4回目に目標変更されたときには、タイヤの転がり抵抗低減などの改良効果を見込んでおり、5回目は技術的に可能と判断されるエビデンスがあったので、シミュレーションで目標値を決めたという。また、開発が進み燃費を上げる技術的手段も多数出来てきたから数値を怪しいと思わなかった、というコメントも会見で出された。
一連の燃費目標変更に関する説明から、次のような想像ができる。すなわち3回目までの燃費目標設定変更は、開発初期段階で製品開発においてよくある話で、企画段階の目標に対して市場動向を踏まえ、開発初期段階のまとめとして各性能目標値を見直したのである。
そして実際に図面を引いてエンジン等を試作するときに、再度2013年の市場動向を予測し、製品性能の各目標値を設定し直す。これが3回目である。
開発後期では、実際にエンジンはじめボディーなどを発売に間に合うように試作し、生産段階に移行できるかどうか、実車テストなどを繰り返す。そして、燃費性能に余裕があれば、目標を引き上げることもあるだろう。これが4回目となる。
4回目までは、製品開発の手順から、その変更が行われたとしても仕方がないのだろうと記者会見の説明を聞いていて納得した。実際に4回目までは、エビデンスも有り不正ではない、と胸を張って説明をされていた。
しかし、ダイハツのムーブが上市されてその29km/lという燃費に開発陣は驚いたらしい。この値を見て、最終段階で5回目の燃費目標の変更を行ったという。
昨日書いたように最初から市場のトレンドを把握し、科学的に達成可能な目標値ではなく、ダントツトップになれる、その結果それを実現するアイデアが無いので非科学的とはなるかもしれないが、思い切った目標設定をしておればこのようなことにはならなかったはずである。
技術開発における目標設定は、仮に非科学的であったとしても、開発が終了した時点で1番になっている目標を設定すべきである。この1番になっている目標を設定できる能力も技術力となる。いくら非科学的な目標と言っても荒唐無稽な目標設定では、技術開発のモチベーションはあがらない。納得性のある1番という目標設定である。
かつて、国のプロジェクトの開発目標を演算速度一番としたコンピューター開発で、二番ではだめですか、と質問した大臣がいたが、技術開発の意味がわかっていない。最初から二番を目標するのであれば、技術開発をやめてライセンスを購入する道を選ぶほうがコストが安くなる。技術とは自然界から機能を取り出し生活の利便性を向上しようとする人間の営みのなかの行為であり、今の時代十分すぎるぐらいの技術があふれている。二番や三番の技術を開発してみても誰もそれを欲しいとは思わない。今という時代は、一番になれる技術開発が求められているのである。
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ランサーエボリューションの開発中止は、おそらく三菱自動車が開発体制の見直しを行った結果だろう。軽自動車について燃費訴求車の燃費目標変更を2011年2月に行った、と記者会見で述べられた。その後5回に渡り燃費目標の変更が行われ、当初26.4km/lだったのが5回の見直しで2013年2月に29.2km/lまで目標が引き上げられた。
これは、すでに市販されたダイハツムーブの値29.0km/lを意識してのことである。ご存じのようにダイハツはトヨタの子会社でトヨタの支援を受けながら軽自動車業界でトップを走っている。かたや三菱自動車は、日産へのOEMと併せてようやく30%弱の市場占有率であり、三菱自動車自身では10%以下のシェアーとなっている状況だ。
すなわち、新車開発の企画段階で立てた燃費目標が、新車開発を行っている間にライバルの技術がどんどん進歩し、それを追いかける形で燃費目標を開発しながら上げていった状況を見て取れる。
しかし、ここで疑問が出てくる。なぜ、最初に思い切った目標に設定できなかったのか、という問題である。完全に市場予測が間違っていたのである。
これは勝手な推測だが、思い切った目標設定ではなく5回も目標変更しなければいけなかった背景には、マネジメント手法としての目標管理があり、科学的に確実に達成可能な目標設定を心がけた結果ではないか。それは役員の説明の中にもうかがわれた。
すなわち、5回に分けて燃費目標を変更した流れについての質問に答え、3回目に燃費目標を28.0km/lに設定したときには、ハードウェアーを目標達成可能なように盛り込んでいた、と回答している。そしてこの3回目の目標にあわせてエンジンなどの設計図の出図を行った、という。
もし、担当者の業務について、その目標管理の都合から科学的に達成可能な目標を設定しながら技術開発を行っていたとしたら、技術開発のマネジメントが稚拙である。ちなみに現在のハイブリッド車も含めて排気量と燃費の関係を求めて行くと、軽ならば2011年の時に思い切って35km/lの目標設定をすべきだったろう。
このようなハイブリッド車とガソリンエンジン車とを同列に扱う目標設定は非科学的であり、設定値として無意味だと言う人がいるかもしれないが、思い切った目標設定により、思い切った技術開発が行えるのである。技術は科学とは異なる人間の営みなので科学的に確実な目標ではなく、意味のある夢の目標が重要である。
もし科学で予測可能な目標を設定して技術開発を続けることが好ましい姿とするならば、将来の技術開発シーンでは人工知能の奴隷となった人間の姿が見えてくる。例え非科学的な目標であっても市場が求めているならば、そこにチャレンジするのが人間である。「あっと驚くタメゴロー」的発明はそのようなときに生まれる。
記者の質問の中に「役員が無理な目標を設定したのではないか」と燃費不正が組織ぐるみで行われたような印象を誘導するおかしな質問があった。製品仕様については、実現可能な現実的目標を設定しなければいけないが、技術開発目標は、意味のある世界一の目標をいつも設定すべきである。ただし記者会見で、企画に書かれた製品仕様を開発目標と勘違いして役員が発言していたとしたら、当方の厳しい感想については、お許し願いたい。
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今回の三菱自動車の燃費不正事件は、軽自動車の燃費競争が激しくなってきたことに起因する。これは衆目の一致するところである。すなわち、これは製品開発の企画段階で新製品のコンセプトを決めたりするが、そこで過去に車の基本性能として重視していなかった「燃費が一番の車(仮)」ということになり、事件が起きた。
三菱自動車と言えば、最近販売終了になったランサーエボリューションを思い出す。スバルのWRXと同様、300馬力前後の車を300万円代で発売していた。車の基本性能である走る、曲がる、停まるという性能を極限まで高め、それを一般が購入できそうな価格でまとめた車である。
高性能で高価な車なら、日産自動車のGT-Rが、そしてこのエンジンをジュークに搭載したスーパージュークも欧州で登場している。いずれも0-100kmの時間が5秒前後の車である。
日本の一部の自動車メーカーは、走る、曲がる、止まるの自動車の基本性能を最大にしたフラッグシップ車を販売している。その車にはメーカーの技術力が集約されている。ランサーエボリューションは、自動車オタクには評判の良かった科学技術が集約された車だった。
しかし時代は省エネが加速し、自動車の性能は今や燃費性能が第一になった。自動車の3つの基本性能は当たり前品質で、燃費がそのメーカーの技術力を示す指針となった。いち早く取り組んだのは、トヨタとホンダであり、ハイブリッド車の比較広告騒動は有名である。
いまや、ハイブリッド車と言えばこの2社が有名で、カタログを見ると全車種に必ずハイブリッドエンジンのグレードが存在する。またハイブリッド車専用の車種があるのもトヨタとホンダは共通している。
日産自動車は、高級車にハイブリッド車を設定し、トヨタとホンダに対抗したが、市場を見れば明らかで、慌てて電気自動車に注力する戦略をとるとともに、主力SUVを中心にハイブリッド車を投入し始めた。セレナのようなマイルドハイブリッドは、まさに苦肉の策と言ってもよい車である。
スバルと三菱自動車は、ハイブリッド競争において蚊帳の外になった。実はこのハイブリッド競争は自動車の燃費競争だったのだが、三菱自動車は恐らくそのように捉えていなかったのだろう。消費者はハイブリッド車の普及とともに、車に求める性能の第一に燃費を見るようになっていった。
ただ、ハイブリッド車の燃費は、表示と実際の乖離が大きく、技術者ならば軽視する技術となる。すなわち通常のガソリン車では、表示燃費の9割程度が日常使用で観察される値に対して、ハイブリッド車は7割程度ひどいときには、6割程度と言うこともあり、ハイブリッド車はアメリカでその問題を指摘された。また、今ハイブリッド技術はガラバコス化しているとも言われるようになってきた。
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先日26日に三菱自動車の記者会見があったようだ。WEBにその模様が公開されていたので昨日視聴した。1時間40分に及ぶ会見で明らかにされたのは、科学技術による開発で起きた無意識な不正事件というSTAP細胞騒動同様の科学信奉による弊害である。
25年前から規程無視、とか目標燃費を5回も上方修正を繰り返した、とかあたかも三菱自動車が不正を意図的に行っていた悪者のようなタイトルがニュース記事に並ぶ。また、この日の質問もまるで悪人に向けられるような質問の嵐だった。
記者会見場の質問時間は、ほとんどいじめやつるし上げに近い雰囲気である。確かに今起きていることは燃費不正事件であるが、未熟な研究者により起きた騒動と同様に本件は不正の意識無く起きた事件と思われ、会見に臨んだ会社のトップの姿勢から再度同様の事件が起きる可能性がある、と感じた。
この会見で、不正の意図は無かった、とトップは伝えたかったのかもしれない。ときおり見え隠れするこの気持ちは、質問する記者にも伝わり、厳しい質問を失礼な態度でする記者まで現れた。しかし、今回の事件の本質をついた質問は出なかった。
まず、今回の事件の本質は、科学信奉によるモノ造りの弊害にある。そして、今回記者会見でトップの言葉からも科学的に行った結果、不正となってしまった、というような説明が飛び出した。だから、懲りずにまた事件は起きる、と当方は感じた。
本日からこの会見の様子について当方の考えるところを連載したいので、先に結論を書いておきたい。今回の三菱の事件を防ぐには愚直な技術開発しか方法が無い、と申し上げたい。すなわち技術による開発以外今回の三菱の事件を防ぐ方法は無く、詳細は弊社に問い合わせるか、明日からの連載を読んでいただきたい。
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三菱自動車の燃費不正問題で燃費の測定方法が国の定めた方法ではなかったとの報道がなされている。なぜ国が定めた方法を使わなかったのか、という問題が新たに出てきた。すなわちこの燃費不正問題は、燃費不正問題ではなく、社内の品質管理活動におけるミスの可能性が出てきた。
まだ真相は明らかではないが、品質管理活動のミスと組織ぐるみの不正とは紙一重である。すなわち前者には不正の意図は無かったが、品質管理活動を軽視していた、すなわち製造メーカーとして未熟であった、ということになる。
そしてその未熟さが結果として不正問題を引き起こした、という事件の構図になる。これまでリコール隠しという二度の不正があり、懲りずに三度目の不正をやったのか、と驚いていたが、関係者からリコール隠しほどの影響は出ないだろうという楽観的な発言が出たりと単なる不正問題にしてはおかしな状況と思っていた。
まだ国交省の本格的な調査は始まっていないが、漏れてきた情報から推定すると、不正の意図が無く、何らかのミスがあり不正となった可能性が高い。実はこの数十年このような不正問題は多い。
オリンパスや東芝の不正は社会的に大問題となったので記憶に新しいが、この二社の不正問題にしても、視点を変えると経営者の判断ミスが大きなコンプライアンス問題を引き起こした、という見方ができる。
すなわち最初から不正を行うつもりは無かったが、年月が経っても当初の思惑通り経営が進まず、業績が改善されなかった結果、損失として発表するにも時間の遅れからできなくなり、それが発覚して不正問題になった、という経緯である。
これを不正問題ではなく、経営者の未熟な判断が招いた結果として捉えることが可能である。また、理研のSTAP問題では管理職研究者の人事管理の未熟さが未熟な研究者を本来任命してはいけない役職に任命したために引き起こされた騒動という見方をすると、本当の問題は論文不正問題ではなく未熟な組織活動の問題となる。
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また、である。すでにWEBには不正を行った人物について書き込みが行われている。一方で、今回の不正は安全と直接つながっていないから大きな問題にならない、といった関係者の見解もでているが、株価は深刻な動きとなった。
おそらく企業風土がまったく改善されていないのだろう。当方はゴム会社の所属部署で創業者の価値感と著しく異なる出来事が続いていたために写真会社へ転職したが、本来は創業者の価値感にあこがれて選んだ会社だった。
ゴム会社で新入社員研修でお世話になった部署は、創業者の精神溢れる風土で好きだったが、配属された部署では創業者の価値感とは異なる出来事が続き転職することになった。企業風土は会社の中で異なる場合があるのだ。
だから、不正の内容が異なる、ということは、大きな問題とならない、と捉えたのは間違いで、前回と異なる部署でも不正が行われたという大きな問題として捉えなければ行けない。
ドラッカーは働く時に考えなければ行けない問題として、強み、仕事の仕方、価値感の3つをあげて説明している。いずれも企業風土に関わる問題である。おそらく三菱自動車は顧客を欺いてもそれを厳しく正すことのない企業風土と思われる。
一方で、以前新車の開発納期が遅れた責任を部長に取らせた出来事がニュースとして紹介されていた。開発納期の遅れの責任は厳しく取らせるが、不正には甘いという状況をユーザーはどのように見ると経営者は思っているのだろうか。
開発納期遅れは企業の損失だが、燃費のごまかしはユーザー側の損失となる。ユーザー側に損失となることに関しては甘く、企業の損失に関わることには厳しく、という企業姿勢は明らかに価値感がおかしいのである。
そもそも過去2回の不正に関し、風土改革など実現出来なかった経営者の責任が見えてこない。今回経営者は頭を下げている一方で、不正を担当した部長が再雇用で優雅に勤務している話がWEBに漏れている、という滑稽な状況だ。
確かに実際に不正を働いた元部長の責任は重いが、それを許していた経営者の責任はもっと重い。今回の不正問題は3回目であり、前回と異なる不正だから、という流れにはならないだろう。すでに日産自動車は三菱自動車からOEM供給されていた軽自動車を自社で生産する話を出している。
おそらく三菱自動車は国内ユーザーが減少し、国内で事業継続が難しくなるのではないか。ランエボも生産終了し魅力的な車は見当たらない。ドラッカーは3つの問題で納得ができない組織では働かない方が良い、と明確に述べている。転職する社員も現れるに違いない。三菱自動車は人材を失わないために風土改革待ったなしである。
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この3年間、弊社が中国で活動してきました成果を踏まえ、5月までに3件ほど混練技術に関する講演会を開催致します。いずれも異なるセミナー会社で開催されますが、申し込みは弊社で行いますのでご案内をさせていただきます。
お申し込みは、弊社インフォメーションルームへお問い合わせください。詳細のご案内を電子メールにてさせていただきます。
1.混練技術のトラブル対策に関する講演会
(1)日時 4月21日 10時30分-16時まで
(2)場所:高砂ビル 2F CMC+AndTech FORUM セミナールーム【東京・千代田区】
(3)参加費:27,000円
(4)http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=4152
2.混練の経験知を伝承する講演会
(1)日時 5月19日 10時30分-16時まで
(2)場所:江東区産業会館 第1会議室
(3)参加費:49,980円(税込)
(4)https://www.rdsc.co.jp/seminar/160522
3.シランカップリング剤に関する講演会
*日時等弊社へお問い合わせください。
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ビーフカレーは、肉に高級な和牛を用いるとどのようなルーを用いても文句なくおいしいカレーができる。これでは面白くないと思い、スーパーマーケットでよく安売りされるバーモントカレー中辛を使い、おいしいカレーができないか1年ほど研究してきた。
バーモントカレー中辛は安い時には12皿分のルーが90円台で売られている。ビックリするほど安い。このバーモントカレー中辛を用いて松阪牛でカレーライスを作った時の感動が得られないか、鋭意努力し、ようやく今回それと同様の感動が得られた。
チキンカレーだから味の方向性も異なる。また一食当たりの原価も一ケタ以上異なるので食べ比べたらビーフカレーがおいしいという人が多いかもしれない。しかし今回食べたチキンカレーは久しぶりに感動した味だった。バーモントカレーに思えないコクだった。
また中辛のルーを用いたが甘口のカレーになった。甘口ではあるがお子様カレーの様な安っぽさは無い。ビーフカレーの10分の一以下の費用でこれだけの感動が得られたので思わず二日間にわたり、その話を書いている。
この一年間バーモントカレー中辛でおいしいカレーができないかいろいろ工夫してきた。高い肉を使えばおいしくなるが、それでは能が無いので、チキンカレーかポークカレーで感動的なおいしさを表現できないか工夫してきた。努力が報われたのである。
たまたまNHKのアサイチでトマトケチャップダシを取り上げていた。そこで説明された裏技、一度ケチャップを炒めると甘くなるという現象を応用してみた。実はトマトケチャップを入れた経験は過去にあった。しかし、その時にはトマトケチャップの味がするカレーライスという結果だった。しかし、今回は家族からもトマトケチャップを入れたことが分からない、という意見が出るほどの効果だった。
要するに材料の添加方法が異なった結果、味覚効果が変化したのだ。このようなことは材料の配合設計でよく経験する。材料の配合設計というとその配合組成しか考えない人がいるが、プロセシングも重要な設計の因子である。このことを体験されたい方は、今回のチキンカレーを食べてみるとよい。そして単純にトマトケチャップをカレーライスに添加した時との比較をされるとプロセシングの重要性を味わうことができる。
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最近カレー作りに熱中している。毎週土曜日は当方が作るカレーライスが家族で定番の夕食メニューになった。わけあって今回は日曜日の夕食メニューがカレーライスとなったのだが、これがコストパフォーマンスが高く大変おいしかった。それで本日情報公開してみました。
ところで家庭で誰でもおいしいカレーを作りたいのであれば、間違いない方法が一つある。しかし、一食当たり1000円以上の原価がかかる。一食当たりの原価がホテルカレー並みの値段だが、間違いなくホテルよりもうまいカレーを作る方法がある。
肉に高級和牛のスジ肉とモモ肉を使う方法だが、1食あたり1000円以上かかるのはこの肉代が原因である。しかし、どんな市販のルーを使っても文句なくうまいカレーができる。***発売の「****」というルーを使うと、誰でもホテルカレーよりおいしいというカレーができる。
これは企業秘密だが、市販品でこれだけうまいカレーができると、外食でカレーライスを食べるときに、やや評論家的になり、ますます外食のカレーがおいしくなくなる。
今日公開するのはこの対極にある大変コストパフォーマンスの高いカレーで、肉代は一人50円前後で、カレーライスを一食当たりの原価120円程度に抑えることができて大変うまいカレーライスができる。ただし、通好みのスパイスが効いておいしい、という方向性ではなく、お子様向けでおいしい、という表現になる。
だから辛い本場インドカレーをおいしいカレーの基準にされている方には物足りないかもしれないが、家庭で食べるホームカレーライスでおいしいカレーを食べたい人には一度試していただきたい。
まず材料を煮込むときに、沸騰した湯に鶏がらを入れて一時間煮込んだスープを使う。粉末の鶏がらスープの素よりも肉屋で鶏がらを手に入れたほうが安くておいしいスープができる。材料である鶏肉と玉ねぎ、にんじんはあらかじめ炒めるのだが、このときトマトケチャップを一人前当たり小さじ半分程度入れて炒める。
炒め終わって、トマトケチャップが甘くなった状態で鶏がらスープに入れて30分ほど煮込む。好みによりジャガイモを適量入れて煮込んでもよい。煮込み終わったら、スーパーで安売りがよく行われるバーモントカレー中辛を入れて10分ほどかき混ぜると、バーモントカレーと思えないおいしいチキンカレーができる。
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45万部を突破したと聞いたので石原慎太郎の「天才」を読んでみた。内容は石原慎太郎が田中角栄に成り代わって書いたモノローグであり、2月頃書店で一度手にしたときに決算が迫っている多忙を理由で購入を取りやめた本である。
2ケ月ほど前に立ち読みしたときには、それほど面白い本とは思わなかった。内容の大半はかつての「私の履歴書」や「ロッキード裁判とその時代」、さらには週刊誌や東スポなどで仕入れた情報の焼き直しに思える本だった。
書店で立ち読みすれば30分で読み終えるような内容とタカをくくっていたが、さすが石原慎太郎である。確かにその本に書かれた情報に新しいコトは無かったが、その長い後書きを除けば、立派な小説(失礼!)であり、単なる情報の焼き直しではなかった。
20分ほど立ち読みしていたが、結局半分以上読んだその本を昨日購入してしまった。涙をこらえきれなくなったからだ。久しぶりに泣けた本である。あえてどこがどうだ、と言うことは読んでいない人のために書かないが、情報化時代の今日において、文章などの表現の持つ力の大きさを感じたおもしろい本だ。
モノローグとして書いているところにすべての仕掛けがあるが、日本人は誰もが一度この本を読む必要があるのではないか。特にバブルを享受した団塊の世代である先輩諸氏には読んでいただきたい。また若い人には日本に田中角栄のような「日本という故郷のために」多大な貢献をした政治家がいた、ということを知っていただくために読むべき、と伝えたい。
田中角栄は金権主義の権化かもしれないが、一方で戦後の高度な繁栄をプロデュ-スした重要人物であり、その業績は業績として正しく評価されなければいけない。今の時代は、まず法的遵守が重要視され、これは正しいことだが、その結果そこからはずれた事柄をすべて排除する風潮がある。しかし恩人にも値するような業績をあげた人物については、その功績に報いる姿勢が必要ではないか。
物事には裏表があり、善悪も視点により変わる。田中角栄は確かに法を犯した。しかし、その罪とは無関係にアメリカ人をして「JAPAN as No.1」と言わしめた日本の高度成長の立役者でもある。恐らく著者はその功に報いる意味で本書を出版したに違いない。罪は、確かに罰せられるべきである。しかしその償いが済んだ人物について、いつまでも罪人扱いする社会はどうかと思う。貢献を正しく評価できる社会こそ健全な社会である。
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