一軸押出機や二軸混練機は連続式混練機として使用される。着色目的で顔料程度の分散ならば一軸押出機でも構わないが、フィラーの分散やポリマーブレンドになると二軸混練機を使用しなければいけない。また二軸混練機でも十分な目的を達成できない場合がある。
この技術において難しいのは、「不適切な使用」をしているかどうかが分かりにくい点である。「不適切な使用」という表現にした理由は、100点満点の使用条件を当方でも出せないからである。
そもそも連続式混練機そのものが不完全なプロセスであることが知られていない。完全な混練プロセスがあるのかと言うと、どのような状態を100点満点の混練とするのかも明確ではない。
中間転写ベルト用コンパウンドを3か月で0から仕上げるにあたり、最初に行った仕事は、コンパウンドの混練状態の目標設定である。ベルトを押し出してみて、ベルトの周方向抵抗がばらつかないようなコンパウンドがゴールとなるわけだが、これをコンパウンド段階でどのように品質規格として設定するのか難しい問題だった。
二つの指標を設定して品質規格としたのだが、最初の一か月は大変だった。カオス混合装置がうまく機能するようになって安定化してきた。ただし、これはタグチメソッドの成果であり、二軸混練機本体がどのように改善されたのかは不明だった。
ただ制御因子から、いくつかの機能が推定され、コンパウンド工場が立ち上がった後にゆっくりと研究を行った。二つの設定した指標も適切な指標であり、特に一つはSN比で表示したのだが、二つの指標の間に相関性が認められ、結局SN比の指標だけで1年ほど品質管理を行い、安定化したのでこれも取り払っている。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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巨人の監督として長嶋茂雄氏は有名である。川上哲治氏も記憶に残っている巨人の監督だが、原監督も彼らと並ぶ評価を得ているのだろうか。巨人の監督年数が長い。
今回の中田問題について、原監督は今季限りなので中田選手を採る決断ができた、という記事があった。すなわち、セリーグの優勝を目指すためになりふり構わず採った、というのだ。
本当にそうかどうか知らないが、また巨人ファンでもないので巨人の優勝にも興味はない。ただ、中田氏という問題のある選手を更正させようと決断したことだけは評価している。
企業でもそうだが、問題のある優秀な人材を切り捨てることは簡単である。しかしその優秀な人材をうまく使いこなし、更生させて真の優秀な人材として成長させるとなると難しい。
転職した時に高分子基盤技術を研究開発する部署に配属されて研究開発管理部門のリーダーとなった。その翌年の新入社員で優秀な人材がいたが、実業団のスポーツに熱心で仕事は指示待ち族状態だった。
新入社員時代ならばそれでよいが、やはり能力を期待して採用した優秀な人材だったので、実業団の選手としてサラリーマンを終わらせるのはもったいないと思った。
ちょうど社会人ドクターコースが話題になっていた時代なので、そのコースへその人材を放り込んでみた。無事人材として育ち、学位を取得してくれた。その後は説明の必要が無い活躍をしてくれて、日本化学工業協会から賞を頂けた。
中田氏は腰痛問題を抱えているだけでなく、今シーズンは大不振であり、さらにそれが原因で暴力問題を起こしたかもしれない選手である。今シーズンだけを考えて採るには大変リスクがある。
中田氏が巨人移動後、おそらく原監督のネゴだろうと思われるが、長嶋終身名誉監督が中田氏を激励するために現場に現れたらしい。そして打ったホームランである。巨人首脳部が原監督に信頼を置くのも理解できる。
(注)中田選手の移籍について批判は多い。暴力事件は、それを起こした当人が悪いのは当たり前である。しかし、当方は栗山監督が原監督に頼み込んだ点を重視している。暴力事件を起こした中田選手が謹慎すべきかどうかは、その背後の事情にもよるだろう。栗山監督を信用すれば、暴力事件には、何か裏がある。30過ぎの大人が原因も無く殴りかかるようなことはしないだろう。FDを壊された体験から申せば、2枚まで会議直前に壊されたことを我慢したが、3回目に犯人しか触れることのできないFDを当方の会議資料の入ったFDにベタコピーされて、翌日の会議資料が作れなくなったとき、仕方がないのですべてを会議の席で事件の顛末を話した。犯人を名指しするようなことなので、このようなことをやりたくは無かった。本来は2枚壊されるまでに相談していた管理職の方が問題解決をしてくださったなら転職するまでには至らなかった。企業内の問題は、問題が発生した時にすぐに問題解決をしておくことが大切である。30年以上前の事件ではあるが、組織内で事件が起きたときの参考にしていただきたい。中田選手の問題も事前に兆候があったはずで、それを栗山監督は把握していた可能性が高い。中田選手は暴力事件を起こしたので悪いが、ステレオタイプ的に処分すべきかどうかは、チーム内の問題である。規則通り運用すべき問題でも、同情すべき余地が大きい場合にどうするのか、難しい問題である。これは中田選手を擁護しているのではなく、問題解決にあたり、誰もが幸福になる解決方法を見つけるのは難しい、そこを話題にしているだけである。新入社員研修における役員の講話で「火中の栗を拾うような人材を求めている」というので、セラミックスフィーバーのさなかゴム会社の研究所で高純度SiC半導体治工具事業を企画し立ち上げた。その後は研究所でひどい目に遭いながら住友金属工業とのJVまで立ち上げたのである(小生退職後、この仕事は一部の電気粘性流体担当者たちが担当している。さらに学会賞等他の賞の推薦文を読んでみても、役員交代後研究所の隠蔽化体質となり、そこに何か裏があったと、疑われても仕方がない。)。耐久性問題について科学的な否定証明を行うなどアカデミアよりもアカデミックに研究が進められていて、事業として立ち上がっていなかった電気粘性流体についても実用的な技術を開発している。組織の中で火中の栗を拾い、大やけどを負っても何もいいことが無かった身から見れば、中田選手はうらやましい限りであるが、栗山監督と原監督の心中を思うと、世間から批判の嵐が起きる様な大変なことをしていることをよく理解できる。中田選手を腐らせて捨てる野球界の損失の方が大きいと判断したのだろう。今の日本はこのように人材を活かしてGDPを上げるように社会が動いてゆかなければいけない時代である。もちろん、ルールは大切である。暴力も反対である。
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Δ株の発祥地、インドの感染者数が激減しているという。集団免疫を獲得したためらしい。ニュースによるとインド人の70%から抗体が検出されたという。
これをめでたしめでたしのハッピーエンドの事例と見てよいのだろうか。今年の5月に感染者数のピークを迎えたインドは、最近その数が激減してきた。おそらくこのまま収束するのかもしれないが、ワクチン接種を2回した人は1割に満たないという。
人口13億人のインドで9億人が集団免疫を得た結果、コロナ騒動は収束に向かっているようだが、そのために推計340万から490万人の人が、コロナ感染で亡くなったという。
1%の死者を覚悟すればウィルス禍をやり過ごすことができる、という事例と捉えてはいけない。スペイン風邪はおそらくインド同様の収束の仕方をしたのだろうけれど、正しくは死者を如何にして少なく収束させるのかを考えなければいけない。
科学的にわかっている手段はワクチン接種である。若い人の中には副反応を恐れてワクチン接種をしない人が多いと聞く。しかし、人口の65%以上が抗体を持たないとコロナ禍は収束しないのだ。健康に自信のあるかたは是非ワクチンを接種してほしい。
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スポーツ報知の栗山監督インタビューはじめ昨日は中田翔の巨人移籍後第一号ホームランに関する話題が多かった。日ハムの中田問題について当方は知らなかったので、特にこの問題に触れるつもりは無かった。
しかし、いくつかの記事の中に今回の中田選手の起用が早すぎる、という意見があった。巨人が逆転優勝を狙って補強を図った、という説も出ていたが、これは半分外れていると思う。すなわち補強目的が第一の理由ではなかった、ということだ。
巨人の1塁については選手補強が必要なのは外人選手の帰国時に言われていたが、とりあえずは38歳の選手が頑張っていた。すなわち、シーズン後でもその補強は間に合った可能性が高く、リスクのある選手を受け入れてチームワークを壊すデメリットの方が大きかった。
少なくとも当方が巨人の監督をしていたならばそう考えた。原監督ならなおさらそのような思考をしただろうと思う。シーズン途中でチームワークを乱し、選手のモラールダウンでもしたならばそれこそ大変だ。
諸事情を考慮すると、中田翔がまだ5年は野球選手として活躍すべき人材であることを栗山監督も原監督もそして巨人の選手たちも考えたからに違いない。すなわち、彼の過去の実績からすれば、ユニフォームを脱ぐにはまだ早いのである。
この人材第一で行われたのかもしれない移籍について、暴力問題がまだかたずいていない、とか巨人のチーム事情を優先したとか、ステレオタイプの批判は当てはまらない。
暴力問題については、現在のところ被害者側だけの情報が表に出ている。もちろん、どのような事情があっても暴力は許されないのだが、中田選手と被害者との人間関係が見えてこない(注)。
当方はゴム会社で会議前になるとFDを壊される嫌がらせを受けた。我慢をしていたが、犯人の名乗りをするような大胆なFDのベタコピーをして会議資料を消された時には、会議の席でFD問題を公にしている。しかし、それは隠蔽化されたので、結局転職した。
中田選手の問題をこの体験から考える時に、セラミックスのキャリアの当方にはセラミックス企業の転職先は多かったが、会社の規程にそった当方の専門外の高分子技術を前提とした企業の転職先が皆無だった。
このような事情からセラミックスの専門家であった当方を高分子の研究所の人材として転職を受け入れてくれた写真会社に感謝の念が湧く。中田選手の問題については原監督が最も悩んだに違いない。そして決断したのである。
人は過ちを犯すことがある。それが罰せられるのは当たり前だが、その更生の機会や状況について様々である。今回のように周囲が親身に考えてくれるような状況は大変幸せなことであり、中田選手は人生で最も幸せな体験をしているのかもしれない。
(注)中田選手は、今回金髪から黒髪に染め直している。彼はどちらかと言えば、お山の大将的人間なのだろう。あれだけの実績を出していたのだから、天狗になっても仕方がない。本来は、監督なりコーチなりがその生き方を指導しなければいけない。日ハムは若手中心のチーム作りのようで、そのようなチームで中田選手が人格者ならばよい見本となるが、やんちゃなお山の大将の場合に若手の中には快く思っていない場合がある。彼ほどの選手を無償トレードで出す監督の気持ちを思う時、中田が振るった、とされる暴力の真相が、「暴力だから悪い」とかたずけられる問題ではなかったのだろう。当方はゴム会社の研究開発本部長がFD問題の隠蔽化の姿勢をとった時に、当方の研究所に置かれている立場を悟った。高純度SiCを基盤技術が0の状態から住友金属工業とのJVとして立ち上げ、研究所としては当方は大きな成果をあげた。一方で、同じころに企画された電気粘性流体の研究は、6年経っても基礎研究のような状態だった。この仕事を高純度SiCのJVを抱えながら、耐久性の問題の解決や実用性のある性能に仕上げる仕事を一人で推進するのは大変だったが、弊社で販売している研究開発必勝法を完成していたので、傾斜機能粉体などの開発で実用化レベルまで半年で持ちあげた。そのころFDが壊され始めたのである。犯人の気持ちを思う時、当方をよほど嫉んだに違いない。ただ、当方としては職務として成果を目指しただけであったので謝罪だけはしてほしかった。中田翔の問題では、暴力をふるってしまった中田選手が一番悪いのだが、その解決を喧嘩両成敗となるような状態に持っていけないようにした「影の暴力」の存在を感じる。実は表に現れる暴力よりもこの影に隠れた暴力がこれからは問題になってくる時代ではないかと思う。当方のFD事件は、当方の転職で終わらなかった。その後も様々なドラマが高純度SiCの事業では起きた。「神様は見ている」とよく子供の時に聞かされたが、様々なドラマを第三者として見てきて、母親の言っていた神様とは誠実真摯に行動してゆくことではないかと思った。中田選手は日ハムファンへの挨拶がまだ残っているが、これをどのようにするのだろうか。もし巨人の選手だから省略としたならば、悪く言われるかもしれない。
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タイヤではワックスが常時ブリードアウトすることにより、皮膜となり外観の美しさと紫外線によるゴムの劣化防止に役立っている。このようにブリードアウトしてほしいケースは他にもある。
成形体の帯電防止を実現するために表面にうまく帯電防止剤がブリードアウトするような材料設計を行うが、これが意に反して設計通りに行かず、帯電防止性能の品質問題を引き起こしたりする。
実験室ではうまく帯電防止剤がブリードアウトして表面比抵抗を下げてくれたのに、市場では材料設計通りにブリードアウトせず、品質問題を引き起こす。よくある話だ。
この時にも拡散法則から問題を考えようとする人がいる。科学教育の弊害だと思っているが、品質問題を考えるときに、しゃくし定規に科学的に取り組む姿勢を改めた方が良い。科学はもう常識なのだ。
品質問題が起きて研究所にその解決が依頼されるときには、現場を見てきた人はもう科学的に問題を考察し、それで解決できなかった、ということがよくある。そのようなときに研究所の人間が改めて科学的な話を持ち出しても仕方がないのである。
ブリードアウトの問題は、科学的に考察していては解決できない場合が多い。やはり技術的に問題解決する姿勢を学ぶ必要がある。もしその必要性を感じられた方は弊社にご相談ください。科学の方法論はもう常識である。社会に出たら技術的な問題解決法を身に着ける必要がある。
当方は科学こそ唯一の方法という人物からFDを壊されるような業務妨害をされ、それを隠蔽化するという研究所の姿勢のために転職したが、もうそのような科学研究第一主義の頭では問題解決できない時代になった。人類が技術開発した歴史は、科学的研究の時代よりも長い。
知の歴史において、形式知に偏り過ぎた時代を反省し、経験知や暗黙知を総動員して問題に当たらなければ、ブリ-ドアウトの問題だけでなく環境問題や負の誘電率の問題など解決できない。
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音楽を楽しみたいというユーザーがいなくなったわけではないのに、オーディオ業界は消滅に近い状態である。最近発売されたオーラという車には、オプションとしてBOSE社のオーディオセットを組み込むことができる。
また、その上位にあたるアリアも同様であるが、アリアとオーラの違いは重低音用スピーカーの有無だ。オーラにはついていないがアリアにはラゲッジルームに重低音用の大口径ウーファーが搭載される。
音や振動の無い車を開発してきた技術者には理解しがたいオプションだ。わざわざ100Hz未満の振動を発生させる装置をオプションで選ぶ客が存在するからだ。
もっともアリアは電気自動車なので、エンジンが発生する低周波音は存在しない。ゆえに静粛な車内と言う密閉空間で良い音楽を、というオプション設定なのだろう。
車のオーディオについては、高級車で昔から良質なオーディオがオプション設定されていた。モーターショーでそれらを体験したりしてきたが、ホームオーディオの高級品のレベルに到達した商品に出会ったことが無い。
各楽器の定位など音場はうまく設計されているが、例えばバイオリンの響きなどがハイファイと言い難い。エレキギターなどの電子音楽を聴いている分には良いが、アコースティックな生音の再現になってくると、車用のオーディオでは難しいのだろう。
しかし、それでも満足、という人が30万円以上のオプション代金を支払い、高級オーディオを車に搭載する。このオプション代金があれば、音工房Zのキットと千石通商のキットなどでさらに高音質なオーディオセットを造ることができ、さらにおつりがくる。
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消費者庁が昨年6月に成立した改正公益通報者保護法に基づく具体的な運用指針を公開した。従業員300人以上の企業に勤める従業員、とりわけ管理職は、より一層誠実に職務に励むよう注意しなければいけない。
この措置により内部通報者が増加する可能性がある。企業内の慣例に基づき処理していた方法が通報される場合があるのだ。すなわち、企業内の慣例が世間の常識に反していてもそれに気がつかない人がいる。
例えば当方が体験したパワハラでは会議前にFDまで壊された。しかし、組織内の事件を隠蔽する慣例に基づき、隠蔽された。当時は内部告発などで告発者は不利な状況に置かれるような時代だったので、被害者である当方が転職をするより仕方が無かったが、今後は法律により保護されるようになった。
組織内の問題について誠実な判断をすればおかしいことでもそれが日常行われていると、その事件性に気がつかないことがある。誠実な行動を心掛けておればそのようなことは無いが、ドラッカーが言われたように誠実を理解していない人は多い。
誠実ならざる人は日常の習慣に不誠実な内容が存在してもそれに気がつかない。不誠実な内容で社会に悪影響あるいは個人の人権に危害が及ぶようであれば誠実な人が告発する時代になった。
企業活動が社会に与える影響まで論じるつもりは無いが、従業員300人以下は努力義務となっている。300人以上の企業は通報窓口を社会に公開する必要が出てきた。
マンションのくい打ち不正にしろ、燃費のごまかしにしろそれを犯した従業員は、悪事を働いた意識は低かったようだ。それは同じ会社に外壁定期メンテナンスを依頼した時に養生を忘れ玄関扉を汚してしまってもごまかす営業姿勢にも見られたからだ。
それが習慣となっていたから、くい打ち不正以外にも行動となって表れたのである。しかし、仮に習慣となっていても少しでも誠実さがあればその習慣の影響に気がつくことができる。
今、働く人すべてに誠実さが求められる時代になった。ただコンプライアンス違反を心配して帳尻だけ合わせておればよい時代は終わった。くい打ち不正にしろ燃費のごまかしにしろ書類上は問題なかった。数値をごまかしていた行為が問題となっている。いずれも大企業に勤める一従業員の行動である。
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ブリードアウトを科学的に取り扱う時に高分子中の物質拡散を問題とする。そしてこの問題を解いてみると科学的な拡散法則に良くあてはまる。
仮に生データがうまくあてはまらなくても、係数をかけたり足したりするれば、拡散法則にのせることができる。そしてうまく拡散法則にのせることができたら、このかけたり足したりした係数に考察を加えてまとめる。
科学のお勉強にはこれで良いが、製品設計の立場では、無駄な努力となる場合がある。婉曲に「場合がある」と書いている。そうしないと世間には怒り出す人がいるからだ。
実務上では拡散法則よりもブリードアウトした状態を問題としなければいけない。もし、材料設計上不要なものがブリードアウトしていたならば、それを取り除くと問題解決できるが、そもそもそのような余分な添加剤を添加しているぼけた材料設計をしている技術者は、21世紀にはいないはずだ。
必要があって添加していたものがほとんどのケースでブリードアウトして品質問題を起こしているのだ。この時科学で凝り固まった頭脳の持ち主は、拡散速度が遅い代替材料を探そうとする。ケースによってはそれで問題解決できたように見える場合があるが、品質問題が発生する時間を遅らせているだけだ。
もっともお客さんが購入した店を忘れるぐらいの時まで遅らせることができれば、品質問題に気がつかず製品寿命とお客様が諦めるかもしれない。材料設計するときにお客様が諦める時間を予測して対策を打つような技術者は誠意が無い。
やはりここはお客様が製品を使い続ける限り品質問題とならない対策を考える様な誠実さが欲しい。どう考えてみても対策ができない場合には、お客様の忘れた頃に問題となるような対策をとらざるをえないが、その前に弊社に相談していただきたい。
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当方は仕事中音楽を聴くながら族である。デスク周りにスピーカーが3セットある。1セットはギター練習用のアンプセットであり、2セットがオーディオ用である。この3セットのオーディオ用を事務所で使い分けている。
仕事に没頭すると聞こえなくなるぐらいの小音量で聴くスピーカーは、マークオーディオの付録スピーカーを使用した手作り品である。このスピーカーは音工房Zの販売した限定品のキットを使用しているのだが、すこぶるよい音がする。
トランペットは金管楽器としての音が、ウッドベースはあたかも木の響きまで聞こえてくるような分解能が高く歪率の小さいスピーカーである。他の一つはオルトフォンの60W耐入力高級スピーカーである。こちらのスピーカーは休憩中に大音量で鳴らして音楽に包まれたいときに使用している。
面白いのはこのオルトフォンのスピーカーで、小音量で聴いていると振動板の材質PPの癖が耳につくが、大音量にするとそれが消えて小音量のマークオーディオのスピーカーのような音になる。ただし老人性耳鳴りが無くなるほどの大音量ではあるが。
3セット目のギター練習用のスピーカーは1960年代一世を風靡したJENSENスピーカーを使用している手作り品で、オープンキャビネットはもちろん密閉式やバスレフにもなる箱に入れている。
箱の形式により、スピーカーの音色が変る。ギターの練習をしていると、なかなか進歩せず練習意欲が低下することがたまにある。そうすると箱の形式を変更してスピーカーの音色を変えるのである。
エレキギターのスピーカーはハイファイオーディオ用のように周波数特性などのハイファイ的制約は無く、音の音色が全てである。1960年代の技術そのままで作られたスピーカーの音色を色々変えて楽しんでいる。
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商品のマーケティング対象としてオーディオ業界は面白い。アナログからデジタルの変換が起きて銀塩写真フィルムの世界は急激にシュリンクして、4社寡占状態だったフィルム業界は富士フィルム1社が生産しているだけになった。
オーディオ技術に関して、例えばアンプ技術を見てみてもAクラスアンプ、Bクラスアンプと技術開発が続き、ABクラスアンプが登場したがこれらはアナログ技術である。デジタル化により登場したアンプはCクラスではなくDクラスアンプと呼ばれているが、写真フィルムのように過去のアナログアンプを駆逐することは無い。
それどころか、音楽供給メディアまでデジタル化されてもAクラスの真空管アンプが最高とかアナログレコードが最高とかいう声を聞く。もちろんこのような声は少数派であり、そのためこれらのニーズにこたえた商品は手作り以上のプレミア価格がついて販売されている。
世の中すべてがデジタルになってゆくのか、と思っていたら、音の出口となるスピーカーについてはデジタル化された製品が販売されていない。技術的にむつかしいからだ。
おそらくスピーカーは21世紀もアナログ技術の製品が使い続けられると思われるが、このような技術的制約がオーディオという商品には存在するが、それでもかつて活況を呈したホームオーディオの市場が高級品だけにシュリンクした事情を説明できない。
音楽愛好家は、今も昔も変わらずに存在する。ただし、TV番組を見るとその中身は大きく変わり、クラシック音楽愛好家は減少するととともに音楽のジャンルは単純ではなくなった。様々な音楽ジャンルとその他と結びついた音楽が溢れている。
クラシック音楽ならばコンサート会場という基準が存在したかもしれないが、それ以外の音楽については、ハイファイと言ったときの基準となる音が存在しないというのが実情だ。ジャズならばライブハウスが、と指摘する人がいるかもしれない。
しかしライブハウスはクラシック音楽のコンサート会場の様な基準となりえない。時として音楽と異なる雑音の存在も良い音の条件になったりする。このような状況でホームオーディオが目指してきた良い音と言う定義が怪しくなってきた。
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