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2019.02/16 PPSと6ナイロンの相溶技術(3)

無端ベルトの押出成形は、リップ部が円形のダイで行う。ベルトの内径を決めるため、冷却用のサイジングダイがリップ部の近くに取り付けてある。

 

このあたりはノウハウになるので詳細を書けないが、PETの成膜で用いるTダイとは少し構造が異なる。

 

写真会社ではフィルム開発を担当していたので、押出成形についてそれなりのスキルを持っていたが、無端ベルトの押出は、ダイの形状も異なるので現場に入る前に少し勉強していた。

 

ゆえに押出速度を早めているのに音の高さが低音側に変化するのは、ダイの構造から考察すると異常な現象ではないかとすぐに疑問がわいた。

 

押出速度が早めたためにPPSの結晶化が起きなくなった、すなわち非晶質PPSのまま安定に押し出されている状態は、ダイの構造以外に全体のプロセスから考えても説明がつかない。

 

ただ一つの現象として、それを説明できるのは非科学的ではあるがPPSと6ナイロンが相溶し非晶質状態で安定化している高次構造のベルトができている場合だ。

 

 

(月曜日に続く)

 

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2019.02/15 PPSと6ナイロンの相溶技術(2)

中間転写ベルトの押出成形の現場でボーっと眺めていたら、突然工場内の騒音の音色が変わった。

 

この音色の変化に対して当方が敏感に対応できたのは、自宅で仕事をするときに、いつも音楽を聴きながら仕事をしていた習慣のおかげである。

 

金属音が中心の高域成分の多い工場内の騒音が、ボムボムという低域成分の多い音に変わった。イメージとして寺井尚子からロンカーターに変わったような感じだ。

 

この音の変化の原因は、一日の規定の生産本数を終了し、単軸押出機のシリンダー内に残ったコンパウンドを押し出したいために、押出速度を早めたからである。

 

PPSというポリマーは結晶化しやすいので、生産時の金属音はベルトが押出されて冷却後一本一本採取されるときや、押し出し後断裁されるときのほんの一瞬力がかかる時に出ている。

 

生産終了後は、一本一本丁寧に採取はしていないが、適当な長さになるとはさみで乱暴に切り取っている。すなわち、生産終了後のほうが本来金属音がうるさくなってもよいような状況だ。

 

本来騒々しくなってもよいような状況で、逆に金属音が無くなり落ち着いた音質に変化していた。現場の人たちはこの変化を日常の変化として慣れっこになっていたが、当方には大変不思議な変化に思われた。(明日に続く)

 

 

 

 

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2019.02/14 PPSと6ナイロンの相溶技術(1)

先日小鯛の笹漬けの話を書いたら質問が届いた。質問の内容はマンペイさんの即席ラーメン以外に具体例はあるのか、という質問である。

 

当方の開発した技術は、ゴム会社で30年間事業が続いた高純度SiCの技術はじめ多くの技術は、試行錯誤による独創の成果である。思いつきと言ってもよいような技術もある。

 

非科学的な表題の技術も、当方の営みから生まれた思いつき技術の一つである。以前この欄で紹介しているが、この技術は、豊川へ単身赴任が決まり、単身赴任先の下見のため現場でボーと中間転写ベルトの押出成形を眺めていて思いついた技術である。

 

PPS中間転写ベルトという技術テーマは、写真会社が他の会社と統合されたときにお荷物テーマの一つだった。

 

このテーマに終止符を打つことを期待されて当方が前任者から技術リーダーを引き継ぐ役目として研究所から派遣された。

 

その状況は、このテーマが成功し生産が始まったときに、本来研究所で開発が終了していなければならなかった技術が完成していなかったために中間転写ベルトの生産に影響を与えていることからも明らかである。

 

すなわち、当方が開発に失敗しテーマが終了することを見込んで、研究所の担当者は中間転写ベルトに必要なある技術の開発テーマを中断していた。

 

しかし、当方が技術開発に成功したものだから、慌てて開発を再開したが、基盤技術が完成したと言われているのに納期に間に合わなかった。このあたりには**技術ゆえに悲哀あふれる笑い話があるが、他人の技術なのでここで書かない。

 

ところで、表題の技術は中間転写ベルトの現場観察で生まれているが、何故6年近く誰も技術アイデアを思いつくことができなかったのか。

 

それは非科学的な現象だったからだ。フローリー・ハギンズ理論という少し適当な、それでいて重要な理論が高分子の教科書に載っており、この理論で表題の技術は否定される。

 

当方がノーベル賞学者の理論に対して懐疑的に見ている理由については、以前この欄に書いているが、少なくとも実際の生産における非平衡状態においてはこの理論を適用するのは技術開発の障害となる。(明日に続く)

 

 

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2019.02/13 アジャイル開発

昨日のNHK朝ドラ「まんぷく」では、アジャイル開発を想起させるような場面が登場した。揚げ麺でゴールを実現したかのように見えたその時、「最適な揚げ麺の状態を想定して麺の配合をやり直す」と言い出したマンペイさんにフクちゃんはじめ皆びっくりした。

 

2000年前後からソフトウェアー開発技法として成功したアジャイル開発が注目されている。アジャイル開発は、ある程度形ができたところで市場にそれを投入し、市場の中で製品を完成させる方法である。

 

すなわち従来の様なシーケンシャルで開発を行っていたのでは、市場の変化に開発スピードが追いつかなくなって考え出された方法だ。コンピューターのソフトウェアーの進歩は加速度的で、いちはやくアジャイル開発が考案された。

 

アジャイル開発は材料の様な商品でも可能である。特性の一部が性能未達の新素材について、例えば耐久性はそこそこであるが、それを市場投入し、市場の中で素材の配合を最適化してゆく。

 

現代の技術があれば、材料に限らずなんでもとりあえず機能する部品なり製品を創り出すことは可能である。それを市場に投入し、市場での使われ方を見ながら新製品を作りこんでゆくのである。時にはマンペイさんのように市場において顧客を満足させる観点から再度設計しなおすことも。

 

スバル自動車は、毎年のマイナーチェンジで性能向上が著しいことで有名で、スバル車を購入する場合には、フルモデルチェンジ間際の新車を購入するとよい、とさえ言われている。もしかしたらアジャイル開発を行っているのかもしれない。

 

アジャイル開発の良いところは、開発段階でわからなかった市場情報を活かすことができる点である。マンペイさんは即席ラーメンの開発過程で、当初揚げ麺にすることなど考えていなかった。

 

しかし、最終商品の形態を揚げ麺にすると決まったならば、その揚げ麺で最高の味になる処方を再度作りなおすのは市場で勝ち続ける商品開発手法としてよい方法である。

 

市場投入間際まで商品の最終形態が決まらなかった時に、最終形態が決まったところでスタートから見直しをかけるのもアジャイル開発の一手法である。すなわち、アジャイル開発とはゴールから発想し、ゴールの状態で最適化する開発手法である。

カテゴリー : 一般

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2019.02/12 ステージゲートによる研究開発

NHK朝ドラのマンペイさんはついに揚げ麺による即席ラーメンの製造法を見つけた。フクちゃんは、ようやく完成した、と喜んでいたら、マンペイさんはこれからだという。

 

研究開発のステップを御存じない方は、この場面をどのように感じられたのだろうか。実は、現代の多くの企業で行われているステージゲート法の研究開発では、ようやく企画が完成した段階なのだ(注1)。

 

番組を毎日見てこられた方は、その長い苦労を見て、昨日の場面がゴールに見えたのかもしれないが、まさにマンペイさんの言葉のように、これから研究開発を始められるようになったのだ。

 

ゴム会社のU取締役は、紙の企画書だけを持ってきた管理職に対し、まずモノを持ってこい、としかりつけていた。企画段階でまず具体的なモノまでできていることが研究開発を成功させる秘訣だともいわれていた。

 

まさにドラマはその言葉通りに進んでいるのだ。そして科学的裏付けを取るためにダネイホンでお世話になった大学教授に科学の視点で出来上がった技術について考察を求めている場面も紹介された。

 

ステージゲート法による研究開発では、企画が研究開発に移行する前にゲート段階で科学的視点から厳しい評価が下される。

 

しかし、企画に新しいシステムを盛り込むためには、マンペイさんがやられたような非科学的な試行錯誤も重要な技術手段だ。写真会社では試行錯誤で仕事をやるな、と言っていた役員がいたが、会社により試行錯誤を認めていないところもある。

 

しかし、試行錯誤により自然界から機能を見つけ出す作業は重要である。試行錯誤を否定するCTOのもとでは、誰でも気がつく当たり前の技術しか生まれない(注2)。即席ラーメンの様な世の中にない商品を生み出すためには、試行錯誤も重要な技術手段の一つだ。

 

余談だが、ラテン方格を用いるタグチメソッドは、試行錯誤法に他ならない。なぜなら、ラテン方格はすべての条件の一部実施を可能にするために考案された手法だ。

 

(注1)ゴム会社の高純度SiC事業では、フェノール樹脂とエチルシリケートの均一に混ざり合った前駆体が合成されただけでは、その企画がゴム会社で認められていない。企画が認められていなかったばかりか、世間でいうところの係長クラスの昇進試験で出された問題で「あなたが推進したい新規事業について述べてください」という問いに対し、その企画内容を書いても0点がつけられている。無機材質研究所に留学して6ケ月経過した時に人事部長からその結果を告げられ、傍らで聴かれていた所長が、その内容を1週間だけチャンスを与えるから実現してみたまえ、と言われたおかげで高純度SiCを生み出すことができた。前駆体を無機材質研究所の電気炉で焼成しただけなので、1週間で完成したわけだが、その1け月後には、社長から2億4千万円の先行投資を頂いている。このようにして生まれた企画が30年続く新事業になった。昨年10月にこの事業は名古屋の会社に移管されたが、事業移管先が名古屋の会社というのも不思議である。

(注2)だから科学的なのだ。論理的結果として導かれるモノは、科学がこれだけ普及した時代には、誰でも作り出せる状態にある。オープンイノベーションが叫ばれるようになった背景には、科学的に考えていては見いだせないような技術がどこかに転がっていないか、という期待感がある。本来はドラッカーが言い始めた言葉だが。

カテゴリー : 一般

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2019.02/11 結晶

結晶という言葉は、日常でも使われる大変ポピュラーな物質の状態あるいは相を意味する単語である。この言葉の学術定義は意外にも1992年に国際結晶学連合により行われている。

 

それによると、「本質的に離散的な回折を与える固体」となっており、之より以前の結晶の概念が広く拡張されている。また、この定義で高分子結晶も十分に結晶と呼んでもよい時代になった。

 

そもそも結晶とは鉱物学で生まれた言葉、と学生時代に無機材料科学の授業で習った。鉱物をたたき割るとへき開面で割れる。この規則正しさから鉱物を分類する方法として結晶という言葉が生まれているそうだ。

 

すなわち、もともとマクロの状態で定義されたような言葉である。長い間学術用語としては定義されず使われてきたのだが、1992年にかなり広い領域の物質まで含んだ言葉として定義された。

 

この定義前には、ナノ結晶という造語も生まれている。ただ、学生時代に無機結晶のX線回折実験を行ったとき、すべての方位の回折が現れていなければ結晶と呼んではいけない、と指導された。ナノ結晶は主に高分子材料研究者が使用していた。

 

無機材料の結晶化速度論については1980年代にほぼその体系が出来上がった。当方の学位論文では、その体系をまとめ上げているが、面白いのは、高分子結晶はすべてアブラミ式で議論される点である。

 

ラメラができるところまではそれでも良いかもしれないが、ラメラから球晶へ成長するところまでアブラミ式で整理している研究に出会うと質問の一つでもしたくなる。

カテゴリー : 一般

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2019.02/10 小鯛の笹漬け

昨日来客があり表題の高価なお土産を頂いた。高いものなので土産として自分で購入したことはなく、毎度頂き物以外で食べたことは無かった。舌鼓を打ちながらふと守口漬けを思い出した。

 

この二つの共通点はただ樽に入っている点だけで樽の大きさも異なり、なぜ守口漬けを思い出したのか不思議だった。この突然思い出した理由をあれこれ考えていたら、この数年樽に入った守口漬けを見ていないことに思いが至った。

 

実は毎年父親が土産で持たせてくれたので、9年前まで守口漬けを食べない年は無く、朝食で食べるのが一つの習慣になっていた。父親が亡くなってもしばらくは自分で購入していたのだが、この数年その習慣が無かった。

 

大和屋の守口漬けに、両口屋の千成、カクキューの赤だしはかつての定番の土産だったが、実家をたたんでからいつのまにか名古屋に行く機会も少なくなった。小鯛の笹漬けを食べながら小鯛とは全く無関係のことを考えながら連想の不思議を味わった。

 

樽に入った美味という共通項だけで赤だしまで連想が続いたのは、酸味から発酵という連鎖かもしれないが、このどうでもよい連想でも、アイデアを思いつくときと似ている点が面白い。

 

アイデアを生み出すときにその人ゆえの営みからくる関係で連想し、論理と無関係な発想をどこまでできるかが独創性を高めるコツである。これならば、現代のAIでも思いつかないアイデアを生み出すことが可能であり、まさに新技術を生み出す一つのコツでもある。

 

朝ドラ「まんぷく」のマンペイさんはフクちゃんのてんぷらを揚げる姿を見て、揚げ麺で即席ラーメンを製造する方法を先週末8時14分に思いついた。即席ラーメンの技術はマンペイさんの生活の営みから生まれた商品なのだ。

カテゴリー : 一般

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2019.02/09 技術開発経験談(16)

高分子の燃焼試験機として自動酸素指数測定装置が販売されていた話を以前書いている。最近そのような装置が販売されているか知らないが、この装置は素人の願望を実現したような装置だった。

 

ポリウレタン発泡体のLOIは、この装置で測定できなかったが、発泡体をプレスし密度をあげた形状にすれば、この装置で測定可能となった。

 

このサンプルの状態で計測して、誤差が0.5程度の精度で自動計測できる機械だということを理解できた。ただし、この装置で同じサンプルを手動で計測すると、誤差は0.25程度であり、計測時間も20%程度短くなった。

 

すなわち、自動計測は精度を高めるため、と説明書に書いてあるが、そのため各種部品が一般の酸素指数測定装置よりも高精度の部品が使われ手動によりさらに精度を上げられたのだ。

 

するとこの装置の残るメリットは酸素指数法という評価技術を理解していない素人向けという点だけである。

 

研究開発部門でこのような装置を導入していることにびっくりしたが、せっかく手動計測できるように改良したのに自動測定で行え、と指示が出たことでさらに驚いた。

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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2019.02/08 研究開発部門の企画(7)

研究開発部門の企画でありがちなのは、基盤技術強化と称して事業とは無関係の研究企画を立案する間違いである。企業の研究開発部門でいつもその企画はどのような事業になるのかを問い続けない限り、そのような企画を知らず知らずのうちに立案する。

 

電気粘性流体では、加硫促進剤や老化防止剤などすべての添加剤を抜いたゴム開発という企画が提案された。世の中には存在しないので挑戦的な企画、とリーダーは自画自賛していたが、これは技術を無視したゴミ企画である。

 

少し考えれば理解できるこの無茶苦茶な技術開発提案がゴム会社で企画として通った理由は、界面活性剤では問題解決できないことを科学的に完璧に証明して、ゴムからオイルにより抽出される物質をなくさなければ問題解決できない、という結論を出していたためである。

 

そこで本当にゴムからの抽出物が無くなれば、電気粘性流体は増粘しないのか、ということになり、それを確認するために、研究のための研究に相当するゴム開発という企画が本部内で承認された。

 

ゴム会社でありながらだれもこの企画に疑問を持たなかったのは、研究開発部門だったからである。研究開発部門で研究者だけで企画を行うと、このような現実無視、事業を考慮しない企画を平気で行いがちである(注)。

 

このような企画を社内で依頼された時には、それを無条件で受け取り推進してはいけない。企画の差し戻し手続きを行うべきである。ただし、その時には、その企画に代わる事業を成功させるための企画を提案しなければいけない。

 

例えば、界面活性剤で問題解決するという提案である。ただし、これは当時否定された技術手段だったので、実際に問題解決できた証拠を添えて提案する必要がある。そこで一晩かけて成功例を開発した実話を数日前にここで紹介した。自慢話ではなく、睡眠時間を忘れた実話である。

 

(注)問題解決することが一番大切であるが、その方法がわからない時に、できないことの証明が重要と声高に言われる人がいる。そのような上司や同僚に幾度となく悩まされた。できないことの証明とできた証拠を一緒に提出すると、誰もできない証明の報告書など読まない、という事実を体験している。中間転写ベルトの開発では、部下の課長から外部のコンパウンダーに依頼しているコンパウンドでできない証明をしてくれたらすべてのリソースをコンパウンドの内製化に投入することに賛成する、と言われ、説得することをやめて中途採用者1名と退職前で現場で閑にしていた技能者1名とで子会社にコンパウンド工場を半年で建設し、テーマを成功させた。できないことの証明にエネルギーをかけるよりも問題解決することにエネルギーを投入すべきことが重要であることをすぐに理解できない人は多い。

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2019.02/07 技術が優先される時代

20世紀は、科学で技術開発を進め「なければいけない」時代だった。おそらく21世紀は、3世紀前のように技術が科学から解き放たれて発展する時代ではあるまいか。また、科学に拘束された技術開発を行っているメーカーは時代に取り残されるのではないか。

 

そもそも科学で明らかにされた機能だけを科学の恩恵としてありがたく開発してきたために、世界中がほぼ同じ方向で技術開発を進めることになった。この方法で技術の進歩は加速度的に速くなったが、情報化時代となった現代において、科学で明らかにされた技術開発では、他社との差別化が難しくなる。

 

また、情報化時代の市場では技術の陳腐化も著しい。それだけではない。半導体製品を見ればわかるように寡占化のスピードも速くなった。

 

変化の激しい時代に変わらない商品がある。例えば自動車。しかしこの自動車という商品はかつての自動車と呼ばれた商品と大きく変わろうとしているようにも見える。

 

エンジンがモーターに変わるという変化だけではない。トヨタはスープラを直6で復活させた。トヨタには実績のあるV6エンジンやその気になれば、傘下のスバルの協力を得てポルシェを凌ぐ水平対向エンジンをスープラに搭載することも可能だったはずだ。

 

トヨタのこの動きは、ただモータースポーツへの回帰ではない。おそらくトヨタはこのスープラを使って市場調査を試みるつもりかもしれない。そのたくみに考えられた仕様を見ると、文化と技術のインターフェースにおける機能調査をするようにも見える。

 

このトヨタの動きは、アメリカのテスラだけではない自動車市場への新規参入者の増加を見据えたものではないかと想像している。日本ではリチウム二次電池の事業に成功した旭化成が電気自動車で参入しようとしている。

 

アルビントフラーの第三の波に続きこのような第四の波が見え始めたが、この時代の技術開発の手法として従来の科学の手法に囚われていると、すぐに世の中の進歩に置いてきぼりにされるような気がする。また、科学的手法では当たり前の開発しかできない問題もある。

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