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2026.03/03 PC/ABS

PC/ABSは、良好な成形性と化粧外観の得られるよく知られたポリマーアロイであるが、意外な盲点がある。例えば、大きな成形体を製造した時に、成形体の各部で強度が大きく異なっている場合がある。


大きな成形体について、サンプルを切り出し曲げ強度を計測してみると、成形体の各部で強度が異なっていることに気がつくが、この偏差が10MPaを越える場合もあり、驚く。


これは、金型の設計で解決できそうに思えるが、コンパウンド側に問題がある場合には、金型を工夫しても問題解決しない。


混練プロセスが設計されていない場合に、コンパウンドの問題が発生するが、混練プロセスの設計と言われても何を検討したら良いのか分からない人もいる。


スクリューセグメントが最適化されている場合には、スクリューの回転数と各シリンダー温度ぐらいしか検討する部分が無い、と思っている人がいる。


混練プロセスの設計を問われた時によくわからなかった人は、当方の著書をご一読いただきたいが、PC/ABSでは、混練プロセスの設計により、高次構造の緻密さが変化するだけでなく、レオロジーまで変化する。


その結果、強度に影響が出るだけでなく、大物成形を行った時に、外観は問題なくても、部位による強度ばらつきが大きくなる場合が出てくる。

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2026.03/02 新規ポリマーアロイの開発

ポリマーアロイについて、2000年頃の高分子精密制御プロジェクトでかなりの成果が出ていると思っている。ただし、ウトラッキーの伸長流動装置は量産用までスケールアップできなかった。


ところが、当方が開発したカオス混合装置は、500kg/h規模の装置までスケールアップでき、高次構造の緻密なコンパウンドを製造している。当方はプロジェクトには参加していなかったが、成果報告会を拝聴している。


当時東工大中浜先生がリーダーで進められたこのプロジェクトは、実用化を目指したテーマがいくつか検討され、良質な基礎的成果が公開されたが、あまり評判は良くなかった。


当方は、このプロジェクト成果で十分に勉強させていただき、カオス混合技術を開発し、PPS・6ナイロン・カーボンの配合を変えず、国内トップメーカーが供給していた押出成形歩留まり10%前後のコンパウンドを100%にできるプロセスラインを立ち上げている。


高分子精密制御プロジェクトで注目された伸長流動は、ポリマーアロイ設計に重要なプロセシング技術であるが、PPS/6ナイロンの高次構造変化で、同一配合でもプロセシングを変えると力学だけでなく電気電子物性までも変化する現象を見出せなかった。


そのため、その後の国研で、配合と1:1に対応する高分子物性を目標としたプロジェクトが推進されると言った頓珍漢なことが起きている。


高分子では、配合因子だけでなくプロセス因子も材料設計で重要なふるまいをする。このような重要な事柄を軽視する材料技術者がいたことに驚いた。


ゆえに、新規ポリマーアロイを開発したいなら、最初からカオス混合装置を用いて検討した方が早く良い結果を出すことができ、さらに混練機の使い方も従来とは異なる「ある条件」で行うと良い。


高分子材料は、配合とプロセシングで物性を制御する、という基本をご存知ない方は弊社に問い合わせていただきたい。

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2026.03/01 PythonとEXCEL

最近はEXCELをほとんど使わなくなった。データ整理はすべてPythonである。クライアントにEXCELの表が必要になれば、Pythonで数行コードを加えるだけで、EXCELの表データができる。


Pythonでデータを保存しておけば、EXCELのように後日困ることは無い。EXCELの使用で何が不自由かと言えば、後日異なるデータ解析をしようと思ったときに、表を作り直さなければいけないことである。


それがPythonの使用で解放されたのだ。マイクロソフトがEXCELにPythonを搭載してから2年経過した。EXCELにはご存知のようにVBが搭載されている。


自社のプログラミング言語が搭載されているのにさらにPythonをマイクロソフトがEXCELに搭載した意味を理解していただきたい。


理由は簡単である。当方のようなユーザーが現れることを懸念してのことである。Pythonが搭載されたEXCELが便利か、PythonでEXCELの表を出力する方が便利か、と言えば後者である。


EXCELを使ってデータ整理しなくなって5年過ぎた。コロナ禍の初めの頃は少しEXCELを使用していた記憶があるが、最近はあのセルの画面を見なくなって久しい。

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2026.02/27 何を学ぶか

昨日データ構造とアルゴリズムの知識について、悩ましい、と表現した。プログラミング言語を学ぶときに、何をどこまで学ぶのかは難しい問題である。


Pythonの指導講座は、無料で多数公開されているが、技術者が学ぶに適した講座は無い。理由は簡単で、Pythonを単なるプログラミング言語として教えている。


Pythonの特徴は、スクリプト言語であり、構造化プログラミングが可能で、オブジェクト指向言語である点だ。これを意識し、うまく技術者がサクサクプログラミングできるように指導するためには、教える内容を吟味しなければいけない。


とりあえず使えるレベルであれば、スクリプト言語の側面を強調して指導することになる。しかし、技術者にはこれでは不足している。


マルチパラダイム言語のPythonについて、どこまで学んだらよいのか、ご興味のあるかたは弊社にお問い合わせください。

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2026.02/26 データ構造とアルゴリズム

今や技術者は皆Pythonのスキルが常識となった。Pythonって何?と感じた技術者は、給与を返上した方が良い時代である。10年前と技術者の仕事のやり方は大きく変わり、データサイエンスをバリバリ使う時代になった。


新しいテーマを担当した時に、フロントローディングで業務シミュレーションを行う時にPythonは不可欠である。もし、過去の実験データを活用できるならば、それを利用して精度の高い予測が可能だ。


ゴム会社で、京大や大阪大学の博士が1年かけて結論を出した問題をデータサイエンスによりその結論を一晩でひっくり返したところ、FDが壊れ始め、怖くなって二人転職し、結局狙われていた当方も転職している。


これは40年近く前の実話で、当時はBASICでデータサイエンスを活用していた。マテリアルズインフォマティクスを先駆けて実践していたのである。この時代、データ構造とアルゴリズムの知識はプログラミングスキルとして重要だった。


しかし、今の時代、Pythonのモジュールを使用しスクリプト言語としてPythonを活用する限りにおいては、アンパックのようなその記述の仕方が独特な表現となる部分を勉強すれば不自由しない。


もちろん、今の時代でもデータ構造とアルゴリズムの知識があっても邪魔ではなく、Pythonのモジュール理解に役立つ。しかし、オブジェクト指向でプログラミングをする限りにおいて、知らなくても良い分野となりつつある。


ただし、Pythonで独自クラスを作成するなど自由自在にプログラミングしようとすると途端に重要な知識となるので、不要になった、とまで言えない悩ましい知識である。

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2026.02/25 オリンピック選手団の座席

「The DIGEST」の記事に、スノボ選手団がエコノミーシートで帰国したことについて、成田童夢氏が次のような意見を述べたことが記事になっていた。


「『国の英雄』が心身ともに疲弊した状態で相応の待遇を受けられない。本当にこのままでいいのでしょうか? この現状を変えていくべきではないのでしょうか? これは単なる予算の問題ではなく、日本における『アスリートへの敬意』の現れだと思うのです」


なるほど、と。サラリーマン時代に、ある役員格ではない研究所長がビジネスシートに座っていたら、社長と役員が同じ飛行機に乗ってきてエコノミーに座ったので慌てた、という話を聞いたことがある。


部長以上はビジネスシートでもよいことになっているので問題ないのだが、飛行機の中で落ち着かなかった、という笑い話でもある。


もっとも、当時会社は赤字で、全社で節約が合言葉になっていた。ゆえに社長以下役員がエコノミーシートで海外出張に出かけているというのは、当たり前とも受け取れる。


一方、会社が赤字で節約が叫ばれているときに、規程通りビジネスシートに座っていた研究所長は、会社の事情を理解していないリーダーと評価できる。


航空機のシート問題について、ビルゲイツ氏は、同じ飛行機で同じ時間乗っているのに料金が異なるのはおかしい、といって、MS社長時代にエコノミーを選んで乗るので役員が困った、という逸話がある。


もし、JOCの役員がビジネスシートに乗っていて、選手がエコノミーならそれは大変おかしい話だが、JOCの役員がエコノミーを利用しているならば、選手がエコノミーでもおかしなことではないように感じる。


飛行機のシートで選手に対する敬意を表せる、と考えるような安っぽい問題をこれ以上議論するつもりはない。確かにビジネスシート以上は、CAからのサービスも異なり、リッチな気分になったりするが、これは敬意とは異なる問題のように思う。


エコノミーとビジネスシートの違いは、スペース以外にサービスの違いがある。しかし、その価格差が妥当なものか考察すると、ビジネスシート以上はエコノミーよりも異常に高いような気がする。


今LCC以外のJALやANAのエコノミーシートは、50年前よりも少し快適になっている。選手団の飛行機がLCCならば当方も同情するが、JALやANA同等の便であればエコノミーでも問題ないと思っている。


ビジネスシートに座るかどうかは、スポンサーが判断すればよい。これを国民が判断すれば、メダルを取った人はビジネスシートでそうでない人はエコノミーシートという問題を考えることになる。


オリンピック精神が参加することに意義があるならば、メダル取得者とそうでない人で、飛行機の座席に差をつけるべきではない。ましてや、JOC役員がもしビジネスシートに座っていたりしたなら、そのほうが議論すべき問題かもしれない。JOC役員は選手のサービス係と国民は理解している。

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2026.02/24 EVの普及

8ビットマイコンが登場し、それが普及し始めた頃の世界的な研究所における風景を昨日書いた。科学こそ唯一の哲学で、それ以外を排除する風土だった。しかし、データサイエンスの講座設立ブームが日本で起きていた時代でもある。


今環境問題の影響で急速に進んだEV車の普及に急ブレーキがかかった。トヨタ自動車はハイブリッド車を今の3倍以上生産する方針を発表している。


乗用車がすべてEVとなる時代は、夢と終わるのか、そのように思わせるような世界の動きである。しかし、ハイブリッド車や日産ePowerの貢献もあり、エンジン車よりも快適なモーター駆動の世界を人類は知ってしまい、ガソリン車に戻るとは思えない。


このような歴史の歯車の動きがスムーズではない時代とは、新たなイノベーションが求められている時代なのだ。これはコンピューターの普及から50代以上の人は経験しているはずである。


16ビットコンピューターが登場した時にIBMは、パソコンのアーキテクチャーをすべて公開した。このIBMの英断により、一気にハードウェアーはIBMのアーキテクチャーが標準となり、IBMはソフトウェアーで稼ぐ道を選んでいる。


この時にマイクロソフトが急成長し、W95が世界の標準となった出来事にびっくりした人は多いのではないか。そしてLINUXやPythonなど無料の良質なソフトウェアが登場し、現代にいたる。


EVの普及に何か足りないと感じている人は、イノベーターになれる可能性がある。未来がエンジンとモーターを動力とする時代なのか、100%EV車なのか、これは今更語る必要のない結論が出ている。

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2026.02/23 データサイエンスのCD

50年近く前、重回帰分析や主成分分析を1回行うだけで、使用部門には2000円程度の負担が求められた。この金額は当時NTTの提供しているサービスより少し安い金額と言われていた。


それでも、コンピューターを使用すると周囲から白い目で見られていた。タイヤのトップメーカーゆえにゴムやゴム薬などを材料メーカーから無料で調達できたので、ゴムの研究について年間人件費以外かからないテーマもあった。


そのような状況なのに、研究テーマ管理について成果を投入金額で割って評価する方法がとられ、本部長は、何故ゴムのテーマ以外育たないのかと嘆いていた。


さらに、材料の研究を行うのにどうしてコンピューターが必要なのか、といわれるような時代でもあった。しかし、8ビットのパソコンが普及し始めると少し事情が変わってきた。


当方は上司が保証人となって80万円のローンを組むことになる。OA委員会が研究所内にできてプログラム開発するにあたり、英語論文を書くようにプログラムを開発すれば良いと言われた。


プログラム開発にはパソコンが必要と説明しても、いろんな種類のパソコンが出ていて、半年後には新しいパソコンが安くなっているかもしれない、などと心無い後ろ向きの発言をする人もいた。


当方がプログラム開発にはデバッグ作業が伴うので、パソコンが絶対に必要だと説明しても、そんなに必要ならば自分で買え、そうすれば毎月のコンピューター使用代金も節約できる、と上司から言われてMZ80Kを一式購入することになった。


当時本体は20万円台で購入できたが、FDが30万円以上していた。また、FDを制御するためには専用のOSが必要であり、プログラム開発環境も含めると80万円かかった。


会社の仕事をやるのにコンピューターの費用に関しては、個人の負担が求められた時代である。原因は、コンピューターというものがどのようなものなのか理解できていない人が大半だったからである。


やがて世界のトップメーカーになる企業の研究所でさえ、コンピューターに対してこのような認識だった。データサイエンスに対して無関心どころか仕事中にやるべき科学の研究ではない、ぐらいの意見を平然と述べる人もいた。


これが1990年代には少し改善されるが、データサイエンスを用いて一晩で問題解決したところ、FDを壊されたり、机の上にナイフを載せられたりする事件が起きた。あまりの出来事に当方含め3人が転職している。


ところが2012年にはアカデミア発マテリアルインフォマティクスのブームが起き、データサイエンスは材料研究者の常識になった。これはパソコンが一人1台以上使える時代になっただけでなく、関連ツールが無料で入手できるようになった影響がある。


AIを使用したプログラム開発環境さえ無料で手に入るのだ。ものすごい時代になった、と思う。もう、Pythonをエクセルと同じように使えなくてはいけない。


Pythonで解析し、必要ならばエクセルファイルを自動で吐き出す時代である。TMの解析プログラムコードもデータが入力されればプログラムが出てくる便利さとなる。詳細は弊社へ。

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2026.02/22 都議のノートPC

ある都議のノートPCが話題になっている。天板一面にアニメのキャラクターシールが貼られており、それを議場で使用している姿の写真をSNSに公開したところ、賛否両論出てバズっている。


キャラクターシールの貼られたPCを前に笑顔の都議の写真を見た人で、好意的に感じた人とそうでない人に分かれている。


好意的に感じた人は、シールがアニメだったことから日本が今海外に売り出している文化を愛する都議と感じたのかもしれないが、そうでない人はどのように感じたのだろうか。


好意的に感じた人でも文化面から感じたのではなく、この都議の笑顔から好意的に感じたのかもしれない。一方好意的に感じなかった人は、議場という場所との不整合あるいはそれ以外の理由で嫌悪感を示したのかもしれない。


このように、AとnotAに分かれていく事象について解析するときに、機械学習の手法として決定木が使われたりする。AIブームなので深層学習でパーセプトロンのアルゴリズムを持ち出す人もいるかもしれない。


しかし、SNSでバズって様々な意見が出ているならば、意見の要素を取り出して、素直に多変量解析を行った解析で、情報の中に隠れている本質的な部分に迫ることが可能だ。


データサイエンスの初期に多変量解析が主流だったが、今は猫も杓子も機械学習で問題を解こうとする。PCにシールを貼って喜んでいる都議の議論より、問題とすべきことかもしれない。


現象の中に隠れている相関について、解析を始める前にまずよく観察することが重要だ。これは技術者が現象を捉える時に身に着けていなければいけないことで、議場でアニメいっぱいのPCを広げて喜んでいた都議が何か欠けている、と騒ぐことよりも大切だ。

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2026.02/21 選考方法の難しさ

カーリング女子が惨敗で、選手選考方法の見直しを進めているという。まだオリンピックは終わっていないのにこのような話題が飛び出すのは、選手に失礼である。


オリンピックは参加することに意義がある、と言ったのは、クーベルタン男爵で、それがいつの間にかメダル争いとなってきた。


確かにカーリング女子は過去に銅メダルや銀メダルをロコソラーレがとってきて、今回そのチームは選考過程で負けて、オリンピック出場はかなわなかった。


カーリング男子は、実績が無いのであまり話題となっていないが、そもそも男子が弱い問題を過去に議論しなかったのか。


とにかく、スポーツを楽しんでいる立場からは、メダルを取って欲しい、と応援する気持ちが強いが、オリンピック開催中に選考方法が悪かった、などと発表されると興ざめする。


企業でもおかしな社長が選ばれていても、選考方法が悪いなどとと合併交渉中に発表しない。交渉相手企業から伝書鳩のような社長と言われても、一応社長であり、その職位に敬意を表すべきだろう。同様に参加している選手が弱くても代表に選ばれたのである。

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