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2014.02/18 パーコレーション転移(9)

100Hz以下のインピーダンスが増加すると帯電防止性能が向上する、という現象は、電気化学の素人からみると驚くべき結果だが、電気化学の専門家からは、帯電後の放電が直流的に起きるのではなく交流のように起きている、と考えれば当たり前の結果ではないか、となる。


すなわち自然現象を眺める時に、眺めている人の知識や経験が現象理解に重要であることを理解できる。同じ現象を見てもその現象を支配している本質の知識が無ければ見落としたり、現象の理解ができなかったりする。


この逆もあり得るわけで、現象の本質について知識がありすぎるために見落としてしまう、あるいは新しい考え方ができなくなってしまう、という場合だ。STAP細胞の発見はまさにその例で、小保方さん以外に同じような実験を行っていても皆STAP細胞のヒントを見落としていたが、小保方さんは素直に現象を捉えイノベーションに結びつく発見を行った。


知識があっても無くても自然現象における新しい発見を見落とすことになる。発明や発見を左右するのは知識の量ではなく自然現象との関わりあいに対する意欲だろう。このインピーダンスの実験は、疑問を持った若い担当者とその疑問に答えられなかった上司が、特許出願だけでなく科学的にも現象を明らかにしたいという意欲を持ったことにより始められた。


低周波数領域のインピーダンスと灰付着距離との相関が普遍的な真理かどうか確認するために入手可能なフィルムを使い多数の実験を行い精度を高めた。その結果、相関係数が1に近いデータ群が得られた。一方、サンプル数が増えるにつれ、表面比抵抗とゴミ付着距離との相関は小さくなっていった。(続く)


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カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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