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2026.04/21 研究開発プロセス(3)

指導社員の指導は、少し変わっていた。毎日午前中が座学であり、午後は実験室で混練の実務を自由に行う習慣となっていた。最初の1週間は安全教育も兼ねて午後も指導社員が横についての混練作業だったが、10月中旬になると、午後は自由時間となった。


午前中の座学は、指導社員が開発された樹脂補強ゴムに関する内容が大半だった。驚くべきことに、すでに世界初の新材料が完成していたのだ。それがまだ防振ゴムとして未達の物性があるので指導社員が用意した様々な樹脂とゴムをブレンドし、より良いものを開発するのが当方の仕事だった。


これは、その後の当方の仕事のやり方に影響を与えるアジャイル開発の手法である。さらに、検討方法は、仮説を検証する方法ではなく、その後セラミックスフィーバーで注目されるコンビナトリアルケミストリーそのものであった。


仮説が立案されていなかったわけでなく、仮説に基づくシミュレーションが完成しており、そのシミュレーション結果の検証作業に相当するような仕事が当方の新入社員テーマだった。


すなわち、当方の仕事では、肉体労働がほとんどであり、知識労働者としての仕事は何も無いような状態になっていた。もっとも混練の知識やゴムの知識、高分子技術に関する実務知識など皆無の状態だったので、それにふさわしい指導社員として新入社員への「完璧な仕事の与え方」である。この指導方法も当時の研究所では批判されていた。

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2026.04/20 研究開発プロセス(2)

当方はゴム会社に1979年4月入社し、半年間の研修後10月1日にコーポレートの研究所に配属された。1年後に発表する新入社員テーマとして、防振ゴム用樹脂補強ゴムの開発を担当している。


この時の指導社員は、当方が初めての部下であり張り切っておられたが、どこか組織に対して斜に構えておられた。課長(主任研究員)に近い年齢の方であった。


しかし、12年ゴム会社に勤務したが、当方と交流した研究者で、この方と同等以上の優秀な知識労働者は、東大へ講師として転職され、後に教授となられた方だけだった。


この方の指導は、大学の授業よりも高度であり、ユニークだった。すなわち経験知がふんだんに取り入れられており、当時の(あるいは今もそうであるが)混練に関する未完成の形式知を論理的な体系として理解しやすい内容だった。


企業における研究開発において、形式知の体系が未完成な分野の攻め方が問題になると思う。当時の研究所は、未完成ゆえにその体系を明らかにしようとするマネジメントが行われていた。

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おそらく、形式知と経験知とを同等に扱うゆえに昇進が遅れていたのかもしれない。数値シミュレーションを関数電卓で行い、材料設計をする姿には、ある種のあこがれを持ったが、当時は指導社員に追いつくことに必死だった。

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2026.04/19 研究開発プロセス(1)

生成AI、例えばChatGPTの進化が著しい。かなりの非日常業務をこなせるようになり、ハルシネーションも起きにくくなった。それでもたまに怪しいことをいう可能性があり、使いこなしには注意を要する。


しかし、回答の根拠となった論文を必ず提示するように指示をすれば、その論文からAIの回答の信頼性をチェックできるので騙されることは無い。


もっともAIは騙そうと思って騙しているわけではないのだ。生成AIの動作の仕組み上、ハルシネーションが起きてしまうのである。これが0となった時に人間にほぼ近いAIとなるのかもしれないが、研究開発プロセスで十分に実用化できるレベルまで来た。


また、AIのエンジンとなっているディープラーニングを用いたアルゴリズムで回帰や分類を行う用途には十分に実用レベルである。


弊社はこのような観点でAIの活用方法やAIを取り入れた業務プロセスについてセミナーの教材を用意しており、ChatGPTが登場してから実績を出してきた。


一つとして、40年前からの当方の業務プロセスを中心にしてまとめた資料をゴムタイムズ社の季刊誌に3回の連載で掲載している。問い合わせていたければ一部のpdfを送付いたします。一部としているのは、量が多く全体をメールで送れないからである。

カテゴリー : 一般

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2026.04/18 転職の状況

ChatGPTに転職時の状況について、発生した事実を羅列して入力したところ、興味深い内容を回答してきた。すなわち、研究所という組織では典型的なできごとである、と。


それは、いつの時代でも技術者と組織とは評価軸が完全にずれるために起きるので、転職してより良いところへ異動したのは正解である、と。


故ドラッカーも同様のことを述べていた。すなわち、知識労働者の時代に知識は可搬性があるので、ダメな組織は、知識が逃げてゆくと表現していた。


ChatGPTが面白いところは、組織は「安定系」であり、優秀な技術者は「変化形である」と説明し、必然の衝突であると断定している点である。


人間ならば婉曲に表現するであろうところを明確に述べてくる。そのような事情もあり、ここにすべてを晒さなかったのだが、研究開発マネジメントのAI版とも呼べる回答だった。


弊社では研究開発プロセスの自動化を目指したセミナーを企画している。7月以降にはセミナー会社から募集があるので参加していただきたい。ベイズ最適化だけでなく多数の手法を誰でも使えるようになってきた。

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2026.04/17 日本の研究開発

AIの登場により、研究開発環境は急速に進歩している。例えば新技術や新商品の検索について、AIを利用した方が効率が良い。ゆえに企画段階はAIの恩恵を享受している企業が多いのではないか。


しかし、研究開発プロセスにおいて、環境が整いつつあるのに、時間とお金がかかる実験からレポート提出までのプロセス自動化が進んでいない。


この原因としてバブル崩壊前の成功体験の影響があるのではないか。当方はゴム会社で高純度SiCの半導体治工具事業を立ち上げたり、否定証明されて転覆しかかった電気粘性流体についてテストマーケティングできるレベルまで技術を押し上げた。


しかし、いずれも日本の多くの企業が当時行っていた、既存技術の改善といった保守的な方法ではなかった。前者はオブジェクト指向で技術を短時間で開発し、外部との共創により事業を立ち上げている。


後者は、否定証明された技術について、データサイエンスを駆使して一晩で証明された科学的仮説をひっくり返し、実用的なモノを創出している。


その結果、FDを壊されたり、ナイフが机の上に置かれたりしただけでなく、同僚が二人転職している。当方も写真会社へ転職したのだが、当方の二つの成功体験はいずれも当時の日本では行われていなかった手法である。

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2026.04/16 研究開発環境のイノベーション

PythonやR、AIが無料で提供され、研究開発環境の著しい変化がある。この変化に追いついていない組織は、弊社へご相談ください。


文末に書くべき内容をまず書いたのには理由がある。このような問題について多くの企業は、派手な宣伝あるいは大手コンサルティング企業に相談するのが常である。


しかし、大手コンサルティング企業で研究開発50年以上の実績のある担当者はいないはずである。さらに今マテリアルズインフォマティクスが流行だが、これを40年以上実践してきた人もいないはずである。


さらに統計手法や先端の問題解決法を駆使して研究開発を推進していたら、様々な妨害を受けた体験のある人も少ないはずだ。当方はそれで転職までしているのだが、当方の体験をChatGPTにつぶやいたところ、研究開発イノベーションのセミナーを開いたら、と提案してきた。


そこで、7月以降外部のセミナー企業に企画を提案し始めた。重要なことは、研究開発が限られた人だけの仕事ではなくなったことである。だれでも手法を覚えれば、研究報告書をかける時代になった。


それだけではない。研究開発の効率も著しく高めることが可能になった。すなわち研究開発を十分に訓練されていない素人を集めて、従来よりも短時間に成果を出すことが可能になった。限定されるが、その自動化も可能になった。すなわち、プログラムすれば報告書まで自動で出てくる時代になった。

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2026.04/15 実験環境

DXは社会に様々な変革を引き起こした。しかし、意図的に変革を受け入れなければDXが進行しない領域がある。それは実験環境である。


OAと同様にラボラトリーオートメーションが進行し、分析装置など素人でも扱えるようになった。しかし、製品開発のような総合的視点が要求される業務や、研究開発の解析業務では、昔ながらの方法が行われているのではないか。


MIはじめデータサイエンスの手法は、20年以上前は明確に非科学とされその手法の導入を否定する研究者が多かっただけでなく、手法を導入している研究者を排除する動きさえあった。


当方は様々な出来事や同僚の転職なども重なり、結局立ち上げたばかりの高純度SiC事業を置き土産として、写真会社へ転職している。


しかし、最近は解析業務にデータサイエンスの手法を導入するのが流行にもなってきて、実験環境が変わりつつある。


昔は高価だった解析ソフトウェアーが無料で利用できるようになり、また、その事例も公開されているので、AIを用いると誰でも事例を参考に高度な解析ができるようになった。


このような世の中になると、専門家として昔ながらの方法にしがみつく研究者はリストラされても仕方がないのかもしれない。新しい方法の導入で悩まれている方はご相談ください。

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2026.04/14 実験データの解析

MS-DOSの時代はLOTUS123が、そしてWindows時代には、Excelが実験データ整理の定番ソフトウェアーだった。ExcelにはVBが搭載され、自動処理も可能だった。


ところが、AIの登場でそれが見直されつつある。理由はAIで自動処理を行おうとしたときに、Excelは意外にも使い勝手が悪い。そこで弊社では、データベースソフトにExcelの表機能をつけて、これを出力可能なソフトウェアーとしてまとめたツールを開発するとともに特許出願した。


グラフ機能は無料で配布されているRを用いる。Pythonでもグラフを書くことが可能であるが、RはPythonよりも簡単にきれいなグラフが書けるだけでなく、統計解析結果も簡単に出力できる。


Rを使用したことが無くても、今やAIに質問するとスクリプトを書いてくれるので、文法を勉強するのはコードを読めるレベルまででよいのだ。


このような環境で、Excelを使用していた時より、はるかにデータ整理の効率が上がる。昔ならば、MS-DOSのバッチファイルさえもコンピューターに詳しくないから、と他人に押し付けていた人がいたが、今はAIがあるのでその言い訳は使えない。

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2026.04/13 技術者の責任

故田口玄一先生は、タグチメソッドをご指導されるにあたり、基本機能の選択とシステム設計は技術者の責任である、と常に申されていた。


システム設計はタグチメソッドで行うので、基本機能の選択は100%技術者の責任となる。田口先生には3年間直接ご指導いただき、当方が高純度SiCの技術開発で用いていた倉地メソッドの方法についてもご意見を頂いた。


このタグチメソッドもどきの倉地メソッドは、田口先生がアメリカでご活躍されているときに当方が独自に発明した方法である。


倉地メソッドは、実験計画法において外側に相関係数を配置して実験を行う方法であるが、これを発明した背景には、ゴム会社の研究所が統計手法をバカにしていた風土の影響がある。


実験計画法は、直交表を用いて行う実験手法だが、外側には直接実験データを割り付ける。田口先生はこの方法の抱える問題から、外側に誤差と信号因子を割り付ける実験法にされたのだが、当方の実験方法も同様の理由である。


田口先生は、常々タグチメソッドは実験計画法ではない、実験計画法という呼び名は統計手法の教科書に書かれている実験方法が唯一である、とも申されていた。


残念ながら実験計画法も倉地メソッドも基本機能という概念を想定していなかった。田口先生は、基本機能の研究が一番大事であり、それが技術者の本来の仕事と言われていた。

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2026.04/12 教職

ある中学校の入学式の校長挨拶が話題になっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3677b88ee490bacca0ef90612cde5341be55e913


保護者の皆さんに2点お願いします。 1. 本校の教員の勤務時間は8時15分から4時45分までです。学校への連絡は時間内にお願いします。 2. お子さんのスマホトラブルについては保護者の責任です。悪質だと思われた時には遠慮なく警察に通報してください。


という内容である。これは、今の時代に間違っていない。しかし、ため息がでた方もいるのではないか。ため息の原因は書かない。


昔、教職は聖職と言われた時代があった。それに対して日教組は教職を単なるサラリーマンよりも軽い位置づけにする運動を行って、現在に至る。


このように書くと、日教組の方に叱られるかもしれないが、昭和の時代にはそのように聞こえた。すでにこの校長のあいさつのようなことを叫んでいたのである。


しかし、当時のサラリーマンはモーレツサラリーマンの時代だったので、当時の常識からみると、日教組の主張では教職の位置づけが一般サラリーマンより軽い職業となる。


当方はセミナー会社の依頼を受けてセミナーの教師も業務として行っているが、いつも受講者の要望があれば定時過ぎても質問に対応している。それで講師料が増えるわけではないが、当方の知識を生かしていただけるならという思いで、時間を問題にせず質問に答えている。


時にはセミナー後に質問メールが来ることもあるが、丁寧に回答を書いている。これらは、教職のプロとしてのプライドからである。いかにも昭和的プライドかもしれないが—-。


教職ではないが、転職したころに総労働時間目標を1800時間にしようという運動が起きた。それから15年後、単身赴任したら半年後に量産立ち上げしなければいけない仕事が歩留まり10%前後でうろうろしていた。


解決策をわかっていたので、当時共同開発を行っていたコンパウンドメーカーに申し上げたところ、勝手にコンパウンド工場でも立てて生産せよと言われた。ゆえに仕方なく睡眠時間や休日を削り、3か月でコンパウンド工場を建て歩留まりを100%にすることができた。


これで給与が増えたわけでもなく、昇進できたわけでもない。その後の年収に影響はなかった。それでも成功させようとしたのは、職業に対する責任感からである。校長のあいさつとは別の問題かもしれないが。

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