活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2023.12/24 A=A+1とA==1

たまたま某大学教授が行っているプログラミングの講座をYOUTUBEで見てびっくりした。表題の意味を大学生が理解するために苦労するというのだ。


その語学講座のようなYOUTUBEの番組内容にも首を傾げた。相手は教え方のプロなので間違っているとは言いにくいが、プログラミング言語は、言語と名がついているが、コンピューターに作業を命令するための記号である。


数学でもない。プログラミング言語を学ぶとは、コンピューターへの命令をどのように記述するのか、を理屈抜きで覚えることが中心になる。確かに言語のように意味を与えて記憶したほうが覚えやすいが、それでもそれは手続きを表す記号を覚えているに過ぎない。


AIが登場したので、人間の言語のようなプログラミング言語が出てきてもよさそうであるが、それはまだ先である。とにかく今手軽に利用できるプログラミング言語は、コンピューターへ指令を送るための二進数を人間の理解しやすい表示にしただけである。


まず、それを正しく学生に指導しなければいけない。表題を正しく理解できない学生が多い、という説明を理解しがたいのだが、コンピューターを動作させるときに、メモリーへ値を入れる表現が「=」である、という説明ではいけないのだろうか。

ちなみに、右辺に書かれた内容を左辺のメモリーへ格納するという意味が、「A=A+1」であって、これは方程式ではない。


メモリーに値を入力する記号として「=」を使ったので、左辺と右辺が等しい時にTrueと出力する記号では「==」を使うのである。


すなわち、「A=A+1」とは、あるメモリー領域に入っていた数値に1を加えて、またそのメモリー領域に入力する命令を表しており、数学の「=」とは全く異なる用法である。というよりも、プログラミング言語と数学とは切り離して頭の中を整理していただきたい。


当方のPythonを説明する時には、まず、どのようにコンピューターは動作しているのか、という説明から行っている。あくまでもコンピューターへの命令の記号としてプログラミング言語がある、という説明をしている。

カテゴリー : 一般

pagetop

2023.12/23 Pythonセミナー

来年1月15日と17日にPython初心者用のデータサイエンス無料セミナーを開催いたします。Python導入用の予習テキストは、希望者に電子ブック形式で無料配布いたします。


内容につきましては、今年度外部セミナー会社様のご希望により開講いたしましたPython入門セミナーとデータサイエンスを組み合わせた教材を予定しております。


本来2日コースとなるものを1日コースにまとめて効率の良い教材を開発予定で現在準備中です。テキストは電子ブック形式で有料配布(10,000円)といたします。


セミナーで使用しましたプログラムは、テキスト購入者にはメールにて送付させていただきます。Excel365にもPythonが実装されました。技術者ならばPythonの利用は常識になってきました。


来年度は、各種データ処理に特化したセミナーが幾つか予定されており、現在テキストができつつあります。この内容も1月の無料セミナーには反映したいと考えております。


お申込みは下記お問い合わせフォームにて希望日を1月15日または1月17日と記載してください。

下記お問い合わせフォームからの送信が失敗する場合は、大変お手数ですがinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。


    カテゴリー : 学会講習会情報

    pagetop

    2023.12/22 ダイハツの不正問題

    ダイハツの不正問題について、奥平社長は「現時点で事故や問題が発生したという情報はない。自分としては、今まで通り安心して乗っていただければ」と答えているそうだ。


    これは様々な視点から問題を含んだ発言だが、おそらく、合格可能性が100%でありノルマとなっている試験を行わず手抜きをしただけ、という誤った”自負がある”のだろう。


    ニュースには、OEMの開発負荷が大きかった、すなわち短納期で開発しなければいけなかったことが原因で、不正は長期にわたることが報じられている。


    こうした不正が日常的に行われていたダイハツは、ある意味従業員にとっては楽しい会社だったのかもしれない。高純度SiCの開発や中間転写ベルトの開発経験から、そのような会社の風土を想像できる。


    そして奥平社長まで「手抜きせず試験を行っていても合格したはずの車だから安心してください」というとんでもない発言をしているのだ。もし、当方が奥平社長の立場だったなら、あのような発言はできない。


    さて、20年近く前の話となるが、中間転写ベルトの開発では、半年後に製品を出さなければいけない状況でコンパウンド工場の立ち上げを提案し成功させている。


    コンパウンド工場の立ち上げメンバーは、計画外の業務だったので新たに外部から1名中途採用で技術者を調達し、当方含め3名で行っている。当方も実務作業をしなければいけなかったので、部下の課長にすべて権限を委譲しての業務である。


    ヒト、モノ、カネは短期間で目途が立ったが、QMSのルールが難問として残った。すなわち、STAGE-GATE法に近い運営だったので、企画提案から所定のステップを踏み、製品化の承認を役員会で得なければいけないのだ。


    しかし、舅小姑の溢れた風土であり、手抜きをできる環境ではなかった。幸い品質管理部門も含め関係部署の協力が得られたが、それでも3か月で工場を立ち上げなければいけない。すなわち半年後と言っても遅くとも2か月前には工場が稼働していなければいけないのだ。


    ここは、弊社の研究開発必勝法を使い、1か月で立ち上げられる目途が立っている。予定では4か月で生産に入る計画だったが、デザインレビューで2回ほど審議やり直しとなり、ぎりぎり製品化に間に合わせている。


    審議などやり直しても新たなデータを出せるわけでもないのに、書類の完璧さを求めて容赦なしである。結局予備実験データも含めすべての実験データを出し尽くしてデザインレビューを乗り切っている。


    ただし捏造ではない。おそらくダイハツの場合には試験すら行っていなかったのだろう。当方は雑ではあったが、すべて社内の認証で必要とされる実験データは手を抜かず集めている。


    最も時間のかかる社外の認証試験には、中古混練機の設置が終わるや否や試作されたコンパウンドで製品を組み立て依頼している。工場の壁はじめ休憩室など完成していない段階である。ラインの稼働を最優先にしたのだ。


    サラリーマンとして評価もされなければ自ら担当者となって推進しなければいけないバカな提案(注)をしたことで、皆の注目を集めたプロジェクトだった。さらに見える化運動の真っ最中だったので、身内は大変厳しかった。


    特に権限を委譲した課長の一人が、当方を部下のように扱ったので悲しかった。しかし、関係部署の部長は皆優しかったので、これが救いだった。


    (注)今だから明かせるが、最大の功労者は暗黙知の段階だったカオス混合プラントに対して承認してくださったEセンター長かもしれない。工場建設とアイデアの具体化作業がコンカレントに進められた。これは外部からコンパウンドを購入していたので可能となった仕事である。某大手コンパウンドメーカーが当方のアイデアを受け入れず、勝手に工場でも建てて生産してもよいと言ってくれたのだ。不可能だと思われての発言だが、当方の研究開発必勝法をご存知なかった。その結果このコンパウンドメーカーは顧客を失うことになった。ゴム会社の新入社員の時から考え続けたカオス混合機の実用化チャンスが退職前にできたのは技術者として幸運なことだった。それでは、最初の提案企画書をどのように作成したのか。それはここでは明かせないが、捏造ではない。ダイハツとは異なり、企画書に掲載したデータは、シミュレーションデータからその検証データまですべて不眠不休の実験を行い出した実データである。ただし、演繹的に構築された企画書である。難解な企画書に押印されたセンター長に感謝している。

    カテゴリー : 未分類

    pagetop

    2023.12/21 仕事のやり方

    ドラッカーは、「日々の仕事は、問題解決である」、と述べている。これを初めて聞くと、日々そんなにたくさん問題が発生しているのか、と驚く人と問題が発生しない仕事を担当出来て幸せ、と感じる人に分かれる。


    その通りと、納得された人は、以下を読む必要はない。堺屋太一が「知価の時代」とか言い出す前に、またソリューションビジネスという言葉が流行するずっと前にそのような時代になったとドラッカーは50年以上昔から述べていたのだ。


    ここで仕事とは知識労働者の仕事であり、産業革命以降すべての労働は知識労働となった、と述べている。すなわち、「知」が資本財の世の中になった、というのである。


    産業革命以前に資本は、人、モノ、カネで語られたが、産業革命以降はこれに「知」が加わったのである。その結果、知識労働者は、日々「正しい問題」を見出せるように働かなければいけなくなった。


    面白いのは、20世紀末から起きた、仕事の「見える化」である。すなわち、組織が複雑になり、仕事も複雑になり、問題が見えにくくなったので「見える化」しようというのである。


    その結果、仕事のマニュアル化も進んだ。これはQMSの影響もあるだろう。ここで、新たな問題が発生している。それは何か。これにすぐ気がつかれた人は、知識労働者として優秀な人だ。

    カテゴリー : 一般

    pagetop

    2023.12/20 高分子の耐久劣化のセミナー

    表題に関して日刊工業新聞主催のWEBセミナーが1月に開催されます。弊社にお申込みいただければ割引サービスいたしますのでお問い合わせください。


    https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6917


    高分子材料の破壊につきましては、セラミックスや金属と異なりトランスサイエンスであり、他の材料では行われている非破壊検査も困難な状況です。

    カテゴリー : 学会講習会情報 宣伝

    pagetop

    2023.12/19 仕事のスキル

    研究開発業務でも営業の業務でも共通して要求される仕事のスキルとして問題解決法がある。30年以上のサラリーマン生活では研究開発業務以外経験していないが、ドラッカーの書にはこのように書かれている。


    それは日々の仕事そのものが何らかの問題解決だからである。新入社員であれば、指導社員の指導に従い、業務を遂行すればよいが、その時その指導社員が問題解決であると意識して指導していなければ新入社員に日々の仕事が問題解決であることは伝わらず、それは単なる定型業務として身に着けることになる。


    ドラッカーはそれではいけないと、その著書の中で述べている。トヨタ流の表現では「カイゼン」の重要性をドラッカーも古くから指摘していた。仕事の中に問題を見出し、カイゼンするのが知識労働者の仕事である。


    ドラッカー自身は高校卒業後すぐに社会人としてのスタートをしているが、最初から問題解決の意識で仕事をやっていた様子を語っている。そして、学びなおす必要を感じ大学へ進学し、コンサルティングの道を目指したという。


    すなわち、ドラッカーの膨大な著書は高校卒業後の実務経験がベースになっている、と見ても良いのかもしれない。彼が唯一組織の中で実務を担当したのはこの時期しかないからである。


    高校時代からドラッカーの著書を読んできたので、社会人になって受講したセミナーの大半がドラッカーをベースにしていると理解できた。最近のこの手のセミナーが、何をベースにしているのか知らないが、少なくとも40年ほど前はドラッカーがベースとなっていたセミナーが多かった。


    30年前に、慶応大学某教授が「問題学」を広めて有名になったが、これもドラッカーがベースである。ドラッカーの著書は、斜めに読むと問題解決法の書となる。


    そして彼の「何が問題か」、と問うことの重要性を知ることができる。正しい問題を見出すだけで問題解決の80%はできたことになる、というのは彼の有名な言葉である。

    カテゴリー : 一般

    pagetop

    2023.12/18 12月26日にデータ解析法WEBセミナー

    研究開発だけでなく実務を推進する時にデータの収集から解析までのスキルは必須である。DXの進展により、2010年から第三次AIブームとなりChatGPTが注目されている。


    来年にはChatGPTも含めた問題解決法のセミナーを開催したいと考えているが、その前に基礎編としてデータサイエンスの全体像を学ばれることをお勧めする。


    12月26日のデータ解析法のセミナーでは多変量解析を中心にデータ収集方法から解析方法までの手順を説明すると同時に、第三次AIブームで注目されているディープラーニングの手法も紹介する。


    Pythonの概略も解説するので、実務においてデータ処理のスキルで不安な方は是非ご参加ください。無料セミナーですが、テキスト及びセミナーで使用したPythonプログラムをご希望の方には10000円で配布いたします。



    カテゴリー : 学会講習会情報

    pagetop

    2023.12/17 20日混練セミナーでもとりあげます–

    ホンダ自動車のリコール問題において、高分子材料のプロセシングと物性との関係が重要であるが、このような問題は成形プロセスと製品との関係で論じられるケースが多い。


    しかし、高分子材料はプロセスの履歴を少なからず引きずり、原料のプロセシングが成形体物性に大きく影響することがある。セラミックスでも高分子材料でも原料のプロセシングが必ず成形体にも影響しているのだが、それが隠れているだけである。


    当方がこれまで行っている各種混練のセミナーでは、書籍のまとまりの関係から小生の著書にも含めていないリアクティブブレンドについて説明し混練というプロセシングを浮き彫りにする。


    今回起きた燃料ポンプのインペラがフェノール樹脂製かPPS製か知らないが、原料のプロセシングがどのような影響を与えるのか、退職直後E社の協力を得て採取したデータを基に説明する。


    また、これから作成する資料をテキストにも入れる予定(注)でいるが、今回の燃料ポンプに関連した特許の話題を刺身のつま程度に取り入れて、成形体密度がどのように耐久性に影響するのかも説明する。


    20日のWEBセミナーを申し込まれる方は、テキスト代10000円をお振込みの上、お申し込みください。テキストが不要であれば無料です。


    (注)テキストは電子ブック形式で提供しますので、改訂版を容易に提供できます。来年他社のセミナーで追加した資料も今後テキストに反映してゆきます。

    カテゴリー : 未分類

    pagetop

    2023.12/16 燃料ポンプの故障

    ホンダ車のリコールが発表され、部品を供給しているデンソーからは、故障原因と謝罪の説明があった。以前にも書いたが、材料系の品質問題が起きた時の部品供給側と自動車メーカーとの阿吽の呼吸のようなものを感じる今回の発表である。


    すでにこの問題で1名死亡事故が起きているので迅速なリコール対応となったのかもしれないが、できれば品質管理技術を向上しリコールの撲滅を目指すのがあるべき姿だろう。


    この点に関しては、1月に開催される日刊工業新聞のセミナーで弊社のコンサルティングの姿勢も含めてお話ししたい。弊社では、研究開発(注)あるいは開発設計段階から品質管理を徹底する指導を心掛けています。

    https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6917


    さて、このリコール問題について特許を調べたところ、PPSで製造されていた部品をフェノール樹脂で置き換える発明がデンソーから2017年に出願されている(特開2017-82116)。この発明は住友ベークライトとの共同出願となっている。


    もし、今回のリコールの原因となった燃料ポンプのインペラーがフェノール樹脂で作られていたならば、この発明が技術に用いられており、住友ベークライトが部品供給先と思われる。


    インペラーの材料はPPS製も考えられる。しかし、東レからPPS製インペラーの発明が単独出願され権利化されているが、年金の支払いが2021年以降無く権利が消滅している。


    このような特許の状況から推定されるのは、PPSの高価な部品を安価なフェノール樹脂製の部品で置き換えて、そしてその品質管理に失敗し今回の事故が起きた、というシナリオが見えてくる。


    ただし、当方は、今回のリコール対象部品がPPSなのかフェノール樹脂なのか知らないので、このシナリオは「妄想です」とコメントを残しておきたい。


    注意しなければいけないのは、フェノール樹脂とPPSでは、故障の原因となるメカニズムが少し異なるところである。前者は架橋型の樹脂であり、後者は熱可塑性樹脂だ。


    この両者で耐久性を議論する時に注意しなければいけない点(例えばフェノール樹脂にはOH基があり、これは親水性なので耐久試験を行う時にガソリンに含まれるわずかな水をどのように考えるのかーーー。)があり、1月のセミナーではそこを詳しく説明予定である。ご興味のあるかたは、弊社へお問い合わせください。


    なお、過去に当方が講師を務めるこのセミナーですでに時間温度換算則の問題や自由体積その他を説明しているので、熱可塑性樹脂と架橋タイプの樹脂で異なる点について今回の事故原因を気がつかれたと思います。今回のクレームがどちらの樹脂でおきているのかは不明だが、これまで樹脂部品を使ってきて問題が起きていなかった、と過去情報に書かれている。


    カテゴリー : 一般 高分子

    pagetop

    2023.12/15 ホンダのリコール

    デンソーの燃料送液インペラーの不具合でホンダ車の軽自動車のリコールが発表された。ホンダ自動車のホームページを見ると、問題の詳細が図付きで解説されている。


    早々とデンソーはそのミスを認め、樹脂の密度が低かったためにインペラーが燃料により膨潤し変形したと詳しく解説し、謝罪している。


    リコールの発表からその原因の詳細まで迅速だったことから、詳細な原因の解明がデンソー側でできているのだろうが、発表された説明を聞く限り、不安が残る。


    1月に日刊工業新聞主催のセミナーでもこの問題を取り上げようと思って、デンソーの特許を調べたところ、問題となったインペラーにはフェノール樹脂が使われている可能性がある。ただし、特許によればPPS製の可能性もあり、使用材料について不明である。


    ただし、フェノール樹脂については、ゴム会社に勤務していた時に1年研究し、そこから高純度SiCの製造技術を生み出している。フェノール樹脂について恐らく樹脂メーカーの技術者よりも当方が詳しい、と自信を持っている。


    特許にはPPSよりも膨潤しないのでインペラーに適していると書かれており、この記載から想像するとPPS製のインペラーを用いた製品があるのだろう。何やかやと興味がわいて調べていったところ、デンソーの技術者は、高分子の耐久試験に関しとんでもない誤解をしている可能性があることに気がついた。


    続きは、昨日この欄で紹介した1月のセミナーでお話ししますが、本件は40年以上前にデータが示された問題と類似であることをヒントとして書いておく。1月の日刊工業新聞で開催されるセミナーにつきましては弊社へお問いあわせください。

    カテゴリー : 一般

    pagetop