2022年に再生材とバイオポリマー促進に関する法律が施行され、今月広州では再生材に関する国際会議が開催されるという。その招待講演者に選ばれたので、改めて文献調査などを行ったが驚いた。
某大学の先生が当方のカオス混合類似の装置を使いながら、その先生の発明のようなことを書いている。この分野で真っ先に引用しなければいけないウトラッキーの文献さえも引用していない。
さらに、二軸混練機だけでは再生材の強度は低いが、その先生の発明による装置を使うと強度が上がるという論文をWEBでも堂々と公開しているが、その強度アップの原因に関する考察が間違っている。
論文は著名な雑誌ではないので、調査も不十分ないいかげんな論文でも掲載しているのだろうけれど、日本のアカデミアはここまでレベルが下がったのか、と愕然としている。
一応大学教授らしいが問題だと思っている。誹謗中傷ではない。やはりアカデミアから発表される論文は、先行技術など十分調査したうえでの研究論文であるべきと思っている。
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科学は論理学の完成により誕生した、と言われている。おりしも産業革命が始まった時代であり、科学という哲学は、社会で歓迎された。おそらく猫も杓子も科学という考え方を身に着けたいと思ったに違いない。
探偵小説の誕生がそれを表している。名探偵ホームズは一躍スターになっている。彼の事件解決のスタイルそのものが科学的であり、読者はこの本で科学の姿勢を学んだ。
ホームズは、ベーカー街にある事務所で助手のワトソンと仮説を練り、事件解決に動き出す。そして仮説が外れたり、不十分な仮説と反省するとベーカー街に戻り、再度仮説を練り直す。
まさに科学の姿勢そのもので分かり易い。読者はホームズの仮説を練る過程で一緒に推論を展開し、犯人を予測する。当方は探偵小説を読むときに、いつも最後から読んでいた。
ゆえに、刑事コロンボが放映された時に、この番組は当方のツボにはまった。この番組では、まず事件のすべてから始まる。すなわち視聴者は、犯行現場だけでなく、犯人の心理状態からすべて情報を知ったうえで、刑事コロンボの活動を見ることになる。
刑事コロンボは、ホームズのように科学的に忠実に事件解決に当たらない。なぜか、偶然犯人とすれ違ったり、彼のかみさんの話が飛び出したりするのは、水戸黄門のご都合主義のようでもあるが、それも面白い。
とにかく、コロンボは科学に拘らず、ありとあらゆる方法で推論を展開し、時には、緻密ではない推論を完成させるために、犯人しかわからないトリックを仕掛け、犯人逮捕したりする。
日本では違法なのだが、アメリカでは許されるらしいが、この非科学的工夫を駆使して犯人逮捕する過程を視聴者は楽しむことになる。ゆえに名探偵ホームズよりも数倍面白い。ちなみに、このようなスタイルを倒叙探偵小説と呼ぶ。
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様々な問題解決法が20世紀に登場したが、オブジェクト指向ほど合理的な問題解決法は無いように思う。何が合理的かというと、問題を解析してゆくと、それが答えとなってゆくからである。
プログラミング言語の手法として考え出された方法だが、問題解決でも有効に機能する。そもそもプログラミングのアルゴリズムを考えることは、問題解決をしていることなのだが。
最近データ指向という言葉が登場したが、オブジェクト指向と同じで、オブジェクトとしてデータオブジェクトを独立して扱おう、という考え方である。
50年前、データは単なる数値だった。それがオブジェクト指向の登場により、単なる数値ではなくなったのだが、このあたりを理解できていない人が多い。
もし、50歳未満でデータオブジェクトの意味が分からない人がいたならば、勉強不足と思っていただきたい。この年代から生活の中にオブジェクト指向が入ってきたからである。
もっとも当方が転職した時に入社した新入社員でワープロを使ったことが無い人がいた。さらにウィンドウズ95の時代の新入社員でエクセルを使ったことが無い新入社員がいた。
面白いのは、ワープロを知らなかった新入社員は何とか救済できたが、エクセルを使ったことが無かった新入社員は、その後も仕事ができず残念な技術者生活を送っている。
時代とともに人類は進化しており、学生時代にワープロやエクセルを知らなくても良かった時代は終わったのである。オブジェクト指向という用語も同じであり、50歳未満でご存知ない方は、こっそりと休日弊社のセミナーを受講されることをお勧めする。ご相談ください。
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ある日突然高分子製品が壊れた経験は無いだろうか。例えば樹脂製のフックが壊れたり、パンツのゴム紐が伸びきった状態になっていたりする故障はクリープが関係している。
金属やセラミックスのクリープの多くは拡散クリープとして説明され、その寿命予測も実験室結果をうまく再現できる設計が可能だが、高分子のクリープ問題は悩ましい。
何故なら、科学で解明できていないからである。ただし、現象の幾つかは再現よく現れ、技術として問題を解くことが可能で、その解に沿って品質管理を行えば、品質問題を回避できる。
すなわち、トランスサイエンスとして扱う知識があれば、製品設計が可能と言える。もちろんこの時はロバスト設計が基本となり、タグチメソッドを使用する。
ゆえに高分子の破壊問題では、タグチメソッドが不可欠であるが、タグチメソッドをご存知ない方はお問い合わせください。Pythonのプログラム付でご指導するので、すぐに実験で活用できます。
タグチメソッドのセミナーにつきましては、「Pythonで学ぶタグチメソッド」をお勧めします。セミナーは1人でも開講いたしますのでお問い合わせください。複数受講の場合にはサービス価格でご提供いたします。
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9月末に広州で再生材に関する国際会議が開催される。樹脂再生材と言えば中国で、広州のヒルトンホテルで開催されるのだが、日本化学会や高分子学会の会報には案内が無い。
中国では10年以上前から国際学会や展示会が多く開催されるようになった。しかし、ほとんどが日本国内で告知されていない。展示会は、中国国内企業が大半のようで、それを見学しても海外企業は展示会の業界で知られている企業以外展示していない。
しかし、日本では告知されていなくても中国の産業動向を知るには勉強になる。8年ほど前の炭素繊維複合材料の展示会は、国際という冠は無く中国企業だけの展示会であったが、結構大規模な展示会であり、中国において炭素繊維複合材料に力を入れていることを理解できた。
さて、今回の再生材に関する国際会議だが、海外からの講師も招聘されており、かなり中身が濃い会議である。学術的なものであれば関係学会に案内が来るので、おそらく産業が主体の会議と思われる。
小生も招待講演者に選ばれており、PETボトルの再生材を用いたポリマーアロイについて、講演するのだが、PC/PETは現在も生産されているので話しやすいが、PETを80%含有した成形体について悩んでいる。
予稿集の締め切りも近いので決断しなくてはいけないが、原料の廃材が無くなったのですでにディスコンとなった材料である。
再生材を設計するときに気をつけなければいけないのは、廃材の生産調整はできない、という事実である。原料のゴミがが無くなれば、再生材を生産できなくなる。ただし国内の樹脂再生率はまだ2割台なので当分は大丈夫である。
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ChatGPTが登場してから1年以上経ったが、その進化は止まらない。さらに各社から様々な生成系AIが短期間に登場したが、これは基本エンジン部分のアルゴリズムがオープンとなっているから。
すなわちオープンイノベーションである。ソフトウェアー技術の開発を促進するためにコンピューター技術の分野ではLINUXをはじめとしたオープンソースが多い。
コンピューター技術分野の独特の文化に支えられて現在のAIの進化がある。弊社もこのAIを活用する立場から研究を行い、さまざまなノウハウを獲得し、この半年間セミナー会社にてセミナーを行ってきました。
9月から使用シーンをプログラミングと問題解決に絞ったセミナーを行います。WEB上に公開された情報の検索であれば、検索エンジンを使うよりもAIを使用した方が便利である。
さらに、各AIが学習している情報もあるので、一部文献検索にも制限があるが活用できる。驚くのは、国会図書館で検索にひっかからなかった文献が得られた経験もある。
AIが気を使って提案してくれた文献である。当初ハルシネーションと思ったが、その文献を取り寄せてみると関係していた文献であるが、キーワードが含まれていなかった。
1年以上前のAIよりもハルシネーションを起こす頻度は下がったように思う。また、ハルシネーションを回避するプロンプトのノウハウもあるので、これを活用すればハルシネーションに悩まされず快適なAIのある生活ができる。弊社のセミナーにご参加ください。
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高分子の難燃化技術は、トランスサイエンスの分野である。そもそも火災という現象そのものがトランスサイエンスである。燃焼をいくら管理して実験を行っても、それが非平衡で酸化が進行しているならばトランスサイエンスの現象であることを悟るべきだ。
未だ非平衡の現象を科学で解析できていない。そこを理解できていると、無重力状態における燃焼現象が地上と異なることに驚く必要はない。地上と異なるのは「当たり前」である。
地上では、自己消火性となる酸素濃度で可燃性の高分子を無重力状態で燃焼させると燃え続けたのでびっくりした、ということがニュースで報じられた。当方ならば驚かない。
宇宙での火災、とりわけ宇宙船の中の火災は人命にかかわるので重要な研究とばかりに、科学の研究を始めた学者がいるそうだが、センスが悪い。
もっとも、世間は高分子の難燃化技術について未だ正しい理解をしている人が少ないので、いかがわしいサイエンスショーでも「科学」と持ち上げるように、哀れみではなく称賛として見られるのだろう。
科学者と称する人は、自分が正しいと思い込んでいる人が多いように思う。科学的手順で答えを出せばそれは皆が科学として認めてくれる。
仮に無駄な答えでも無知な人から見れば宝物のように見えるのだろう。無駄な知識になっているだけなら良いが、時々間違った問題で正しい答えを出している場合もあるので困る。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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当方は運の良い時に学生時代を過ごした。ちょうど耐熱性高分子の研究に限界が明らかとなり、難燃化手法へ研究者の関心が移ってきたころである。
当時東北大学村上研で輪講に使用していた本を出版することになって、当方をご指導してくださった先生に献本があった。おそらく高分子難燃化技術では、その本が体系だった最初の教科書だろう。
それより以前でも日本で高分子の難燃化技術に関する本が2冊出版されていて、いずれも大した内容の本ではない。今ならば著者には悪いがゴミである。村上研が翻訳された教科書は、この2冊とは月と鼈の差がある内容だった。
だからアカデミアで翻訳しようという気になられたと推測している。当時PVAの難燃化研究を3か月ほど行い、論文を1報書いているが、この本を参考にしている。
PVAは、難燃化が難しい高分子と書かれていたので、難燃剤の添加量について実験条件を大きく変動させている。意外にも10%程度のホスフォリルトリアミドのホルマリン付加体で自己消火性サンプルが得られびっくりした。10%では難しいと思っていたのでそれより少ない添加量を検討していない。
当時の経験も含め、高分子の難燃化技術開発に50年近く携わっていると、世間の誤解の多さにびっくりする。高分子の難燃化技術の難しさだと思う。
当時の教科書では、リン系の難燃剤では難燃化できる高分子が限られるようなことが書かれていたが、LOIを21以上にする条件を基準にすれば、すべての高分子をリン系の難燃剤で難燃化できる、と経験知として持っている。難燃化技術でお困りの方はご相談ください。
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オンキョーも無くなり、オーディオ市場というものが存在するのかどうか知らないが、インターナショナルオーディオショーが今年も1か月前に開催されたようだ。
良い音の定義は難しい。さらに音の入力機器と出力機器は、どのような組み合わせになるのか不特定である。ゆえにライブであっても録音が再生された音楽であっても良い音をどこでも同じ品質で届けることは、不可能に近い。
かつて、録音メディアがレコードからCDに代わった過渡期に、その両方のメディアで新譜として発売されていた。数十万円程度の再生機器でもレコードとCDの音の違いを聞きわけることができた。
レコードの方がライブ感が高かったのである。サックスの響きなど同じ音源に思えない録音もあった。少なくとも録音メディアはアナログの方が活き活きとしていた。
しかし、SN比という尺度で聴けば、CDに軍配が上がる。音の透明感を感じることができた。このようにオーディオでは良い音の定義が難しくなる。そこから生じる曖昧さに数百万円も投じる人がいると聞くと驚く。
スピーカーだけでもいまや1台100万円を出さなければ、パイプオルガンの低音が満足に出てこない。昔は2台4万円のスピーカーでも30Hz前後の低音を再生できたスピーカーが存在した。
この30年間にスピーカーの振動板に対する考え方が変化している。そしてDA変換された信号を正確に再生する方向に設計され、低周波領域は50Hz前後として無理に低い領域まで再生領域を広げていない。
昔のスピーカーの振動板の材質は、紙やシルクなど天然素材が多かった。最近は安いスピーカーであれば紙かPPと限られてくる、高くなるとケブラーやセルロースナノファイバーなど明らかに高そうな素材が使われる。
安いスピーカーでは、その素材の音を感じることができるのだが、高いスピーカーでは素材の音が無くなる。昔ながらのパルプ複合材でコーン紙を設計している超高級品もある。スピーカーの材質を見るとその値段が材料で決まっていないことに気がつくが、ダイヤモンドをツイーターに使ったスピーカーは300万円もする。ダイヤモンドである必要はないのだが。
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高分子の難燃化技術はどこまで進んだのか。科学の視点では、どのような高分子でもLOIを21以上にする技術が存在する。すなわち、どのような高分子でも空気中で自己消火性を持たせることが可能となった。
ただし、用途に応じて難燃化規格が存在するので、それぞれの規格に合うように最適化しなければ難燃材料として社会へ提供できない。
LOIだけが難燃化規格となっている場合には、現在の難燃化技術ですべての高分子をその用途で用いることが可能である。
環境への負荷を考慮すると、非ハロゲン系難燃化技術を用いるのが好ましいが、このような話になってくると、幾つか誤解が存在するので説明がややこしくなる。
まず、ハロゲン系難燃剤の問題を述べると、三酸化アンチモンとの併用で最も効果を発揮するようになる。臭素系難燃剤であれば、単独使用で空気中において自己消火性とすることが可能である。
しかし、臭素系の難燃剤は、使用禁止物質に指定されている化合物が存在する。そしてそれが30年前より増えてきており、現在使用可能なものは少なくなった。恐らく将来使えるものが無くなる可能性も出てきた。
すると困るのは、2022年の法律との関係である。Renewableが基本となっているこの法律に従い、リサイクルするときに、臭素系難燃剤が含まれるとリサイクルできなくなる。
現在でもリサイクルするときに再生材の中に臭素が含まれているかどうかのチェックが行われており、臭素が含まれていると再生材から取り除かれる。
ゆえに、高分子を難燃化するときには今の時代であれば、非ハロゲン系難燃剤で高分子を難燃化すべきという結論が出てくる。それでは、非ハロゲン系難燃剤ですべての高分子を難燃化できるのかと言えば、残念ながら科学ではyesという結論を出せない状態である。
しかし、技術的には可能である。このような表現を不思議に感じた方は弊社にお問い合わせください。当方は50年近く前に難燃化が難しいとされたPVAをリン系化合物だけでLOIを21以上にすることに成功している。論文発表もしている。
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