高分子の帯電防止技術同様に添加剤の配合技術が重要な分野として、高分子の難燃化技術がある。下記予定でセミナーを行いますので、お問い合わせください。
高分子の難燃化技術は、帯電防止技術と異なり、偶然なんとなく難燃性が付与されることはないので薬物依存状態にはなりにくいが、それだけに正しい知識が無いと対策が難しい。
<セミナーのご案内>
日時 2019年3月29日
場所 大井町きゅりあん
<内容>
高分子の難燃化を科学で体系化するのは難しいですが、アカデミアのチャレンジ結果も出そろい経験からおおよその体系が見えてきています。混練技術にまで遡及し、経験知による体系を提示します。
カテゴリー : 一般 学会講習会情報 宣伝 電気/電子材料 高分子
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高分子成形体の帯電防止は、数値でスペックを決めないと薬物依存状態になる。なぜなら、単なる離型剤でも帯電防止効果が出る場合があり、このようなケースでは、製品が市場に出回ってから帯電故障が発生したりすることがあるので大変だ。
すなわち、たまたま離型剤の帯電防止効果が原因で製品の帯電故障が隠れていた場合、市場で問題が発生すると、もぐらたたきで他の添加剤を添加して問題解決に当たったりする。
このような対応の仕方をしていると、そのうち二種類三種類と添加剤を足してゆくことになる。実際にそのような状態になって品質対応に追われている現場を見たことがある。
このような安直な問題解決のやり方をやってはいけない。帯電故障については市場で発生している問題について、現象を確認しながら製品品質として目標とすべき仕様について数値化をするべきである。
この時表面比抵抗がよく用いられたりしているが、この表面比抵抗について悩ましい問題が存在する。すなわち、電子伝導性の物質で帯電防止をしている場合には悩まない場合もあるが、イオン電導性物質を帯電防止剤として用いているときには誘電緩和により、表面比抵抗のデータをどのように収集するのか悩むことになる。
また、湿度依存性について知識があればよいが、無い場合には測定雰囲気によるばらつきに悩まされることになる。離型剤で偶然帯電防止効果が得られた場合など湿度を変えて表面比抵抗を計測することをお勧めする。
帯電防止についてスペックを数値化せずやたら添加剤の添加効果だけ追っかけていると薬物依存になりやすいのが帯電防止技術である。薬物依存はピエール瀧だけの問題ではない。科学的に現象を把握しようと努めず安直な姿勢の材料開発シーンでも起こりうる。注意が必要だ。
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多くの高分子は絶縁体である。ゆえに静電気を防止する必要がある時には帯電防止処理を行う必要がある。最も確実な方法は、商品の表面比抵抗を10の11乗Ω未満とすることである。ただし用途によっては、この程度でも不足する場合があるので実技評価が欠かせない。
すなわち、帯電防止技術は、科学の知識だけで考えていると商品設計に失敗する可能性のある技術分野である。用途によっては表面比抵抗を下げなくても昔から知られている帯電列を調整する方法もある。
この帯電列は経験則から得られた。そして、いくつかは科学的に説明が可能だが、やはり所詮経験則である。帯電防止技術で難しいのは用途に応じた評価方法である。
電気的評価だけでなく、帯電防止処理の結果生じる副作用についてもチェックする必要がある。例えばブリードアウト。
そもそも、樹脂成形体を界面活性剤や樹脂添加剤で帯電防止を行う時にはブリードアウトすることが前提になる。すなわちカタログに帯電防止剤と書かれていてもブリードアウト速度が低い場合には十分な帯電防止効果が初期に得られない。
時間がたてばブリードアウトにより帯電防止性能が出てくるが成形直後の評価では帯電防止性能が得られない。カタログに帯電防止剤と書かれているので添加量不足と考え量を増やすと知らず知らずのうちにブリードアウトの問題を抱え込むことになる。
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最近喫茶店などでパソコンを開いて仕事をやっている人をよく見かける。当方もメールチェックなど携帯端末を用いて喫茶店で行っているが、資料作成を行っている人を見ると他人に覗かれても平気かな、と心配になる。
驚くべきことに㊙の文字が目に飛び込んできたりしてぎょっとする。先日は化粧品のクレームについて何かまとめているような人がいたが、上司が見たらおそらくぞっとしたのではないか。
当方も新幹線の中で資料作成を行うことがある。ただしセミナーなどの公開資料だけである。現役サラリーマンの時でも業務に直結した資料を社外の公衆エリアで開いたことはない。
最近は働き方改革で出勤しないで業務を行うスタイルも増えてきたというが、不思議な感覚になる。頭が古いためだろうか。ただ、パソコンを使用した業務で生産作業と呼べるのは、報告書の作成やデザイン、コーディング等に限られるだろう。もしその価値が高いならセキュリティの点で問題となる資料が多い。
ほとんどは間接コミュニケーション作業と呼ぶべきメール処理やコミュニケーション資料作成になるだろう。それも二次調査資料を見なくてもできる中身の薄い作業に違いない。
今資料はすべて電子化できる、と言っている人がいるが、電子化された資料だけで会議資料をまとめられるケースは少なかった。なにがしらよれよれの字で書かれたメモが手元にあっての資料作成である。
いまや手書き文字さえも電子化できると言われても、喫茶店で仕事をされている方々が、そのような電子メモを利用しているとも思えない。カフェなどでパソコンを開いて一生懸命仕事を行っているサラリーマンを見ながら彼らの上司の心配をしていた。
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銀塩フィルム写真が終焉を迎えようとしていた時,写真愛好家の間でボケが注目され始めた。ボケとは英語でも「BOKEH」であり、日本から生まれた表現技法の言葉のようだ。
写真のピンボケには、「blurred(blurの過去、過去分詞)」が使われたりしていたが、写真表現としてのボケという単語には、日本語のボケが海外でもそのまま使われている。
この日本語はぼけ老人としても使われたりするが、「bokeh」は、写真独特の表現技法だけに使用される。この技法は、レンズを通してオブジェクトを二次元化するときに撮影条件を満たすと写真特有の美しい世界を生み出す。
ボケの対極にある技法は「ヌケ」だと思っているが、これはまだ流行っていない。おそらくボケの対極の言葉として位置づけたのも当方が初めてかもしれないが、「ヌケ」と「ボケ」をバランスさせたレンズを設計するのは大変難しい。
なぜならボケを美しくしたいならばレンズの収差を残す必要があるからだ。収差が残れば、シャープな画像や正確な色再現は難しくなる。安いレンズで撮影した画像でヌケの悪い眠いケースがあるが、これは収差の補正がうまくできていないためである。
おそらくこのボケとヌケのバランスを意識的に設計したのは、ペンタックスのLimittedレンズシリーズが初めてではないか、と思っている。また、ボケのブームはこの77mmから始まっているらしい。
このペンタックスのレンズシリーズで撮影された画像のボケは皆美しく、特に31mmが有名だが当方は、少し絞ると大変抜けが良くなる77mmを一押しとしたい。ただし77mmは、注意しないと軸上色収差や球面収差などが原因で起きるパープルフリンジに悩まされるくせ玉である。デジカメで使用するとさらにこれが起きやすくなった。
どうもパープルフリンジは画像センサーの影響(写真フィルムは感光層の厚みと表面の凸凹で目立ちにくい)も出ているようだが、77mmレンズにはボケの美しさを優先して設計したためにこの欠点が残っているらしい。
おそらくレンズ設計やデジタル処理でこれを取り除く方法もあるかと思うが、ペンタックス77mmレンズはこのような欠点があるにもかかわらずボケとヌケのバランスを大変良く調整できるので当方のポートレート撮影には欠かせないレンズである。
最近ソニーのミラーレス用レンズがボケの美しさで注目されたりしているが、この85mmレンズで撮影された画像を見ると、ボケ方は大変良いのかもしれないけれど、カメラ雑誌に紹介された絞り開放の写真ではやや眠い画像と感じる作品もある。
また商品を紹介しているソニーのサイトに掲示された画像はニコンの様なカリッとした写真ではない。色のりは良いのだがヌケを少し悪く感じる。これは好みも依存するかもしれない。
ちなみにヌケの良い画像が得られてポートレート撮影で腕が上がったような錯覚になるレンズは、ニコンの85mmF1.4Dである。このレンズを用いて絞り開放で撮影したデジカメの写真は、絞り開放にもかかわらず大変シャープでヌケがよい画像が得られる。カメラのサポートもあり、目にピントがかっちりあった画像が得られる。これをモデルに見せると皆喜ぶから不思議だ。
もちろん絞ればさらにカリカリになり雑誌の表紙のような写真を撮れる。このレンズでポートレートを撮影すると、ボケよりもそのヌケの良さでプロのカメラマンになったような気分になれる。
ただしボケは少し硬く、ソニー製品を高評価しているボケ好きの老人評論家B氏によれば「汚いボケ」と言われている。しかし、このB氏が指摘するような汚さではなく当方は硬さと捉えている。ヌケが好きな人にはこの硬さもボケの一表現として気にならないはずだ。
おまけに、新しい設計のニコン85mmF1.4Gと比較しても前ボケと後ろボケのバランスが良いレンズだ。WEBで作例を比較してみると、絞りリングの無い85mmでは、後ろボケはやや1.4Dよりも柔らかくなってはいるが、前ボケは少し硬いようなイメージがある。
このようにポートレート用レンズとしていろいろなレンズを比較をしてみると、ペンタックス77mmレンズは古い設計なのでパープルフリンジの欠点を抱えている問題はあるが、当方が知る限りヌケとボケの最もバランスが取れ、さらにコントラストも高く色のりもよいポートレート用として最も優れたレンズと思っている(これは主観である。)。
ちなみにポートレートはこのレンズで撮影することが多く、例えば、八景島ボディーペインティング世界大会写真の部でこのレンズで撮影した写真が一席を獲得している。
レンズの光学技術は、科学で完璧に説明されつくした分野のように思っていたが、ボケとヌケのバランスをとるとなると、科学知識だけでは難しく美に対する見識が必要と思っている。
写真を芸術の一分野とするならば、レンズ設計技術は官能の世界で行われる作業の成果にも思われ、科学知識だけでは難しいのではないか。かつて多変量解析で車のデザインと色の関係を研究した論文を読んだが、統計手法で得られた結果を説明するために人間の目がナノオーダーの領域まで見ていると考えなければ説明できない、という考察が書かれていたのが印象的だった。
ニコンはぜひ官能評価も取り入れてレンズ設計して欲しい。新しいZマウントの35mmは大変ヌケとボケのバランスの良い写真が撮れるが、なぜかその結果に人工的な匂いを感じる。
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デジカメの市場が大きく動き始めた、と言われている。今一眼デジカメと言うカテゴリができて、一眼レフとミラーレスカメラがそのカテゴリーにくくられはじめた。
かつてミラーレスカメラは、オリンパスやパナソニックが商品化を積極的に進め、そのさなかソニーがフルサイズミラーレスを上市して注目された。ニコンはニコン1をペンタックスはペンタックスQを発売した。
このころはミラーレスと一眼レフはそれぞれ別々のカテゴリーの商品だった。実際に、ペンタックスが一眼レフのミラーをとっただけのミラーレスを発売しても大きく市場は動かなかった。しかし、ソニーが一年ほど前フルサイズのミラーレスでニコンの一桁一眼レフ以上のスペックのカメラを市場に投入してからマーケットは大きく動き始めた。
ソニーはいつの間にか一眼レフカメラの開発よりもフルサイズミラーレスを一眼デジカメの主力商品に育て上げていた。その結果、一眼レフデジカメはミラーレス一眼カメラにマーケットを侵食され始めた。
一眼レフカメラのツートップメーカーはこの状態となり、昨年ようやくソニーのフルサイズミラーレス一眼を追撃する商品を発売した。驚かされたのはパナソニックもフルサイズミラーレス一眼を発売したので一気に一眼レフとミラーレスの垣根は無くなり、同じ土俵で戦うことになった。
キャノンとニコン、パナソニックは、ソニーを追う立場であるが、ニコンの戦略は際立っている。すなわちミラーレスで「今」の戦いを捨て、未来に生き残る戦略をとっている。すなわち、市場占有率を広げる戦略ではなく、性能トップを狙う戦略である。これは当方も高純度SiCの開発を行ったときにとった戦略なので大変理解できる。
すなわち、最高級の性能を市場で実現しておれば、シェアーは取れなくても、必ず生き残れるのだ。実際にゴム会社で生まれた畑違いの高純度SiCの技術は生き残って30年以上事業として続き、昨年末名古屋のセラミックス会社に事業譲渡された。
この面白い状況を体験しようとニコンZ6をズームレンズのセット品として購入した。購入して一か月、そのズームレンズの性能に驚かされたので35mmレンズを追加購入した。この35mm単焦点レンズにはさらにびっくりさせられた。ボケと抜けの見事な両立が実現されていたのだ。
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この20年間のデジカメの進歩は著しいが、デジカメだけでなくそのアクセサリーの進歩もすごい。最新のデジカメに最新のストロボを組み合わせて写真を撮ってみると、テカらないのだ。
もちろんバウンス撮影をすれば昔からストロボ光によるテカりを抑えることはできたが、それでもわずかにストロボ光の跡が画像に残る。また、ストロボに光拡散板やディフューザーをつけても同様の効果を得ることができた。
しかし、今時のストロボは事前にモデリング発光を行い、最適な光量を決める精度が著しく向上し、ダイレクトに光をぶつけてもテカらない場合がある。テカらない場合があると書いたのは、被写体によってはそれでもテカるからで、どのような被写体でそうなるかはここで詳しく書かない(例えば、お寺の住職の頭は確実にテカる)。
さて本論に入るが、先日ニコンのサービスセンターで最新ミラーレスに合うストロボを尋ねたら、電波制御が可能な5000番の商品を紹介された。電波制御は、ストロボ専業メーカーニッシンのストロボで人気が出た方法で、カメラメーカーのストロボは赤外線を用いたワイヤレス方式が主流である。
当方もニコンのワイヤレスストロボは、フィルム時代の製品も含め3台持っており、室内でオブジェクトを撮影するときに3台をワイヤレスで制御して活用していた。だから5000番の電波制御ストロボを購入すると古いストロボが使えなくなるのだ。
もちろんマニュアルには電波制御と光制御の両方を実現する方法が書かれているが、このようなリモート制御は一方式が、老人の頭には好ましい。サービスセンターではしきりに5000番を勧められたが、ビックカメラで調べたところ500番のストロボでも十分であることが分かった。価格は半分で、最新の機能のストロボが手に入るのだ。
もしZ6あるいはZ7を購入された方でストロボが必要な方は高いストロボを購入する必要はない。二か月使ってみたが、古いストロボも十分に生かすことができて重宝している。ちなみにCH3に制限されるが500番でもリモートの親機として使える。(また、電波制御を行う場合には、カメラ本体にオプションを使う必要もある。なぜサービスセンターは高価で不便な5000番を勧めたのだろう?)
ミラーレスカメラを購入するときに、ソニーか、キャノン、パナソニック、オリンパスと迷ったが、結局手持ち資産を生かすためにニコンZ6を購入した。使いやすいカメラだがサービスセンターの対応に不満が残った。デジカメの市場の勢力図はこの10年流動的で、ミラーレスについてはソニーの一人勝ちである。
ニコンとペンタックスの弱小勢力のカメラ愛好家となってしまったが、画質には満足している。ペンタックスの77mmとニコン85mmf1.4との比較も機会があれば紹介したいが、ソニーその他とは一線を画す画質である。
最近はボケに注目が集まり、ソニーのミラーレス用レンズはそのボケ味に特徴を出してきたが、ペンタックス77mmは負けてはいない。被写体の色乗りはペンタックス77mmに分がある。また画像の抜けの良さはニコンが一番だ。
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アイデアを出すためには、いくつかコツがある。誰にでもできるコツの一つとして、オブジェクトについて思いつくことを書いてみる、という方法がある。
問題解決のケースでは、問題について、まず、問題そのものを明確にする必要がある。これが難しいと思う人は、そもそも今までボーっと問題解決をしてきた人であり、アイデアが出ないのも当たり前と思ってほしい。
問題とは、あるべき姿と現実との乖離である、と言ったのはドラッカーであり、あるべき姿とは、例えば商品であれば、そのスペックがあるべき姿になる。
商品であれば、スペックを満たしていないことが問題であることがすぐにわかるが、あるべき姿が分からない時には、まずそれを明確にすることから始める。
この作業で、漫然と頭に描かれていた問題が明確になることもあるし、上司から言われた問題が違っていたことに気がつく場合もある。上司がいつも正しいわけではない。
現実とは、目の前の現象を明確にすればよい作業なので比較的簡単である。あるべき姿と現実との具体化が済んだらその乖離している事柄を具体的に書いてみる。これだけで問題解決できてしまうことだってあるから驚きである。
あるべき姿と現実との乖離について具体化できたならば、それを結果とみなして、その結果を生み出した原因について思いつくことを書いてゆく。このような作業を繰り返してゆくと、そこにアイデアが具体化されてゆく。このあたりは弊社の企画するセミナーの内容だ。
アイデアが出ないと言って恥じている前に、とにかく「書くこと」である。恥は何もしなくてもかくことができるが、アイデアとは具体的に文字として書かない限り、凡人の頭には出てこないのである。
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朝ドラがプロジェクトXのようになってきた。このドラマ、面白いのはマンペイさんという発明家のキャラクターをうまく演出している点である。そして役者もそれをうまく演じきっている。
アインシュタインは、その脳の解析から発達障害と疑われているが、天才は常人と異なるところがある、というのが俗人の見方で、最近はその異なる理由を発達障害に求める論評があったりするから驚く。
ともかく、ドラマの中のマンペイさんは普通ではない人として描かれており、その振る舞いも奇怪なところが現れたりしている。マンペイさんが普通かそうではないかは実は問題ではない。昨日のドラマでは、フクちゃんのアドバイスによりリーダーとしての役割をうまく演じていた。
マネジメントとは、人を成して成果を出すことであるが、発明のマネジメントとなると難しい。フクちゃんはコーチングによりマンペイさんをうまくマネジメントしているが、それは夫婦関係という位置でのマネジメントだからうまく発明ができているのだ。
ところが天才肌に見られているマンペイさんが部下たちにコーチングしても所詮天才と凡才という受け取り方を部下にされてうまくゆかない。コーチング手法は、人間関係の影響を強く受ける。
そこで、マンペイさんはコーチングではなく、自分が責任をもって応援する、と寄り添う姿勢を演じていた。実はこの姿勢はコーチングではないのだ。当方は、20年前二通りのコーチングの研修を受講した経験があるが、どちらもフクちゃんタイプのコーチング手法である。
昨日見せたマンペイさんの姿勢は、過去のコーチングの研修では手法としての説明がなく、10年以上前に当方が実務体験をまとめた研究所におけるリーダーの在り方そのものである。
当方は凡人であり、アイデアを毎回苦労してひねり出していたが、テレビで演じられるマンペイさんのアイデアを捻りだす過程も血と汗のほとばしるプロセスだった。
高純度SiCの製造プロセスについては、無機材研の先生はじめ多くの方から天才的アイデアと言われたが、このアイデアを捻りだすために30年前、天井材の開発を終えてから1t近くのフェノール樹脂とポリエチルシリケートの廃棄作業を一人で行っているのだ。
天才だろうが凡才だろうがあっと驚く実用的な発明は、才能だけで生み出されるものではない。ドラッカーは、「頭のいい人ほど成果が出せない」といいことを言っている。
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会社起業前に購入したインクジェットプリンターが壊れた。エプソン製顔料系インクを用いたA3ノビまで印刷可能な最高級のプリンターである。
このプリンターが壊れる前は、染料系プリンターでやはりA3ノビまで対応していた8色インクのプリンターを使っていたが、ノズルつまりが多発していたので、4年ほど使用して今回の機種に交換した。
ノズルつまりもほとんど生じず印刷される画質に不満が無かったので使い続けてきたが、集合写真の印刷を行ったところわずかなゴーストが見られたので調整を始めたら、にっちもさっちもいかなくなった。
インクと紙の消耗戦となったので、あきらめて新機種を購入しようと久しぶりにカタログを見て驚いた。インクジェットプリンターがものすごく安くなっていたのだ。
しかし、写真画質となると最高級品は、以前よりも高くなっている。キャノンはこの高級品と低価格品との間の機種がなく、エプソンは高級品から低価格品までラインアップをそろえており、6色インクの機種をミッドレンジ商品として出していた。
この6色インクの機種の出力を見て驚いた。昔使用していた染料8色系と変わらないのだ。早速購入して、過去に出力した写真を幾つか再プリントしてみた。その写真とこれまで印刷した写真とを比較してみた。
驚くべきことに9年前購入した顔料インク8色系プリンターが少しずつ劣化していたことが分かった。6年前に印刷した写真と比較すると6年前の印刷では細部で擬色が発生している。購入して3年後には目立たない劣化が始まっていたのだ。
インクジェットによる写真の印刷では、この擬色の発生を見つけにくい。先日は明らかなゴーストとして目で検出できたので気がついたのだが、日常の印刷では作品としてまじまじと観察しないので気がつかないのではないか。写真を打ち出す前は、ノズルチェックが欠かせないことを意味している。
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