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2024.02/26 ブリードアウトの対策

高分子材料の製品で購入してから1年以上経つとべたべたしてくるトラブルがある。昔は、塩ビ製のバッグでこのような製品が多かった。


最初は部分的にベタベタしているだけなので汚れだと思いふき取っていたら、全体がべたべたし、気持ち悪くなって捨てた、という体験は無いだろうか。


コンピューターのマウスで高級品には手触りが良いようにラバーがついていたりするが、これがべたべたしてきてホコリがつき、汚くなってドブネズミになった体験がある。


無線で玉無しで使いやすかったのだが、手触り感が悪く2年も使えなかった。ブリードアウトは高級品でも起きるのである。高分子材料には製品に求められる機能に合わせ添加剤が処方されるが、これが染み出してくる現象であり、どの高分子材料でも起きるトラブルである。


室温で液状の添加剤を大量に用いると必ず起きるので、材料設計段階で添加量の調整とSP値の検討がなされる。室温で固体でも融点が室温付近にあると起きる場合がある。


ブリードアウトの対策では、SP値の選択と量の最適化以外にブリードアウトしてもべたべたしないようにごまかす対策がとられる。マトリックスの高分子に反応させる方法もあるが、マトリックスにより制約がある。


3月に技術情報協会主催のゴムとプラスチックのトラブル対策に関するセミナーがあり、このあたりも少しお話しする。講演者割引があるので問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般 高分子

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2024.02/25 問題を解く

実務では日々問題解決を仕事としている。もし日々の実務が定型業務ばかりの人は、給与が上がらないはずである。今時定型業務だけの人に高給を支払う企業があったならすごいことだと思う。


問題解決を日々行うためには、問題を設定しなければいけない。すなわち、ドラッカーの名言「何が問題か」、「それが事業の何になるのか」日々問いながら仕事をしなければいけない。


実はこれが問題を解くよりも大変なことだと理解しているだろうか。ドラッカーは「正しい問題」を見いだせれば、問題解決の80%は解決できた、と述べている。


そのくらい正しい問題を設定することが難しいのである。正しい問題を設定したところ、自分がこの会社を辞めた方が良い、という結論になる場合もあるかもしれない。


人材の流動化が日本は乏しいので、とよく言われる。バブル崩壊後の実務書の多くは会社にしがみつくことを奨励していた。会社にしがみつき、何も問題解決しない社員が増えた会社はどうなるか、考えていただきたい。


誰もが正しい問題を探しながら実務に取り組んだ時、企業は著しく成長するだろう、とドラッカーは述べている。「誰もが」ということが難しい、とドラッカーも承知していたのだろう。


さて、正しい問題を設定し、問題を解くときに科学的に解いて答えが出ればよいが、トランスサイエンスが叫ばれる時代には、科学的に解いてみても答えを出せない時がある。そのような時、弊社のセミナーの存在を思い出していただきたい。

カテゴリー : 未分類

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2024.02/24 トヨタグループの不正の本質

一連のトヨタグループの不正に関し、第三者委員会の調査書が公開された。日経デジタルはじめ各紙にニュースで報じられているが、各紙は日本の経営の歪をその原因に挙げている。


セクショナリズムとか現場との断絶が、そこで論じられ、旧態依然とした不変の問題、というのが各紙の見解である。


しかし、時系列で見ると2014年以降に増えている点について、あまり深堀されていない。古くは1980年代からトヨタグループとして活動が始まってから不正が始まるのだが、2014年以降の増加は別の要因があるはずだ。


この時系列の問題と不正が社内で公然と行われてきても、それが大きな問題とされてこなかった点ももう少し深く考えなければいけない。


ゴム会社と写真会社の二つの会社に勤務した経験から、今回の調書に書かれた日本企業の共通した歪という見解に納得するが、それだけではない。時系列的に眺めたときにトヨタグループ特有の問題が見えてくる。


EV化の世界的潮流の中で、トヨタは内燃機関から燃料電池まで未来の自動車用動力源について全方位で開発を進めようとした時期と不正が多くなった時期とが一致している。


トヨタの戦略に対し、社内も含め十分な議論がなされていないのではないか。特に中間管理職がトップの戦略を理解し、不足する資源を提案する立場にあるはずだが、それがうまく機能していなかった可能性がある。


イノベーションが起きようとしているときにトップが明確な戦略を提示しても、ミドルが機能不全では戦略の遂行が難しいだけでなく、描かれた戦術が見せかけだけのハリボテ戦術となっていることがある。それをトップが見抜けなければ、担当者が適当に仕事を流す今回のような状態になる可能性がある。

ドラッカーは、貢献と自己実現を働く意味とした。中間管理職の立場でこれを遂行しようとしたときに悩んだ体験がある。自己の体験から組織において貢献の理解が難しく悩ましいのが中間管理職である。

カテゴリー : 一般

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2024.02/23 リスキリングを応援します。

ゴム会社で基盤技術0から高純度SiCの事業を起業し、その後写真会社へ転職してセラミックスから高分子技術者へ転身した経験を活かし、リスキリングを応援したいと思っています。


DXの進展と第3次AIブームでデータサイエンスの重要性とPythonプログラミングスキルの重要性が見えてきました。


10年ほど前に登場したマテリアルズインフォマティクスもこの両者のスキルのカテゴリ-に入ります。弊社では、土日限定コースとして、希望者にこれらのスキル向上のためのセミナーを格安で提供いたします。


セミナー内容につきましては、データサイエンス入門とPythonスキル獲得が可能な内容で、弊社独自のカリキュラム構成です。日々の実務の問題に対する視点に新たな見方が加わります。


価格はテキスト無しが1万円で、テキスト有りが2万円、セミナーの時間帯は、土日限定で10:00-16:00(途中昼休み12:00-13:00)です。


希望者の予定に合わせてセミナー日を設定できるように努力いたします。詳細は以下のフォームからお問い合わせください。なお、このコースは個人の応援を目的として設定したもので、企業で研修の教材として利用される場合は、お問い合わせからご相談ください。


    カテゴリー : 一般 学会講習会情報

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    2024.02/22 ダイハツの不正検査

    ダイハツや豊田自動織機の不祥事をトヨタの責任という論評がある。しかし、両者は一応一つの組織として活動している企業である。トヨタの責任を論ずる前に組織に隠れている問題を考察するのが最初のアクションのように思う。


    しかし、ツイッターなどのSNSに一部社員の愚痴が書かれているにもかかわらず、この問題に鋭く迫っている記事を見かけない。


    当方はゴム会社から写真会社へ転職したのだが、まずゴム会社には二つの異なる風土が存在し、さらに写真会社は、これら二つの風土とまったく異なっていたのでびっくりした。


    ゴム会社の研究所は、科学が唯一の方法という風土だったが、タイヤ開発部門はQC手法、すなわちデータ重視の現物現場主義の風土だった。


    ゆえに前者では、ダイハツのようなことが起こりうる風土で、実際に商品評価において科学的な評価で代用して済ませて社内規格を無視する輩もいた。


    当然成果はタイヤ開発部門で採用されないのだが、研究所なので成果よりも科学の研究を優先していた。タイヤ開発部門は、当方の新入社員研修の体験で書いたようにCTOが科学よりも現物現場主義を徹底する姿勢を示していたので、ダイハツのような不祥事は起こりえない風土だった。


    写真会社は多面評価の影響もあって、科学云々の前に不正そのものをやりにくい風土だった。また、貪欲に成果を求めるわけでもなく、牧歌的企業風土であり、ある意味良い会社である。


    また、ゴム会社の研究所は隠蔽体質であり、グループリーダーは自グループのテーマを囲い込み情報をグループ外に出さない秘密主義だった。


    当方が電気粘性流体の仕事のサポートをすることになっても、技術資料を一切見せてくれない徹底ぶりだった。そして、言われたことだけやれ、というのである。


    そこで、否定証明された耐久性問題を一晩でかたずけたり、傾斜機能粉体の技術をグループに提供したり、実用化のために解決しなければいけない目の前の問題を解決したら、リーダーに怒られた。


    6年も基礎研究を続けてきて実用性が見えなかった状態を事業ができる状態まで技術を向上したので褒められるのかと思ったら、FDなど壊されたりしたのである。


    写真会社は正反対で、仕事をやればやるほど周囲が仕事を持ってきてくれた。おかげで、3か月でコンパウンド工場を建てる離れ業まで楽しむチャンスが得られた。貢献と自己実現を志すには大変良い会社だったので、気がついたら20年も勤めていた。


    このように企業風土というものは仕事のやり方に大きく影響する。ゴム会社の研究所では、本部長が交代し、当方が転職した時に相次いで若い研究員が転職するような風土(注)に変わったが、成果に見合った対価が得られるタイヤ部門なら働いてみたいと思う魅力があった。


    写真会社は、不正などできる環境ではなく、貢献と自己実現には良い会社だった。ダイハツや豊田自動織機の風土を見直してはどうだろう。


    トヨタ会長は、パワハラ騒動があった時に多面評価を導入することを公表されていたが、それだけでは不十分のように思う。多面評価はパワハラなど各種ハラスメントには効果があるかもしれないが、それだけでは風見鶏的風土となる。


    企業は、ゴム会社のタイヤ部門のように常にイノベーションが湧き出てくる風土が理想である。このような会社ならば勤めてみたい、と思わせる風土がゴム会社のタイヤ部門にはあった。風土問題で困っている企業はご相談ください。


    (注)当方が転職した時に、電気粘性流体を担当していた二人の若者が次々と転職した。一人は福井大学へ転職され、当方が客員教授となるきっかけを作ってくれた。

    カテゴリー : 一般

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    2024.02/21 3月セミナーご案内

    2月末と3月上旬に下記WEBセミナーを開催します。開催時間は10時から16時で12時から13時はお昼休みとなります。セミナー時間内の質問は無料ですが、後日も含め別途2時間までご質問が必要な方のために質問2時間付5万円コースも用意しています。コンサルティング時間としてご活用いただいているお客さんもいらっしゃいます。なおテキストは電子ブック形式で配布いたします。


    1.高分子の劣化と寿命予測、トラブル対策

    開催日:228()36()315()(3日間同一内容です)

    費用:

    テキスト代込参加費用:3万円(税込)

    別途質問枠オプション付:5万円(税込)


    なお、3月にはゴムタイムズ社で、4月には技術情報協会で類似セミナーが開催されます。

    高分子の破壊に関しGriffithの理論から体系的に説明します。セラミックスの破壊研究の経験を活かした説明で、高分子の破壊について分かりやすく説明します。また、アーレニウスプロットで推定された寿命よりも短時間で量産試作段階に壊れた部品を事例に、信頼性工学や品質工学さらにはフロントローディングの手法など解説する実践的内容です。


    2.高分子の難燃化技術

    開催日:226()31()311()(3日間同一内容です)

    費用:

    テキスト代込参加費用:3万円(税込)

    別途質問枠オプション付:5万円(税込)


    ゴム会社に入社した時が開発競争が始まった時代で、それ以来セミナー講師を40年以上やってきました定番のサービスセミナーです。歴史と体系を学ぶことに注力しています。詳細はこちらをご覧ください。


    3.Pythonで学ぶタグチメソッド(プログラムサービス)

    開催日:227()35()38()312()4日間同一内容ですが、参加者の希望により内容を変更可能)

    費用:

    テキスト代込参加費用:3万円(税込)

    別途質問枠オプション付:5万円(税込)


    Pythonの簡単な説明も行いますが、受講者の希望により、説明時間を増減可能です。タグチメソッドにつきましては、SN比計算プログラムを配布しますので面倒な計算の理解に必要な負担を軽減できます。メソッドとその思想を理解することに注力したセミナーです。


    4.パーコレーションで学ぶPython(プログラムサービス)

    開催日:229()37()314()3日間同一内容)

    費用:

    テキスト代込参加費用:3万円(税込)

    別途質問枠オプション付:5万円(税込)


    シミュレーションをどのように開発業務に活用したのか、実際の開発事例で説明します。すなわち単なるPython入門ではなく、Pythonを身に着ける動機づけも目指しています。開発事例は2例あり、いずれもトランスサイエンスの事例。一つは否定証明をシミュレーションでひっくり返し、日本化学工業協会から賞を頂いた事例で、他の一つはフローリーハギンズ理論をひっくり返す技術をシミュレーションで確認した事例です。手軽にプログラミングできるPythonのマルチパラダイムの世界を実感していただきます。詳細はこちらをご覧ください。


    5.科学で解決できない問題を解くトランスサイエンス時代の問題解決法

    開催日:3月13日(水)

    費用:

    テキスト代込参加費用:3万円(税込)

    別途質問枠オプション付:5万円(税込)

    日曜日を希望されますと、本セミナーに関しては特別サービスがございます。お問い合わせください。


    受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。

    送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。


      カテゴリー : 一般

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      2024.02/20 問題を解く前に

      問題を解くためには、まず正しい問題が設定されねばならない。これをよく理解できていない人が多い。目の前に見えている問題について、鬼の首を取ったように解説している人がよくいる。


      それが正しい問題ならば、尊敬もされるだろうが、正しくない問題について解説されても迷惑な話となるだけでなく、それを聞いているのは時間の無駄にもなる。


      ドラッカーは、正しい問題設定がなされたならば、それでまず問題の80%は解決できたといえる、と著書の中で述べている。これは名言かつ至言である。


      正しい問題が設定されたら、次にどうするのか。いきなり、解き始めてはいけない。まず、その問題をよく理解するように努めなければいけない。


      「電気粘性流体を封入できる、加硫剤も添加剤も入っていない実用的なゴムを開発せよ。」と本部長が交代した時に命じられた。住友金属工業とのJVが前本部長の時に立ち上がり、一人で半導体用治工具に使う高純度SiCの事業化を担当していた時である。


      命じられた問題が正しいのかどうか考えた。「電気粘性流体の耐久性問題を界面活性剤で解くことができない。」という科学的に完璧な否定証明がなされて出てきたテーマだった。


      トランスサイエンスが雑誌サイエンスに登場してから数年たっていた。イムレラカトシュの否定証明に関する論文が話題になっていた時である。


      まともな科学者ならば、このような科学の潮流に敏感になるべきである。欧米では話題になっても、科学が唯一の哲学と信じる科学者が多い日本では、2007年になってようやく話題となっている。


      当方は否定証明の誇らしげなプレゼンテーションのメモを見直し、データサイエンスにより一晩でこの否定証明をひっくり返した。


      当方の見出した界面活性剤を添加した電気粘性流体は、汎用ゴムで封入することができた。耐久性も問題なく、さらに当方の開発した傾斜組成の粉体で性能は安定した。


      ドラッカーが言っていたように、正しく問題を設定することが大切である。電気粘性流体の耐久性問題は、科学的に正しくてもそこから導かれた間違った問題が存在する良い事例(実話)である。


      ドラッカーは、「しばしば優秀な人が成果を出せないのは、間違った問題を正しく解いているからだ。間違った問題の正しい答えほど害があり迷惑なものはない。」とも述べていた。


      3月に問題解決法のセミナーを開催します。弊社へお問い合わせください。科学から非科学まで技術開発で活用できる問題解決法を解説いたします。企業研修用の教材も用意できます。

      カテゴリー : 一般

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      2024.02/19 高分子の熱分析

      高分子材料の分析手法として熱分析は簡便に高分子材料の問題を知ることができるので重要なスキルである。これが身についているかどうかで高分子のプロセシング技術やトラブル対策で差が出てくる。


      DSCやTGA,TMAは3種の神器として揃えておきたい。1台300万円前後であり、今時の大衆車1台分の価格より少し高い程度である。3種揃えると割引のある会社の装置を購入すると良い。


      1960年代に盛んに研究され、1970年代に普及が始まり、真空理工(現在は社名が変わっている)などのベンチャー企業が登場している。


      1990年代になり、ほぼ普及が一巡したところで事業を辞めるところも出てきた。真空理工は2005年には名前が変わっておりびっくりした。それでも真空理工の技術が好きで、特殊TMAを発注している。


      既製品の熱分析装置はもう事業になりそうもないということで、すべてが特注品となっていた。特注品なので高価でデザインも悪いのだが、使いやすいのである。


      某社の熱分析装置は、デザインが良いのだが、不調になった時に自分で修理ができない問題がある。真空理工の装置はよく考えられていて故障が少ない。故障しても自分で修理できる可能性が高い。


      学位論文には、真空理工と共同開発した2000℃まで昇温するのに1分もかからない超高速熱天秤を使ったSiCの反応速度論について1章書かれている。


      熱分析は、ゴム会社に入社した時の分析グループの主任研究員が詳しかったので配属された時に興味を持った。よく知っている人に最初に指導を受けるとツボを心得た内容を教えていただける。弊社のセミナーでもツボの2つ3つを必ず話題にしている。

      カテゴリー : 一般 高分子

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      2024.02/18 Pythonを学ぶには

      プログラミングを学ぶ効率の良い方法は、その言語の特徴を備えたコードを理解するところから始めることだと思っています。まったく初めてでも最初にゲームのルール程度の内容を覚え、それを基にプログラムコードを読みますと、簡単なプログラムならすぐにコーディングできるようになります。


      60歳以上の受講者でもPythonをこのように習得した人がいますので、是非弊社のセミナーを受講していただき、簡単にPythonを習得できる実感を感じていただきたく。


      弊社では、コロナウィルスの感染シミュレーションで注目されたクラスター理論を難解な数式ではなく、立方体の中に感染者を充填してゆく過程でシミュレーションいたします。


      すなわちパーコレーション転移現象を難解な数式ではなく、コンピューターの中で導電性粒子の充填過程を実行させ、シミュレートします。直感的で数学が不得意でも理解しやすいシミュレーション方法です。


      このモデルのプログラムをPythonで記述したプログラム、それもクラスやメソッドなどが適宜使われ、オブジェクト指向もコードを読み解くことで身につく、という学習方法です。


      2月21日に開講予定ですが、それ以外につきましてもリクエストに応えますのでお問い合わせください。土日も大丈夫です。

      カテゴリー : 一般

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      2024.02/17 トヨタグループの不正

      ダイハツや豊田自動織機で起きたトヨタグループの不正に対して、日本製鉄などの経営者が現場力の低下を指摘している。すなわち、かつての日本のような現場力が無くなった、というのである。


      その原因として若い人がすぐにやめる問題を指摘し、徹底した標準化でITを利用してゆかないと現場が回らない、と述べている。ただし、トヨタグループの不正について公開された情報を読む限り、現場力の低下だけでは説明のつかない不正が起きている。


      すなわち、テスト評価を行うのに決められたソフトを使わず他のソフトを使ったり、他の試験法で手を抜いたりしているのだ。これは力量が落ちたというよりも「合理化」の知恵を使っている、とみるべきだろう。


      当方から見ると、科学の知識を使って同等の成果をあげようとした不正ではないかと捉えている。評価に失敗したりしてデータを捏造するのではなく、等価と思われる他の試験を巧妙に使い時間短縮を行っていた。


      その結果、正規のテストを行うよりも短時間で信頼性のあるものを市場に出していた。ネットには正規の試験に合格した商品よりも安全性の高い商品ができていた、などという報告が流れている。


      どのような目的でこのような情報を流しているのか知らないが、この情報を流した人は、不正の本質をご存知ないだろう。決められたテストを決められた通り実行しなければ信頼性を確保できないというロジックを科学にかぶれた人の中には軽蔑する人もいる。

      カテゴリー : 未分類

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