タグチメソッドをご存知ない知識労働者は多い。技術者でもご存知ない方がいるので仕方がない。しかし実際に使用し、仕事の効率を上げている技術者は増えている。
中国でコロナ禍前までローカル企業を指導してきたが、その手法はタグチメソッドである。しかし、国内で行われているような、哲学を重視した方法ではなく、メソッドを中心とした指導である。
タグチメソッドを難解なものとしているのは哲学である。これで品質工学の哲学を普及しようとしているのでタグチメソッドが難解なものとなった。
習うより慣れろ、という言葉が示すように、メソッドには慣れるのが一番である。10年以上前から、エクセルシートを利用して、中国では指導してきた。
最適値を求める簡便な方法として中国の技術者には歓迎された。そして出来上がった技術のロバストが高くなっているので、ありがたがられたのである。
弊社では、最近はPythonプログラムを無償配布し、タグチメソッドを指導している。ゆえにSN比を求めたりする部分で苦労する必要が無いので、習得が容易となる。お問い合わせください。ご希望の内容のセミナーも提供可能です。
カテゴリー : 一般
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昨日T2Tが検討されている話を書いたが、食品トレイでなくても他の樹脂のリサイクルでも問題となるのが、分別が難しい樹脂の混合物の扱いである。
サーマルリサイクルというアイデアもあるが二酸化炭素の問題があり、2022年4月に施行された法律では、Renewableが推奨されている。
分別が難しい混合物をそのまま混練して樹脂として扱う方法もあるが、高分子をご存知の方であれば、このような方法では力学物性を期待できない樹脂となる。
但し、これは通常の二軸混練機を使用した場合である。カオス混合を行うと、力学物性が改善されることは10年以上前に確認している。
すなわちどのような樹脂の混合物でも二軸混練機によるコンパウンドよりもカオス混合によるコンパウンドの方が物性が向上していた。ただし、それでもバージン材よりは悪い。
実は、このような混合物についてバージン材よりも良い樹脂を製造する方法がある。詳細は問い合わせていただきたいが、少し弊社と共同で実験を行う必要がある。理由はご契約後説明する。
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PETボトルのB2Bリサイクルは、サントリーと協栄産業が中心になり実用化された。今食品トレイのT2Tが話題になっている。
ところがトレイで問題になるのは、PETボトルのように同一素材でトレイが生産されていない。聞きかじりで申し訳ないが、プラスチックトレイ廃材の量はPETボトル約70万トンより多く85万トンらしい。
その40%は、PETだが、PSも40%ほどあり、10%がPPで残り10%がその他樹脂という内訳である。正確な数字は確かめていただきたいが、年をとっても関心のある数値は記憶している。
特に今月末再生樹脂の国際会議に招待講演者として呼ばれているので、必死でこのあたりの数値を確認してる。
さて、プラスチックトレイは、透明なトレイとそれ以外の白色や着色されたものなどさまざまである。すなわち、リサイクルにおいて透明トレイの選別はできそうだが、その他の色物は難しそうである。
トレイの材質を統一するモノマテも一つの考え方であるが、PETボトルと異なり、食品トレイでは加熱その他の目的に合わせる必要からPPなども活用されているのである。材質の統一は難しいだろう。
仮に透明トレイをPETに統一できたとしても、他の有色トレイはPETとしない方が選別が容易となる。すなわちリサイクルを考えたときに、選別技術を考慮するとすべてモノマテが良いとは限らないのだ。
なんだかんだで食品用トレイのリサイクルは、PETボトルほど容易ではなさそうだが、T2Tは、PETボトルで実現した手順で行えばよさそうであることは見えている(明日に続く)。
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昨日ようやく中国渡航ビザの申請が完了し、木曜日に頂けることになった。実は、先週2度ビザ発行センターまで無駄足を運んでいる。
今月末に再生材の国際会議があり、その招待講演者となったので渡航ビザが必要になったのだが、あらかじめ頂いていた日本語の招待状ではだめだと言われた。
それで、主催学会に英語の招待状発行をお願いしたのだが、印が無いので、申請書を受理されなかった。金曜日の夜に印もつかれた招待状が届いたので、昨日改めてビザ発行センターへ申請書を提出しようやく受理された。
もし、中国旅行や仕事で渡航する必要が生じた人は、申請方法等ホームページをよく読み、エラーの無い申請書を用意していただきたい。
注意事項等はホームページを参考にしていただきたいが、書かれている指示に忠実な書類を作成しなければ当方のような出し直しになるので注意されたい。観光ビザであれば、Eチケットとホテル情報だけなので簡単であるが、招待状が必要なビザの場合に招待状に書かれている情報も問題とされる。
また、写真は眼鏡をはずした写真であることが求められ、さらに証明写真用に撮影されたものでなければ、受け取ってもらえません。
コロナ禍前はパスポートだけで渡航できたが、未だにコロナ禍前の状態に戻っていない。コロナの判定書類が必要なくなっただけでも便利になったが、ビザ申請が初めての人は注意されたい。
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サラリーマンでPython をご存知ない方はいないと思う。もし、ご存知なかったら、知識労働者ではない。DXの進展でPythonの知識は知識労働者の常識となったからである。
これまで様々なプログラミング言語が登場したが、Pythonほどプログラマーを獲得した言語はない。あの初心者用言語と言われたBASIC言語でさえ、すべての知識労働者を獲得するには至らなかった。
C言語は息の長い言語で、今でも使用されており、プログラマーにとってはBASIC感覚で自由に使える言語として普及している。ただし、C言語を体得するには二つ山を越えなければいけない。
C++は、今C#に置き換わりつつある。C#はC++とよく似た文法であるが、完璧なオブジェクト指向言語という理由でC++より優れている。C++は、Cを引きずっており、C#のような洗練された仕様となっていない。
Pythonはこれらプログラミング言語と異なり、どちらかとうと、ナンチャッテ的側面がある。一応オブジェクト指向を実装しているが、構造化プログラミングだけでプログラム可能なだけでなく、MS-DOSのバッチファイルのように単なる手続き型言語としての使い方もできる。
いいかげんな言語という評価も可能だが、3つのパラダイムを実現したマルチパラダイム言語という評価も可能である。それゆえBASICよりも易しく使うことができ、BASICよりも便利な言語である。
弊社では希望により1日でPythonプログラミングスキルを習得できるセミナーを公開している。土日は無料コースも含む特別価格で開催しているので問い合わせていただきたい。今時Pythonを使えないのは、DX時代に恥ずかしいことである。エクセル365にも実装された。
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地球温暖化の進行を訴える人は、二酸化炭素の増加で、よく大気が5度Cアップすると表現している。しかし、これは、大気全体で平衡状態を考えたときの数値ではないか。
太陽の熱で地球表面が暖められているが、夜にそれが放熱されて地球は冷え、大気があるので地球以外の他の惑星ほど冷えすぎないのである。
この時対流で地球上には偏西風はじめ様々な大気の流れが生じているが、これは非平衡状態である。シミュレーションを科学的に行おうとする時に、非平衡状態は扱いにくいので平衡状態として計算しているはずである。
しかし、鍋でお湯を沸かすことを考えて頂きたい。鍋の底は常時ガスの火で温められているので、最表面で指を入れてみてもすぐに熱くならないが、鍋の底は表面よりも早く熱くなっている。
この経験から考えると、人間は地球表面にいるので、地球温暖化のシミュレーションよりも早く5度Cアップを経験することになる。
50年以上前に比較すると、毎日が異常に熱く感じる。昔は熱帯夜と言われても蚊帳の中で我慢して眠ることができた。今、それをやると熱中症にかかることは必至である。
また、暑い日には体温より温度が上がっているのではないか、と学生時代によく冗談で言っていたが、この頃は、それが冗談であり、体温以上の日の記憶は無い。
地球温暖化のシミュレーションを非平衡状態を考慮し、地球最表面と大気層の中央当たりの温度と分けて求めることはできないのか。9月になっても残暑というよりは毎日が真夏である。
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タグチメソッドは難解だという誤解が多い。これは分かりにくい説明書や指導方法にも原因がある。すなおに現象へ対峙すれば、自然とロバストを高めることの重要性に気づく。
この気づきを促すような説明が重要で、弊社ではそこに力点を置いてタグチメソッドを指導している。タグチメソッドの考え方を理解できて、実験を行おうにも、そのあとの計算が難解だと思われている。
確かにSN比の計算だけでなく、制御因子の各水準における値をまとめる作業は煩わしい。しかし、Pythonを使えば簡単である。
弊社では、受講者の希望日にタグチメソッドにPythonを導入するセミナーを開催しているので、問い合わせていただきたい。そのとき、事例として、SN比計算プログラムや、タグチメソッドの実験整理のプログラムを配布しています。
この配布しているプログラムを参考に、タグチメソッドの実験前にPythonのプログラムを実験ノートとして作成する方法を指導しているのだが、受講生からAIを使ってプログラムの自動生成ができない、という相談を受けた。
そこで、今それを検討中ですが、月末に再生材に関する国際会議の招待講演者となっているので、その準備で忙しく対応できていない。
しかし、この相談内容は面白いので年内には回答できるようにしたい。その前に、弊社の「Pythonで理解するタグチメソッド」を受講されることをお勧めする。
このセミナーでは、タグチメソッド初心者あるいはまったくそれを知らない人でもPythonを中心にご指導している。大変分かり易いセミナーと評判です。セミナーで使用したプログラムも無料配布しています。是非お問い合わせください。
カテゴリー : 一般
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高分子の燃焼において高分子試料で起きている現象は酸化だけではない。熱による溶融、熱による分子の断裂やラジカル発生、緩和など様々なことが発生する。
燃焼試験において、これらの変化が劣化させるように作用する場合もあれば、良い方向に作用する場合もある。例えば熱により変形が生じた場合に、ULーV試験では異常燃焼を誘起することもあり、たいていは悪い方向に働く。
実火災では、高分子材料がどのように火源と対峙するのか、その予測は困難であり、それで高分子材料の用途ごとに難燃規格が決まっているのだが、材料メーカーの立場で困るのは、それが成形体を対象としている規格であることだ。
すなわち、材料だけで難燃化規格の合格を保証することができない。難燃剤に至っては添加量の問題もあり、それが難燃剤であることを仕様に示すのは難しいはずである。
しかし、難燃剤として使用された実績があると、それを難燃剤として販売しているのが実情である。ここで問題が出てくるのは、リンやハロゲン系化合物以外で難燃剤として販売する場合である。
例えば、水酸化アルミニウムは、稀に30%以下の添加で、高分子を難燃化できたりする。これは他のフィラーとの交互効果が効いていたりする場合であるが、この事例から難燃剤として仕様に書くのはどうかと思う。
水酸化アルミニウムは、50wt%以上添加しなければ多くの高分子で難燃効果を発揮しない。これだけの添加量になってくると、成形体の燃焼時に高分子の変化に影響を与える。
良い方向に効果を発揮しているケースが多いので、水酸化アルミニウムは難燃剤としても知られるようになったのだが、その難燃化機構は、水の揮発による冷却効果として説明されたりしている。
ならば水酸化マグネシウムや酸化スズゾルも効果があるだろうと実験をすると、水酸化アルミニウムほどの効果が出ない場合もあれば、水酸化アルミニウムより少ない添加量で効果が出たりする。
40年以上前、高分子の熱による変化に着目し、これらリンやハロゲンを含まない化合物について、難燃効果を調べた経験があるが、仮説設定して実験を行うと、皆否定証明の結果となった。科学に対して大きな疑問を持つようになった原因の一つ。
カテゴリー : 一般 高分子
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2022年に再生材とバイオポリマー促進に関する法律が施行され、今月広州では再生材に関する国際会議が開催されるという。その招待講演者に選ばれたので、改めて文献調査などを行ったが驚いた。
某大学の先生が当方のカオス混合類似の装置を使いながら、その先生の発明のようなことを書いている。この分野で真っ先に引用しなければいけないウトラッキーの文献さえも引用していない。
さらに、二軸混練機だけでは再生材の強度は低いが、その先生の発明による装置を使うと強度が上がるという論文をWEBでも堂々と公開しているが、その強度アップの原因に関する考察が間違っている。
論文は著名な雑誌ではないので、調査も不十分ないいかげんな論文でも掲載しているのだろうけれど、日本のアカデミアはここまでレベルが下がったのか、と愕然としている。
一応大学教授らしいが問題だと思っている。誹謗中傷ではない。やはりアカデミアから発表される論文は、先行技術など十分調査したうえでの研究論文であるべきと思っている。
カテゴリー : 一般 高分子
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高分子には様々な添加剤が添加され、コンパウンドとして提供されている。透明性が要求される光学用レンズ材料でさえも数種類の添加剤が入っている。
この添加剤の中には、目的が不明の場合もあることをご存知か。ゴム配合技術を新入社員の時に習ったが衝撃的なことを教えられた。何故添加しているのか不明の添加剤があるというのだ。
その添加材を入れなくても物性変化はないが、耐久寿命が変わるので、寿命に効いている、と言われているが、そのメカニズムが不明という。
ただし、その添加材を抜くと寿命試験で短くなる結果が得られるという。当方は不思議に思い、一度その添加材を抜いてみたところ、物性も耐久性も何も影響が出なかった。
しかし指導社員からコストダウンの目的でもない限り、抜かない方が良い、と言われた。理由は、現場でも知られており、その添加材が添加されていない配合は信頼度が低くなるかららしい。
同じような問題が写真会社に転職した時に発生した。エポキシ基を持った添加剤である。接着剤によく使われる分子構造であるが、発がん性のある化合物が多い。
これを廃止する企画をしたが、最初はゴム会社と同様の理由で没になった。そこで、多層塗布における接着について基礎研究を進め、各層の弾性率と応力分布の関係等基礎的事項について研究成果を積み重ね、この化合物が無くても十分な接着力を出せる手法を開発した。
その結果、この添加剤を抜くことができたのだが、これは、科学的に証明できたので周囲の理解が得られたのだが、大変な作業であった。
カテゴリー : 高分子
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