ホスファゼンは当時先端素材であり、ホスファゼンのジアミノ体とイソシアネートとの反応物は、正真正銘の新規化合物だった。
1990年に当時の研究結果をアメリカの学会誌へ投稿しているが、フルペーパーで簡単に掲載されている。分析データもゴム会社の分析チームが行っており完璧で研究内容も新鮮さを失っていなかった。
またこのころ、臭素系の難燃剤の開発競争が激しくなってきた時代であり、環境にやさしいホスファゼン変性ポリウレタンは、世界初であると同時にそれなりの価値を持っていた研究だった。
だから1980年では発泡反応と重合反応とのバランスをどのようにとるのかといった研究データなど無かった。ホスファゼンの反応に関する研究でさえこの研究の3年後に発表されている。
ゆえに、すぐに発泡反応とのバランスをとることをやめて、重合反応だけ完璧に進行する条件を見出し、変性量と極限酸素指数との関係を求める研究に切り替え、指導社員から指定された日に目標を達成したグラフを提出している。
すなわち、機能がうまく働いているのかという点だけに着眼し、開発を進めたのだ。この時の体験で、科学で開発を進める手順以外に、機能の最適化を進める手順があることを開眼している。
科学では、真理が一つであることが重要で論理学を完璧に用いてそれを示すことが求められる。その時の推論の進め方は前向きとなる。
分析や解析業務では、これは合理的なプロセスを約束する。すなわち、分析結果が真理であることと同一となるからだ。
しかし、モノを創るときには、科学的に真理であることと求めるモノとが一致するとは限らない。これは明日エジソンの弟子の失敗による大成功を事例に説明する。
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ホスファゼンで変性した発泡ポリウレタンの工場試作に成功したのは1980年6月である。企画と同時に研究開発を1980年1月にスタートしている。
研究開発管理では、現在普及しているSTAGE-GATE法など採用されていなかったので、加速度的に工場試作まで進んだ。
1979年12月末までの3ケ月間防振ゴム用樹脂補強ゴムの開発を担当していたが、1年間の新入社員テーマを3ケ月で仕上げたので、樹脂研究グループから高分子合成研究グループへ異動となった。
指導社員も男性から女性に代わった。30手前の既婚女性で美人かつ優しかった。単純な当方は、おそらくサラリーマン生活で最もモラルが上がっていたと思う。高純度SiC合成の企画もこの時生まれている。
混練の神様のような男性指導社員の優れたマネジメントでは、1年の予定のテーマを3ケ月で完成する能力と高分子に関する専門性を向上できたが、自己の能力というよりも指導社員の能力の賜物である。
自分で考え行動したというよりも指導に対して真摯に応えた結果だった。だから防振ゴムの配合を短期に見いだせても満たされていないものを感じていた。
女性指導社員は当方に優しく何でも相談してくださった。これも指導社員としての一つのスタイルだろう。美人から優しく相談されて活性化しない若い独身男性は少ないだろう。
これが男性の上司なら、それを考えるのはあんたの仕事だろう、という気持ちが芽生えてしまう。
それが積み重なれば上司不信となるので、部下育成をもくろみ相談形式でマネジメントを行う方法は、管理職研修で奨励されても同性同士ではうまくいかないケースが多い(これをうまく実践するにはコツがある。弊社にご相談ください。)。
当方の世代は、フーテンの寅さんにあこがれ、男性はたくましくなくても強くありたいという価値観で女性から相談されれば、無理をしてでもそれに本能的に応えようと努力する男が多かった。
その結果頓珍漢な事件が起きるのは寅さんのパターンだが、このホスファゼン変性ポリウレタンの開発の時も始末書を当方が書くことになるおかしなことになっている。ただ、当方は真摯に相談内容に応えていただけだが。
例えば、何か新規に合成して軟質ポリウレタン発泡体を難燃化できないかしら、と相談されてすぐにホスファゼンの新規誘導体で変性する技術を提案している。
さらに、いつごろできるのかしら、と言われて来週月曜日にはできていますと答えて、金曜日にホスファゼンのジアミノ体とイソシアネートの反応したオリゴマーの分析結果を提出していた。
相談内容は次第に難しくなっていった。来週には発泡体の極限酸素指数データぐらい出てるのかしら、と言われて、必死になってポリウレタン発泡体を合成しようとしたが、これが極めて難しく、うまく発泡体ができない。
イソシアネートとポリオールの反応はうまくいっていたが、発泡と重合反応とのバランスを取るのが難しいのだ。
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Y本部長の時代には、研究開発報告書をまとめることが担当者の業務となっていた。また、その中から学会発表や海外の論文発表も促された。
当方は、「防振ゴム用樹脂補強ゴムの研究」、「ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の研究」、「ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の研究」、「高防火性フェノール樹脂発泡体の研究」を3年間の研究開発活動でまとめていた。
ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の研究以外は、研究成果が製品に採用されている(注)。また、1年の予定を3ケ月で完成させた防振ゴム用樹脂補強ゴムの研究以外は、上司の指示で学会や論文発表をしている。
その結果、高分子の難燃化技術のセミナー講師として若いころから招聘されていた。初めてセミナー講師を経験したのはY本部長からの依頼である。
ところで入社二年目にまとめたホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の研究では、報告書以外に始末書を書いている。この始末書ではホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の企画提案を行った。
しかし、Y本部長から直接それぞれの研究報告に対する評価や始末書について指示など言われたことは無く、直属の主任研究員から「本部長はこのように言われていた」という表現で「お伺い」していた。
始末書については、市販されていない材料で工場実験まで行った元気さを誉めておられたので当方がそれ書くのがふさわしい、と訳の分からない説明を上司から頂いている(後に研究所の同期と月給が100円差がついていたことから、それなりのマイナス評価があったことを知った)。
入社二年間は試用期間中で残業代はつかない、と人事部から説明を受けてはいたが、わけのわからない責任を負わされた不思議な思い出は、今でも鮮明に記憶している。
工場実験を決定したのも推進したのも当方ではなく、上司やY本部長である。当方は、上司である主任研究員から指示されるまま不眠不休でホスファゼンのジアミノ体を500gを2バッチ、工場試作のために一生懸命合成した。
2lの大きな分液ロートにエーテルと水を入れ、最後の仕上げをしている姿を見て「似合っている」と訳の分からない激励を上司はしていたにもかかわらず、この時の残業代だけでなく深夜勤手当も会社から出ていない。
エーテルの匂いに気がつき安全に気を配ってくれるのではないかと期待していたが、徹夜作業の危険な状態にも上司は無頓着であった。上司の指示で納期を設定されたこの実験は研究所の規程違反の仕事だった。
しかし、工場試作の後は会社規程に沿い、始末書を書かされたので、安全管理は適当だが研究開発の責任を問う研究開発管理が行われていたと想像される。
ただ、この時の工場試作は大成功であり、現場では工場長も主任研究員も喜んでいたのに、一転して始末書を書かされた出来事は、新入社員でなかったなら、その後のやる気も失せていただろうと思う。
(注)樹脂補強ゴムの研究以外は、すべて当方がいなければ絶対に企画されなかった研究テーマである。また、これを証明できる証拠もある。例えばホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の企画を書いた始末書がそれである。組織メンバーの誰もなしえない研究を行い、それを製品化する成果を出しても4年後の無機材質研究所留学中に受験した昇進試験では、1回目落ちている。さらに、この時の答案が合格基準を満たしていたことは翌年の昇進試験の結果で判明している。また、リップサービスかもしれないが、短期間に組織内の誰もなしえない成果を出しても落ちる人の少ない試験で落ちるのか、と感心(?)されていた人もいた。若い人は会社の評価とはこのようなものであることを理解しておくことだ。成果主義と言っても評価をするのは人間であることを忘れてはいけない。評価に右往左往したり、さらにはそのストレスから自殺を選ぶのは愚である。性善説と性悪説が混然と存在するのが凡人の世界である。誠実に活き活きと貢献と自己実現に努めることこそ大切である。短期的視野では落ち込むような出来事でも、長い人生の中でそれを思い出すと、つまらないことに見えてくる。また、昇進が遅れたとしても日本の会社では平均よりも大きく生涯年収の差がつくわけではない。ちなみに当時昇進に1年遅れた年収の差は、高純度SiCの事業化成功で同期と大きく逆転している。転職時にこの点を多少悩んだが、ドラッカーの考え方を信じ転職を選んでいる。転職後については長くなるので別の機会に書く。とにかく30年以上のサラリーマン生活で学んだのは、誠実真摯に貢献と自己実現に努めればある程度の幸福や満足感が得られるというドラッカーの考え方である。また、人事評価にとらわれず真摯に仕事を遂行した時に、自分の能力から信じられない成果が出ることも体験している。昇進試験に落ちて実施した高純度SiCの開発や、左遷されて担当した中間転写ベルトの仕事(基盤技術0の状態の会社でカオス混合を発明しコンパウンド工場を3ケ月で立ち上げている)は、不遇でなければ成功しなかったかもしれない、とさえ思っている。いずれも悩む方向のベクトルを逆転させようと真摯に努力した結果である。
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2ケ月ほど前からまったく新しいことを学び始めたのだが、さっぱりわからない状態が1ケ月以上続いた。
若いころはこのようなことは無かった。ゴム会社に入社し、混練技術やレオロジーなどどんどん勉強した。あたかも砂漠に水を撒くがごとく浸み込むように知識が頭に入った。
寝ていても講師の話を覚えていたことを指導社員がびっくりしていた。今中途半端な場所で睡眠学習をやったらこの世に戻れない心配がある。
昔は体力も人並み以上あり、多少隙間風の吹いているようなところで居眠りをしても風邪をひかなかった。新型コロナさえ寄せ付けない自信があったが、今は外から帰れば入念に手洗いとうがいをする。
老いる、ということを痛感するのは本を読んでいる時である。興味のない本には、たとえ表紙が目を奪っても手を伸ばさなくなった。2ケ月前これではいけないと思い、一念発起まったく新しい分野の本を無理に読み始めた。
しかし、毎日1ページ我慢して読めればいい方で、ほとんど進まない。日本語で書かれていても初めての外国語の教科書を辞書片手に読むようなものだ。
読書100ぺん意おのずと通ず、という言葉を思い出し、流し読みに切り替えた。わけのわからない本の流し読みは楽である。2ケ月近くたち、少し本に書いてある内容を理解できるようになった。
このような状態でも、頭がいいか悪いかは自分の頭なので悩まない。また、ここで悩んだら学ぶ意欲が無くなることは経験済みである。ただ、いつになったら全体を理解でき、獲得した知識を使えるようになるのかわからないので悩んでいる。
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推論の展開方向は、問題解決の効率を左右する。これに気がつかれている方は、受験参考書「チャート式」を愛用していた人ではないか。
この受験参考書には、「結論からお迎え」という超重要な問題解決の格言が示されている。すなわち、文章題を解くときには、前向きの推論ではなく逆向きの推論で行えというのだ。
実は、小学校から学ぶ推論の展開方法は前向きの推論だ。授業も前向きの推論で展開され、生徒に一緒に考えるように仕向ける。
学校教育において受験参考書は数少ない逆向きの推論を学ぶ機会だ。(数研出版「チャート式数学」は愛読者の多い参考書である。)
学校の図書室に名探偵ホームズの全集を置いていても、刑事コロンボのビデオを置いていないのではないか。
また、刑事コロンボはNHKで放映されていたので、民放しか見ていない人は逆向きの推論に接する機会が無かったかもしれない。古い番組だが、面白いドラマなのでぜひ鑑賞されることをお勧めする。
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新型コロナウィルスに感染した患者に対して処方される薬がニュースで報じられている。この報道を聴き、科学以外の方法論に気がついていただきたい。
医者が患者に薬を投与するときには、その薬の機能を期待して選んでいるはずだ。まさか山中博士がヤマナカファクイターを見つけたようにあみだくじ方式で薬を投与している医者はいないと思う。
山中博士は、シャーレの細胞に対して実験を行っていたのであのようなあみだくじ方式が許されたのだが、生きている人間に対して同様の方法を行う医者がいたら大変だ。
すなわち、今医者がコロナウィルスに感染した患者に薬を投与する場合には、仮説を設定し(ここまでは科学の方法)、その仮説の中で生まれる機能に期待して(ここは科学ではない)薬を投与しているはずだ(と、思いたい)。
今は藁にもすがりつきたいときだから誰も突っ込みを入れないが、いろいろ報道される新型ウィルス用の薬に関する報道では、この点について味わっていただきたい。
ここで味わっていただきたい、と書いているのは、人間が対象の実験結果の報道という微妙な問題を含むからだ。
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先日愛知県知事が県内のコロナ感染者はほとんどが名古屋だ、と気になる発言をしていたので少し調べてみた。
最初の感染者は1月26日に報告されており、中国人(武漢)2人である。その後2月14日に感染源不明の名古屋市在住の男性Aが報告され、翌日にはその妻が感染者として報告されている。
その後Aと接触した人たちが感染源となり広がってゆく様子が愛知県のサイトに県内発生事例として公開されている。
そして専門家の説明によると、愛知県の感染者は二つのクラスター(デイサービスとスポーツジム)が中心になって増加とのこと。
しかし、公開された資料を見てみると、単純にこのクラスターから説明できない事象も見えてくる。
ちなみに今年の2月6日稲沢市では国府宮裸祭りが、このコロナ騒動のさなか例年通り開催されている。
無病息災を願う奇祭だが、この祭りの影響についてふれた見解は無い。愛知県人であれば、この祭りを毎年楽しみにしている人は多く関心は高い。
ただし会場は名古屋ではない稲沢市であり、愛知県知事ならば影響があったかどうかコメントしてほしかった。また、これまで日本の感染者の報告は、都道府県単位で行われている。
ゆえにわざわざ愛知県知事が「名古屋だ」と断言した理由が不明である。また、名古屋も愛知県の一都市であることを考えると、名古屋を特に強調する必要は無いと思う。
このようなことを考えていたら、木曜日から愛知県知事に代わり名古屋市長がコロナ感染者報告をするようになった。
コロナ感染については、若い北海道知事のリーダーシップが世界中で評判になっている。このような騒動の報告で株を上げるリーダーもいるのだ。
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クラボウが新型コロナウィルス抗体検査試薬キットを発売するという。中国の提携先企業が開発した技術ということだが、クラボウは2007年8月3日にヒトパミローマウィルス検査キットの特許を出願している(特許5302519号として成立)。
すなわち、10年以上前からウィルス検査キットの研究開発を手掛けており、最近はミルクアレルギーの検査法について特許を成立させている(特許第6347459号)。
知る人ぞ知る企業である。そしてこのタイミングで実用的なコロナウィルス検査キットを商品化した企画力には頭が下がる。
昨年12月にコロナウィルスの騒動が始まり、それから3ケ月での商品化である。しかも血液を1滴たらすだけで、新型コロナウイルス感染の有無が15分で分かり、正診率は95%という。
同社の他のウィルス検査法の特許にも書いてあるがPCR検査法というのは時間がかかるだけでなく、正診率がウィルスによりばらつくのが問題である。
クラボウの株はストップ高になるかもしれないが、それよりも気になるのが供給体制である。一日1000セットの販売というが、おそらくまだ製造ラインがパイロット段階と思われる。中国から輸入という体制も気にかかる。
ソフトバンクの孫氏による無料ウィルス検査100万人発言が話題になったが、孫氏はクラボウへ投資して国内で検査キットを生産できるようにしないのか興味がわく。
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物質を溶媒に分散するときに発生する現象は奥が深い。例えば水に砂糖を溶かしたり、塩を溶かしたりして観察される現象は同じように見えても、かたや高分子が低分子に分散している現象であり、かたや結晶が溶解しイオン化している現象である。
いずれも水分子が、イオンなり高分子の周りにくっついて(これを溶媒和という)塩なり砂糖を水に分散してゆくのだが、あるときは塩が溶けにくく、ある時は砂糖の方が溶けにくかったりする。
溶解度曲線や結晶の融解エンタルピーなど知っておれば理解できる現象であるが、高分子を高分子に溶かし、分散するという話になると途端に難しくなる。
この現象を考察するときにフローリー・ハギンズ理論が用いられるのだが、この理論が大学でまともに教えられるようになったのは30年ほど前からだ(福井大学の客員教授時代に1時間この説明に費やしてから、SiC前駆体合成法の説明をしている)。少なくとも40年以上前、当方の学生時代に化学を専攻している学生に対してこの理論がまともに講義で扱われていない。
ただ試験に20点の配点でいきなりフローリー・ハギンズ理論を説明せよ、という出題があった。何か一言書いてあれば10点はもらえたサービス問題だった。
若いころ試験に対して真摯さが無く、無駄な抵抗をしなかった。あえなく追試を受けることになったのだが、おかげでトラウマの如く仕事の現場で高分子のブレンドを行うたびにフローリー・ハギンズ理論を思い出す(注)。
樹脂補強ゴムや高純度SiCの前駆体合成技術を開発した時もΧが頭をちらついた。「先ず隗より始めよ」と聞くと、「まずΧより始めよ」と頭に出てくる。ちなみに先に述べた高分子の試験ではこの一言を書いて追試を免れた学生もいた。
樹脂補強ゴムを開発していた時に指導社員からΧよりも実際にSP値が既知の溶媒へ高分子を溶解してSP値を求め配合設計した方が良い、と教えられた。高分子のブレンド設計の実務では、まずSP値より始めよ、が正しいのだが、それでもΧがちらついた。
溶媒へ高分子を溶解しSP値を決める手法は、高分子だけでなくフィラーにも応用でき、すなわち無機微粒子の表面のSP値という概念まで拡張可能で、配合設計では有効な方法だ。
しかし、高分子のブレンドではΧで考察するのが正しいようなことが最近の教科書に書かれている。物質を分散するという実務において、SP値が既知の低分子溶媒に溶解してみてその物質のSP値を決定して配合設計したほうが良いことを経験知から推奨したい。
ちなみにSmallの方法で簡便にSP値を計算できるが、当たる確率は60-70%程度である。ひどい時には溶媒から求めた場合と大きく異なる時もあるので、大切な配合設計を行う時には手間がかかるが溶媒に溶解してSP値を決定した方が良い。
(注)PPSと6ナイロンの相溶した中間転写ベルトの開発では、フローリー・ハギンズ理論に対するトラウマが役立っている。人生では失敗を後悔するよりもその後に役立てる心がけが重要である。長い人生では失敗がその後の人生に良い影響を与えていることを味わうことができる。
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毎日報道されている新型コロナウィルスの感染履歴を見ていると奇妙な現象に気がつく。
例えば、中国武漢の騒動は、昨年12月中旬に第一報(実際には11月下旬に最初の感染者があったらしい)が報じられ、あっという間に感染が拡大している。
クルーズ船の感染者の人数を差し引いて日本における変化を見ると、武漢程の拡大がみられない。
最もひどい北海道は、2月上旬の雪まつりが原因となっているのはデータから明確である。
しかし、最近の北海道の患者は、潜伏期間を考慮すると、この雪まつり以降の感染であり、それが武漢ほどの増加を示していない。
このような現象について、最近ワイドショーなどで専門家にも指摘され始めたが、この専門家と称する方たちの意見を集めてみると勉強になる。
そもそもそれなりの肩書をつけておられる方は、科学の方法を身に着けた方々のはずだが、科学的ではない発言をされる方や、政治的発言をされる方もいる。
今この分野における日本の研究者は真剣にウィルスの研究を行い、最近は少しずつその成果報告がニュースとして出てきた。
TVに登場する専門家と称する評論家を科学の視点で観察するといろいろと参考になる。分析や解析には、科学の方法が最も役に立つ。また、科学の方法によらない分析結果は信じない方が良い。
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