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2021.09/17 二審で労災認定

トヨタ社員40歳の自殺が二審で労災認定となった、というニュースが流れた。最近の自殺事件ではなく10年ほど前の事件だが、トヨタのような優良企業で自殺者というのが不釣り合いで、さらに労災かどうかで争われている。

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トヨタに限らず最近は業務上の自殺に関するニュースが多い。有名なところでは忖度で争われている財務省の事件も書類の改ざんで自殺である。

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当方がかつて勤務したゴム会社研究所は、現代の尺度でとらえるとパワハラセクハラなんでもありだったように思いだされる。当方は高純度SiCの半導体治工具事業を立ち上げたときに様々ないじめにあい、FDを壊されてそれが隠蔽化されるというのでさすがに命の危険を悟り転職している。

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FDの壊され方がすごかったが、そのような事件がおきるような職場でも12年間自殺者はいなかった。ただし、鬱を発症する人は他職場に比較して多い、といううわさがあった。また、鬱を発症すると職場異動になっていたので、それなりの労務管理がなされていたのだろう。

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また新入社員の3か月間、残業代が出ないことが分かっていても自ら過重労働を行い、樹脂補強ゴムの実用配合を開発したところ、職場異動となり、指導社員が美人の女性に代わった。そして定時に帰宅するように躾られた。

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今の尺度で考えれば、逆セクハラで、望んでもいないのに業務後に食事に誘われた。美人との食事だったので思い出として悪くはないが、当時は高分子の勉強に燃えていたので少々迷惑だった。指導社員も結婚されていたので当方のために時間を使い大変だったのだろうと当時の状況を思い出している。

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あまり望まなかった指導社員との定時後の食事以外に新入社員時代には責任を問われないので力いっぱい仕事をやれ、と研修で役員から檄を飛ばされていたが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作を成功させたときに始末書を書かされた出来事は、明らかにわけのわからないパワハラである。

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当方が命じられてすぐに始末書を書かないので、周囲は新入社員による上司いじめと揶揄した人もいるが、命じられた成果を出したのに始末書を書け、という論理が不明だった。また工場試作の調整や決定を新入社員ができるわけでもないのに、なぜ当方が始末書を書かなければいけなかったのか理解できなかった。

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世界初の試作は成功していたのだ。ただ大きな問題点は世の中に存在しなかった世界初の化合物を当方が合成して用いていたことである。ところがこれは最初の企画説明で大変難易度の高い「研究」であることを説明していた。当方が簡単に実験を次々と成功させて半年もかからず試作レベルの技術まで仕上げたことが問題だったようだ。

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これを大した技術ではないと甘く見たのは上司の責任である。正しくは最初の3か月間の指導社員が神様のような指導をされたので当方のスキルが当時の上司のレベルを超えていただけなのだ。

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散々書く書かないで課長である主任研究員ともめた後、燃焼時のエネルギーでガラスを生成して難燃化するホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を添付する条件で理不尽な始末書を書いている。

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高度経済成長で誰もが元気だった。当方は上司に対してまともに対応したために、一晩で企画をまとめてこいと言われて独身寮で徹夜してホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画をまとめる様な事態になったが、上司のパワハラを馬耳東風とするつわものもいた。

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職場の環境がどれだけ悪くても命を粗末にするような選択だけはするな、と言いたい。八方ふさがりとなれば転職すればよいのである。出世された人が優れた人格者ばかりであれば、GDPがいつまでも上がらないような日本の状態とはならない。

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また、池袋の親子を事故死させても自分の責任としないエリートに最近判決が出たが、あのようなエリートが少ないのであれば、今の日本はもっと良くなっているはずだが、そうではないのだ。これは、人事評価を多面評価にしても改善される問題ではない。良くない社会の責任は、エリートの責任である、と言われたエリート意識の否定も一因かもしれない。エリートはエリートの自覚とその責任を社会に果たさなければいけない。エリートとは単なる高給を約束された立場ではないのだが、そうなっているからGDPが上がらないのである。

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かつて話題になったスーパーボランティアの方のような人を単なる話題ではなく、誰もが本当に称賛するような社会とならない限り、日本は変わらないのである。偽善で成り立っている社会を描いた映画エレファントマンに感動していてはだめである。真の愛ある社会なり組織としなければ、よくはならない。ゴム会社がグローバル化する前はどこかに愛があるような幻想があった。例えば始末書でもめているときに周囲には声援を送ってくれる同僚がいた。FD事件を明らかにしたときに、周囲は沈黙した。これが12年間の組織の変化である。当方は死を選ばず転職している。それもセラミックスの専門を捨てた転職である。一応ゴム会社には忖度したので円満退社だそうである。

カテゴリー : 一般

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2021.09/16 高分子の熱膨張

金属やセラミックス材料と比較して難しい高分子材料の物性に熱膨張がある。この熱膨張に関して実戦的なセミナーが今週金曜日に技術情報協会主催で開催されます。

WEBセミナーであり、2人講師のため、当方の担当時間は2時間弱である。そのため参加者の希望により補講サービスの特典を弊社で計画している。明日の予定ではありますが、本日中に弊社へ申し込まれても講師割引の特典がございます。

技術情報協会へ直接申し込まれても、その旨をお伝えしていただければ大丈夫です。セミナーの補講については初めての試みですが、セミナーでは説明しずらいという理由よりも、テーマが基礎的内容より品質問題まで含めた幅広い知識を要求されるためです。受講者が困っている問題についてセミナーの中で情報不足となることを懸念して計画しています。

カテゴリー : 学会講習会情報

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2021.09/15 学位論文

「リン、ホウ素及びケイ素化合物を用いた機能性材料のケミカルプロセシングとその評価」は、中部大学渡辺先生が提案してくださった論文のタイトルである。

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当初英語論文を寄せ集めまとめただけの学位論文下書きが有名国立大学の先生のご指導で出来上がっていたが、転職時のごたごたで一時学位をあきらめた。しかし、中部大学で改めて学位取得のチャンスができたので、新たに書き直すことになった。

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そのとき高純度SiCの研究論文はじめ英語で書かれた論文を日本語で書き直すように指導された。その理由は、コピペ防止である。当時から、論文は英語で書くことが推奨されていたので、大学4年の時のJACSへの投稿論文や修士論文を英語で書いていた。

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だから、学位論文を英文でまとめることに抵抗は無かったし、そのほうが簡単だったのだが、英文は英借文とよんでも良いような文章であり、中にはコピペと言われかねない文章もあった。

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ところが一度英語でまとめられたものを日本語に直す作業は簡単なようで難しい。原因は化合物名や専門用語の日本語にある。適当に日本語で訳すわけにはゆかず、翻訳のルールがある。さらに、学位論文の表題が変ったのだから大変である。

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特許のような適当な日本語では、学位論文を書けない。むしろ英語の方が簡単な理由は、専門分野には英語論文の方が多いからで、そこから英文や化合物名を引っ張てくれば、簡単にまとめられる。うっかりするとコピペになるので注意を要するが、日本語よりも英語でまとめる方が簡単だと内心思っている研究者は多いのではないか。

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日本語への書き直しや論文タイトルの変更など苦労して学位論文をまとめてよかったと思えるのは、このことがきっかけで、プロセシングの重要性に改めて気がついたことである。企業で材料の研究開発に携われば多くの人はそれに気がつくはずだが、その体系化までは考えない。

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学位論文をまとめるためには、一度それを体系化する必要があり、そのうえで自分のフィールドをまとめてゆく。安直に有名国立大学で学位を取らなくてよかった、と思えるのは、それが今飯の種になっていることである。

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ちなみに学位論文を100部印刷したが希望者が多く全部なくなった。それどころか、某出版社から出版の依頼が来たが、さすがに少し気恥ずかしく要約版の連載で承諾していただいた。

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「学位は足の裏についた米粒」(注)とよく例えられるが、当方の足の裏はいつもきれいにしていたので、その米粒を食べることができている。研究者が論文のゴーストライターのアルバイトをしていたのでは足の裏以外もけがれているだろう。

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(注)とるまで気になるが、とってみても食えない、という意味である。

カテゴリー : 一般

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2021.09/14 研究スキル売買

大学教授らによる「研究スキル売買」を行うサイトがあるそうだ。すなわち研究論文の執筆の見返りに料金を取る仕組みらしい。このようなことを考える大学教授が118名登録しているというニュース(毎日新聞デジタル版)に驚いた。

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当方がすべて企画し、実験装置も手作りにより論文としてまとめていた内容を勝手に自分の論文として執筆された先生がおられる。その先生には研究内容の説明をしたが、研究論文を書いてくれ、と依頼した覚えはない。

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ただ、学位内容を検討したいから研究内容を提出せよと言われたので提出したら、まだ未公開の内容について勝手に論文として出されたのである。

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ちなみにその先生には依頼していないので当方は料金を払っていないが、それ以外に他の先生から学位審査に関わるので奨学金を出してほしいと言われたりして、過去問題の束を下さったり論文を執筆するサービスなどあって楽に取得できたかもしれないけれど当方の思い描いた博士の学位審査の実体に幻滅し、その有名国立大学の学位審査を辞退している。

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研究論文数を稼ぐために自分が全然関わっていなかった他人の研究について、学位審査に託けて勝手に論文執筆する先生について憤りを感じていたが、論文の代理執筆で金をとる先生の出現に驚いている。

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しかし、これは論文執筆依頼者がいるという理由で、他人の研究を自分の研究のように勝手に論文執筆する先生よりは罪は軽いと思うが、やはりこれは法律に触れなくても犯罪行為に近いと思う。そもそも科学論文の執筆にゴーストライターは禁じ手である。

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科学や技術成果を発表するときにその内容は少なからず世界に影響を与える。何も世界に影響を与えないようなくず論文は、どんな三流紙でも受け付けないからである。

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出版不況の現代ではなおさらである。誰も読まないようなことが書かれた雑誌を有料で販売する出版社は無いだろう。ゆえに有料で販売されている雑誌の執筆者は常にその内容について責任を負う必要があるので、STAP細胞の時に捏造などが問題にされたのだ。

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当方の論文を勝手に書いた先生は、大変いい研究内容だから、と褒めてくれたが、大変いい研究ゆえにその先生は自分の名前をちゃっかりトップに書いておられる。

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確かに高純度SiCの新規合成法の研究は、当方が言うには少し恥ずかしいが、日本化学会化学技術賞はじめ多くの受賞をゴム会社が受けているので素晴らしい成果だと世間に認められた。電気粘性流体よりも受賞した数は多い。ゆえに自分の研究にしたかった先生の欲も理解できるが、研究者としてやってはいけない行為だ。

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他人の研究を勝手に論文にしたり、ゴーストライター、さらにはSTAP細胞における学位審査のごたごたなど、このようなことが公然と行われるようになった科学の時代について疑問を持ってほしい。当方も研究スキルを販売しているが、当方はゴーストライターのようなことを請け負っていない。(ゴーストライターは名前を出さないが、自分が関わっていない研究を勝手に自分の名前をトップに論文として執筆するのは、犯罪と同じであることを警告しておく)

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2021.09/13 45歳定年制

サントリーホールディングズ社長が提案されている45歳定年制は、そのうちに実現されるに違いない。9月9日に開催された経済同友会夏季セミナーの話題がニュースとして報じられており、それを読んで感じた。


ニュースでは、雇用市場やポストコロナ禍の経営が論じられたとあり、キーワードは、「45歳定年制」と「アジャイル社会」だそうである。発想が陳腐である。


今日本社会を建て直すために重要となってくるのは、競争社会における脱落者の受け皿であり、再教育の場である。これが今の日本社会には欠けている。また、経営の効率化と称して企業内の教育の場も狭められて来た。社内図書館を無くした企業も多い。


このような人材を鍛えなおす場を用意せず、組織から人材を追い出す施策を進めてゆくとどうなるかは明白である。当方が経験した組織内の仁義なき戦いが常態化し、他人のFDを壊すことを平気で行うような人材が増えてくる。


会社内を厳しくすれば20代30代で勉強するようになる、という発言がニュースに書かれていたが、発言している人が本当に20代30代にまじめに勉強していたのか、胸に手を当てて考えてほしい。20代30代は会社のために一生懸命になっている年代であり、その一環として同僚と遊んでいる時間が多い世代である。


当方は自己実現に努力したサラリーマンと思っているが、それでも勉強したのは冬の間の日曜日だけである。春夏秋の休日は同僚と海や山へ遊びに行ったのである。さすがに冬だけは勉強時間に、とウィンタースポーツには一切手を出すことを辞めたが、同僚の多くは、ウィンタースポーツも楽しんで出世していった。


組織の仕事では、自分が勉強していなくても他人の成果をうまく横に流せばそれで評価されるのである。多面評価では、むしろそのような人物は、効率的に業務を動かす能力として高く評価される傾向がある。これは会社の機能と組織の関係を考えれば自明である。そこでは露骨に行わないことが重要なスキルになる。


この10年、各種ハラスメントに対する企業の対応には目を見張るものがあるが、それでもこのような組織内犯罪と呼んでも良い無慈悲な扱いの被害者となり自殺を選ぶ者が絶えない。本来会社内の業務を推進していて自殺者が出るのはおかしい、という発想が欠けている。自殺の原因はパワハラだけではないのである。


トヨタではパワハラによる自殺者が出たために一気に人事評価を多面評価に切り替える、と報じられたが、多面評価に切り替えたから改善されるものではない。多面評価には表に出ていない、企業経営にとって致命的な欠陥がある。


弊社は社会の再教育の場を提供する企業として、細々と活動しているが、本来自分を磨く勉強は自分のポケットマネーで行うべきであり(注)、そのための社会インフラなり税制なりをまず変えなければいけない。


例えば働く人が自己啓発のために使った費用を所得控除として認めるとかする税制改革である。あるいは弊社のような企業に対する補助金対策や教育費用のサポート施策も重要である。


(注)当方は学位取得にあたり、ゴム会社にはいろいろお世話になった。すなわち有名国立大学に奨学寄付金をゴム会社は数年にわたり支払ってくださったばかりか、研究内容の社外発表にも配慮していただけた。しかし、本部長が交代し、FD事件が起きて転職したところ、有名国立大学の先生から転職先の会社からも奨学寄付金を納めてください、と言われた。退職金から出そうということも考えたが、論文を勝手に出された問題もあったので、潔く辞退した。その後学会の懇親会で学位の話が出たので一部始終話したら、中部大学の先生から審査料だけで良いから再度学位を目指さないか、と激励された。ところが、英語で出来上がっていた学位論文を日本語で書き直す作業も含め、学位試験までフルセットの指導が丁寧に行われて大変だった。適当に過ごしておれば取得できそうな過去の経験があったので、一時慌てたが、頑張ってなんとか学位を取得できた。ただし、審査料や交通費は自腹を切っている。中部大学の先生方の立派なところは、お礼はいいから社会貢献してください、と学位授与の時に言われたことである。お言葉に甘え、現在の会社の起業を志した。

カテゴリー : 一般

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2021.09/12 コロナ禍の異なる意見

ドラッカーは異なる見解こそ耳を傾けよ、と述べている。すなわち、組織内あるいは組織間で合意された見解に間違いやリスクがあるかもしれないからだ。異なる見解は、それを明らかにしてくれる。


倉持仁医師が、1年半のコロナ治療を数字で振り返り「感染症治療は早期の診断、隔離、治療介入により死亡はゼロにでき得る。この当たり前のことに今も気づいていない」とYouTubeで述べていた。


詳細はYouTubeを見ていただきたい。ご自身の今年3月から行った226人のコロナ患者治療において死亡0の経験から述べているのだが、説得力がある。


このような意見が、何故YouTubeで、と視聴者には疑問符がつくかもしれないが、30年以上の実務経験から、疑問符ではなく、今の日本で誠実真摯な医師の一人なのだろうと評価している。


医師と言う職業から黙って現状を見ておれないのだろう。本来は為政者がこのような見解にいち早く気づき、為政者の周囲の不誠実な担当者の見解よりもこのような見解に耳を傾けるべきだが、科学的に明らかになっていない分野ではそれが難しいし、「面倒くさい」と言うのが本音となる。


どうせもうすぐ辞任するのだから、という気持ちが少しでもあれば、このような異なった見解に耳を傾けていても面倒だ、適当なことを言っている医者の見解を採用しておけば責任を果たせる、とでも考えているのだろう。


大企業でもこのような流れになることが多い。当方のFD問題で隠蔽化された経緯だけでなく、そもそもゴム会社の研究所で高純度SiCの事業提案を行ったときには異なる見解として無視された。


無視していても、当方を留学させていると言い訳ができたからである。高純度SiCの事業提案では、たまたま無機材質研究所の先生方のサポートがあり、一企業の提案に留まらない良い提案であると認められたので、社長から直接2億4千万円の先行投資を頂けた。


その時のプレゼンテーションの場では事なかれ主義の研究所長にかわる新しい研究所長が出席されていた。研究部門の取締役も交代していた。おかげで新しい研究体制の6年間に住友金属工業とのJVと言う形で事業を立ち上げることができた。この体制が交代した直後にFD問題が起きている。


日本において倉持医師は異なる見解派であり、政治状況から無視される可能性が高いが、人の命がかかわっている問題だ。それを無視してこの見解を取り入れない政府の対応あるいは都の対応を人の命を軽視している、ととられてもしかたがない。

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2021.09/11 自動車にはエンジン

ホンダはAll電池の電気自動車へシフトする戦略を発表しているが、当方はSDGsの観点からこれを誤った判断のように思っている。おそらく技術が進展すれば、電池のエネルギーだけで動く車が、必ずしも環境負荷軽減に役立たないことに気がつくかもしれない。


日本に限れば、今でもそのような結論になるはずだ。燃料電池或いはエンジンを水素燃料で稼働させて走る車が環境負荷を最も低減できるとLCAのシナリオを作れるような時代が来るような気がする。


水素を燃料として用いるときの問題は、水素の調達の問題とガソリンエンジンと異なり燃料タンクが大きくなる問題である。ゆえに小型車には現在のところ水素燃料(注)の車の商品企画は難しい。


セラミックスフィーバーのさなか、水素で走る車が未来の車として本命視された時がある。その時の理由は、電池の充電時間と重量の問題が一番に挙げられていた。水素を燃料とすればこの問題はすぐにかたずく。


同じころにハイブリッド車の本命は、エンジンとモーターの協調動作とされた。すなわち現在日産が盛んに宣伝しているe-Powerは、エネルギー保存則の観点から効率が悪いとされた。しかし、日産の技術者の努力により、トヨタのハイブリッド車に肉薄する技術が開発された。


科学的に考えると効率が不利に見えた方式でも、技術開発の結果、エンジンのエネルギー効率の良い回転数だけを使って電池を充電しながら走れば、トヨタ方式に肉薄できる技術になるとは40年前想像できなかった。


実は日産の方式であれば、ガソリンから水素へ燃料を変換することも容易である。おそらく日産の技術者も考えているのだろう。そのような特許が日産から出願されている。


未来の車の姿が電気自動車であるらしいことは変わらないかもしれないが、その電気をどのように調達して走るのかは、まだ結論を出せない状態だ。あせって、電池だけで動く車に絞り込む愚だけは、避けてほしい。


(注)電気自動車は、電気をどのように生み出すのか、というシナリオによりLCAの結果は異なる。また原子力が環境負荷の極めて大きいエネルギー源であることは福島原子力発電所で証明された。原子力研究者たちに騙されていただけである。科学の問題はこのような嘘を提示されたときにそれが暴かれるまでに時間がかかることである。電気以外の自動車の燃料として水素が科学的に好ましいと言われているが、ダークホースとしてアンモニアがある。アンモニアであれば液化して貯蔵可能なので水素よりも燃料タンクの大きさを小さくできる。

カテゴリー : 一般

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2021.09/10 高分子の熱膨張制御

一般の高分子材料の熱膨張率は、金属やセラミックスに比較して10倍以上である。しかし、昔から高分子材料成形体の寸法精度についてニーズは高く、低熱膨張材料の研究が行われてきた。


しかし、光学部品で高い寸法精度が要求されるようなところには、金属やセラミックス以外の材料では設計が難しかった。そこで、20世紀末から低熱膨張率高分子複合材料や液晶ポリマーが開発されてきた。また負の熱膨張率材料との複合化も検討されたりしている。


ところが、熱膨張率の制御で古くから研究されてきたガラスでは、10倍以上の低熱膨張率化技術に成功して割れにくくなったガラスや、高密度化したHDの円盤が金属からガラスに置き換えられたり、半導体分野にも用途が広がり20世紀末に実績が増加したが、高分子材料では今一つである。


これは、それなりに理由があるのだが、現状の高分子の低熱膨張化技術と何が問題となっているのかにつて技術情報協会主催のWEBセミナーが1週間後開催されます。そこで、当方の学位論文のデータも含めた資料で講演します。詳細は弊社へ問い合わせてください。


講師割引を主催者と調整しますので、弊社へ申し込まれますと10%程度安くなります。また、弊社へお申し込みの方に限り、事前と事後に弊社へ直接質問できる特典があります。

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2021.09/09 材料の科学と技術(3)

機能は材料の構造因子を媒介変数として発現している、とイメージして現象を眺めるのが材料開発のツボである。これ以上は、弊社に問い合わせていただきたいが、機能から組成を直接想像しようとしたり、その逆に組成と機能を直接結びつけるような体系を創ろうとするのは、怪しい科学の姿勢である。


材料において組成と同様にプロセシングは機能発現に重要な役割をする。プロセシングは重要であるが、何故かアカデミアであまり研究に積極的ではない。


材料科学の視点でプロセシングが重視されない理由として、科学として取扱いが難しいためと思われる。難しいから重視しないというのは、研究者の姿勢としていかがなものかと思うが、機能にとって組成は必要十分条件ではないから機能から組成を決めることはできないが組成が決まれば機能が決まる、という詭弁だけは使わないでいただきたい。


もしそのような詭弁を使っている科学者がいたなら、弊社が教育指導する必要があるかもしれない。弊社が教育指導している材料科学の内容と異なるからである。間違いを標準にされると弊社が困る。


特定の組成でどのようなプロセシングを経過しても特定の構造1種類しか形成しない場合に限り、組成から機能が決まる、と言えるが、それが保証されていない時には、組成が決まったからと言って特定の機能が決まるわけではない。


例えばジルコニアでは、組成が決まっても高靭性という機能が決まるわけではない。それなりのプロセシングを行わない限り、高靭性ジルコニアを製造することはできない。


PPS/6ナイロン/カーボンの組成をバンバリーで混練する場合には、さらに複雑で、バンバリーの操作方法で発現する機能は変化する。すなわち、プロセス機器を決めてもその操作手順が変われば構造が変化して機能が変わるのである。


具体的に説明すると、高性能な混練機を購入しても、そこで発生する剪断流動や伸長流動を理解していなければ、コンパウンドの構造制御などできない。剪断流動や伸長流動を制御しているのは、スクリューセグメントだけではない。


組成を決めて、ハードウェアーを揃えたのにそれでも目的とする機能のコンパウンドができないケースでは、弊社にご相談ください。科学ではアイデアを出せません。技術的手法でアイデアを見つけ、見つかったアイデアに対して科学的研究を行わなければいけません。


高分子材料では設備を購入してもプロセシングのソフトウェアーが無ければ、機能発現が難しいケースが存在する。セラミックスから高分子材料まで研究した経験があるのでそれを当方は、この欄でアドバイスしている。


弊社では技術指導をしているが、材料科学に潜むいくつかのこのような誤解も指摘している。その過程で困るのは、アカデミアで材料科学について詭弁を使われる先生がおられることだ。詭弁だけならよいが、当方の研究論文を勝手に当方の名前を末尾にして論文を書いてしまうような先生もいた。


これを科学者と技術者の人間性の違いと言いたくはないが、当方のFDを壊した人間は、企業の優秀な科学者だった。このような経験から研究分野にも誠実さは重要である、と言いたい。材料技術では誠実に開発を行わない時には、市場の顧客を失い持続的な開発が難しくなる。

カテゴリー : 連載 電気/電子材料 高分子

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2021.09/08 ギターの練習用アンプ

20年前、ギターの練習用環境に変革をもたらしたのは、LINE6のPODである。多数のエフェクターやアンプシミュレーターを一個のチップで行っていたPODは信号の遅延が指摘されていたが、練習用機器としてだけでなく音色コントロールが容易で、新しい音色を出すことも可能となったので、そのままステージで活用していたミュージシャンもいた。


このような商品が投入されたにもかかわらず、練習用アンプとして真空管アンプがいいとか、やはりスピーカーは10インチ以上欲しい、とか古くからのユーザーの議論があり、各社それを満たすための様々な機能の製品を市場に投入してきた。


PODの成功はDXの始まりであったが、この数年5インチ前後のスピーカーを2個搭載した練習用アンプが主流になりつつある。安いものでは3万円前後から購入でき、そのスペックに記載された機能の豊富さを見ると大変コストパフォーマンスが高い。


この安価で小さなスピーカーがどれだけすごいのかは、音だけでなく実際に使用してみると理解できる。すなわち20年前のPODとアンプ、スピーカーを合体した機能を越える製品だからである。当時PODは5万円前後していたので、道具をすべてそろえるのに10万円前後かかったのに、それが今では3万円程度で1式入手でき、さらにコンパクトだからヒットするのは当然である。


これを可能にしたのはデジタル技術である。すなわち、音の制御をすべてコンピューターで行い、増幅もデジタルアンプで低コスト(今50Wのデジタルアンプは2000円前後で手に入る)である。


音の制御をコンピューターで行っているから、ソフトウェアーのアップデートによりコストをそれほどかけなくても機能アップが可能である。最先端の機器ではスマホと接続しコントロール可能で、さらにお気に入りのプロのミュージシャンのアンプやエフェクターのセッティングをすぐに試すことができる。


さらにクラウドを活用したアップデートはアジャイル開発を可能とするので、新規参入も超スピードで可能となっている。これがDXの怖いところである。音楽用機器とホームオーディオ機器の垣根がなくなるかもしれない。


オーディオ市場は、20世紀型の市場は高級嗜好品に追いやられ、DXにより魅力的な商品が多種類登場している市場とみることができる。オーディオ市場はシュリンクしたのではなく、DXにより多種多様化したのではないか。安価なTVにオーディオ機能満載の商品が出てきても良いように思う。

 

カテゴリー : 一般

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