コロナ禍でテレワークが進んだが、WEBにおける話題は、テレワークで評価の上がる人と下がる人に関するものが多い。
ところが、現実はテレワークの前にすでに二極化していた企業が多いはずだ。テレワークで人材の二極化が進んだという企業は遅れている。
20世紀末に目標管理がブームとなり、一気に日本企業に広がった。この目標管理による経営こそ人材の二極化を進めた原動力である。
ただ、人材の二極化は進んだが、評価システムを大きく変更した企業が少なかったので、その二極化が目立たず、社会で話題にならなかった。
ところがテレワークを実施してみて、評価システムと目標管理の連動を実施していなかった企業あるいは連動していても従来の評価軸で運用してきた企業は、困ったはずだ。
成果の出せない人、すなわち目標を達成できない人が、テレワークにより顕在化したからだ。
大きな組織には、仕事をやっているような顔をして、全然成果を出していない人あるいは他人の成果をちゃっかり自分のモノにしてしまう人が必ずいる。
顔を突き合わせて仕事をしているときには、うまくごまかせても、テレワークでは、これまでのごまかしの手法を使えない。
また、昨年までならば、気軽に資料作成を頼めた同僚が、テレワークでは、他人に仕事を頼むときにどうしても痕跡が残ってしまい、誰がどのように成果を出したのかが見える化されてしまう。
退職して10年近くになるが、今WEBで取り上げられている表題の話題について、たいへんよく理解できる。
ご興味のあるかたは、あるいは成果を出せなくて困っている人は、気軽に相談していただきたい。テレワーク時代の成果の出し方を伝授します。
カテゴリー : 一般
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樹脂を混練するときの温度について誤解をしている人が多い。例えば、ある学会賞の審査会で、カオス混合によるコンパウンドで製造された中間転写ベルトの技術について、樹脂の溶融温度(Tm)以下で混練している点を指摘し、その温度では混練できない、と頭ごなしに否定され、カオス混合技術は受賞を逃がしている。
学会賞の審査会では、科学的に納得が得られるように嘘を書いてでも世間の常識に合わせて資料を作らなければいけない、などと誤解したくなるような経験だが、樹脂をその溶融温度以下で混練する、とは、そのくらいの認識である。
当方は、この溶融温度以下の混練条件で樹脂を混練する技術について剪断混練と名付けているが、この技術を否定する人はステレオタイプに分子の断裂が起きて低分子量化する問題を指摘する。学会賞の審査会でもこの指摘があった。
この学会賞の審査委員は高分子のことを知らないのか、と突っ込みたくなったが、**学会の審査会だったので高分子の専門家がそろっており失礼になると思って、素直にその場の空気に従ったら落選した。
PIで製造された中間転写ベルトよりも性能の良い複写機部品を製造できた技術なので、当時審査にかけられたライバル技術と比較して遜色がないどころか環境や経済への波及効果は極めて大きかったので、カオス混合技術が落選したのは*******である。推薦してくださった先生に申し訳ないことをした。
さて、このように剪断混練技術は、学会賞で否定されたぐらいの技術だが、この二十年間に当方以外の技術者からも特許が出願されている。ご興味のある方はお問い合わせください。
カテゴリー : 一般 高分子
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混練技術の難しさは、ゴムの混練に携わっている人と樹脂の混練を二軸混練機で行っている人で,その視点が異なることからも理解できる。
高分子という同じカテゴリーの材料を混練していても、混練条件に対する考え方が異なっている、と表現した方が良いかもしれない。
最近でこそゴムの混練に二軸混練機が使われるようになってきたが、40年ほど前には、ゴムの混練はバンバリーとロール混練あるいはニーダーによる混練が常識だった。
樹脂は、コンパウンドが一般に知られるようになったときに二軸混練機で混練されていた。もっとも昔は、練る能力など殆どない二軸押出機が使われていた、といった方が良いかもしれない。すなわち、混ぜることだけを樹脂技術者は経験してきたのだ。
ゴム技術者は、とにかく練ることを考えてきたので、例えば混練温度に対する考え方が樹脂技術者と異なる。樹脂技術者は、混練温度と言えば樹脂の溶融温度しか考えないが、ゴム技術者は、幅広い温度領域で考えている。
それでも15年ほど前にある樹脂技術者から混練について素人は黙っとれ、と恫喝されたが、その方は最後まで顧客の満足できるコンパウンドを製造することができなかった。
ド素人が中古の二軸混練機を買い集めてコンパウンドを生産しなければいけない状態になった経験を思い出すたびに、混練技術では議論さえ難しい、と感じるようになった。
カテゴリー : 高分子
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月曜日のニュースは、大雨災害と都知事選の解析結果である。弊社も昨日の活動報告には都知事選について書かせていただいた。理由は意外だったからである。
小池氏が当選する予想は、事前に票読みまで出るほどで、その意味では予想通りだったのだが、意外だったのは自公の支持も得られたにもかかわらず、伸びなかった小池氏の得票数である。
本来小池氏が獲得できたはずの票の一部が、れいわ新選組と維新に流れたことは確実であり、仮にこの2党の獲得した票の半分を小池氏に上乗せすると、前回の得票数と自公の支持による得票数との和に近くなる。
それでは、選挙戦で暴露本が出版されたり、実績のない状況をワイドショーで指摘されたりしていても、迷わず小池氏に投票した人は、どのような人なのか。
これは、何もしないかもしれないが、有権者の期待を大きく裏切るようなことをしない安定感に投票したと推定している。
すなわち、進むべき未来に対して具体的な方向を示し、その実現のためには汚職に手を染めるぐらいのリーダーよりも、曖昧だが豊かな未来をそこはかとなく夢見させてくれて、何もしないリーダーの方をよしとしている有権者である。
このようなリーダーが良いのかどうか議論する必要は無いが、少なくとも昨今の政治の流れからは、そのようなリーダーが好まれるのだろう。しかし、これは有権者が未来をあきらめていることと同じであることに気がつかなければいけない。
有権者が真に明るい未来を希望するならば、そのようなリーダーを育て選んでゆかなければいけない。これは企業の組織活動におけるリーダー選択のシーンでも同様である。
もし小池氏に今回の当選の反省に関して気づきがあるならば、次の4年間に東京都の未来を描くための準備をしていただきたい。
カテゴリー : 一般
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下記予定で、試験的にWEBで無料セミナーを開催します。受講希望者はお申し込みください。なお各講座6名と人数制限を設けていますので、先着順とさせていただきます。また、テキストは有料(5000円)で、7月16日までにお振込みください。但しテキストの購入は必須ではありません。
1.7月17日(金)9時30分から11時30分
「高分子の混練技術概論」
2.7月17日(金)13時30分から15時30分
「高分子の難燃化を事例にマテリアルインフォマティクス概論」
3.7月18日(土)13時30分から15時30分
「高分子の混練技術概論」
以上
今回のセミナー参加者募集は終了致しました。
カテゴリー : 高分子
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予想通り小池百合子氏の圧勝である。ただし、その勝利の中身には、今回の都知事選に合わせて出版された「女帝ーーー」の影響よりも政治を冷静に眺める選挙民の意思が現れていた。
初当選の勢いと今回の選挙戦の環境から、前回の都知事選の得票数に自民公明支持層の票を上乗せして500万票近く獲得できたはずである。すなわち歴代トップ当選してもよいはずが、都知事としてのこれまでの実績および手法を見抜いた右派有権者の投票行動が現れた結果に見える。
すなわち、女性の支持率こそ高かったが、男性の支持率は前回よりも下がっていた。また、宇都宮氏はじめとする他の3候補へ集まった票を見るとあえて批判票を入れた人が少なからずいたような各候補の得票数である。
この3候補に単なる浮動票が集まったと見るには、立花氏の得票数との差が大きい。小池百合子氏は、自身の得票数の解析よりも、この3候補の得票数を解析された方が、都政を進めるうえで有益ではないか。
例えば、出口調査ではオリンピック中止と答えた人が開催支持と同数いた。再延期をどちらの意見とみるのかは難しいが、少なくともオリンピック中止と答えた人の多くは山本太郎氏に投票した可能性が高い。
そのように見ると、共産党と維新の党の躍進ぶりが浮き上がってくる。維新の票の大半は前回小池氏に投票していた有権者の可能性が高い。今回自民党も小池氏支持に回ったので自公以外の政党支持者の投票行動を示唆するデータは衆院選挙に向けて重要である。
小池氏の再選があらかじめ予想された選挙戦ではあったが、その結果は少し面白い結果となっていた。「女帝ー」の影響を説く選挙解説があるが、浮動票の偏り方を見ると、この著書の影響はあまり大きくない。
むしろ、宇都宮氏の票を大きく伸ばすことができなかったことから、野党共闘における立憲民主のリーダーシップの問題が見えてきたことと、れいわ新選組の復活や維新の躍進の効果が読み取れる。
カテゴリー : 一般
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昨日放送されたNHKスペシャルで表題の番組を見た。新型コロナウィルスに関する研究の最前線の話題だが、CGが多用されわかりやすかった。
また、CGがあまりにも精巧であり、実際の電子顕微鏡写真とCGとの境界が分かりにくく、現実と仮想空間の中で遊ぶこともできたが、このあたりはNHKの番組製作者の力量の高さだろう。
科学教育番組の質は、この50年間著しく高度化するとともに高品質となったが、そこにCGが大きく貢献している。
文章や数式を駆使したならば、数枚の論文になるであろう内容をたった数秒で分かりやすく表現する。プレゼンスキルの向上と一言でかたずけられないイノベーションがそこには存在する。
すなわち、専門家の目も納得させつつ大衆にも理解できるように表現されたCGは、ソフトとハードが融合した高度な映像技術の具現化されたものだ。
昨晩のCGは、CG製作者も免疫学を理解していなければ製作できないと思わせるほどに、専門的な内容をわかりやすく表現されていた。見逃した人は金を払ってでも見る価値のある番組だった。
カテゴリー : 一般
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下記予定で、試験的にWEBで無料セミナーを開催します。受講希望者はお申し込みください。なお各講座6名と人数制限を設けていますので、先着順とさせていただきます。また、テキストは有料(5000円)で、7月16日までにお振込みください。今回テキストの購入は必須ではありません。
1.7月17日(金)9時30分から11時30分
「高分子の混練技術概論」
2.7月17日(金)13時30分から15時30分
「高分子の難燃化を事例にマテリアルインフォマティクス概論」
3.7月18日(土)13時30分から15時30分
「高分子の混練技術概論」
以上
今回のセミナー参加者募集は終了致しました。
カテゴリー : 宣伝 高分子
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7月中旬に2時間の無料WEBセミナーを開講しようと準備を進めている。一枠6人程度の少人数で、金曜日と土曜日いずれかで実施予定でいます。
詳細決まりましたらここで公開いたしますが、とりあえず参加してみようと思われる方は、弊社へご連絡ください。
準備が遅れている理由は、2時間という枠内で果たしてできるのか、という問題と、WEBセミナーとして何を使用するのか、という選定に時間がかかっているためです。来週月曜日までには決めたいと思っています。
<開講予定候補内容>
1.高分子のツボ 専門外も含めた方が対象の高分子材料技術の概要。
2.高分子の難燃化 高分子材料の難燃化技術にご興味のある技術者。
3.高分子の混練 高分子の混練技術についてカオス混合中心に講義。
カテゴリー : 未分類
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大阪府知事が8割おじさんこと西浦教授の8割削減説の検証を提案した。ごもっともな提案である。企業で商品開発に失敗すれば、必ずその検証を行う。
40年前であるがゴム会社では、工場の試作段階で試作そのものの意味が問われ、何も責任のない新入社員(当時二年間は残業代がつかないと言われていた。これは、新入社員に業務責任を負わせないという観点もあるとの説明を聞いていた。)が始末書を書かされている。
始末書を書かされた当方は意味が分からず上司に何度も成功した試作にどこが問題があったのか質問したが、コストが不明確な製品を試作した問題について上司から説明されなかった。
一応当方は、ホスファゼンの価格を10万円と仮定し、概略コストを上司に提示しており、上司はそれを承知で工場試作を実施したのだ(とんとん拍子に仕事が進み、当方は過重労働状態に。しかし、新規化合物ホスファゼンの合成から工場試作までたった一人で担当し半年もかけていない。(注))。
ただ、上司は商品化会議ですぐにそれを製品化する流れにはならない、と甘く考え、研究成果として報告している。
工場試作に大成功で、さらに世界初の高機能なポリウレタン発泡体ができたなら、それを製品化しようと考えるのは、事業家であれば当然のことで、研究者の立場で発表した上司が甘かったのだ。
上司と当方の間で始末書を書く、書かない、と押し問答をした挙句、商品化会議の位置づけを知った新入社員の当方は、ホスファゼン変性フォームと同様の発泡体を半年後に工場試作する企画を上司に提案し、それを始末書として提出している。
このとき出来上がったのが、ホウ酸エステル変性ポリウレタンであり、半年後に無事工場試作を行い、新製品として上市された。
8割おじさんの提案は実施され、感染者の指数関数的増加を抑えることができたが、それが日本経済へ著しいダメージを与えた。生か死かの選択を迫られた結果の選択であり、仕方がなかったのである。
しかし、その検証は、今後のためにも正しく行わなければいけない。おそらくその検証結果には、新型ウィルス流行に対して何ら対策をとってこなかった政府の問題も明らかになるだろう。
今回のコロナウィルス騒動では、それが最初に明らかにされたはずである。そして、走りながら、一部是正されていった様子がニュースで伝えられている。大阪府知事が提案されているように、ぜひ今回の検証を進めてほしい。
(注)基盤技術がある、とはどのような意味かをこの時学んだ。ポリウレタンの発泡技術であるワンショット法や、それを実験室で行う方法、シリコーン系界面活性剤で発泡体のセルを制御する方法など先輩社員がその経験知を持っていただけでなく、実験設備がすべて整っていた。当方は、ホスファゼンの分子設計と合成実験以外ただ、体を動かすだけで済んだ。
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