コンセプトについて説明途中であるが、企画を成功させるために、「まず、モノを持ってこい」と言われていたゴム会社の研究開発本部長の言葉を紹介した。
この言葉は研究部門では評判が悪かった。当方はセラミックスの事業化を進めていた時で、本来は事業化部門へ異動したかったが、この研究開発本部長に良い意味で飼い殺し状態だった。
とにかく粉(高純度SiC粉末)以外の商品を持ってこい、と半期に一度言われた。半導体治工具の商品であるSiCヒーターやSiCるつぼ、SiC発泡体、SiC切削工具、SiCウェハー(実際にはダミーウェハー)、SiC燃料電池用電極、SiCウィスカー、さらにはブームに流されて超伝導体やECDディスプレーまで作っている。
この研究開発本部長が退任される半年前頃に放し飼いにされた。すなわち、高純度SiCを売ってこい、と言われたのだ。営業経験は新入社員時代の研修における経験しかなかったので苦労した。
しかし、この営業活動で半導体治工具事業のきっかけとなる住友金属工業とのJVを立ち上げることができた。共同開発の社長承認を頂いた直後本部長が交代をされている。
その後、本部長が交代しこのSiC事業化の仕事と電気粘性流体の開発業務を一人で担当することになるのだが、新しい本部長はSiC事業化を認めていなかった(おそらく当方がギブアップするのを期待されていたのだと思う。精神的苦痛になるような行為もあった。)。
だから、一人で二人分の仕事をする必要があった。苦しさで死にたくなるような状態だったが、SiCの事業化を一人で担当しておりそれもできない。人生で一番つらかったのはこの頃で、コロナ禍で苦労している現在よりも辛かった。
思い切って自分の仕事のリストラを行った。その第一弾が、電気粘性流体用ケーシングゴムの開発を担当させられた時に、ゴムからのブリード物で劣化した電気粘性流体を復活させる添加剤を一晩で見出し提案している(注)。
その後も何かテーマを言われれば、すぐに結論となるモノを提示している。電気粘性流体用ホスファゼンオイルや傾斜構造の粉体、超微粒子分散微粒子、微小コンデンサー分散粒子などテーマを言われるたびに電気粘性流体の開発を促進するモノを提示していた。
そのような開発活動の中でFDを壊される嫌がらせを受けていたが、本部長は隠蔽化するだけであったので、結局転職の決断をしている。
転職の決断を出したのは、SiCのJVが次のステップに進み、当方一人の手に負えない状態になったことも一因として存在する。
仕事の妨害を受け、それを隠蔽化され、一人でできない量の仕事、明らかに異常である。当方が辞表を提出したことで研究部門の状態を社長の知るところとなった。
しかし、ゴム会社の状況は、世界5位の会社が3位の会社を買収し混乱している状態だった。ところが、社長はSiCの事業は継続すると約束してくださり、その言葉を信じて、基盤技術が無い状態から企画してJVまで立ち上げ、未練があったが転職している。
電気粘性流体の実用化に必要な粉体やオイル設計について当方が提案した技術の実体である「モノ」をそのまま使えたので、プロジェクトの人員に余裕ができ、電気粘性流体の開発を担当していた研究員がSiCの事業化を引き継いでいる。
(注)一晩でできた技術を否定する研究報告書が、極秘で出されていたが、その内容を知らされていなかったのが成功の原因である。完璧な否定証明を事前に見せられていたら、考え方を変えて実験し失敗していたかもしれない。皮肉なものである。人生とは、どのような環境でも誠実真摯に努力すれば、運が味方する、と実感した経験である。
そもそも何も添加剤の入っていない加硫ゴムなどできるわけがないことは、ゴム会社の研究員であればすぐに理解できる。それを企画した背景に完璧な否定証明が存在し、自分たちの否定証明が伝統として存在していたゴム技術よりも優れている、といううぬぼれが推進者にあった。常に謙虚に成果を受け止めないと常識はずれなアイデアを出すことになる。常識にとらわれないアイデアと常識はずれなアイデアとは異なる。常識をわきまえた常識にとらわれないアイデアこそ歓迎される。
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最近はコロナ禍の影響でWEBセミナーを依頼されるケースが多くなった。WEBセミナーで困るのは、聴講者の反応をつかみにくいのと、長時間カメラに向かって一人でしゃべり続ける苦痛である。
これは未経験のことを行おうとするときの加齢による問題が大きい、ということを理解できたことが無料セミナーを行ってみた感想である。
企業の方とWEB会議を行う時には双方向であり、相手の反応は声だけでも把握できる。しかし、WEBセミナーでは聴講者が画像を閉鎖しているケースが多い。
無料セミナーでは結局どのような方が聞かれていたのかわからなかったが、収穫がありました。早い話が慣れること、これが重要であることを改めて学びました。
来月また土日を使い、WEBでの無料セミナーを企画してみたいと考えています。参加をご希望される方は、弊社へテーマとともにお申し込みください。
予定しているテーマは下記の通りです。なお、時間は2時間で9月26日(13:30-15:30)と27日(13:30-15:30)を予定しております。
<予定テーマ>
1.9月26日(土曜日):高分子材料の初歩(初めて学ぶ高分子的イメージ)
2.9月27日(日曜日):ヒューリスティックな問題解決法
今回のセミナー募集は終了致しました。
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実験は、仮説を設定して行えと言われていた時代がある。今でもそのような掛け声を企業の中で聞こえたら、この会社には明日が無い、と思った方が良いかもしれない。
確かに仮説を設定して行う実験も時には必要になるが、真理の確認よりも新しい技術を生み出すためには、コンセプトに基づく実験こそ重要である。
1990年前後から日本でもそのような実験が行われるようになってきた。タグチメソッドはコンセプトに基づく実験をルーチン化したメソッドである。
田口先生は、基本機能の選択は技術者の責任、といつも言われていたが、この一言で困惑していた技術者は多い。科学者はタグチメソッドを嫌った。
田口先生の言われていた基本機能こそコンセプトの一例である。基本機能というコンセプトに基づき、実験を行うために制御因子やら各種の因子を決めてゆく。
これを仮説に基づく実験と勘違いしていると、制御因子として検討すべき因子を見落としたり、間違えて誤差因子に入れたりする。
タグチメソッドがコンセプトに基づく実験の一つの方法だと理解していると、各種制御因子を選んだりする理由を自然と理解できる。
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技術開発におけるコンセプトの意味をお伝えするために中間転写ベルト開発の事例を昨日まで連載した。
繰り返すが、コンセプトとは、辞書を引けば概念とその意味を解説しているが、技術開発に限らず、英語ではもっとダイナミックな意味として使われる、とゴム会社の指導社員から習った。
英語を指導してくれたわけではない。材料開発にはコンセプトが重要な意味を持ってくる、と言って、その時当方が、どのような概念ですか、と質問したためである。
指導社員はコンセプトの説明をあたかも英語の訳が分かっていないかのようにしどろもどろに話し始めた。しかしそれは英語の訳が分かっていないわけではないことが、語源の説明からすぐに理解できて、逆に当方が赤面することになった。
その時の思い出を書けば、コンセプトは科学における仮説とは異なりそれがあることで実験の意味を明確にする、仮説を検証するための実験とコンセプトに基づく実験は異なる場合もあるが多くのアクションは一致する、アクションは一致してもコンセプトの有無で得られる情報量が変化する、仮説は正誤の情報すなわち結果を重視するがコンセプトでは経過も重視する、コンセプトは常に意識した方が良い、それにより現象の理解と整理が容易になる、その結果ヒューリスティックな解を得やすい、となる。
これを丁寧に15分ほど語ってくれた。それまでコンセプトとは全体像を一口にまとめるぐらいにしか考えていなかったが、まさにアイデアを生みだす意味として重要な言葉であることを理解できた。
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PPS/6ナイロンのマトリックス中カーボンの分散で生じるWパーコレーションを制御して周方向の抵抗が均一なベルト素管を押し出せるコンパウンドは、2つの方法で実現できそうな見通しがヒューリスティックな問題解決法で得られた。
しかし、それを実際に実現できるか、という問題の答えが得られたわけではない。このあたりの答えを得るためにはノーベル賞の山中先生同様に試行錯誤で行うしかないのだ。
混練プロセスについて研究開発している暇など無かった。すぐにコンパウンドを作る必要があった。そのためバンバリーミキサーを使用した。バンバリーミキサーとロール混練のプロセスはゴムのコンパウンド製造で今でも用いられているバッチプロセスだ。
バッチプロセスなので混練の途中段階を観察することが可能だ。しかし混練の途中段階を観察すると言ってもナノオーダーのレベルの粒を目視では見ることができない。分散状態の変化からそれを「悟る」しかないのだ。極めて非科学的である。
しかし、非科学的だから間違っているというわけではない。経験知や暗黙知を現象に適用するのである。勘ではだめである。体系化された経験知や暗黙知は、AIには難しく、人間ならではの育成可能な知である。
このような知の育成には多少コツが必要であるが、もしご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。しかし、一言で伝授できないので、多少時間をかける必要があることはご理解いただきたい。
話が横道にはずれたが、バンバリーとロール混練については、ゴム会社で獲得した経験知と暗黙知があった。これらは錆びついていなかった。無事目的のコンパウンドを製造することができた。そしてそのコンパウンドで製造された素管は、周方向で抵抗が均一だった。
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PPSの押出成形で製造された中間転写ベルトを製品に搭載するためには、半年後に歩留まりも含めて生産ができる状態になっていなければいけない状況だった。
そのような状況で、前任者から役割を引き継いだのだが、単身赴任前周囲の冷たい視線に十分気がついていた。すなわち、周囲は、成功すると思っていなかったのだ。
当方が失敗の責任を取ることになるだろうことは、噂話で聞こえていた。面白いのは、中間転写ベルトを仕上げる工程の担当を依頼テーマとして請け負っていた部門はほとんど何もしていなかったのだ。
結局当方がコンパウンドラインを完成させて、中間転写ベルトの素管を生産に間に合わせていざ生産が始まったところ、ある生産技術開発について、すでに基盤技術ができていたにもかかわらず、量産技術を生産の中で四苦八苦しているような状態になった。
このあたりは詳しく書けないが、外部、それも日本を代表するようなメーカーから調達していたコンパウンドを生産間際にド素人集団で技術開発するという暴挙ともとれるような方針を周囲にどのように納得させたのか、という点が重要である。
製品を担当している全員のサポートを得るためにはコンセプトとそのプレゼンテーションが受け入れられなければならないが、これは企業における企画を実現させるキモとして普遍的なスキルともいえる。
答えは一つである。コンセプトが具現化されたモノを作ればよいだけだ。これはゴム会社の研究開発本部長から散々叩き込まれた企画実現の方法である。企画書などいらない、まずモノ持ってこい、というのは、企画会議における本部長の口癖だった。
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このコロナ騒動で感染症の専門家の知が、免疫学の専門家から疑われている。疑われているだけではない。3密や換気による予防が非科学的だ、とも指摘されている。
かつて、当方の高純度SiCの技術についてもゴム会社の研究所では、ぼろくそに評価された。フローリーハギンズ理論を根拠に、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂が均一に混ざるはずがない、という見解である。
しかし、これがタコつぼのタコ踊りであったことは、その後30年ゴム会社で事業が継続して愛知県のセラミックス会社へ事業譲渡され現在も技術として残っている事実が示している。
また、この技術が科学的に正しい技術であったことは、転職後に取得した学位論文に記載されている。自ら科学的な知となることを証明したのだ。
専門家と称する人で問題となるのは、科学にこだわりすぎて経験知を軽蔑もしくは軽視する傾向である。
社会生活では、解決しなければいけない様々な問題が多く、その問題解決において、科学的だろうが非科学的だろうが、まず解決されることが重要である。
得られた答えが科学的に正しいかどうかを検証するためには、科学的になされなければいけないが、問題解決そのものは、正しい問題を早く解決することが重要で、その発見プロセスが非科学的であっても山中先生のようにノーベル賞を受賞できる。
問題が解決されれば、それが科学的に正しいかどうかは重要ではなく、その点を議論することは解決された問題について、そこから得られた知の価値を論じているに過ぎない。
科学的に正しい知が得られているならば、それは形式知として伝承されればよく、仮に科学的に正しくない知でも正しい問題を解決できる知であれば、経験知として伝承すればよいのだ。
また、形式知が常に経験知よりも価値が高いとは限らない。高名な先生のタコつぼの隅について説明した形式知よりもおばあちゃんの知恵のほうが、日常生活で役立つ場合が多い。
また、形式知は容易にAIに搭載できる。AIに搭載されればタコつぼの隅の形式知は、AIにより「ほとんど使用されないアプリケーション」として処理されるだけである。
日本人はすでに集団免疫を獲得しているかもしれない、と言われても、コロナ感染する人が増加している現実を前にすると、家が燃えているのは急激な酸化反応の進行である、と火事の現場で説明を受けているようなものだ。誰でもいいから、早く火を消してくれ。
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コンセプトに関して当方の体験を示しどのようなものか説明しているが、単なる概念と訳して済むものではないことが伝わっているだろうか。
新しいアイデアを生み出すためにコンセプトは重要であり、その意味で単なる概念ではない。英語のconceiveには、構想するとか考えるの意味のほかに「子をはらむ」という意味もあり、こちらの名詞形conceptionは受胎である。
コンセプトという用語の深い含蓄を理解できると、そもそもアイデアを生み出すコツあるいはそのための問題解決法のコツに関心が向く。
問題解決法と言えば、あまりこの観点で有名ではないドラッカーの著書が参考になる。ドラッカーの「何が問題か」という問いは、ドラッカーを2-3冊読まれた方ならご存知のキーワードである。
すなわち、問題解決の前に、正しい問題を把握することこそ重要である、とドラッカーはその著書の中で繰り返し述べている。
「間違った問題の正しい答え」ほど有害なものは無い、と優秀な人が時折犯す間違いを一刀両断に切り捨てている。
さらに、「頭の良い人ほど間違った問題を正しく解いて、成果を出せない」とまで言い切っており、正しい問題を最初に探すときのキーワード「何が問題か」という問いは、問題解決法において極めて重要である。
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粒子の凝集体でできたドメインの分散状態について、パーコレーション転移が考えられる。ドメイン内部も同様にパーコレーション転移が起きていたほうが抵抗が安定する。
すなわち、凝集体のパーコレーション転移を制御して、その制御された凝集体の分散についてもパーコレーションを制御するというと難しそうに見えるが、混練の教科書には簡単にできそうに書いてある。
だから間違っているのである。分配混合を行えばそれができる、と言ってもそれは教科書の中での出来事であって、実際の現象を制御しようとなると、知恵が必要になる。
方法は2つある。6ナイロン相に全てのカーボンを分散し、6ナイロン相の中でパーコレーション転移を完結させておく。そうすればカーボン量に応じて、10の6乗から10の4乗までの体積固有抵抗の半導体相を形成できる。
そしてこれをPPSに分散するのが一つの方法で、これは最初に6ナイロンとカーボンを混練し、それをPPSと混練するという分割プロセスで簡単に実現できる。
もう一つの方法は、PPSに6ナイロン相を相溶させて、そこにカーボンを分散すると、6ナイロン相がスピノーダル分解を起こし、相分離するときに、PPS相で安定に分散しないカーボンは、6ナイロンに引きずられて凝集粒子相を形成する。
これは、かなりの難易度というよりも科学で否定される禁じ手である。ただ、高分子の世界では、科学で解明されていない現象が多いという理由で、このアイデアを積極的に考えると、新技術を生み出せる可能性がある。
ただこのようなチャレンジが許される風土であるかどうかが問題となるが、幸運なことに写真会社が合併したカメラ会社の風土は、それが許される風土だった。
最もこの無謀なPPS中間転写ベルトの押出成形技術はそのような風土だったから6年も続いていたテーマだった。
カテゴリー : 高分子
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余談だが、PPS/6ナイロン/カーボンの配合で、Wパーコレーションを制御するときに、既存の混練プロセスでそれを実現できるかどうかは、大問題である。
当方の著書以外の混練プロセスに関する教科書を読む限り、分配混合を行えばできることになる。分散混合を抑制し分配混合を行えばよいという答えが教科書から出てくるのだが、これを一流メーカーの技術者に話したら、「素人は黙っとれ」と叱られた。
この技術者は、分配混合と分散混合の説明による科学的な混練の教科書が実務で無力であることを知っていたのだ。
当方は、豊川単身赴任が決まった時に、たまたま無機材研副所長からゴム会社が無機材研に支払った特許料を当方に下さるという手紙を頂いた。当方はこれを軍資金として、10万円前後の混練に関する本を何冊か買い込んだ。
ゴム会社は当方がゴム会社で出願し公告となった特許について特許報償を支払っていない。当方はFD問題の隠蔽化で転職するときにその問題を役員に指摘しているが無しのつぶてである。
20年前の約束を果たしてくださった副所長には頭が下がるだけでなく、タイミングの良さに感謝している。この誠実さに応えるために、大半を混練の形式知獲得のために投資した。
しかし、購入したどの本にも分配混合と分散混合の考え方で混練の説明しかなされていなかった。当方が新入社員の時に混練技術の神様のような指導社員から伝授された混練の知識とは、コンセプトが大きく異なっていた。
混練プロセスについて普遍化し科学的に研究することは大変困難である。まず、これを実感することが大切であり、非平衡下の現象をレオロジーの視点でよく観察する姿勢が大切だ、さらにそのレオロジーは21世紀になると今と全く異なるコンセプトの学問となっている可能性が高いので注意が必要だ、と習った。
ここで、当時の高分子レオロジーはダッシュポットとバネのモデルで議論するのがお決まりとなっていた。今の時代に、レオロジーの研究をこのようなモデルで学会発表していては時代遅れである。
指導社員から伝授されたのは、最先端の混練技術に関する知識だったのだが、100万円近く私費を投入して購入した何冊かの高価な混練の教科書には、実務の立場からは皆役に立たない知識しか載っていなかった。
セラミックス粉の分散技術について学んだ知識の一部もその教科書には反映されていなかった。理由はわからないが、教科書のコンセプトは分配混合と分散混合で皆統一されており、形式知と呼べる内容だったにもかかわらず、セラミックス粉のプロセシングについて触れられていなかった。
この問題について、今年当方の執筆した混練の本で一つの解を示した。当方の混練の本は、混練の神様から伝授された経験知を基に執筆している。
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