データサイエンスとの出会いの前に忘れてしまいたいコンピューターとの出会いがある。それは教養部の試験として出された「自分で課題設定し、プログラムを作れ」という課題に対し、受講者の中で数少ない「可」を取得した思い出である。
作成したプログラムが動作しなかったからである。当時授業を行なった先生にプログラムを見ていただいてもエラーは無かったので「優」であってもいいはずだが、プログラムが動作しなかったという理由で「可」とされた。「可」でも単位となるからいいだろうと言われた。
4年に進級した時に所属した講座は有機合成の研究室で、オーバードクターで分子軌道法を研究に用いられている方がいた。その先生が大学のコンピューターのフォートランにバグがあった、という話をされていたので、教養部の試験で作成したパンチカードを渡し、動作確認して頂いたら動いた。
すなわち、教養部の試験の時にはバグのあったフォートランのシステムだったので当方のプログラムが動かなかっただけの可能性が出てきた。しかし、もう成績を「優」にしていただけない。
コンピューターとの初めての出会いは、コンピューターシステムのバグのおかげで成績が悪かった、という忘れたくても忘れられない思い出となった。
また、この体験があったので、8bit時代にはアセンブラーが主要言語であり、16bitコンピューターの時代には実績のあるLattice Cを迷わず使い始めました。
数値計算に使うには、出始めのMS-BASICは、やや問題がありました。次第に良くなっていったようですが、タグチメソッド(TM)のSN比の値がCで計算した場合と少し異なっていたことがありました。要因効果図には現れない程度でしたが、少し気になり、今も自前のプログラムでTMを計算しています。
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Pythonで重回帰分析のプログラムを作成する過程を題材にプログラミングのご指導をいたします。4月の希望日を3つほど記入し、お申し込みください。受講料は1日WEBセミナー形式で3万円です。企業の研修としてご利用の場合には、人数で割引がございます。
PythonはBASICよりも習得が易しいプログラミング言語です。それでVBAよりも低コストで深層学習のプログラムまで作成できます。
昨年マイクロソフト社はエクセル365にPythonの実装を発表いたしました。Pythonの普及を無視できなくなったからです。当方はすでにエクセルをデータ整理に使用していません。
VBAの代わりに使用していたCやC#もほとんど使わなくなりました。Pythonで十分にデータ解析やその整理ができます。マイクロソフト社がエクセルにPythonを実装したのも当然です。
題材の重回帰分析につきましては、弊社のサイトでも無償でそのプログラムを公開していますが、Pythonプログラムを作成することにより、データ解析を手軽にできるようになります。
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昨日川勝知事が4月1日におこなった新卒者に対する挨拶について謝罪したが、謝罪発言にも知識に対する誤解があった。この方は、その年齢からドラッカーの著書を読んでいるはずだが。
ドラッカーは産業革命以降資本主義が発展し、知識資本の重要性が増してきた現代について、経営を担う労働者も含め知識労働者の時代と名づけた。
すなわち、第一次産業から第四次産業に従事する労働者はすべて知識労働者であって、その知識の種類が異なるだけと述べている。
おそらく4月1日の時にこのような視点で述べておれば問題とならなかったのに、無知で本音が出たのだろう。知識人の顔をしながら、その頭の中身は明治時代なのかもしれない。
知識には、経験知と形式知、暗黙知があることは紀元前から、すなわち人類が思索を行うようになった時代から知られていた。川勝知事もその程度はご存知のはずだ。
しかし、4月1日の発言は、日本の第一次産業や第二次産業の従事者には知識労働者がいないとしたのである。そして県庁のシンクタンクとしての機能があるから社会が成立している、と発言していた。
言葉の一部を切り取られて誤解を受けた、と述べていたが、全体を要約しても、ドラッカーが指摘した知識労働者の視点を欠いている。
形式知に偏らず経験知と暗黙知を地元の産業から吸収し、シンクタンクに働く知識労働者として活躍してほしい、と述べるのが正しかった。謝罪会見も含め知識労働者に対する理解の視点で0点の発言である。
日本には知識人のような顔をしながら、その知識の薄っぺらなことに気がついていないリーダーが多い。
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昨日各局のワイドショーでは、紅麹の問題を扱っていたがその取扱い方が同じでつまらなかった。なぜなら、当方が指摘している工程の品質管理の問題を議論しているところは無かったからである。
社会問題となっていることは先週から明らかであるが、不良の製品を4月から年末まで作り続けた問題を議論すべきである。正常な製品を作り続けた実績があるならば、正常な製品のクロマトグラフィーを基準にして、異常検出ができた。
いくら多成分のピークが出ていようと、今ならコンピューターで管理すれば異常ピークの検出が可能である。工程異常を検出できれば、今回の問題は発生していなかった。
工程異常を検出しながらも健康に影響を与える製品を生産していたなら、それは犯罪である。工程管理では紅麹以外の成分が何かまで分析する必要はなく、「紅麹以外のものができていないかどうか」ぐらいの検出は簡単である。
安定生産の実績があるので、正常生産のデータが豊富にあるはずだ。それをもとに工程が管理状態にある条件を決めることができる。また、工程能力も計算できる。
紅麹以外のものが検出されたなら、それは異常と判断し工程を止めなければいけない。このような基礎的な品質管理技術で死者を出さずに済んだ。
小林製薬は紅麹以外の食品も生産しているが、今回の問題からすぐにラインを止めた方が安全である。当方が小林製薬の社長ならば、工場を停止する。そして異常検出できる施策を行い、FMEAで不良率0を確認できてから工場を稼働する。
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大阪大学インドネシア語学科の入試倍率は、1.0倍だったそうだ。すなわち、旧7帝大であっても無競争で入学できたのである。
最近は、日本の大学の国際ランキングが低いために出身大学にこだわらない若者が増えているそうだが、昔は旧7帝大卒と言えば就職にも結婚にも有利に働いた。
名古屋で名古屋大学学生であれば家庭教師のアルバイトの口が必ずあった。当方は3人ほど受け持っていたので、大卒初任給よりも高い月額収入があった。
少子化で近未来には大学全入時代が来ると言われて久しいが、もうそのような時代になったのだろう。30年以上前まで浪人は恥ずかしいことではなかった。また、長い人生を考慮すれば1浪2浪など問題ではない。
当方のゴム会社における上司は4浪していた。高校の同級生が卒業するまで待っていた、と上司から言われても部下として笑えない冗談だった。ところが最近4浪以上を売り物にしている女子アナの話題を見つけて感心した。
たしかに人生100年時代に1割の浪人生活をしても悔やむ必要など無いのだろう。しかし、大学全入時代となると考え方を変えなければいけない。大学を早く卒業してやりたい職業を可能な限り早くスタートすることが重要になってくる。
そうすると、専門など考えずに入学できる大学にとりあえず入学し、高度な学問の勉強を早く始めることが重要になってくる。当方は理系においても大学の専門を気にしなくても良いのではないかと思っている。
ちなみに当方は大学4年の時の卒論はシクラメンの香りの全合成であり、これはショートコミュニケーションとしてアメリカ化学会誌に掲載されている。しかし、大学院はSiCウィスカーの研究室に進学し、就職はゴム会社である。
大学の勉強は高校と異なり、無限の範囲が対象となる。当方は4年間に必要単位数の2倍弱取得して卒業しているが、その経験からまず大学に入ればどこでもよくて、勉強する意欲が一番大事だと自信を持って若い人にアドバイスしたい。
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品質管理は技術であって、科学として捉えると失敗する。すなわち、科学的に起こりえない、として事象を捉えてはいけない。人間は予期せぬミスをするものである。そうしたミスの検出も考えてFMEAを実施し、品質管理基準を考えることが大切である。
弊社ではこのような考え方で、品質管理のご指導をさせていただいている。詳細はノウハウとなるのでここで述べないが、ゴムやプラスチックのトラブル対策として書籍にまとめる予定をしている。
さて、小林製薬の紅麹で一番の問題は、薬でありながら薬の成分以外の物質が含まれていてもそれを工程で検出できていなかった点にある。
ゴムやプラスチック製品の外観不良の検出ミスと同等のミスであり、発生した時に即座に対応できなければいけない。しかし、2カ月以上かかっている点がお粗末である。
社長は、因果関係の重要性を説明していたが、量産時に不要の成分が見つかったなら、因果関係を考える前に、まず、生産を止めてトラブルを解消しなければいけない。
量産時に未知の成分が見つかっても、それは何も影響ないから生産を続行、という考え方では、品質管理として誤っている。すなわち品質管理体制に問題があったと思われる。
今回は、ニュースで報じられている事実から工程が管理状態にあれば検出できたはずである。また、口に入れる製品なので、異物は厳禁であるはずだ。
製品不良の中には、工程の品質管理で検出できない事象もある。そのときは、市場でクレームとして発生した時にどこまで迅速に対応できるかどうかが問われる。
そのために量産前に試作が行われ、徹底的に故障解析を行う。その時ワイブル統計が用いられるが、ワイブル統計同様に重要なのは、FMEAの見直しである。
そして重大故障についてすべて検出可能かどうかは量産に移行する前に検討する。小林製薬は品質管理体制の見直しが求められるが、同様の問題を抱えている企業はご相談ください。
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小林製薬のサプリメントからプベルル酸が検出されたという。これは青カビの成分であり、紅麹の製造工程で青カビが混入したのだろうか。
ここで不思議に思うのは、事件が起きてから本日の発表まで時間がかかりすぎている点である。生産工程で異常を検出できていなかったのだろうか。
40年以上前、新入社員研修で検査工程を担当したときに職長から品質管理の重要性を学んだ。その時に、現場で異常が発生するや否や検出できるかどうかが大切で検査工程は最後の砦、と習った。
加硫ゴムの内部不良の多くは、最後の検査工程で発見できないため原材料段階から製品に至るまで各工程で品質管理体制が敷かれているという。
そして、どこかで異常が検出されたなら、すぐに全ラインを止める仕組みだと習った。社是「最高の品質で社会に貢献」は伊達ではない。
製薬会社の製品ならば、不純物が混入した時に、出荷前に検出できることが常識と思っていたが、健康被害が起きるほど混入していても異常として扱われていない事実や、ニュースで報じられたように異常を医師から指摘されて2か月以上分析に時間がかかっていることにびっくりしている。
因果関係等は不明と報じられているが、当方がここでとりあげたい問題はそこではない。プベルル酸ならば、同定まで行わなくても工程ごとに簡単な成分分析(注)を行っておれば異常を検出できたはずである。
また、健康被害が起きるほどのプベルル酸を生成する青カビの量ならば、目視でも検出できたはずである。
タイヤの品質管理体制よりもお粗末な品質管理を行っていたのだろうか。製薬会社の品質管理は、皆小林製薬のような杜撰な体制で行われているのだろうか。もし、品質管理に自信の無い製薬会社は弊社へご相談ください。ご指導いたします。
(注)例えばクロマトグラフィーの手法では、同定が難しくても、成分の異常を検出可能である。カビの混入は科学的に考えられなくてもFMEAに記載すべき項目である。このあたりの考え方が、企業の品質管理技術のレベルを決める。少なくとも今回の事件は中レベル以上の技術があれば防げたはずである。
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第3次AIブームでデータサイエンスにより技術開発を行う企業が増えてきた。当方はゴム会社に入社以来半世紀近くデータサイエンスを技術開発に応用し迅速な技術開発を実践してきて、反感を買い転職している。
科学では否定された電気粘性流体の耐久性問題をデータサイエンスで解決したところ、FDを壊されるなどとんでもない妨害を受け、それを研究所リーダーが隠蔽化するというので、やむなく転職した。
当時は、データサイエンスを用いた問題解決法は、新QC7つ道具には採用されていたが、研究者の間では非科学的とされた。すなわち、今材料開発で普及してきたマテリアルズ・インフォマティクスは非科学的な手法なのだ。
アカデミアではこの手法によるデータマイニングを正当化するために新帰納法などとごまかしている輩もいる。少なくとも1990年ごろまで科学と見なされていなかったことをあたかも科学のように装っているのが今のマテリアルズ・インフォマティクスである。
弊社ではデータサイエンスによる問題解決法を科学的方法などと偽って指導していない。むしろ非科学的手法ゆえにトランスサイエンス時代の問題解決法として推奨されるとしている。
すなわち、電気粘性流体の耐久性問題のように科学で解けない問題において威力を発揮する。トランスサイエンスをデータサイエンスで解いて答えを得た後、その答えについて科学的な理論を導けばそれは立派な科学の成果となる。
21世紀初めにそのような手法でノーベル賞も生まれている。詳細については弊社に問い合わせていただきたい。弊社ではタグチメソッドをはじめマテリアルズ・インフォマティクスについて半世紀近くの経験知をもとにご指導いたします。
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ソフトウェアーにおいて最も大きなイノベーションはオブジェクト指向ではないかと思う。今のAIは映画「マトリックス」で描かれた世界に、まだ追いついていないオブジェクト指向の成果である。
ゆえに、自分で創造的な思考をすることができない。あくまで人間が考えたアルゴリズムと人間が与えたデータで学習した範囲で答えを出す。
ChatGPTとアイデアの知恵比べをしてみても当方の方が勝つ。当方の強みについてAIが勝てないのは、AIは当たり前の解答しか出せないからである。また、当方もそれを知っての質問を行うので、当方が勝てるのだ。
だからあまり自慢するのは大人げないのだが、このような遊びをしていると、ソフトウェアー工学にはまだ伸びしろが存在し、将来の進歩した技術に夢を描くことができる。
こうした夢を描くのは楽しい。また、夢の実現には程遠いが、Pythonのような言語を無料で使用できるのもソフトウェアー工学の進歩として捉えることができる。昔、Cの処理系は20万円以上した。
周辺ライブラリーは2-3万円から20万円まであり、不自由しない環境に仕上げると100万円程度かかった。今はこれがタダなのだ。ものすごい時代になったと痛感する。
大画面の液晶TVが100万円近くした時代から、家電量販店の目玉として一桁で投げ売りされていた光景を見たときには驚いたが、それでも価格がついていた。Pythonには価格が無いのである。
Pythonを学びたい方は弊社へお問い合わせください。少し文法の説明も入ったインストール用の資料を無料で差し上げます。
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昨日の技術情報協会のセミナーを受講できなかった方は、弊社へご相談ください。ゴム・プラスチックのトラブルで悩まれている方は、是非お問い合わせいただきたい。
このようなトラブル防止には、ロバストの高い材料開発が必要になる。すなわち、マテリアルズ・インフォマティクスでそれを効率化すると良いのだが、どのように行えばよいのか。
データサイエンスを技術開発に適用しようとする時に、まず行わなければいけないのは、どのようなデータを用いるのか、という作業である。
機械学習を行う時にも、ただそのアルゴリズムを考えるだけではだめで、どのようなデータをどのような形で学習させるかが重要である。すなわち、データの前処理である。
タグチメソッドにおけるこの作業は、基本機能に関わる因子を整理することにより実現される。すなわち、制御因子と誤差因子、信号因子に振り分ける作業でデータの前処理が行われる。
各因子の組み合わせでデータを採取してゆくわけだが、この因子の振り分け作業により、採取されるデータが左右されるので基本機能の取り扱いが重要となってくる。
ただし、基本機能を正しく設定し、基本機能に関わる因子について整理する作業は、それほど難しい作業ではなく、機械学習においてデータ処理をうまく行わず奇妙な結果が得られて悩むことを考えれば、タグチメソッドは、データサイエンスの手法としてよく考えられたメソッドと言える。
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