燃化でき、今回も3時間程度でその機能最適化までできた。
ところが、昨年開発したホスファゼンシステムでは、燃焼時に煙が少なく難燃化できたのに、今回の系はいかにもの色をした煙が大量に出る。
カテゴリー : 一般 高分子
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実験は仮説を確認するために行え、は、科学こそ技術開発の唯一の方法と信じられていた時代の考え方である。
企業の研究所において部下をこのように指導されている方は今でも多い。しかし、技術開発において実験の目的はそれだけではない。
むしろ、実験を仮説確認のためだけという考えのほうが間違っている。アカデミアにおける実験ならばそれでも十分かもしれないが、技術者にとって実験は機能確認のために行う場合が多い。
タグチメソッドでは、まさに基本機能のロバストを確認するために実験を計画する。効率を上げるためにラテン方格を利用したりもする。
また、機能を確認するためだけでなく、新しい機能を探すために実験を行う場合がある。
この実験の目的や方法が意外としられていない。昨今の新技術の話題は生化学や通信情報分野が多く、20世紀にあれだけ騒がれた材料分野では、ほとんど新技術の話題が無くなった。
生化学や通信情報分野の新技術に新材料技術も必要なはずだが、例えば高周波対応の材料については従来の素材の科学的に自明の方法による改良技術しか話題になっていない。
10年ほど前に負の誘電率が少し騒がれたが、それに対応した材料技術を特許で探しても公開されてきていない。
実は負の誘電率については1990年代に実験を行い気がついていたが、科学的にあり得ない、と否定されたのでそのままにしていたが、最近面白い実験結果が出た。
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仮説を確認するために実験を行うのは科学者だが、技術者は機能を確認するためにあるいは新たな機能を見つけるために実験を行う。
タグチメソッドでは、基本機能の確認をラテン方格を用いて行うが、これは試行錯誤法の一つである。また、故田口先生もタグチメソッドは実験計画法ではないと言っていた。
計画された実験でなければ試行錯誤である。タグチメソッドでは試行錯誤を効率よく行うためにラテン方格を利用しているにすぎないのだ。
だからタグチメソッドで時としてびっくりするような結果が得られたりするときもある。これも故田口先生は、そのために制御因子は大きく変動させるように指導されていた。
さて、実験結果でいつも科学の真理に基づく結果ばかりが得られるわけではない。
例えば電気粘性流体の耐久性問題では、界面活性剤では問題解決できないという科学的に緻密で完璧な論文があったにもかかわらず、界面活性剤を使い一晩で(今ならば荷重労働、さらに残業代も支払われていないので典型的なブラック企業の実験となる)問題を解決している。
この時、科学的に完璧な論文を見せていただいてなかったので、問題解決できても興奮しなかった。住友金属工業(当時)とのJVが立ち上がり高純度SiCの業務に専念したいために余分な仕事を早く解決したいだけだった。
しかし、これまでの人生でビックリするような実験結果は問題解決よりも、「こんな現象が起きたら面白い」という興味半分の実験で得られている。
いくつかあるが自慢話のようになるのでここで書かないが、神がかり的な実験結果を一つ紹介すると、初めて高純度SiCを製造した実験では、必死のお祈りがプログラムコントローラーを暴走させて、その結果最適条件で熱処理され、黄色い高純度SiCが得られた、という冗談のような実験がある。
(これは、当時の無機材質研究所で行われており、多数の目撃者や原因不明の暴走ということで安全委員会まで開催されている。ただし、安全委員会では、必死でお祈りしていたという証言をしていない。)
この30年以上前の体験は、今でも鮮明に思い出すことができる。神の存在を信じることになるのだが、どのような神なのかは無信教なので具体化されていない。
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高分子の材料強度は、経験的に弾性率と靭性の関数、すなわち強度=f(弾性率,靭性)と表現できる。
弾性率はマトリックスとその補強成分で決まり、成形体密度と相関する。しかし、靭性(シャルピー衝撃強度やアイゾット試験データ)は密度に依存しない。
横軸に射出成形体の密度を、縦軸には弾性率((測定値/100)-10)と曲強度、シャルピー衝撃強度をとり、各種ポリマーアロイと混練条件の異なるサンプルについて物性測定された結果をプロットする。
得られたグラフにおいて、Y軸に平行なプロットの群は、ある試作条件におけるサンプルについて曲強度、シャルピー衝撃強度を測定して得られたデータの平均値の1セットである。弾性率データは曲強度のSS曲線から採取する。
ポリマーアロイに配合された成分は皆異なるため、マトリックス主材以外の成分とプロセシングの異なるポリマーアロイに関して強度の密度相関をこのグラフは表している。
弾性率は主にマトリックスとサンプルの密度で決定されるが、同一マトリックスなのでこのグラフでは密度だけに相関している。
曲強度については、弾性率と相関するサンプル群以外に相関しないサンプル群があり、相関しないサンプル群を整理すると衝撃強度に相関している。
すなわち、このグラフから経験知である強度=f(弾性率,靭性)と捉えてよい。
さらに、このデータは、強度のばらつきは弾性率と靭性のばらつきに支配されている、と読み取ることも可能である。
この時、弾性率は密度に依存し、靭性は構造の不均一性(靭性に影響を及ぼすサイズ、800nm以上のサイズ)や欠陥に支配される。
このような考察を進めてゆくと、常に一定速度で押し出されているストランド段階のばらつきは、密度あるいは欠陥のばらつきが正規分布で揺らぐと期待され、人手による射出成形では、そのスキルに左右されたばらつきとなることが予想される。
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